装刃機兵の秘焔魂〜ブレイズソウル〜   作:勘張 明倫

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第2話 緋炎輝妃と神仇の魔手

白雪を医務室に運んでからほぼ1時間後。

 

学院長からの使いでやってきた生徒に連れられて俺は闘技施設へと足を踏み入れた。

この闘技施設には選手控え室も存在し、今俺はそこで装刃のメンテをしていた。

幼い頃から機械いじりが好きだったためか量産モデルならばメンテナンスを1人で行えたからだ。

 

 

しかしその時、

 

?〈んっフッフーン。

今日も素晴らしい決闘日和ですねぇ♫そうは思えませんかご主人。

私は今すぐ暴れたい気分で昨日はあなたの肩の中でゴロゴロコタツムリをしてたものですえぇ。

そしてきっとあなた様は私めをーー〉

東「・・・頼むから集中してる時に話しかけないでくれ。

気が散る」

 

俺の右肩あたりが光りながら俺の頭の中に声が響き、

俺はつい口に出してそう言ってしまう。

 

?〈おやおや、これはこれはご主人が集中しているとはこの私めは全く、いえ本当にこれ以上ないくらい想定していませんでした。

ですが、私としてはこれは集中力を妨げるためではなくご主人の気を紛らわしてバトルの時に緊張をして失敗をしないようにというご主人のお身体を守ることにつながる事、

そう!まさしくそれは私のご主人に対する忠誠の証!

それはもう実体化の暁にはご主人の靴をペロペロするくらいに〉

 

東「黙らないとお前との回線をオフにする。」

?〈やめてください死んでしまいますぅ!〉

 

そいつがペラペラ喋る口調を急に変えて俺に懇願したのは俺が首元につけた装置に手を掛けた瞬間だった。

 

俺は何とかそうしてそいつを黙らせてメンテを終わらせ、闘技スペースの中に入った。

 

闘技スペースはコロシアムのようになっていて、

俺達の数倍近い壁、相手側から100メートルは離れているであろう広いフィールド。

そして壁の上部には客席らしき場所に生徒が山ほど集まっていた。

 

 

これは入場の際に聞いたのだがどうやらこの戦いのために授業を一部中断しているらしく、ギャラリーが客席のほとんどを占めていた。

 

東「・・・たく、よりによってギャラリーがこんなにわんさかと。

あいつの存在を見られるわけにはいかねぇってのに。」

?〈ご主人!

いざとなれば開き直って私を〉

東「回線切るぞ。」

?〈酷い!でも感じちゃいます!〉

 

こんな状況でも変わらない奴の長舌さに呆れたその時、

対戦相手となる会長の姿が見えた。

 

首からかけたアクセサリーを握りながら登場するその様はまさしく歴戦の勇者という雰囲気を醸し出していた。

俺は何とか気を保ちながらも前に進み、中央付近で彼女と向き合って立った。

 

 

立「・・・逃げずに私の勝負に向かった姿勢は評価します。

しかし、

相手の力量を見なかった事は一生の不覚になるでしょう。」

 

東「・・・力量を見なかったことはたしかに本当だ。

けど、俺はこの勝負に負けるつもりも無い。

俺には、果たさなきゃいけない目的と晴らさなきゃいけない汚名がある。

 

あんたには俺に負けて冷静に俺達の話を聞いてもらうからな。」

立「・・・せいぜい半分ほど期待しておきますわ。」

 

彼女はそう言うと俺に背を向けて歩き出し、離れた位置で再びこちらを向いた。

これがどうやらこの学院の決闘する時の準備らしい。

おれも彼女と同じように歩きそして彼女を見る。

 

学院長《あーあー、えっと・・・聞こえてるよねお二人さん。

それじゃ!

これより、立花立花対東雲蒼の決闘を執り行う。

ルールとしては相手の意識が無くなる、もしくは相手の装刃を使用不能に追いやった方の勝ちとする。

 

では早速だが、それぞれ装刃を展開してくれ。》

 

俺と彼女の間に現れた学院長のホログラムがそういったとき、

彼女は右腕を自身の胸の前に動かす、袖がずれて彼女が腕につけているものがこちらでも確認できる。

 

東「・・・(緋色の宝石の入ったバングル・・・

なるほど、あれが会長の装刃のステイモードか。)」

 

俺は彼女の腕にあるバングルを見てそう確信した。

この世界で使われる装刃は展開状態とは別に普段持っておくために宝石のようなデバイスに装刃を収めたステイモードがある。

デバイスは宝石とほぼ同じようなものらしく、

アクセサリーのようにネックレスや指輪にして持っている奴もいるらしい。

 

立「・・・皆を包み壊す炎よ、温もりをくれる優しき炎よ。

我が剣と盾となり私の前の敵を燃やせ!

装刃、〈炎皇の従剣(スカー・チャリオッツブレイド)〉!

ドライヴソウル!!」

 

彼女がそうバングルに触れながら叫んだその時、バングルについていた宝石が輝きそして炎を吐き出し始めた。

炎は最初は周囲に噴出しているだけだったが次第に二点に集まって行き、

そしてその炎は次第に武器に変化する。

 

1つは意匠が施された西洋風の剣に。

もう1つは彼女の胴体を隠してしまうほどの大きさの盾に。

そして彼女がそれを手に取り、剣を振るった瞬間発生した熱が俺に襲いかかる。

攻撃でも何もないのに体力が奪われたのを感じた。

 

立「・・・さぁ、

次はあなたの番ですよ東雲さん。

あなたの装刃・・・見せてくださいな!」

 

東「(っ・・・これが序列1位の実力か・・・

取り出した時の熱でここまで熱いなんて規格外にもほどがあるだろう・・・

おれの持ってきたやつじゃ到底性能がおいつかねぇ・・・

だが、おれはこいつを使うわけにはいかねぇんだ。)・・・俺の装刃は・・・

こいつだ!」

 

俺はポケットから2つの宝石型デバイスを取り出して上に投げた。

数が2つあったことから会長が驚いたが、すぐにその顔は疑問をうかべた顔に変わる。

 

2つデバイスは空中で光りハンドガンとソードに変わる。

そのまま落下してきたハンドガンをキャッチし、落下して地面に突き刺さったソードを抜き取って俺は構えた。

 

東「・・・装着完了、

スピネルソード、ハンドバレッド。

これが俺の今の装刃だ。」

 

抜き取ったソードを会長に突き出し、決めゼリフを放つ・・・が、

 

立「・・・あなた、この私を侮っているのですか!?

私を侮辱するつもりなら今すぐ止めなさい!」

 

次に聞こえてきた言葉は会長の怒りの声だった。

観客には彼女を慕うものもいたのだろうか客席の一部からヤジが飛ぶ。

 

東「あー、気を悪くしないでくれ。

俺の装刃は調整が間に合わなかったんだよ。

ここに来るまで調子が悪いままで間に合うか不安だったけど結局ダメでな。

 

だから俺の装刃はこの2つで相手してやる。」

 

立「メンテナンスくらいしっかり頼んでおいてくださいな!

学園長!

彼の行いは明らかに私に対する侮辱です!

ましてや量産式の底辺にあるような初期装刃で私に挑むなど」

東「武器の指定はされてないはずだろ?

別に俺が初期の装刃であんたとやろうとそれは俺の勝手だしルールを反してるわけじゃねぇ。

 

そうだろ?学院長さん。」

 

そう、武器に細工を施すのを禁ずルールはあれど武器を制限するルールは決闘の時は存在しないのだ、

先ほど開戦前にルールに目を通したときこれに気づき俺はこの2つで挑むと決めた。

右肩のこいつを、使わないために

 

学院長《・・・確かに、彼の言う通り。

武器に対する制限はないね。

それにそれだけで侮辱と取るのはいささか決断が早いよ立花くん。》

立「・・・」

 

会長は無言で俺を睨むがそれも無理もない。

はたから見れば全力で向かうための装刃を出した会長と、

手加減しているとしか思えない装刃を出した俺。

 

おそらく彼女のプライドは今はらわたが煮えくり返っているだろう。

 

学院長《えーっと、ルール的には特に問題はない。

と言うわけで!早速だが決闘を始めたいと思う!

両者・・・始め!》

 

学院長の気の抜ける声を合図に彼の近くにあった鐘が鳴らされる。

それと同時に生徒の応援が始まった。

・・・ほぼ全てが会長への声援だったが。

 

立「・・・いいでしょう。

あなたが何を考えているかは全くわからないし解りたくもありません。

けれど、立花家を侮辱するであろうその行為・・・行ったことを悔やみなさい!

緋炎斬!」

 

会長は手に持つ剣を思い切り横に振り剣に纏っていた炎を衝撃波のように飛ばしてきた。

 

東「(・・・あれだけ凄まじい装刃なら、使用者の体力の消耗も激しいはずだ。

まずは、耐えきるのみ!)

ふっ!」

 

おれはその斬撃を助走をつけて飛んで回避、そして着地と同時にハンドバレットで会長に向けて連射する。

 

飛んだ弾は会長に向かっていくが命中する前に壁のように吹き出した炎によって消滅した。

 

東「(おいおい、銃弾消滅させるほどの炎の壁があるのかよ。

これじゃハンドバレットの攻撃は意味ないか・・・なら!




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