タイトル未定 ISの転生モノ   作:S字フック

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初めての戦闘描写、まだまだ手探り


11 戦闘

日曜日。昨日のミグラントへの訪問は会社にいた時間こそは短かったが、移動に時間が掛かったので寮に戻ったのは門限を過ぎた後だった。仕方が無いことなので罰は無かったので良かったが、飯を何も食べていなかったので正直そんな所を気にしている場合ではなかった。

 

自室に備えられている冷蔵庫には食料は一切入ってなかったので食べるものが無い。

 

仕方が無いので部屋の中に放置されていたダンボール、要らなくなったプリント、その他廃棄物をかき集め、煙の"何もかもをキノコにする魔法"でキノコにした後、福山の"ケムリをぶつけたものをミートパイにする魔法"を使って夕飯のキノコのパイを作成。

 

なんともほのぼのとした魔法の使い方である。この二つの魔法は人に使うと危険な魔法で、他にも摩訶不思議なキノコを作れたりするがこれ以外に使う機会は無かったのが現実だ。

 

キノコのパイの味はいたって平凡。元々が紙やプラスチックのこの世には無いキノコだが体に害は無いようだ。何かあっても魔法でいくらでも対処できるので安心できる。

 

それから俺は泥のように寝た。これから半年の内に今までとは比べようも無いほど様々な出来事が待ち受けているに違いない。俺の心が耐えられるのだろうか・・・・・・

 

____

 

 

 

「では、これよりISの基本的な飛行操縦を実践してもらう。織斑、オルコット、試しに飛んでみろ」

「わかりましたわ」

 

今回の授業はアリーナで実技だ。

 

「よし…… えっと、あれ?」

「早くしろ。熟練したIS操縦者は展開まで一秒とかからないぞ」

「集中…… 来いッ! 白式!!

 

白式が無事展開され、一夏に安堵の表情が見えた。

 

「なんで景斗は専用機持っているのにやらないんだよ」

「俺のは今日の午後にやっと届くのさ、今はまだ無い」

「そういうことだ、織斑。 いいから速く飛べ!」

 

命令を受けた二人は空高く飛んでいく。若干一夏の方が遅れてはいるが。

 

「遅い、スペック上の出力では白式の方が上だぞ」

 

「一夏、何をしている! 早く降りてこい!」

 

インカムを山田先生から奪い取った箒が一夏に怒鳴り声を上げる。彼女も大胆に動くなぁ。

そこに織斑先生が次の命令を出す。

「織斑、オルコット、急降下と完全停止をやってみろ。目標は地表から十センチだ」

 

あっ、やばい。 確か一夏は地面に激突してクレーターを作るはず、もうセシリアが終わったようだ。

少しずつ後ろに向かって避難しよう。

 

だが人の足で下がれる距離など微々たる物、結局俺はみんなと一緒に土ぼこりを被る羽目になる。

 

____

 

 

「一夏、第二アリーナに行くから付いてきてくれ」

「なんかあんのか?」

「俺の専用機の初お披露目だよ」

「おお、そうだったな。どんな機体?」

「それは見てからのお楽しみ」

 

 

 

そうして俺と一夏は第二アリーナの格納庫に来た。

 

「やあ佐藤君、君専用機を持ってきたよ」

「チーフ、ありがとううございます」

「それではこっちのコンテナの方を開けてみようか」

 

そして二つある内の一つからグングニルが顔を出す。 ・・・・・・もう一つの方のコンテナの方が厳重に閉められいてることに気づいた。多分アレだろう。

 

「うぉっ、なんだよ、これ」

「これが俺の専用機だ一夏、名はグングニル」

「こんなの見たこと無い・・・・・・ 他のISと全然違うじゃないか!」

 

周りに見に来たであろう女の子もどよめきを隠せない。

 

「そうだ、これは実用性のみを重視してある。デザインなんてどうでもいいだろう織斑君」

「これはこれで格好が良いしな。それよりもチーフ、右肩に浮いているユニットは何ですか?」

「それはミサイルユニットだ。UVFミサイルを積んであるから迎撃されやすい、だが性能は折り紙つきだ」

「なるほど、他にも追加は?」

「もちろんあるとも、量子変換されてある。後で確認してくれ、それよりも初仕事だ」

「仕事? なんです?」

 

チーフがグングニルの後ろからなにやら奇妙な武器を持ってくる。

 

「今回はパルスキャノンだ。これのテストをしてもらう、でも使うだけで良い。データはISから送信される。それと足の後ろにアンダーパイルを追加しておいた。地上で使えば安定した射撃が行えるだろう」

「了解です。チーフ」

「じぁあ私はこの辺で失礼しよう。夏までに色々なデータを集めといてくれよ」

 

____

 

 

「さあ一夏、準備をしろ」

「準備って、何のだよ」

「おいおい、ここに世界で二人しかいない男性操縦者がいるんだぜ。戦うしかないだろ」

「そのために俺を呼んだのか?」

「当たり前だろ、俺は初めての戦闘だから安心しろって」

「俺も数えるほどしか戦ってないぞ」

「どちらにしろ、この戦いは世紀の一戦になる。分かってるか?」

「勿論分かっているけど……」

 

そう聞いた景斗はグングニルを纏う。

 

「俺は先に行っているぞ、アリーナの許可は取ってあるからな」

「おい待てって! 性格変わったなぁ、あいつ」

 

後を追いかける形で白式を纏った一夏がアリーナに出て行った。そこにはグングニルを纏う景斗が武装を確認しているのが見える。

 

「ああ、これか。追加の武装って」

「おい景斗、どの合図で始めようか?」

「オーソドックスに三、二、一で始めよう」

 

観客席に人が集まっているようだ、女の子の歓声が響く。

 

「「三」」

 

 

景斗が二丁のライフルを出し

 

「「二」」

 

 

一夏が雪片弐型を構え

 

「「一」」

 

 

女の子の歓声が少し小さくなり

 

 

「「スタート!」」

 

開始を告げる二人の声が響き渡った。

 

景斗は距離をとり、ランポードともう一丁の銃を構え、一夏に向かって撃つ。

 

彼が持っているもう一丁の銃はオックスアイではなくレーザーライフル。セシリアのブルーティアーズに持たせたらさぞかし似合いそうな外見を持ち、グングニルを纏う景斗とランポードとは少し浮いている。

 

「はっ、全然当たってないぜ!」

「お前こそ全然近づいてこないじゃないか」

「俺はそういう戦い方なんだよ」

「バカめ! そういうことをは言わないもんだぞ」

 

景斗はランポードとレーザーライフルを連射、それを少しの被弾で抑えた一夏は雪片弐型で切り込む。お互いにシールドエネルギーは互角。

 

「おっと、その攻撃は怖いな」

「まだまだ序の口だぜ、もっと威力は上がっていくぞ」

「そう聞いたら距離とるしかねーじゃねーか!」

 

一旦距離をとる景斗。引き撃ちしながらランポードとミサイルを放つ。

 

「ミサイルはセシリアとの戦いで慣れた!」

 

一夏はミサイルを切り落とそうとするがその思惑は外れることになる。

グングニルに積まれたミサイルはUVFミサイル、つまり近接信管を使用した空対空ミサイルだった。

目標物の一定の範囲内に目標物などが入れば起爆するそのミサイルを雪片弐型で切り落として無効化しようとした一夏。

その結果――

 

「うわっ! 何で切り落とせないんだ!」

「UVFってチーフが言ってたろ! 勉強しろ!」

「とにかく、そのミサイルの対処の仕方は覚えた!」

 

放たれたUVFミサイルを全て受けてしまった一夏のシールドエネルギーは半分ほど、これが彼を本気にさせた。

 

雪片弐型が変形し、零落白夜の発動という形でその決意が現れる。

 

「ワンオフアビリティーじゃねーか」

「これで切り込ませてもらう!」

「終わってたまるかよ!」

 

両手のランポードとレーザーライフルで応戦、寄せ付けまいと頑張っているが、一夏は多少の被弾を気にせずに特攻。

 

イグニッション・ブーストで一気に距離を積めてからの零落白夜の一撃を見切れず、景斗はその一撃を受けてしまった。

相手のシールドを無効化するその青白い光は極めて高い威力を持ち、自分のシールドも食らう諸刃の剣。それが直撃したグングニルは一気に約六割のシールドエネルギーを削られ、急いで景斗は距離をとる。

 

「なんだよその威力、チートじゃん!」

「単一仕様能力って書いてチートって読むんだぞ、勉強しろ!」

「マネすんな!」

 

景斗はランポードを量子変換しオックスアイを呼び出す。

 

「今度はハンドガンか?」

「もう後が無いんでな」

「なら―――」

 

そう言い再びの特攻を仕掛ける。先ほどとなんら変わらないイグニッション・ブースト、そのワンパターンで直線的な動き。

 

先の攻防では始めて見たイグニッション・ブーストのスピードに追いつけず、呆気なく食らってしまった景斗だったが一度目と二度目では話が変わってくるのは当然の摂理であり、連続で繰り出してきたものに対応が出来ないはずは無くて

 

一直線に向かってくる一夏に容赦なくオックスアイは牙を剥く。その大口径の弾丸はイグニッション・ブーストでも止めるほどの衝撃力を持っていて、動きの止まった一夏にUVFミサイルの追撃が襲う。

 

「やばいって! 今それを食らったらダメージが!」

 

白式の武装は近接ブレードの雪片弐型のみである。一夏はUVFミサイルに対しての迎撃手段を持ち合わせていない。それに加え二度の零落白夜によって自身のシールドエネルギーも減らしていた一夏。そのことから彼は逃げに徹することに決めた。勿論、機動力はミサイルを振り切ろうとしての最大出力で。

 

だがあまりにも直線的過ぎて、狙い通りに行き過ぎて、思わず景斗は嬉しそうにこう言い放った。

 

「すまないな、一夏」

「なんだよ、いきなり」

 

景斗が手に持つレーザーライフルが青白く光り始め、エネルギーのチャージを開始する。今の今までチャージ無しの攻撃しか放っていなかった、無論その程度でも十分な出力を持ちそのまま使える代物なのだが、それは本来のコンセプトではない。

 

「今まではこんな纏まった時間は無かったんでな、本来のスペックを引き出せずに持て余していたんだ」

 

彼が持つレーザーライフルの持つ名前はカラサワ。

 

フルチャージしたその性能は今までの弾の三倍の威力と弾速を誇り――

 

「これで俺の勝ちだ!」

 

――見事、ミサイルを振り切った一夏に直撃

 

景斗は初戦闘にして勝利を収めたのであった。

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