問題児たちが異世界から来るそうですよ?―振り回される問題児―   作:gjb

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第百一話

開始が宣言された瞬間、紫炎のいたところで爆発が起こった

 

「先に行かせてもらうぜ」

 

紫炎は自分の足に炎を纏わせて爆発を起こして進む

 

「親子揃って無茶苦茶だな」

 

碓氷はそうつぶやきながらも空気中の水分を氷の足場に変え、楽々と進んでいる

 

「碓氷君も大概ね」

 

飛鳥はそう言うが、紫炎は既に他の参加者から見えない場所まで進んでいるが、碓氷は少し先にいるくらいである

 

「お、碓氷も参加してるのか」

 

すると後ろから知り合いの声が聞こえてきた

 

「クリスにアーシャさん。あなた達も参加してたんですね」

 

そこには火の玉に乗ったクリスがいた

 

もちろん、アーシャをお姫様抱っこして

 

「ああ。アーシャにどうしてもって誘われてな」

 

クリスは何でもない風に言うが、アーシャは顔を真っ赤にしている

 

「それにしても二人だけか?紫炎や十六夜は?」

 

クリスの言葉に碓氷と飛鳥が疑問を抱く

 

「なあ、クリス。これが何のゲームか知ってるのか?」

 

「え?温泉街のペアチケットだろ?」

 

その言葉を聞いて二人はやっぱりかという感じになる

 

「どうした?」

 

「いや、なんでもない。紫炎は大分先にいるよ」

 

碓氷がそう言うと、アナウンスが聞こえてきた

 

『おーっと。早くも最初の選手がゴールに到着しました。一位のペアは赤羽紫炎・春日部耀選手だ!』

 

「もうか。それじゃあ、俺もゆっくり行くのやめにするか。クリス、お先に」

 

碓氷はそう言うと、ギフトカードを出し、水を龍の形にし、その上に乗って猛スピードでゴールに向かった

 

「はや・・・」

 

アーシャはそのスピードにただただ呆然と見ているだけだった

 

「まあ、このスピードを維持すりゃあ三位は確実か」

 

クリスはそうぼやきながらマイペースに進んでいった

 

―――――――――――――――――――――――

 

結果、最初のゲームでは一位紫炎・耀ペア、二位碓氷・飛鳥ペア、三位クリス・アーシャペアであった

 

「次がどんなのか分からんが、この様子じゃあ、楽勝だな」

 

「うん」

 

ぶっちぎりの一位でゴールした二人がお姫様抱っこをしたままいう

 

「一応、巻き込まれないように俺がセーブしたからあんなにぶっちぎりだっただけで、本気を出せば接戦だったと思うぞ」

 

「春日部さん、紫炎君。いい加減やめなさいよ」

 

二位だった碓氷と飛鳥が各々二人に言いたいことを言う

 

「はあー。やる気でねー」

 

「な、別にいいじゃんか!着たいんだよ、ウェディングドレス!」

 

クリスはゴールした後、このゲームがウェディング体験をするためのものだと聞き、やる気をなくしていた

 

一方、アーシャはそんなクリスに激をとばす

 

『さあ、それでは本選のルールを説明します。本選では順位に応じて四組ごとに分かれてもらいます。そしてそこの残った一組がウェディング体験を獲得できます』

 

そうして、十二組を三つに分けたのが以下のとおりである

 

 

第一グループ

一位・六位・七位・十二位

 

第二グループ

二位・五位・八位・十一位

 

第三グループ

三位・四位・九位・十位

 

 

三グループに分かれて円形の闘技場に連れてこられた

 

『それではルールの説明です。簡単に言ってしまえば闘技場の外に相手を押し出して最後に残った一人が勝利です。但し、ペアで片手・片足を繋いだ状態で戦っていただきます。余程呼吸が合っていないと動くことすら難しいでしょう。もちろん殺しはご法度です』

 

アナウンスが終わると、それぞれのペアに二本のひも状のものを渡される

 

そしてそれぞれペア同士、片手・片足をその紐でつなぐ

 

「ん。結構動きにくいね」

 

「ああ。けど頑張って勝って耀のウェディングドレスを見たいな」

 

「私も紫炎のタキシード見てみたいな」

 

紫炎と耀は二人だけの世界に入って褒めあう

 

「う、ん。やっぱり動きにくいわね」

 

「ああ。でも頑張って勝ってウェディング体験しような」

 

「うん。ウェディングドレスを着てみたいわ」

 

碓氷と飛鳥もやる気満々である

 

「はあー。やる気は出ないが、わざと負けるのは癪に障るし頑張るか」

 

「お、おう。頑張ろうな」

 

クリスとアーシャもやる気を出す

 

『皆さん準備ができたようですね。それでは始めてください!』

 

 


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