問題児たちが異世界から来るそうですよ?―振り回される問題児―   作:gjb

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続きが思い浮かばなかったから番外編を書きました
蛟魔王はそのまま階層支配者で、白夜叉も東側の支店にいる設定です


番外編
バレンタイン①


二月七日―――――

 

紫炎と耀はペリパット通りをいつも以上にくっ付いて歩いていた

 

「あと一週間だけど、どんなのが欲しい?」

 

すると、耀が突然そんなことを言う

 

「耀がくれるなら何でもいいぜ」

 

紫炎は何のことかすぐわかり、そう答える

 

「うーん。じゃあやっぱりあれかな?」

 

耀がそう言うと、紫炎は嫌な予感にかられる

 

「なあ、耀。一体・・・」

 

「あ~、テステス」

 

紫炎が聞こうとすると、マイクを通して声が聞こえてきた

 

「私はサウザウンドアイズの白夜叉だ」

 

白夜叉の声が聞こえ、周囲がざわつく

 

「皆のもの、一週間後にバレンタインデーがあるのは知っているな。なのでそれにちなんだゲームをしようと思っている」

 

白夜叉がそう言った瞬間、耀の手にギアスロールが現れた

 

「女性の手元にギアスロールが現れただろう?それが投票権の代わりだ。サウザンドアイズの支店にチョコをあげたい人物の名前を書いて出してくれればいい。期限は来週のバレンタインデー前日だ」

 

そういってマイクの音が途切れた

 

「それじゃあ、早速書いて出しに行こうか」

 

耀がそういって紫炎の腕を引っ張ろうとする

 

しかし、紫炎は動かずに耀を抱き寄せる

 

「なあ、一体誰に入れるつもり?」

 

「もちろん紫炎だよ」

 

耀がそういって紫炎にキスをする

 

「そうか。それなら出すのは後でいいよな。今日はもう帰ろうぜ」

 

紫炎が耀の耳元で囁くと耀は頬を赤くして頷く

 

「紫炎の部屋でいいよね」

 

「そうだな」

 

昼でも寒い冬の帰り道を二人は肩を合わせて歩いて行った

 

―――――――――――――――――――――――

 

飛鳥と碓氷は六本傷のカフェで白夜叉の言葉を聞いていた

 

「白夜叉って暇なのかしら?」

 

「だろうな。階層支配者の仕事は蛟魔王に丸投げらしいからな。この前逢った時に嘆いてたからな」

 

碓氷がそういって遠い目をする

 

「ところで碓氷君。来週なんだけど、どんなのが欲しい?」

 

飛鳥の言葉に碓氷は一瞬だけ迷ったが、すぐに言葉を発した

 

「手作りが一番うれしいかな」

 

「そう。手作りね。手作り」

 

碓氷の言葉に飛鳥は手作りという言葉を繰り返す

 

「あ、無理なら・・・」

 

「いえ、やるわ」

 

碓氷が言おうとすると、飛鳥はむきになって返す

 

「絶対に碓氷君においしいって言わせるから」

 

飛鳥が碓氷に向かってそう宣言すると、碓氷は笑いながら話す

 

「期待してるよ。ところでチョコの作り方ってわかるのか?」

 

碓氷がそう言った瞬間、飛鳥は碓氷から目を逸らす

 

「今から材料を買いに行って教えるよ」

 

「ありがとう碓氷君」

 

そういって二人は恋人つなぎで店から出た

 

―――――――――――――――――――

 

夕食の時間、紫炎と耀はすでに風呂に入っていた

 

「ふー、いい湯だった」

 

「ねー」

 

そういって二人は互いに食事を相手の口に運ぶ

 

「お二人とも。仲がいいのは分かりますが、少しはコミュニティの手伝いをしてください。今日もお昼に帰って来てからお風呂に入るまで部屋に閉じこもっていましたし」

 

黒ウサギが涙目で言うと、レティシアが口を開いた

 

「皆、突然ですまないが来週の14日は私用で1日空けさせてもらう」

 

「別に許可をとるほどの事じゃないだろ。俺と耀もその日1日自由に過ごすつもりだし」

 

レティシアの言葉に紫炎がそう答えると、黒ウサギは冷めた目で紫炎を見ていた

 

「そう言えば十六夜はどこに行ったんでしょう?朝にはいたはずですが・・・」

 

「十六夜さんなら白夜叉様に呼ばれたらしいです。明日にはかえってくるって言ってました」

 

碓氷の言葉に黒ウサギがそう答えると、紫炎は席を立った

 

「飯も食い終わったから女子陣が出たら教えに来てくれ」

 

そういって紫炎は自室に戻って行った

 

「それじゃあ、僕も自分の部屋にいますので」

 

碓氷も紫炎に続くように食堂を後にする

 

「それじゃあ私たちはお風呂に行きましょうか」

 

「うん」

 

「YES!」

 

そうして3人も食堂を出た


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