「すみません……またミスをしてしまいました……
転生後の世界の詳細を伝え忘れていた事、特典でそちらの要望に応えられなかったこと
埋め合わせという形になりますが、こちらの方で勝手に特典の追加と強化をしておきました。
当たり障りの無い物で"強運"を差し上げます。
次に魔法でドアを出せるようにしておきました。私の部屋に似た空間に繋がっています。そこでは時間が止まってますので自由にお使い下さい。
大体こんな感じですね。
最後に私的な話になりますが、もうそろそろ新米っていう看板が外れそうです。まとまった時間ができたらまたお会いしましょうね。」
……そうだよね。あの子神様だったよね。どこか俺は人間の延長線上にいるような存在だと高をくくっていた節がある。
甘い、甘すぎる。俺もナツメから見たらただのヒトなのだ。そしてナツメは神様なのだ。自分など玩具に等しい存在で、ナツメは好き勝手に自分勝手に弄くれる存在。
手にしてる魔法も勝手に強化されたらしい。つまり自分のものであっても自分のものではない、いつ使えなくなるか分からないとても不安定な物という認識に成り下がった。
"自分の管理物が自分が与えた魔法という玩具で遊んでいる”と言ったらいいのだろうか。リアル"お天道様が見ている"という状況なのである。
ただナツメも自分の仕事があるだろうし、何時まで自分に興味があるか分からない。そもそも一時の気の迷いかもしれないし、今考えた前提が間違っている可能性もある。神様の規則もあるだろう。
どちらにしろ摩訶不思議なケムリをあまり過信せず、己の自力を上げていこう。魔法は緊急用かちょっとした夢を見たい時に使おう。ドアの扱いもそんな感じ。
強運についても自分の運命を勝手に弄くれるという裏付けになるだろう。今はプラスの強運だがマイナスの不運になってしまったら、という不安が脳裏をよぎった。
……いけない、ネガティブすぎる。もう少し気楽に、気楽にいこう。2度目の人生のデメリットだと考えろ。全体的に考えれば今はまだプラスのはず。ただ何時マイナスになるかというだけだ、自分の杞憂であろう。このヒビの入った世界と俺の体はまだ安心できると思いたい。
よし。もう終わり。これは考えてもどうにもならん。俺は今を生きよう。
自力の強化、他人から見た自分の確立、魔法の練習。やることはいっぱい有る。この世界で生き抜くために……
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昼過ぎ、自室で昨日の鉛筆を手に握りながら現在の時刻を確認。2時45分だ。
指先からケムリを出し、ドアを出現させる。鉄板に鉄屑で継ぎはぎしてあるドアがケムリに紛れて出現する。
自分のドアのデザインを見て鼻で笑いつつドアを開け、くぐる。そこには彼女の部屋に似たテーブルとソファーだけの部屋が広がっていた。
俺は作中に出てきた魔法なら使えるのでは? と考えていた。そして実際そうだった。能井の修復系の魔法が使え、穴の開いた靴下を直せた。
今ここで魔法の練習と筋トレをする。テーブルに鉛筆を置きケムリを出してバラバラにしようとする。
鉛筆はバラバラになったがテーブルは無事だ。テーブルとソファーやこの部屋には俺の常識は通用しないようだ。何で出来ているのだろうか。
次に藤田の"ケムリを弾丸のように飛ばす魔法"を使う。
これはとても攻撃的な魔法で、作中では黒い粉を使ったときはとんでもない威力だったはず。まずは痛いと感じる程度の威力で使おう。
ドン、ドン、ドンッと連続で鈍く低い音が響く。
さあ、次は殺人的な威力だ。指に穴は開いていないはず、あったら文字どうり腕が吹っ飛んでしまうだろう。能井の修復系の魔法があるのでアフターケアは大丈夫だろう。
怖い、非常に怖い。腕が吹っ飛ぶ時の痛みなど想像も付かない。痛いのはいやだ。ロシアンルーレットでこめかみに銃口を突きつけている気分もこんなであろうか?なまじ死なないだけこっちの方が恐ろしいだろう。
歯を食いしばり、1度だけ勇気を出す。大丈夫だ、大丈夫だと自己暗示をかける。
……よし、いける、はず…………
ドンッ …大きな音がでた。
ハハッ、意外と呆気ないものだ。何も無かったが脂汗がすごい。あの覚悟は自分を大きく成長させるだろう。しかし痛みにも慣れないといけない時が来るかもしれない、その点は不満かな? でも痛く無くてよかったと思う自分もいる。魔法に頼ってばかりの弱っちィ奴にはなりたくないし。やはり漫画とは違い現実は厳しいなぁ。
少し興奮しすぎだな。乾いた笑い声が出た。落ち着いてからドアを出しこの部屋から出よう。筋トレをし忘れたな。だが、もういい、色々疲れた。
自室にドアを出し帰ってくる。時刻は2時45分。
すごいな。時間が経っていない。体は疲れていないが、精神というか心が疲れた。
……遊ぼうかな、遊んで忘れてしまおう。自己の防衛に必要だ。
鉛筆を忘れていたことを思い出す。もういいや……
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次の日、俺は学校の連絡網を確認する。
織斑や篠ノ之や五反田などメインキャラクターの苗字は無い。山田はノーカン。
親に許可をもらい町に出る。1歩1歩が小さいおかげで進むペースが小さいがいい運動になるだろうとこじつける。
念のため五反田食堂や篠ノ之神社と篠ノ之道場を探す。特にあてがあるわけではないが地元の把握は必須だ。
2時間ほど探し回った結果、食堂は見つからず詳細は不明だが、神社は他の神社を見つけたので近くには無いと結論付けた。そういえば、探している最中に俺はどこに住んでいるのか知らないことに気が付いた。小学校は市立だったので分からない。親に聞いてみると関東地方の北東だということが分かった。前世で元々住んでいた所とはそう遠くないな。中学生ぐらいになったら行って見ようか。小学1年生ですでに第2の故郷があるなんておかしな話だ。
あと20日ぐらいしかない夏休みは自分の状況の確認に使ってしまおう。宿題は暇なときに片付ける。そんなに苦ではないだろうし、いい暇つぶしになるだろう。パソコンやゲームが無いのは辛いが、運動に励んでみるのもいいかな。脳震盪ゴングで使われていた肉体強化の魔法にはできるだけ頼りたくないからな。あれは多分虚しいだけだ。
結局のところ怠けてしまい、ドアを使ってしまった。チートすぎるだろあれ。あれは人を駄目にするものだ。だが過信せず、もしものために色々調べておこう。なんだかんだで便利なんでな。
いい感じに不安定でアタマオカシイ文章になった。
満足。
それと適当に決めた主人公の住んでる場所の近くに五反田って場所がリアルにあって軽くビビった。