主人公の一部のセリフだけ分かっていれば良いと思う
ここでまたまた時間を飛ばす。現在中3の受験が終わってしまい、仲間内でだらだら過ごしているところだ。
今、全世界は織斑一夏の話題で持ちきりである。このメンバーでもその話で盛り上がっていた。
「なんで男がISを使えんだろーなー?」
「あれじゃね、昔から暗号的とか天文学的な確立で使えるような男が出てくるってよくテレビで言ってたろ。」
「でもISが出てから10年くらいしか経ってないよな。」
「まあ、所詮確立なんてただの目安でしかないし。」
俺も色々おかしいしな
「でもさ、受験会場間違えたときに動かしたって聞いたぜ。」
「アホだろオリムラくん。受験会場間違えんなよ。」
「それも考えるととんでもない確立だな。」
「あれだ、神様に愛されてんだよオリムラくんは。」
あれに愛されているのか? 縁起でもない。
「やっぱりIS学園に入るのかな。」
「うっわ、可愛そ。うざったい女の総本山だろあそこ。」
以前言ったであろう女尊男卑の概念を掲げる女はどんどん増えていった。まあ適正は低い奴らが多かったが……
「お前○×高行くんだろ? 羨ましい。」
「がんばっちゃいました。」
「なんでお前は○×高行かねーんだよ、行ける学力持ってんじゃんオレによこせ。」
「何言ってんだよお前は。それにおれは男子校がいいんだよ。」
俺は近くの男子校に行くことになった。
「景斗は女はいいのかよ。」
「なにも学校で会うことないだろ。それにあんな女が居ないとか最高。」
「まあ、そういう考えを持ったこともないけどね? ただそれでも男子校は……」
「うっせ、住めば都って言うだろ。」
「そこに行く奴他にも知ってる?」
「いるけど別クラスだし話したことないからよくわからん、5組の古賀って奴。」
「あいつ結構いい奴だよ。」
「へークラス一緒になったことでもあんの?」
「いや、部活が一緒。」
「じゃあ水泳部?」
「うん。そう。」
こんなんでよく多人数で話している。全員別の高校だがこれからも会うことは多いだろう。
それから3週間と3日が経った。
俺は無事に高校に入り、やはり男子しかいない事もあってすぐにクラスのみんなと仲良くなった。入ってまだ間もない頃なので授業も楽でオリエンテーションも多かった。ちなみに制服は学ランで気分は最高だ。
そして土日の休日も終わり月曜日がやってきた。
「おはよう 景斗。」
「おはよー。」
「なあ、今日の話、誰かから聞いた?」
「何も聞いてないけど…… もしかしてなんか行事でもやんのか?」
「なんかさ、今日はISの適正診断があるらしいぜ。」
「はぁ? なんで今更。」
中学からの友人から学校で検査したとか言う報告は聞いていたが入学直後の話であり、この学校ではやらないと思っていた。
「ここは男子校だろ? 検査は今まで共学ばっかり行ってたらしく、とうとう見つからなかったから後回しにされてた男子校に矛先が向いたってわけ。」
「じゃあ、授業潰れんのか?」
「イエス! 午前中の授業は全部潰れた!」
「よっしゃ! 英語と数Aが潰れたのはラッキーだ。」
そうと知ったのならば真面目に過ごす気など微塵も起きてこない。
友達から週刊誌を借りて漫画を読む。朝のホームルームなど聞く気が失せた。どうせろくな事を言っていないだろう。
そうして半分ほど読み終わったときに自分らのクラスが検査に呼ばれた。
みんなでゾロゾロと体育館へ移動する。どうやら相当効率の悪いやり方で検査ているらしく無駄な時間が多い。
浮き足立っている奴、根拠のない自信を持って居る奴、退屈そうにしている奴、そもそも興味のない奴etc.etc……
みんな入り口で渡されたプリントを読んでいる。
その内容によると目の前に居るのはIS学園の下っ端で織斑一夏に続く男性適合者を探しているらしい。取りあえず彼に近い同年代の男子である高校生を虱潰しに検査しているとの事。
そうしている内に検査が進んだ。自分のクラスになり出席番号一番の人が終わる。適正は無かったとの主を伝えているのが確認できた。現実を再確認しみんなのテンションが一気に下がる。まだまだ自信を持っていた奴もいたが、悉く適正無しであった。
俺の順番になり検査を受ける。なにやら機械に手を触れるだけらしい。原理が気になる。
何も考えずに、流れ作業のように手で触れ帰ろうとした時だった
「て、適正有り!、IS適正有りです!」
「何だって! もう見つかっただと!」
正に想定の範囲外の出来事だったと言える。その言葉の意味を再度確認、認識し頭の中では様々な言葉が浮かび、溢れかえる。
IS学園 IS適正有り 天文学的な確立 運命 神様の存在 2度目の人生 特典の追加
……強運
単語と単語が線で結ばれ、1つの意味を持った文に昇華。この時、俺は正しく認識したのである。
強運という特典は決して都合の良いものではなく、正しく呪いや祟りの類の物なのだと言う事を。
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ここからの俺は見苦しかった。
IS学園や学校の人から本格的な検査へとステップを進められるように指示されたが、拒否する。日本や世界中の人々の多数が羨む存在になってしまった俺にそんな我侭が許される訳がないと知りながらの、ささやかな抵抗であった。
しかし、クラスの人に適正と拒否したことが知られてしまい、憧れ、羨み、嫉妬、軽蔑などの色々な感情が入り混じった視線が自分に突き刺さる。もうここには自分の居場所は無い。ISに関わらない道はないと。脅された気分であった。
自分のクラスメートが持っている情報網によってどんどんこの事は広がっていった。初めはデマだと言われていた時期もあったが、本格的な検査が終わり、テレビで大々的に報道され、みんなこの事を知ってしまったのだった……
その前後、例のごとくIS学園への転校の話も出てくるし、旧友達からの連絡が殺到。メールの一斉送信で「たすけて」と打つ事がその時の精一杯だった。
家にも企業、研究者、マスコミ、政府の人間が押し寄せてきたのだが、両親は俺が有名になったと喜び、いつもより機嫌が良かった。なぜだ……
現実逃避の案でドアの中に逃げ込んだが、あの空間は時間が止まっていたので何も解決しなかった。同じように魔法で何処かへ逃げることも考えたが精神的に一人では生きては行けなかったので止めた。
俺の愛した日常は一瞬にして崩れ去った。最悪の可能性だがこのまま行くと魔法の使用もままならなくなるだろう。しかし、最早逃げられる可能性は微塵も残っていない。何とかして少しでも良い環境を整えなければならない。
また色々考えないといけない。その為には情報がいる。正直アニメはうろ覚えといったところだ。確認することも出来ないし自分の存在でこの世界の流れが変わってしまっている事も考えられる。客観的に見て絶望的であることには間違いない……
ナツメは100%善意でやってますが、人とは論理感がかけ離れているし
世間一般的な幸運は主人公にとって幸運になりえない事もあるのです。