問題児たちが異世界から来るそうですよ?―振り回される問題児― 作:gjb
魔王のゲームから帰って三日後の朝
「ご主人様、お嬢様方。おはようございます」
執事の姿で三人を食堂で迎える紫炎
それを見て問題児三人は少しふきだしてしまった
「何故こうなった」
それは前日の夜にさかのぼる
―――――――――――
「大丈夫ですか、レティシア様!?」
「落ち着け黒ウサギ。少しめまいがしただけだ」
レティシアが皿を落として倒れかけたところを見て黒ウサギが叫ぶ
「どうした、黒ウサギ?」
大声を聞き、近くを通りかかった紫炎が来た
「なんでもない。主殿は休んでてくれ」
「おいおい、こんな状況で休めるかって。黒ウサギ、箒と塵取りをとって来てくれ」
「わかりました」
そう言って黒ウサギが駆けて行った
「すまない、主殿。心配かけたがもう大丈夫だ。」
その瞬間、レティシアにデコピンが当たる
「少し休んでろ。飯は俺が作っとく」
「だが」
「安心しろ。俺はいつも昼まで寝てるから体力なら有り余ってる」
「いや、そういうわけじゃ・・・」
(料理はつくれるんだろうか?)
失礼になると思い、口には出さないレティシア
「持ってきましたよ・・ってなにしてるんですか、赤羽さん」
「料理を作ろうとしたんだが・・・」
「だ、駄目です。わたしが」
「いいから掃除しろ」
無理やり言い聞かせ掃除をさせる
「うし、作るか」
そう言って厨房に立った
それから少しして―――
「よし、出来たぞ。十六夜達に持って行ってくれ。あっ、これお前らの分ね」
そういって五人分の料理を黒ウサギに渡した
紫炎は年長組達の分も作り始めた
二人は怪訝そうに食べてみた
「「おいしい」」
「当たり前だ。こっちに来るまで毎日作ってたんだからな」
「けど、美味しすぎです」
「すごいな、主殿は」
「ご飯まだ?」
三人で喋ってると耀が来た
「ああ、そこに置いてるやつだ」
「あれ、紫炎?どうしたの?」
「レティシアの代わりに作ってるんだ」
「今日はリリの代わりに作ることになったんだがすこしめまいがしてな・・・」
そう言って割れた皿が入ってる塵取りを見るレティシア
「紫炎って料理出来たの?」
「これを食べてみてください」
黒ウサギが耀の分の料理を渡し、それを一口
「・・・美味しい」
「本当だな」
「意外ね」
「そうでしょ・・・って十六夜さんと飛鳥さん!?いつの間に」
いつの間にか来ていた二人も大絶賛の紫炎の料理
「来たならちょうどいい。後もうちょっとで出来るから子供たちの分を順に持って行ってくれ」
「もうですか!?百二十人分もあったんですよ!?」
「出来たんだから文句言うな。ほら持ってくぞ」
そう言って紫炎は三十皿くらいを炎で作ったカートに乗せた
「あっ、はい」
「しゃーねーな」
「そうね」
「うん」
そうして五人で手分けして百二十人分の料理を別館に運んだ
「すごいです、紫炎さん。料理出来たんですね」
「全然イメージと違うわ」
「うん」
「いや、あれくらい出来て当然だろ」
「そんなことはない。十分美味しかったぞ」
女性陣四人に褒められ少し照れる紫炎
「ところでなんでお前が作ってたんだ?」
十六夜が当然のことを聞いてくる
「レティシアが作ろうとしてたんだが疲れてそうだったから代わった」
その言葉を聞き、十六夜が悪い笑みを女性陣に向ける
「そうか、流石にメイド一人じゃ疲れが溜まるよな。しかも魔王との疲れの後だもんな」
「まあそうだな」
「そこで俺から提案がある」
「「「「提案?」」」」
女性陣が首を傾げる
「女性陣が一日だけレティシアと代わってメイドをするんだ。ちゃんとメイド服を着てな」
メイド服を掲げながら高らかに宣言する十六夜
「なんでそうなるんですか、このお馬鹿様!!」
「そうよ、なんで黒ウサギだけじゃないのよ」
「ちょっとなんでそうなるんですか!?」
「当然の思考だと思う」
そういった耀だったが、少し考えた後、とんでもないことを言い出した
「手伝いなら十六夜と紫炎でも出来る。燕尾服を着て」
「は?」
「おいおい、春日部。そんなもん流石に白夜叉でも」
「貰ってきてるわよ」
「その前に白夜叉様は何でそんなものを渡してるんですか!?」
「「黒ウサギの為」」
二人が声を合わせるが少しおかしい気がする
「メイド服は分かりますけど、なんで執事服まで!?」
「一回男装というものを見てみたいと言ってたわ」
それを聞き、へにょん、と倒れる黒ウサギ
それを無視し、問題児たちだけで話が進む
「おいおい、ここは数の多い女性陣がやるべきだと思うが」
「あら、力のある男性の方が向いてると思うけど」
十六夜と飛鳥は自分はやりたくない為、全然引かない
「ちょっと待て、お前ら。このままじゃ埒が明かん。公平に決めようぜ」
「それもそうだけど、誰がゲームのルールを決めるの?」
「おいおい、お嬢様。そうなると勝った一人以外がやるってことか?」
「けどそれだと少し多いかも」
「ああ、だからここは普通のじゃんけんで一回勝負。人数関係なしで負けた奴が黒ウサギと一緒にコスプレして明日一日手伝いな」
その言葉を聞き、全員が頷く
「ちょっと待ってください、私は決まりなんですか!?」
「「「「じゃんけん」」」」
「無視しないでください、この問題児様方!!」
「「「「ポン」」」」
ハリセンで叩かれても気にする様子もなく続ける問題児たち
結果
十六夜 パー
飛鳥 パー
耀 パー
紫炎 グー
「よし決まりだ」
「ちゃんと朝は早く起きて食堂で迎えるように」
「明日楽しみにしてる」
三人はそれぞれ紫炎に言葉を掛けながらいまだに納得せず叫んでいる黒ウサギを放って自室へ戻って行った
翌朝――――
「起きろ、主殿。昨日言われただろ」
「・・・」
レティシアが紫炎を起こしに来たが起きる気配がない
「聞いてはいたが本当に起きないな。・・・仕方がない」
レティシアが辞書を持ち、落す
「・・・・・・・・おはよう」
いつも通り辞書を落されて起きたが、いつもより早い時間の為、反応が鈍い
「起きたか。昨日の事は覚えているか?」
「・・・ああ、不本意ながら仕方がない」
「そうか。ならこれに着替えなければな」
そういってレティシアは燕尾服を手渡し、部屋を出る
紫炎はすぐに着替え、朝食を作り食堂前で十六夜達を待った