問題児たちが異世界から来るそうですよ?―振り回される問題児―   作:gjb

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第十六話

次の日―――

 

俺が目を覚ますと黒ウサギと飛鳥の雰囲気がなにか険悪だった

 

「なぁ、耀。昨日何があったんだ?」

 

「私も聞いただけなんだけど・・・」

 

聞くと、元仲間の為に黒ウサギが自分の身を犠牲にしようとしたため、そのことで飛鳥と喧嘩をしたらしい

 

「なるほどね」

 

「私たちにできることがあればいいんだけど・・・」

 

「やれるとしたらペルセウスのコミュニティにどうやってゲームをするかだな」

 

二人が話していると

 

「あ、あの・・・」

 

「ん?リリか。どうした?」

 

狐耳の少女・リリがはなしかけてきた

 

「あの二人は何で喧嘩してるんですか?」

 

「いや、そういうわけじゃ・・・」

 

「私たちにできることはないでしょうか?」

 

この言葉に二人は少し心が温かくなる

 

「その気持ちだけで大丈夫だ。」

 

「そうだよ。ありがとう、リリ」

 

「それでも何かしたいんです」

 

「それならお菓子でも焼いて持っててあげな。心が籠ったものを無碍にする奴じゃないしな」

 

紫炎がそういうとどこかに歩き出した

 

「どこに行くの?」

 

「ちょっとコミュニティ内をぐるっと回ってみようかなってな。」

 

「そんな悠長なことしてられる時間はない。」

 

耀が怒った顔でこちらを睨む。

 

「十六夜を探してみようと思ってな。俺らの中じゃ一番頭が切れるからな。だから今日はコミュニティ内を探してみようと思ってな。」

 

「今日は?」

 

「なんか今日中に見つかる気がしなくてな。」

 

「あー」

 

耀が納得したように頷く

 

そして紫炎が館へと歩き出した

 

―――――――――――――

 

「ジン、ちょっといいか?」

 

「はい、なんでしょう?」

 

紫炎が図書館でジンを見つけた後、廊下に引きずりながら聞いた

 

「なんか武器ないか?」

 

「それなら工房にありますけど・・・」

 

「よし行くか。」

 

「その前に、何故、今武器を?」

 

ジンの問いに紫炎がさも当たり前のように答える

 

「ペルセウスとの戦いが近いからだよ」

 

「聞いてないんですか!?ペルセウスはギフトゲームを取りやめたんですよ。それで」

 

「黒ウサギとの交換条件は知ってる。だが、話し合いの場には白夜叉が居たんだ。十六夜が居ないのは何か吹き込まれたからにちがいない。」

 

紫炎がそこまでいうとジンがはっとする

 

「ということだ。ほれ、早く工房に案内してくれ」

 

「分かりましたから、引きずらないで下さい。自分で歩きます。」

 

そうしてジンを離して工房まで案内してもらった

 

 


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