アムドライバー×艦隊これくしょん   作:断空我

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タイトルが決まらない。

うーむ。


02

 アムジャケットを纏ったジェナス、夕張、朧、叢雲の三人は鎮守府、執務室へ向かう。

 

 深海棲艦の攻撃で鎮守府はダメージを受けていた。

 

「酷い」

 

 所々壊れている施設を見て朧が悲しそうにつぶやく。

 

「危ない!」

 

 前を走っていたジェナスが傍の朧と叢雲や夕張を守るように立つ。

 

 瓦礫がジェナスたちへ降り注ぐ。

 

「うぉらぁ!」

 

 150ソードを振るい、瓦礫を薙ぎ払う。

 

「大丈夫か?」

 

「は、はい」

 

 先ほどから信じられない光景を見ているために返事をしたのは朧のみ。

 

 叢雲は呆然としており、夕張はじぃーっとジェナスのアムジャケットを食い入るように見つめていた。

 

 しばらくして、執務室の扉が見えてくる。

 

 しかし。

 

「これは」

 

「司令官!」

 

 叢雲が中へ飛び込む。

 

 敵の砲撃を受けてしまったのだろう、執務室から黒い煙が噴き出ている。

 

 ジェナスも中へ入ると壊れた机などが目に入る。

 

「いた!」

 

 ジェナスは倒れている提督を見つける。

 

「外傷はない!」

 

「退いて」

 

 夕張が提督の体を調べる。

 

「詳しい検査をしてみないとわからないけれど、命に別状はなさそう」

 

「良かった」

 

 一息つくジェナス。

 

 しばらくして提督がうっすらと目を開ける。

 

「私は」

 

「提督、大丈夫ですか?」

 

 ヘルメットを外してジェナスが顔を見せる。

 

「ディラ君…」

 

「一体、何が起こっているんですか?」

 

「深海棲艦、が、ここを攻めている。第一艦隊が応戦しているが途中で連絡が途絶えてしまっている…確認しようとして敵の砲撃がここにきて」

 

「提督、それ以上は体に障るわ」

 

 夕張が止めようとするが提督はジェナスの両肩を掴む。

 

 強い瞳が捉えて話さない。

 

「頼む!」

 

 その一言にどれほどの力が込められているのか。

 

 向けられたジェナスは痛いほど理解できた。

 

 思い知らされた。

 

「わかりました。俺がここの艦娘達を助けます」

 

「……キミなら、そういってもらえると思っていた……」

 

 ジェナスの答えがわかっていたように提督は目を細める。

 

「ゲートへ行きたまえ、そこにキミ専用のものが用意されている。叢雲、朧」

 

「はい!」

 

「はい……」

 

「提督として命じる。ジェナス君の補佐をするんだ。大丈夫、彼ならきっと」

 

 傷に障ったのだろう、提督は目を閉じた。

 

「提督!?」

 

「大丈夫、気絶しているだけだわ」

 

 夕張の言葉に朧が安堵の表情を浮かべる。

 

「夕張さん、提督の事は任せていい?」

 

「えぇ、ジェナスさんは」

 

「俺は行く」

 

 立ち上がるジェナスへ叢雲が叫ぶ。

 

「無茶よ!人間が海へ出るなんて!」

 

「でも、誰かが行かないと艦隊の子達が危険なんだ」

 

「私達だけでいいわ!」

 

「放っておけない!」

 

「アンタ!命捨てるつもり!?」

 

「俺は」

 

 ジェナスは少し間をおいて叫ぶ。

 

「死なない!俺は死なない!」

 

 その気迫に叢雲はおされたようで後ろへ下がる。

 

「大丈夫」

 

 ジェナスの言葉に同意するような形で朧が頷く。

 

「私と叢雲がサポートする。だからジェナスさんは死なない」

 

「朧……アンタ」

 

「でしょ?」

 

「あ、当たり前よ!」

 

 朧の言葉に若干、頬を赤くしながら叢雲は頷く。

 

「ゲートへ案内するよ。提督の話だとそこに何かあるらしいし」

 

「そんなものあったかしら?」

 

 疑問を残しながらジェナス達は執務室を出る。

 

 残された夕張と提督はその背中を見送った。

 

 気のせいか、気絶している提督の顔は懐かしいものをみていたような表情だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 叢雲達に誘導される形でやってきたのは出撃用のゲート。

 

 海の入口と円形のスィッチがある。

 

 このスィッチを踏むことで艦娘達は艤装を纏うことが出来るのだ。

 

「やっぱり、何もないね?」

 

「まさかと思うけれど、私達みたいに出撃用のスィッチ押すとか?」

 

「とにかく、やってみるぜ!」

 

 ジェナスは二人の制止を聴かずに出撃と書かれているスィッチを踏む。

 

 その瞬間、ジェナスの前、海面から一つのボードが現れる。

 

 サーフボードのようなもので、後部にブースターのようなものが装備されており、ボードの周りは青く輝いている。

 

「これ…」

 

 ジェナスは現れたライドボードを見て驚きの声を漏らす。

 

 それはジェナスが愛用していたものだった。

 

「何よこれ?」

 

「これなら、いける!」

 

 ジェナスは150ソードを構えライドボードへ足をのせる。

 

 不思議な高揚感がジェナスの中で湧き上がる。

 

 それはアムドライバーとなったことによるものなのか、戦いへ向かう事の恐怖を紛らわせるためかわからない。

 

 だが、ジェナスは前へ踏みだす。

 

 第一艦隊を助けるべく。

 

 ピープルを助けていたようにジェナスは向かう。

 

「GetRide!」

 

 叫びと共にライドボードが射出されてジェナスは外へ飛び出す。

 

 続いて、叢雲と朧が続く。

 

 彼女達の腕や背中に艤装と呼ばれるものが装着される。

 

 艤装を纏う事で艦娘は本領を発揮することが出来るのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「叢雲、第一艦隊がどこにいるかわかるか?」

 

「え!?」

 

「多分だけど、この海域の近くのはずだよ」

 

 戸惑う叢雲に対して朧が答える。

 

「よし、行くぞ!」

 

 

 

 

 

 その頃、第一艦隊に所属する艦娘達は窮地に陥っていた。

 

 殆どが駆逐艦で編成されている第一艦隊に対して、目の前の敵は戦艦や重巡がほとんど。

 

 加えて、戦闘を終えての帰投中だったことからエネルギーと弾薬が少ない。

 

 軽巡の川内と神通がなんとか応戦しているが限界が来ていた。

 

「みなさん!撤退の準備を」

 

「で、でも」

 

 神通の言葉に睦月が戸惑いの声を漏らす。

 

 それに何かを言おうとした神通の傍を砲弾が降り注ぐ。

 

「神通さん!」

 

 睦月が彼女の傍へ駆け寄る。

 

 衣服の所々が破けて、艤装も煙を吹き出していた。

 

「神通!」

 

 川内が敵を蹴散らして近づいた。

 

「だ、大丈夫です。私は、それよりも」

 

「馬鹿なこと言わない!ほら、行くよ」

 

 神通を抱えるようにして川内と睦月は進む。

 

 他のメンバーは散り散りになっていてどうなっているかわからない。

 

 無事を願いながら睦月が進もうとした時、

 

 海面から突如、深海棲艦が現れる。

 

「わ、わ!」

 

 波にあおられて川内と神通はバランスを崩す。

 

 睦月が彼女達の方へ向かおうとするが眼前に砲塔がつきつけられる。

 

 躱すことも反撃する暇も与えられない。

 

 砲塔にエネルギーが集まっていく。

 

 呆然と見ていた睦月、やがてそれが死に至るものだと理解して、顔に恐怖が浮かんだ時。

 

「やっちゃる!!」

 

 叫びと共に青い閃光が深海棲艦の体を貫いた。

 

 目の前で海に沈んでいく深海棲艦。

 

 その光景を睦月は呆然と見ているしかない。

 

「……え?」

 

 驚いて、閃光が通り去ったほうを見る。

 

 そこにいたのは白いアーマーのようなものを纏った人?だろう。

 

 手に巨大なボードを構えていた。

 

「よし…って、うぉあ!?」

 

 エネルギーが消えると同時に彼は海面へ落ちた。

 

「何やってんのよ……」

 

「睦月、大丈夫?」

 

 遅れて叢雲と朧が駆け寄ってくる。

 

 叢雲は文句を言いながら白いアーマーの人を助けに行っている。

 

「わ、悪い」

 

「ねぇ、朧ちゃん、あの人は?」

 

「…臨時の、司令官かな」

 

 首を傾げながら朧はライドボードに乗ったジェナス・ディラをみる。

 

 睦月に気付いてジェナスがやってくる。

 

「よ、大丈夫か?」

 

「は、はい……あの」

 

「俺はジェナス・ディラ、新人少尉だ。キミは第一艦隊の?」

 

「は、はい!睦月型一番艦の睦月です!」

 

「離れた所に川内と神通さんの二人もいたから…あと、二人…雷と電を探さないと」

 

「よし…朧、ここは任せる。叢雲!俺と行くぞ」

 

「ちょっ、命令すんな!」

 

 颯爽と離れていくジェナスと叢雲。

 

 朧が神通や川内へ説明をしている頃、ぽつりと睦月は呟いた。

 

「………カッコイイ」

 

 

 

 

 

 

 海上をライドボードに乗ったジェナスが突き進む。

 

 進路を阻むように深海棲艦が現れるが150ソードの一撃で沈んでいく。

 

「なんて、速度よ」

 

 叢雲はジェナスから引き離されようになんとか進む。

 

 なによりも彼は深海棲艦をヒットアンドウェイで倒している。

 

 一撃だ。

 

 撃ち漏らしもない。

 

 あまりに的確な動きに叢雲は舌を巻きそうになる。

 

 提督から聞いていた情報によれば戦闘経験は皆無というのがジェナス・ディラについて。

 

 それなのに、これはどういうことなのだろう?

 

 前を走るジェナスは戦闘に慣れている様子だ。

 

 あの鎧がなんなのかわからない。

 

 わからないことだらけだ。

 

「いた!」

 

 ジェナスの叫びと共に顔を嗅げると深海棲艦に囲まれている電、雷の姿がある。

 

「叢雲!援護を頼む!」

 

「え、ちょっと……あぁ、もう!」

 

 苛立ちを覚えながら叢雲は主砲と魚雷を放つ。

 

 ジェナスよりも先に深海棲艦達へ砲撃が降りそそぐ。

 

 不意打ちに深海棲艦は驚き振り返る。

 

「うぉぉおおおおおおおおおおおお!」

 

 叫びと共に刃が煌めく。

 

 放たれた一撃が駆逐級と軽巡級を滅ぼす。

 

 残ったのは厄介な事に重巡級。

 

――助けて。

 

「!?」

 

 ジェナスは周りを見る。

 

 彼の耳へ届いた声。

 

「空耳?」

 

――助けて!!

 

「いや、違う!」

 

 ジェナスが声に意識を奪われていた時、目の前に重巡級の拳が迫っていた。

 

「グッ!?」

 

 咄嗟に150ソードで攻撃を受け止める。

 

 しかし、衝撃を殺しきれず手からソードが零れ落ちていく。

 

 拾おうにも深海棲艦の連撃に阻まれてしまう。

 

「アンタ!」

 

「叢雲!彼女達を連れて安全なところに行ってくれ!」

 

「何言ってんの!アンタの武器」

 

「武器なら、ある!っがぁ!」

 

 衝撃と共にジェナスは吹き飛ばされる。

 

 空中で反転するが着地する場所がない。

 

「しまっ!」

 

 ブン!何かが迫ってジェナスを抱きかかえる。

 

「ま、間に合いました~」

 

「キミは…睦月!?」

 

 ジェナスを抱きかかえているのは駆逐艦、睦月だ。

 

「睦月、どうしてここに!?」

 

「許可はもらっています。助けてもらったジェナスさんの手助けをします!」

 

「…だったら」

 

 ジェナスは海面を漂っているボードをみつける。

 

「俺はあのボードまで運んでくれ!」

 

「わかりました」

 

 いわゆるお姫様抱っこならぬ王子様抱っこの状態だがジェナスは考えている暇がない。

 

 頭の中で助けてと響いている声。

 

 ジェナスはその声の主を助けることを考えていた。

 

 他の深海棲艦が砲撃を放つ。

 

 魚雷、主砲、様々な雨が降りそそぐ中、睦月はそれらを華麗に躱していく。

 

 本来なら直撃していたものも睦月は不思議とそれらを回避していた。

 

「(体が軽い!)」

 

 睦月はジェナスを抱えているというのにそんな様子をみせず走る。

 

 重巡級の砲撃を躱しながら睦月がボードまでたどり着く。

 

「ジェナスさん!」

 

「よし!」

 

 ライドボードに乗ると同時に速度をだす。

 

 距離を詰めようと深海棲艦もジェナスへ迫る。

 

「やってやるぜ!」

 

 叫びと共にジェナスはボードを蹴る。

 

 空中で回転するボードの底部、グリップを掴んでジェナスは突撃する。

 

 ボードの先端が伸びて刃のようなものとなる。

 

 深海棲艦の拳とジェナスのボードがぶつかり合う。

 

 爆発と共に深海棲艦の体に大きな穴が開く。

 

 ボードアタック。

 

 ジェナスが得意とする技。

 

 その攻撃を受けた深海棲艦は消滅する。

 

 同時に目の前で裸の女の子が現れた。

 

「……ヘッ!?」

 

 突然の事にジェナスは驚きながらもボードで駆け寄って女の子を抱き留める。

 

「深海棲艦が逃げていくわ!」

 

 叢雲の言葉に視線を向けると深海棲艦達は逃げていく。

 

「ジェナスさん!大丈夫ですか……え!?」

 

 駆け寄ってきた睦月は息を飲む。

 

 その目はジェナスではなく、腕の中にいる少女へ向けられていた。

 

 信じられない。

 

 睦月の顔はそう語っていた。

 

 少しの謎を残しながらも、鎮守府を狙った深海棲艦の幕は閉じる。

 

 

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