タイトル未定 ISの転生モノ   作:S字フック

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13 訓練

「次はセシリアか、よろしく頼む」

「こちらこそ、頼みますわ」

「初心者向けの訓練を頼みたい。この中じゃセシリアが一番の経験者だから頼りにしてる」

「分かりましたわ。しかしクラス対抗戦まで時間はあまりありませんので、手っ取り早く撃ち合いに慣れる事から始めましょう」

「了解した。火力は控えめでか?」

「勿論。基本的には一通り動けると判断しましたのでそのおつもりで」

「頑張らせてもらうさ」

「ではまず、ブルー・ティアーズ一機とスターライトmkⅢをしばらく撃たせていただくのでお避けになってくださいまし」

「ミサイルは?」

「今回は使用を禁止しましょう。お互いにそのほうが楽でしょうから」

 

 セシリアは上から景斗を見下ろす形でスターライトmkⅢの銃口を彼に向け、ブルー・ティアーズ一機が彼女の左に停滞する形で浮いている。あの形をとることで弾幕の密度を高られるようだ。

 一方景斗はランポードとカラサワを展開しているが、トリガーには指を添えておらずグリップを握り締めている。

 

「では行きますわよ」

 

 セシリアがスターライトmkⅢを撃つ、1発の青いレーザーが静止状態の景斗に向かうがブースターを吹かし難なく回避。

 

「弾は見えるでしょうか?」

「来るって分かっていたら今の位は大丈夫だよ」

「そうですか。もう少し撃ったらレベルを上げますわね」

 

 そして先ほどのやり取りを数回ほど繰り返した後に、彼女の左に停滞するブルー・ティアーズ一機が動き始める。

 スターライトmkⅢの銃撃を追いかけるようにブルー・ティアーズからもレーザーが放たれる、1発は動いている彼の地点、もう1発はISによって予測された地点へ放たれる。彼は縦の動きから横へ移動してギリギリ避けた。

 

「あら、読まれてたかしら?」

「自分も使ったことはあるんだ、それぐらいは分かるさ」

「なら、もっと連射していきましょうか」

 

 2発、3発、4発、5発とだんだんと撃つ弾の数が上がってくる。先ほどの単調な動きから横に動いたりスピードを上げたり下げたり、複雑に動き回避する景斗。

 

「動きはいいのですがまだまだ荒削りですわ」

「具体的に指摘してくれ」

「回避して気が抜けたり、複雑に動ききれてなかったり、スラスターを使った後の動きが直線的だったり、言い出したらきりが無いですわよ」

「うっ・・・・・・ それを言われると・・・・・・」

 

 彼は4回の被弾を許してしまった。しかし放たれた弾の数は二百に近い、初心者にしては筋のいいほうだ。しかし避けていることに集中するだけの初級の訓練では対して意味は無い。

 

「まあいいですわ、次に進みましょう」

「次? なんだ?」

「始めに言ったではありませんか、撃ち合いに慣れるって」

「つまり俺のやることが増えるのか」

「その通りですわ。これが出来ればある程度は戦えるのではありませんか?」

「勝てるとは言ってくれないのね」

「これをやっただけで勝てましたら苦労しませんわ」

「そりゃそうか。それで俺はこの二丁を使っていいのか?」

 

 ランポードとカラサワを展開する。

 

「ええと、レーザーライフルの方はリミッターを掛けて出力を下げればいいのですが・・・・・・」

「が?」

「実弾を使うほうはどうにもなりませんわね」

「学園で別の物は借りられないのか? 聞いてみるよ」

「お願いしますわ」

 

 

____

 

 

 格納庫ISを展開したまま入る景斗。カタパルトを逆走したことには触れないでほしい。

 

「すみませーん」

「はーい、何か用か?」

 

 奥からここの職員らしき女性が見えた。知らない先生だ。

 

「訓練で使えるライフルを貸してもらいたいんですけど」

「別にいいよ、そこのガンロッカーに訓練用のレッドパレットが入ってるから持ってっちゃって」

「こんなにあっさり貸していただいて構わないのですか?」

「あー、いいのいいの。君男の子でしょ。何かあったら大体すぐ分かるからね~」

「ね~って・・・・・・ やっぱ目立ちます?」

「そりゃーもーね、とんでもなく。それでまだ何か用あるの?」

「このレーザーライフルにリミッターを掛けて出力を下げたいんですけど」

 

 そう言ってカラサワを見せる。全体を嘗め回すように見た後にこう告げた。

 

「これ自分で設定できる奴じゃない? 確認してみてよ」

 

 グングニルの武器のデータを確認する。沢山ある項目の1つに出力制限という物を見つけた。

 

「本当だ。ですけど、もうすでに相当抑えられてますね」

「ちょっと見してみろ。 ・・・・・・マジだ、35%ぐらいしか使えてねぇ、ここが1つの基準になってるな」

「何ででしょうか?」

「競技用に合わせたとしか考えられないな。訓練用だったら95ぐらいまで抑えていいでしょ」

「ありがとうございます。レッドパレットは使い終わったら勝手に返して大丈夫ですか?」

「大丈夫だね、設定戻すの忘れんなよ」

「了解です、では失礼しました」

 

____

 

 

「余裕で借りられた」

「本当ですの? もしもの時は他の訓練している生徒に借りようかとも考えていましたのに」

「俺からしたら最終手段だな、それ」

「では早速開始しましょうか」

「おう」

 

 先の訓練の構図を再現する二人、セシリアが上を取る形になる。

 

「ルールは?」

「私に50発当てれば終了、景斗さんが10発被弾で仕切り直しですのでお気をつけて」

「スタートの合図は?」

「そちらにお任せしますわ」

 

 51口径のライフル、レッドパレットの銃口がセシリアを捕らえ

 

「じゃあ、スタートだ!」

 

 その言葉と同時にトリガーを引き絞る。開戦の号砲が二人に響き渡った。

 

 放たれた弾丸をセシリアは最低限の動きで避け、お返しとばかりにスターライトmkⅢを3連射。景斗は避けながらもカラサワを撃ち、レッドパレットのトリガーを引き続ける。まだブルー・ティアーズも使わず、カラサワもチャージを開始する素振りを見せていない。

 

(くそっ、ランポードと使い勝手が違ってうまく使えない)

 

 レッドパレットはランポードとコンセプトこそは同じだが性能が少し違う。ランポードの方が威力も弾速も高く連射間隔も小さい。それに比べレッドパレットは反動こそ小さいものの威力も弾速も連射間隔も全てがランポードの下位互換と断言しても問題は無いだろう。

 高性能なランポードしか使った経験が無く、その性能に頼りきりだった景斗は今持っているレッドパレットをうまく扱えていなかった。いや、正確にはランポードもうまく扱えてはいない、その性能を完全には引き出してはいない。

 

 降り注ぐ青い光を避ける中、レッドパレットの特性を彼は掴めずにいた。箒のように試射をしなかったのが大きな原因である、それに加えて彼は今現在、正確な特性を把握する余裕も、マルチタスクの才能も無い。

 

「ぐっ!」

「まず1発ですわ」

 

 1発被弾してしまう。セシリアは3発偶然にも掠ってしまっただけで直撃はまだ1度もしていない。仕切り直しは時間の問題だ。

 

 ブースターを後ろに吹かして距離をとる景斗、そしてカラサワのチャージを開始する青白い光がセシリアの目に止まる。ブルー・ティアーズが1機稼動した。

 弾幕の形成より質の良い1発を優先する方針に換えた景斗はカラサワをチャージし、弾速の上昇した1発を求めた。カラサワのチャージが完了するまで使っているのはレッドパレットだけになる。銃声が一定のリズムとなり、心地よく景斗の耳に響き渡っていた。

 そしてフルチャージしたカラサワを放つ。

 

「なっ!?」

 

 直撃し、セシリアの可愛らしい声が聞こえる。フルチャージしたカラサワのレーザーは圧巻の性能であり、セシリアでも避けられない。イグニッション・ブーストほどの加速か高機動型の機体の出力でしか避けられないだろう。

 レッドパレットの追撃も同時に受け、セシリアの被弾は都合7発。

 

 長時間のチャージで確実に1発当たる事を確信した彼は再びチャージを始める。2発被弾しながらもレッドパレットを撃ち込んで行く。彼はチャージによりやることが1つ減ったことによりレッドパレットの扱いに慣れつつあった。

 

 徐々に被弾回数が累積していくセシリア、動きのレベルを少し上げるもフルチャージしたカラサワを避けきれず隙を生んでしまい、被弾回数は2桁に届いてしまった。

 

 焦るセシリアは2機目のブルー・ティアーズを起動させる、これで彼女の左右にバランスよく1機づつ。4機同時に起動させ全方位オールレンジ攻撃はしてこないようだ。まだまだ手加減されている状態である。

 

 景斗が基本を覚え、当てられる攻撃を放っていると確信するたびに、セシリアは段々と攻撃のレベルを上げている状態がしばらく続く。

 彼女は2機目のブルー・ティアーズをエネルギー切れまで使い、もう2機をローテーションさせ連射速度を上げている。避けることに専念せざるを得なくなった景斗は武器の使用頻度を抑え、フルオートではなく指きりバースト射撃の使用を心掛けていた。

 

 ただ闇雲にばら撒くより、回避に専念しつつ隙を見て弾を撃ち込んでいく方法に切り替えたことにより、平常心を保ち最善とは行かないものの何とか冷静に考えながら訓練に励むことが出来るのだろう。

 

 結果、セシリアが仕切り直しにまでにかかるだろうと想定していた時間を越えて訓練は続行されていた。フルチャージしたカラサワというイレギュラーな存在、ブルー・ティアーズの全方位オールレンジ攻撃の不使用、ミサイル使用の禁止による手数の減少、これらの要因によりセシリアは10発の攻撃を景斗に当てることが出来ずにいた。

 勿論、これはセシリアが無能というわけではない。カラサワのチャージも妨害しようとすればいくらでも妨害するチャンスはあった。ただ先にも言ったとおりあくまで撃ち合いに慣れる訓練であり、それを知ってかはいざ知らず、景斗もブルー・ティアーズを攻撃しようとはしない。

 

 それ故、10発の攻撃が景斗当たり、一旦訓練が終了を迎えたのは交代の時間までもう少しの時間という所であった。セシリアの被弾回数の7割ほどはカラサワ始動で回数を稼がれたものであり、カラサワの狙い済まされた1撃を避けることは2回しか出来なかった。

 

 

____

 

 

「流石はセシリアだ、俺なんかとは格が違う」

「代表候補生ですもの、けれども景斗さんも中々いい動きをしてましたわよ」

「いや、あそこまで動けたのはカラサワの存在がでかい」

「本当に何なんですの? その性能、強すぎですわ」

「いつの間にか追加されていたから俺も詳しい話は聞いてないんだ。これを使えば勝てそうかな?」

「それを判断するのは相手を確認してからですわ。第一チャージに時間が掛かりすぎで隙だらけ、使いどころを考えないとすぐに妨害されてしまいますわよ」

「分かってるって、セシリアの方がうまく使えそうだしな」

「そうですわね、チャージ中はブルー・ティアーズの制御に集中できますし、チャージが終わった1撃を絶対に当てることが出来る自信がありますわ」

「うわっ、強すぎる、絶対に戦いたくないな」

「それを可能に出来る武器を持ってらっしゃるのですから、強くなってくれないと気がすみませんわ」

「分かったよ、クラス対抗戦にセシリアじゃなくて俺が選ばれたんだから無様に負けるようなことはしないさ」

「一夏さんにクラス代表の座を譲る事にしたのは私自身の意志ですし、出ることが出来なくて残念なんてことは思ってはいませんわ。ただ、勝ってくだされば言うこと無しですわね」

「おう、勝てるように1週間がんばらせてもらうさ」

 

 その時、一夏から声が掛かった。

 

「おーい、そっちは終わったよなー?」

「ああ、終わったぞ。最後はは一夏とになるな。セシリアは箒と訓練か」

「そうなりますわね」

 

 セシリアと別れ一夏と合流。さっきから一夏の悲鳴が凄かった、今日はちらっとしか見てないが攻撃をしている一夏を見たことが無い。

 ……なんだかかわいそうになってきた。ちょっとだけ優しくしてあげよう。射撃はせずに一夏のレンジでの訓練にしよう。

 

「景斗、この前のリベンジをさせてくれよ」

「うーん・・・・・・ 今回はテクニックだけの対決にしよう。総合的な勝負はまだお預けで」

「でも勝敗はカウントするからな」

「いいぜ、やけに好戦的だな。どうした?」

「この前、初戦闘のお前に負けたのが悔しいからに決まってんだろ」

「あれは相性の問題じゃね? 今回は武装が違うから大丈夫だぞ」

「あのミサイルは使うなよ、絶対にな!」

「分かってるって、使う気は無いよ。お前もワンオフは使うなよ、お互い訓練にならないしな」

「なんか変な気分だな、お互い手加減しあってなんて」

「先生がいない訓練なんてこんなもんだろ、教えられる人はセシリアだけだしな」

「俺たちは切磋琢磨ってやつだな、授業じゃできない経験だ」

「それで、ルールに何か要望ある?」

「全うな戦闘に近かったらいい」

「模擬戦か、なら俺も近接武装を使ってみようかな」

「例の奴か、見せてくれよ」

「ああ、いいぜ」

 

そう言いグングニルを展開、一夏も思い出したように白式を展開する。

 




一旦ここで区切り
全力でやることができないから書きづらい
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