問題児たちが異世界から来るそうですよ?―振り回される問題児― 作:gjb
殿下に言われた後、リンはジョーカーを追いかけていた
「ジョーカーさん。何処にいますか?ジョーカーさん」
「うるさい」
「あた」
いつの間にか現れたジョーカーがリンにチョップを食らわせる
「で、何の用だ?これからちょっと出かけるつもりなんだが」
「殿下から言われて紫龍さんから貰ったギフトを渡しに来たんです。というか、勝手に行動しないでください!」
「うるさい」
ジョーカーはそういってリンの頬を引っ張る
「い、いふぁいです」
「いいか?俺がお前らの仲間になろうと思ったのは俺の目的を達成するにはお前らについって行った方が早いからだ」
ジョーカーがそう言うとリンの頬を離す
「うぅ~。あなた他の目的ってなんですか?」
余程痛かったのか、リンは頬をさする
そして、紫龍から預かったギフトをギフトカードごとジョーカーに渡す
「俺の目的は二つある。一つはこいつらを全部集めること」
ジョーカーはそういうと、数秒ギフトカードを握ったかと思うと、リンに投げ返した
「それで、もう一つは?」
「それは教えない」
「え?うわ!」
ジョーカーがフードを被ったまま、器用にリンを肩車する
「勝手に行動するなっていうならお前が付いてくればいい」
「お、降ろしてください。それに何処かに行くなら殿下に許可を取らないと」
「そうなのか?それじゃあ、戻るか」
「その前に降ろしてください!」
リンが顔を真っ赤にして叫ぶと、ジョーカーは笑って地面に降ろした
――――――――――――――――
次の日の朝、飛鳥が起きるといつの間にかベッドで寝ていることに気が付いた
(えっと、確か私は碓氷君が起きるまでベッドの横で待っていたはずなんだけど・・・)
そう思いながら飛鳥はもう一つのベッドを見てみると、まだ碓氷が寝ていることを確認する
(途中で寝てしまったのは分かるとしてどうやってベッドに戻ったのかしら?)
もし、碓氷が途中で起きてベッドに寝かせてくれたとしたら、もう外に出ていると思った飛鳥が考えてると、碓氷が目を覚ました
「ふあ。あ、おはようございます飛鳥さん」
「おはよう、碓氷君。良く寝てたみたいね」
碓氷は飛鳥の言葉を聞き、昨夜起きたことを言おうとすると、メルンも起きた
「うすい?あすか?」
「あ、メルン起きましたか」
「うん!」
メルンが碓氷の言葉を聞くと、嬉しそうに碓氷にくっ付く
「本当によく懐いてるわね」
「動物は飼い主に似るって言うが、精霊もそうなのか?」
突如、扉の方から声が聞こえたので碓氷と飛鳥が振り返ってみると、そこには十六夜が立っていた
「い、十六夜君?」
「ど、どうしてここに?」
「ああ。扉につっかえ棒してたからそれを取りに来たんだ」
碓氷がそれを聞いた瞬間、十六夜の頭を掴んだ
「お前の所為か」
「どうかしたの碓氷君?」
昨夜の事を知らない飛鳥が聞いてくる
「えっと・・・。それは――――――――――――」
碓氷は少しためらったが、昨夜起きてから寝るまでの事を飛鳥と十六夜に話した
「なるほど。それで俺の所為か」
碓氷の話が終わると、十六夜は顎に手を当て、飛鳥は顔を赤くする
「十六夜さん、あなたが何のためにこんなことをしたか知りませんが、僕らに何か言うことがありませんか?」
「いくらでも感謝していいぞ」
「そうじゃないだろ!」
碓氷が大声を出して突っ込むも、十六夜はやれやれといった感じで碓氷を見る
「なんだ、迷惑だったか?」
十六夜がそう言った瞬間、碓氷の後ろで飛鳥が暗い表情になる
(そうよね。こんなに嫌がってるんだから・・・。何一人で舞い上がってたんだろ)
「そうですよ。もし、あなたが取り外すより飛鳥さんが先に出ようとしてたらどうしたんですか!?」
碓氷がそう言うと、十六夜と飛鳥が呆気にとられるが、十六夜はすぐに面白そうに笑いだした
「ヤハハハ、そりゃあ考えてなかったよ」
「ったく、少しは中にいる人たちの身にもなってくださいね」
碓氷はそう言いながら食堂の方に歩いて行く
(そっか。外に出られないから迷惑なのね。良かった)
飛鳥はさっきの碓氷の言葉を思い出しながら胸を撫で下ろすと、前に立っていた快楽主義者はニヤニヤ笑いながら飛鳥に話しかける
「良かったじゃないか、お嬢様。碓氷の奴、お嬢様と一緒の部屋だったこと自体は迷惑に思ってないみたいだぞ」
「な、何を言ってるのかしら?別に碓氷君がどう思おうと私には関係ないわ」
「そんなに片意地張らなくていいぜ、お嬢様。お嬢様があいつの事を好きだってことは黒ウサギ以外全員が気づいてるんだからな」
その言葉を聞いた途端、飛鳥は今までにないくらい顔を赤くする
「な、なんてことを言うのよ!碓氷君の事なんて・・・」
「ん?碓氷君の事なんて?」
「そ、その、嫌いではないわ」
絞り出したように飛鳥が言うと、十六夜はつまらなさそうにため息をつく
「あのな、お嬢様。ツンデレなのはわかるが、あの手のタイプはこっちから行動しなきゃ何にも進展しないと思うぞ?」
飛鳥は十六夜の言葉に黙り込んでしまう
「それに多分、あいつはモテるだろうからさっさと行動しないと手遅れになるぜ」
十六夜はそういうと、碓氷が進んだ方向とは真逆の方に進んでいった
「自分から行動する、か・・・」
飛鳥が十六夜の言葉を繰り返し、自分の胸の前で拳を握り、決意を固めて碓氷の後を追った
――――――――――――――――――――――
紫炎と耀は起きた後、二人で手を繋ぎながら食堂に向かっていた
「なあ、耀。今日、レティシア達を見送った後、どうするか決めてるか?」
「うん。ガロロさんに戦闘の基礎を教わろうと思ってる。紫炎は?」
紫炎は空いてる方の手を顎に当てて少し考えるそぶりを見せる
「・・・それじゃあ耀について行こうかな。良いか?」
「別にそんなこと聞かなくてもいいに決まってるじゃん。私だって紫炎と少しでも一緒に居たいんだから」
耀はそう言うと、顔を赤くしながら紫炎に体をくっつける
「うん、そうだな。なら、朝食は力のつくものを作らなきゃな」
「うん」
紫炎はそう言いながら食堂の扉を開けた
「「あ・・・」」
そこには飛鳥と碓氷が抱き合ってる場面が目に飛び込んできた
中を見た紫炎はすぐさま扉を閉めた
「お邪魔みたいだったな」
「だね。ちょっと時間つぶしにその辺を歩こうか」
「「何勘違いしてんだ(るのよ)!!」」
紫炎と耀が食堂から離れようとすると、碓氷と飛鳥が飛び出してきた
「大丈夫だ。勘違いなんてしてないぞ」
「うん、大丈夫だよ。だから私たちに構わなくていいよ」
「その反応が十分勘違いしてるのよ!」
「そうですよ!さっきのには理由があるんですよ!」
紫炎と耀が優しい目で二人を見てると、飛鳥と碓氷は顔を真っ赤にして反論する
「さっきのはその・・・」
「ゴキブリが出てきてそれに驚いた飛鳥さんが近くにいた僕に飛びついたんですよ」
「「ふーん」」
弁解する碓氷だったが、飛鳥はゴキブリに驚いたという事が恥ずかしいのか弁解する前に顔を赤くして黙り込んでしまった
紫炎と耀も全然信じていない目で碓氷を見ている
「何ですか、その目は?本当なんですよ」
「わかった、わかった」
「そうだね。そう言うことにしといてあげる」
「「だから本当だって!!」」
紫炎と耀は碓氷と飛鳥が叫んでるのを無視して食堂に入って行った