問題児たちが異世界から来るそうですよ?―振り回される問題児―   作:gjb

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第百五話

紫炎達はクリスたちと別れて本拠に戻っている

 

その最中、耀と飛鳥の二人は大事そうに撮った写真を持っていた

 

「えへへ~」

 

「うふふ」

 

二人はそれぞれ自分の彼氏の腕に抱きついている

 

「四人とも今帰りか?」

 

すると、買い物帰りのレティシアが後ろから声をかける

 

飛鳥と碓氷は慌てて離れる

 

「レティシアか。買い物袋一つ持つわ」

 

紫炎はそういうと、左手に耀を抱きつかせてまま右手でレティシアの持っていた

 

「お前達。人前では少しは控えろ」

 

「「無理」」

 

レティシアの言葉に二人は即答する

 

(気づかれてないかな?)

 

碓氷はレティシアの反応を見て先ほどの場面は見られていないのか、と思う

 

「まったく。少しは飛鳥と碓氷を見習え。私が声をかけた瞬間、腕組みを止めたではないか」

 

レティシアが二人を指さしてそう言うと、飛鳥と碓氷は顔を赤くする

 

「分かった。出来たらそうする」

 

耀はそう言うと、さらに紫炎に抱きつく

 

その様子を見てレティシアはため息をつく

 

「もういい。とりあえずそれは調味料だから、着いたら片しておいてくれ」

 

「あいよ」

 

レティシアはそう言うと、本拠まで飛んで行った

 

「それじゃあこれ片してからな」

 

「うん。早く行こ」

 

紫炎の言葉に耀は頬にキスする

 

そして二人は本拠に戻って行った

 

「相変わらずだね。あの二人」

 

「ええ。少しは周りを見てほしいけど・・・」

 

碓氷の言葉に飛鳥は途中で言葉を止めて碓氷の手を握る

 

「私たちも、少しは見習って進みたいわね」

 

飛鳥はそう言って碓氷の手をぎゅっと握る

 

「そう思ってるのは私だけ?」

 

飛鳥はそういうと、碓氷の方に向く

 

「・・・いや。俺もだよ」

 

碓氷はそう言うと、飛鳥を抱き寄せる

 

「う・・・ん。嬉しい」

 

飛鳥も碓氷の胸にうずくまる

 

数分そうしたあと、飛鳥は名残惜しそうに離れる

 

「それじゃあ、行きましょうか。遅くなると、黒ウサギもうるさいし」

 

「ええ。それと飛鳥」

 

「え・・・」

 

碓氷の言葉に飛鳥が振り返ると、碓氷は飛鳥の額にキスをする

 

「今はこれくらいで許してくれるか?」

 

碓氷がそう言うと、飛鳥の顔はみるみる赤くなっていく

 

「あ・・・う・・・。ありがとう」

 

「僕たちは僕たちのペースで歩いていきたいですね」

 

碓氷はそう言うと、飛鳥の手を握る

 

「けど、少し早歩きでもいいかなって思う僕もいるんですよ」

 

碓氷が笑顔で言うと、飛鳥は体を寄せる

 

「私も。だから隠すのはもうやめようと思うの」

 

「そう、ですね。まあ、知らないのは黒ウサギさんだけですけど」

 

碓氷の言葉に飛鳥はそうね、と言って苦笑する

 

そして二人はそのまま本拠の方に歩いていくと、黒ウサギが周りを見渡していた

 

「あ、良かったのです。飛鳥さん、碓氷さん。一緒のギフトゲームに出ていた耀さんと赤羽さんが帰ってきたのにお二人が帰ってこないのが心配で心配で」

 

「すこし寄り道をしていただけよ」

 

黒ウサギの言葉に飛鳥が答える

 

すると、黒ウサギは二人が手を繋いでいるのに気付く

 

「おや~。お二人とも今日一日で仲良くなりましたね」

 

黒ウサギが冷やかすように会二人に言う

 

すると、飛鳥は碓氷の腕に抱きつく

 

「それはそうよ。私と碓氷君は付き合ってるんだから」

 

「へ~。そうなんですか。・・・って、えええぇぇぇえええ!?」

 

突然のカミングアウトに黒ウサギの絶叫が響き渡った


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