問題児たちが異世界から来るそうですよ?―振り回される問題児―   作:gjb

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第二十三話

ギフトゲームが終わり本拠に帰って晩飯を食べていた

 

「そういえば紫炎。晩飯食べてるけどゲームには勝ったのか?」

 

十六夜が意地悪く聞いてくる

 

「ゲームには勝ったようよ」

 

飛鳥も同じように見てくる

 

「確かにミスリードに引っかかりかけたがそれが元でとけたんだぞ。なぁ耀。」

 

「あ。う、うん」

 

耀が気まずそうに答える

 

(今回のゲームの謎解きは殆ど紫炎のおかげなのに)

 

自分が授賞式の事を隠したい一心で紫炎の事を見たときに咄嗟についてくれた嘘がここまで長く続くとは思ってなかったのだろう

 

「そういうお前らこそ戦果はどうなんだよ?」

 

「なめんじゃねーぞ。」

 

そういって十六夜が出したのはたくさんの野菜

 

「俺はこれだけだぜ。」

 

これだけというがかなりの量のものだった

 

「私は十六夜君より少ないけど・・・」

 

飛鳥は肉を十数キロ出した

 

「いっておくがこれは午後の戦果だ。つまり今日一番戦果が少ないのはお前だぞ、紫炎」

 

言葉が出ない

 

「明日から頑張って起きてみようかなぁ」

 

いやでもいままで何しても(春日部に辞書を落される以外)昼までずっと寝てるしな

 

何より気分が乗らない。そんなのでゲームをしたとこで勝てる確率は格段に下がる

 

「まぁいいや。十六夜、明日この引換券をサウザンドアイズに行って引き換えてくれ」

 

「自分で行ってくればいいだろうが」

 

「五十キロを軽々持てるのはお前くらいだろ」

 

俺も無理すれば持てるがその日一日使い物にならないだろう

 

「そういえばあなた達、その指輪は?」

 

飛鳥が俺と耀がつけている指輪に気づく

 

「優勝した時貰ったギフト」

 

耀が短く答えると、

 

「そんならどういうギフトなんや」

 

「よくは知らないぞ」

 

俺は疑問に答えてやる

 

すると飛鳥が

 

「何がよく知らないのよ。さっき春日部さんが言ったじゃない」

 

「その後どんなギフトか聞いただろ?」

 

十六夜と飛鳥が首を横に振る

 

すると耀が

 

「さっき三毛猫が言ったんだけど・・・」

 

「お嬢、こいつはわしの声は聞こえません。適当に答えただけでっしゃっろ」

 

「誰が適当だ、猫の分際で」

 

全員が驚愕の表情をする

 

「あなたいつから猫の声がわかるようになったの?」

 

「俺が聞きたいぜ」

 

「まさかこの指輪で?」

 

「そうじゃないか?動物と話せるようになるギフトってとこか?」

 

「それじゃあ私、意味がない」

 

(いや、あの主催者が行ってたのを整理すると)

 

「おい、耀。フォーク持ってスプーンに変われって思ってみ」

 

「?わかった」

 

何かわからないといった表情だが一応言われたとおりにしてみるとフォークがスプーンに変わった

 

「「!?」」

 

飛鳥と耀は驚いたが十六夜はなるほどといった表情だった

 

「指輪をつけている者同士のギフトの共有といったところか?」

 

「完全じゃないと思うがな。俺は動物と喋れるだけ、耀は霊格ゼロのものにだけ作用するといったものだと推測してんだが」

 

「それじゃあ何でその推測に到達したんだ?」

 

十六夜の言葉に紫炎がばつが悪そうな顔になる

 

「もしかしたらと思っただけだ」

 

苦しい言い訳でかわそうとする紫炎

 

「・・・。まぁそういうことにしといてやるぜ」

 

十六夜は簡単に諦めたが、

 

「あら、私は是が非でも教えてほしいわ」

 

飛鳥が逃がさない

 

なので飯を急いで食べて、

 

「さらばだ」

 

逃げるとしよう

 

「逃がさないわよ。手伝って十六夜君、春日部さん」

 

「話したくないなら別にいいじゃないか」

 

「私もちょっと・・・」

 

二人の協力が得られなかったので飛鳥は

 

「ジンくん、黒ウサギ、行くわよ」

 

「えっ?」

 

「私たちですか?」

 

ジンと黒ウサギを引っ張って追ってきた

 

――――――――――――――――――

 

「あ~つかれた」

 

飛鳥たちの追走を逃れた紫炎は風呂に入っていた

 

「大丈夫ですか?紫炎さん」

 

「ほっとけ御チビ。素直にしゃべらない紫炎が悪い。」

 

「なんで全部話さなきゃならないんだ」

 

「別にそうは言ってない。だが、諦めが悪いやつにはさっさと喋った方が身の為ってことだ」

 

十六夜の言う通りなのですぐに押し黙る紫炎

 

「しかしなんでそんなに嫌がるんだ?」

 

「それは、な」

 

「やめましょう、十六夜さん。親しき仲にも礼儀ありです」

 

ジンが見かねて助け船を出す

 

「ちっ。しゃあねーな」

 

一応ジンをリーダーとみてるようなのでそれ以上は追及してこないようだ

 

「ありがとうな、ジン。」

 

「いえ、先ほどのお詫びです」

 

たしかに飛鳥に引っ張られた間何にもしてなかったしな

 

「じゃあ俺は先に上がるぜ。御チビ、ちゃんと後で図書館に来いよ」

 

「あ、はい」

 

「勉強熱心だね~」

 

「あ、紫炎。ちゃんと春日部に礼言っとけよ。何か知ってるようだったけど俺が聞いても何にも喋んなかったんだから」

 

「・・・諦めてなかったのかよ」

 

「大丈夫だ。俺も春日部が関わってるならそんなに聞かないさ」

 

その言葉を聞き、紫炎は風呂に勢いよく顔を突っ込んだ

 

それを見てニヤニヤしながら十六夜が出て行った

 

「あの~紫炎さん。何があったんですか?」

 

「ばんべぼばび(なんでもない)」

 

「それじゃあ先に上がってますね」

 

「ぼう(おう)」

 

ジンも上がり、紫炎も顔の火照りがさめてから風呂から上がった


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