タイトル未定 ISの転生モノ   作:S字フック

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1個やろうとしていたネタが破綻した、計画ってとっても大事だね

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17 後始末

 戦闘が終了し、二人はアリーナの惨状を目の当たりにしていた。

 

 所構わず目に入る薬莢、圧倒的な出力を誇るレーザーによって作られたクレーター、地上に残る二筋の焼け跡、

 

 一際異質なものが無人機の残骸。体の四肢に相当するパーツが飛び散っていて、中核の胴体部分はどこにも見当たらない。

 

 それが指し示す答えは――絶対防御の貫通。シールドエネルギーを突破し、人体をも貫く攻撃力。ISの破壊。

 

「……うぅ……」

 

 唐突な吐き気。ああ、そうだった。俺たちは殺し合いをしていたのか…… どこの誰かも知らぬ敵に、一方的に攻撃を仕掛けられ。あわや死ぬ所だった。一体、俺に何の恨みが。それに彼女にもとんでもない役目を押付けてしまった。

 

「更識さん、ありがとう。そして済まなかった。俺は君をあんな危険な目に……」

 

 吐き気を抑えながら簪に話しかける。シラフを装うのは慣れている。

 

「大丈夫……私もそのおかげで助かった……」

「ああ、そう言ってくれると本当に助かる」

「……それより……それは……?」

 

 後ろのグラインドブレードを指差す彼女。

 

「うちのチーフが勝手に置いていったバケモノ兵器だよ。使うつもりは無かったが、こんなことになるなんてな」

「そう……後……これ」

 

 自傷気味に話す景斗にオックスアイが手渡される。

 

「おっと、すっかり忘れていたよ」

「随分……凄い性能だね……」

 

 その時、アリーナの観客席を覆う金属のシールドが収納された。一夏も戦闘が終了したのだろうか。

 戦闘の終了を確認し、好奇心か、恐る恐る一部の避難しようとしていた生徒が戻ってくる。

 

「……えっ、嘘、なに……これ」

 

 見ず知らずの彼女達は目の前の光景に戦慄を隠せないでいた。無理も無い、ISはスポーツのための飛行パワードスーツと言う認識。あの無人機のような兵器は世間には一切出てこない。だがそんなことはどうでもいい。問題はそこじゃない。

 ――目撃された。グラインドブレードを、装備している俺の姿を。グングニルという紛れも無い兵器としてのIS、凶悪なイメージを見たものに植えつける6枚のチェーンソー、それを身に付ける俺の姿を。

 両手両足を残し、それ以外が原形をとどめないほどに破壊された襲撃者。迎撃し生き残った二人、試合では持っていなかった武器。どれがあのISを破壊したかは誰だってわかる。

 

「そろそろ、戻ろう。疲れたよ」

 

 俺はこのISの認識を間違えていた。今まで専用機を与えられて、まるで玩具を与えられた小学生のようにはしゃいでいた。今日、殺されかれる前までそんな気分のままだった。これは紛れも無い兵器であり、どこまで言っても人殺しの道具。

 

 全くもって救えない。俺は今まで何を見て、聞いて、こんな長く生きてきたんだ。自分に降りかかっている責任のひとかけらも考えてはいない。言い訳なんてできやしない。

 

「そうだね……」

 

 ラファールリヴァイブ3機の出撃を確認。遅すぎる、情けない話だがあのまま戦いを続けていたら死んでいたに違いない。

 

「二人とも大丈夫ですか?」

 

 俺の気分は優れないままだ。

 

____

 

 

「単刀直入に聞かせてもらう。あの兵器はなんだ?」

 

 今現在、TVであるような取調室で織斑先生の事情聴取を受けている。一夏はレーザーの直激を受け、学園の医療施設で入院中、意識はついさっき戻って今は寝ているらしい。俺は外傷は全く無いと言うことで即刻取調べ。

 

「正式名称は対IS規格外六連超振動突撃剣。通称グラインドブレード。名前にある通りIS規格外の武装ですね」

「なぜそんなものを持っている」

「チーフが勝手に置いていったんですよ。人目に晒すつもりは全くありませんでしたが、あんな自体だったのでやむを得ず使用に踏み切りました」

「む…… 先ほどIS規格外の武装と言ったな、なぜあんなものを動かせる、あれほどの威力を持つものを」

「コアの性格です。詳しい話はチーフか製作者にしか分からないと思います」

「そうか、ならもう帰っていい」

「わかりました。失礼しました」

 

 遅れた救援部隊や入院中の一夏については一切触れなかった。グラインドブレードについてのお咎めが無かったことで吊り合うだろうか。

 

____

 

 

 まだ外には夕日が見える。俺は人目を避けながら一夏の所まで移動している最中である。今、寮に帰るのは何処と無く気が引ける。一夏の所で時間を潰してからの方が気が楽だ。

 

「おっす、一夏。調子はどうだ?」

「今度は景斗か」

 

 扉を開き、勢い良く言い放つ。一夏の返事はどこかやつれたイメージを孕んでいた。

 

「みんな来てたのか?」

「ああ、30分ぐらい前に帰っちゃったけどな」

「こんな時間だから仕方ないって」

「お前もみ今まで寝ていたのか? もう動いて大丈夫なのか?」

「アホ。お前と一緒にすんな。ちゃんと倒してほぼ無傷だ」

 

 お互い襲撃されていたことを知っていた上での会話。しかし彼らの戦闘がどれだけ違っていたのかは2人とも知らない。

 

「すげぇな。そんなに腕が上がっていたのかよ」

「いや、ちょっと事情が違うんだ。話すのはまた今度」

「何でだよ、今じゃダメなのか?」

「結構情けないんだよ、まだ俺の中でも折り合いが付いてないんだって」

 

 そも、グラインドブレードのことを詳細に説明してもいいのだろうか。現段階では目撃されただけでゴシップ記事程度の信憑性だ、俺から話さない限り情報は増えることは無いだろう。戦闘中の映像はおそらく公開はされない、世間的にはISはスポーツであって殺し合いの兵器ではない、あのときの映像が出回ってしまったら世間がなんて言うかあらかた想像が付く。それだけは避けたい連中は多いだろう。

 

「試合の方はどうだったんだよ」

「相手を見誤って劣勢になる一歩手前だった」

「こっちは鈴相手に善戦してたぜ、すっごく戦いやすかった」

 

 一夏は景斗との訓練によって箒の剣道ような訓練ではなく、実戦的な戦法を磨いていた。生身ではできない機動、射撃の対処など。至近距離から放たれるオックスアイを避けながらの近接格闘により反応速度は鍛え上げられ、結果的に鈴との戦闘では優勢であった。

 

「じゃあなんで無人機にのされてんだ?」

「再起動したんだよ。相打ちだ」

「はぁ、そうですか」

 

 最終的にどちらも自分の手で倒した。だが一夏はどこまでも甘くセシリアの狙撃で片が付いたと信じ込み、結果的に再起動を許して無人機と相打ち。全力で戦ったと言っても競技でのバトルの枠を僅かに飛び出した程度、グラインドブレードの非ではない。

 

「まだ寝てろって、俺もここでしばらく休んでくから」

「寮には戻らないのか?」

「時間が経ってほとぼりが冷めたらな」

「みんなに何かあったのかよ」

「俺になんかあった。これも話しに関わってくる」

「……ちゃんと俺にも話せよ」

「分かったから。さっさと寝ろ」

 

 病室に備え付けのカーテンを閉める、お互いに姿が見えなくなるように。隣のベットに寝転び天井を見る、幸いここには監視の目は無い。少しばかりだが心が休まる。

 

「動けるようになったら絶対聞きに行くからな!」

「わかったって、俺はもう帰るよ」

 

 しばらく無言のままベットの上で時間を潰し、食堂が閉まる少し前に病室を出た。足取りが重い。グラインドブレードについて質問されるだろうか、学園での俺の立場はどうなっているのだろうか。覚悟をしておいたほうがいいかもしれない。

 

____

 

 

 現在、学園の地下では1機の無人機と"無人機だったもの"が運び込まれ、解析が終わろうとしている。

 この傍らにいる織斑千冬は事情聴取を終了させてから今まで、2つのアリーナで行われていた戦闘の映像を比較していた。

 

(妙だな、どう考えても一夏側と佐藤側では行動パターンが違う。何故だ?)

 

 一夏側の戦闘は動きも少なく、一夏と鈴が話している最中は攻撃をしていない場面も多々あった。それと比べて景斗側の戦闘は徹頭徹尾絶え間ない戦闘でほとんど殺しに掛かっている。一夏側には戦闘以外の目的があったと考えるのが妥当だが、景斗側は戦闘が目的としか考えられない。彼だけが特別狙われるような事情はいくら考えていても思いつかない。

 

「コアの解析がすみました」

 

 いまそれを言葉にした人物は山田真耶である。

 

「どうだった?」

「データには登録されて無いコアです」

「そうか。ならそのまま解析を続けろ」

「はい」

 

 二つある無人機のパーツを比較しながら解析は進められていた。

 

 一夏によって壊された無人機は中枢こそは破壊されていたが、その一部を除いて残りは無事であった。破壊されていた前腕の切断面は比較的綺麗で両腕の設計が対称であったため復元は簡単だった。

 

 景斗側の無人機は体の四肢の部分しか解析は進んでおらず、胴体部分の復元は不可能。コアにいたって粉々に砕け散った状態でひしゃげたパーツの欠片と共にアリーナに散らばっていたという。

 

 かろうじて同じ機体だということが分かり、行動パターンにしか違いは見られなかった。しかし残りの1つの存在価値はほとんど無いに等しい、同機体であり破損部分は同じパーツ、片方は過剰な威力によってもう一方にパーツを寄せ集めて復元することすら不可能にしていていた。

 

 はっきり言って異常、あんなものは初めて見たし、これからでも見ることはまず無いだろう。次があるとしたらそこには血と肉にの中に紛れ込んだコアの金属片を見ることになるのかもしれない。

 

____

 

 

 夕食を食堂で食べ終わって、今自室でミグラントからきたメールを確認している。

 

 驚いたことに、俺は被害者としてごく普通に心配されていて、グラインドブレードについてはほとんど聞かれることは無かった。『もう動いて大丈夫なのか』、『撃破なんて凄いね』、『どこにいたのか分からなかったから心配だった』などなど。

 この雰囲気を拡散させてしまえば有耶無耶になって誤魔化せそうだ。1年の皆には悪い印象を与えずにすみそう。

 

 そんな夢に不確定要素を打ち込んでくれたのが今見ているメールの内容だった。"グラインドブレードの起動が確認されたので明日、学園に向かう"といった内容。なんにも騒ぎが起きなければいいのだが……

 

「佐藤君、いますかー」

 

 ノックと共に入ってくる可愛らしい声、山田先生だ。もうドアを開けているみたいだ。

 

「はい、なんでしょうか」

「部屋割りの件で話しがあるので付いてきてください」

「ちなみにどこへ?」

「織斑君の部屋です」

 

 そして一夏の部屋の前、部屋の外からでも分かる五月蝿さ、防音のドアを突き破って聞こえてくる。

 

「すみませーん、織斑君に篠ノ乃さん、いますかー」

 

 有無を言わさず中に入る山田先生。さっきも思ったが正直どうかと思う。

 

「どうしました? それに景斗まで」

「はい。篠ノ乃さんはお引越しです。ようやく部屋の都合が付きました」

「それは本当ですか!? 山田先生!」

「本当です、篠ノ乃さん。もうこんな時間ですので速くやってしまいましょう」

「い、今から?」

「そうですって、二人部屋なのに二人の男の子が離れているっておかしいですよ。先生も手伝うんでぱっぱと終わらせましょう」

「む、むむむ。仕方ないか……」

 

 がっくりと妥協したのが丸分かりだった。

 

「先生、俺の荷物はどうしたら」

「あ、そうでした。すっかり忘れていました」

 

 一度一夏の部屋を見回した後にこう告げる。

 

「私達が篠ノ乃さんの引越しの準備をしている最中に佐藤君も戻って荷物を纏めてください。織斑君も一緒に行って下さい」

「それなら1人で大丈夫ですよ。ダンボール1箱に収まりきりますし」

「そうですか。ならこちらは3人でぱっぱと終わらせましょう」

 

 

 そして再びの自室へ。ほとんどの教科書類は教室のロッカーの中かドアの向こうの空間に置いてある。その他にも不要と烙印を押したものはキノコパイにして食べてしまった。おかげでダンボールの中身は思ったよりも少ない、むしろ入学当初より減っている気がする。

 

 そしてダンボールを持ちながら一夏の部屋へUターン。そこでアリーナで分かれた後、何処かに行ってしまった人物と遭遇した。

 

「……あ、佐藤君。こんな時間にどうしたの……?」

「引越し。一夏と同じ1025号室に」

「……そう、分かった……」

「簪さんは今までどこに?」

「打鉄弐式の……修理……ダメージレベルが、Bだった……」

「あーー、俺にできることは無いかな。やっばり申し訳ない」

「大丈夫……1人でできるから……」

「人手が足りなくなったらいつでも呼んでくれて構わないから」

「……分かった……」

「じゃあ山田先生も待たせているし俺はもう行くね。今度何処かでゆっくり話そうぜ」

「……うん、近いうちにね」

 

 彼女はあの戦闘の当事者だし、グラインドブレードのことを一番近くで見た人だ。安心して話せる、仮面を被らなくていい。俺が聞きたい事もあるし、何故かほっておけない。なんであんな対応をとったのだろう。

 

 そんなこんなで結構時間が経ってしまった。

 

「入っていいかー?」

「おう、いいぞ」

 

 ドアを開け一夏と対面する。なんとなく新鮮な気分だ。

 

「あの2人は?」

「今さっき移動しちゃったよ」

「あら、入れ違いになったか」

「お前の荷物はそれだけか?」

「うん」

 

 どさりとダンボールを床に置く。

 

「少な」

「家が遠いからな」

「いや、普通は逆になる気が……」

「多いか少ないかの2極に分かれると思う」

「あー、納得。鈴とかも同じタイプだ」

 

 こうして一夏と一緒に過ごす日々が始まったのであった。




ノリと勢いだけで簪がヒロインに、

次回は武器の追加です、肩は変更になります。まだ決まってなかったりするので要望があったら言ってくれて構いません。
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