問題児たちが異世界から来るそうですよ?―振り回される問題児― 作:gjb
一週間後の二月十四日、箱庭各所に白夜叉の声が響き渡った
「わっははは!皆のもの、先週から投票されたモノの集計が終わった。その結果を黒ウサギに発表してもらおう!!」
終始ハイテンションの白夜叉が扇子で黒ウサギの方を指す
そこにはひざ上まで伸びたセーターを着た黒ウサギがいた
「し、白夜叉様。や、やはりこのような格好は箱庭の貴族として威厳に関わります。せめていつもの格好に・・・」
「それでも十分エロいけどね」
紫龍が横で言うと、黒ウサギのハリセンがクリーンヒットする
そして女性店員が紫龍をスクリーンに映らない場所に移動させる
「変態」
そしてボソッと紫龍にそう言い放った
「黒ウサギ、もう中継は始まっとる。いい加減覚悟を決めんか」
「うぅ~。わかりました」
白夜叉の言葉に黒ウサギは観念したようだ
「それでは十位から発表します」
黒ウサギは自暴自棄になりながらも仕事に徹した
――――――――――――――
「黒ウサギも大変ね」
「そうだな」
街でその様子を見ていた飛鳥と碓氷が呆れながら呟く
「それにしても急にどうしたの?付いて来て欲しいって言う割には場所も教えてくれないし」
飛鳥が不思議そうに聞く
いつもならどこに行くか伝え、付いてくるかどうか律儀に聞いてくるのに今日は手を引いて強引に連れてこられた
「ちょっとここに頼んでたのを取りに来たんだ」
そういって碓氷が入って行ったのは・・・
「宝石店?」
「そ。すいません。頼んでたもの届いてますか?」
「青川様ですね。届いていますよ。少々お待ちくださいね」
店員はそういうと、店の奥に消えて行った
その時に飛鳥に微笑んだように見えた
「ねえ、碓氷君。何を頼んだの?」
「来てからのお楽しみで」
飛鳥の言葉に碓氷はいたずらっ子ぽく微笑む
飛鳥が疑問に思っていると、店員が出てきた
「お待たせしました、青川様」
「ありがとうございます」
二人はお代を払うと店の外に出た
「ねえ、それ何?」
飛鳥はさっき買った碓氷の手にある小さな箱を指さして聞く
「飛鳥へのプレゼントだよ」
「私に?」
碓氷の言葉に飛鳥が不審がる
今日はバレンタインであって誕生日でも記念日でもないからだ
「紫炎のいた世界の海外では男性が女性にプレゼントを渡す日らしいんだ。だから紫炎と話し合って自分の彼女にそれぞれ渡すってことになったんだ」
碓氷がそう言うと、飛鳥は顔を少し赤らめる
「そ、それじゃあ、あけていい?」
「どうぞ」
飛鳥は碓氷の言葉を聞いて箱を開けた
そこには小さなダイヤが付いた指輪が入っていた
「つけてみてくれないか?」
喜びのあまり固まっていた飛鳥に碓氷が声をかける
その声によって現実に戻された飛鳥はつけやすい自分の右手の人差し指につけようとする
「違います。こっちですよ」
碓氷はそう言うと飛鳥が持っていた指輪を自分でもって飛鳥の左手の薬指に付けた
「こ、これって」
「ええ。ちょっと早いかもしれないけど、これが僕の気持ちです」
碓氷が微笑みながら言うと、碓氷の胸に飛び込んだ
「うれしい。ありがとう」
飛鳥の行動に碓氷も抱きしめ返す
すると周りから拍手が起こった
「えっと・・・」
「い、行きましょ」
碓氷が困惑していると、飛鳥は恥ずかしさのあまり碓氷の手を引いてその場から離れた
順位の方は次の話に回します
ちなみにランキングに入っているのは現在登場しているキャラのみです