問題児たちが異世界から来るそうですよ?―振り回される問題児― 作:gjb
ゲーム開始から十時間後、ヴェーザー河が描かれたステンドグラス以外を砕き、残ったグラスを掲げ、ゲームが終了した
その二日後、活気を取り戻した街で祝勝会が開かれていた
その頃、紫炎は意識を取り戻した耀の病室で一緒に食事をしていた
「おいしいね、この料理」
「あ、ああ」
大量に持ってきたはずの料理が次々と消えて行った
しかし、耀はがっついて食べているわけではなく、ただ動かす手が早いだけである
「しかし、よく食べるな」
「だって、黒死病の時、全然食べれなかったんだもの」
少し、顔を赤く染めた耀だったが、食べる手は止まらない
「まあ、元気になってよかったぜ」
残る食事に手を伸ばそうとする紫炎
「・・・ありがとう」
「え?」
「なんでもない」
耀の顔がさらに赤くなり、食べるスピードがさらに速くなる
「よく聞こえなかったんだが・・・」
「にゃー≪お嬢を困らせるんやない≫」
「いたたた、ひっかくな。三毛猫」
「こら、三毛猫」
耀が叱ると渋々離れる三毛猫
「ったく、俺が何したっていうんだ」
そういって食事をとろうとする紫炎
すると、耀がこちらを見て
「ごちそう様」
「?」
何のことか良く分からなかったがすぐに原因が分かった
「全部おいしかった」
「おい、俺の分もあったんだぞ」
「そうなんだ」
悪びれずに言う耀
「しょうがない、喧騒は苦手なんだが・・・」
もう一度食事を取りに行こうとすると不意に耀に手を掴まれた
「どうした?まだなんかたべるのか?」
「え?いや、そういうんじゃないけど・・・」
紫炎が疑問に思ってると突然扉が開いた
「邪魔するぜ」
「ああ、十六夜か。話は終わったのか?」
「おう、それで俺は本当にお邪魔だったか?」
十六夜が繋がれた手を見ながら言ってきた
そういわれて耀が慌てて手を放す
「いや、俺は飯を取りに行こうとしたんだが…」
「ほーう」
十六夜が耀を見ると顔を逸らす
「耀?」
「紫炎。俺が飯とって来てやるから春日部のそばについていてやんな」
そういうと十六夜が有無を言わせず扉を閉じて出て行った
(なんなんだ?)
紫炎が困惑していると
「紫炎」
「ん?なんだ耀?」
「十六夜が帰ってくるまでもうちょっと話しよ」
「いいけど、疲れてないか?」
「うん。大丈夫」
「わかった。ただ、疲れたら無理すんなよ」
「わかってる」
そうして十六夜が帰ってくるまでの間、二人は歓談に耽った
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魔王のゲームから一週間後、ノーネームに帰ってきた問題児たちは年長組達と農場跡地に来ていた
飛鳥が地精であるメルンと呼ばれる小さい精霊ならこの畑を戻せるかもしれないといったからだ
「むり!」
しかし、一目見ただけでこの反応
「・・・無理?」
「むり!」
飛鳥が聞きなおしても答えは同じ
すると、飛鳥は申し訳なさそうに皆に頭を下げた
「ごめんなさい。期待させるようなこと言って」
「き、気にしないでください。また機会がありますよ」
「そうだよ、飛鳥。また次のギフトゲームで勝てばいい」
黒ウサギと耀が励ます
「なあ、皆。焼畑農業って知ってるか?」
紫炎の言葉を聞き、十六夜が閃いたように口を開く
「おい、極チビ」
「ごくちび?」
「灰とかで土壌を回復したりした後、肥料などがあればどうだ?」
その言葉を聞き、少し考え込むメルン
「・・・できる!」
「本当!?」
「かも」
がくんとなる飛鳥
「でも、やってみる価値はありそうね。ディーン出番よ、年長組も手伝ってね」
「DEEEeeEEEN」
「はい」
そうして年長組達を引き連れ、飛鳥が林に木を取りにいった
「紫炎、よく焼畑農業なんて思いついたね」
「厳密には少し違うが、土壌を焼いて窒素組成を変化さして改良するんだ」
「へえー、よく知ってるね」
「まあな・・・」
「?どうか」
「おい、紫炎、春日部。お前らも手伝え」
「おう、わかったぜ。行こうか、春日部」
「あ、うん」
少し、遠い目をした紫炎が気になった耀だったが十六夜の声によって阻まれ聞けなかった