精神もTSしました   作:謎の旅人

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第101話 私、つい告白してしまう

 不機嫌な私であったが、鈴には悟らせずに二人との会話を続けた。

 さて、食べ終わると鈴が再び話を始める。

 

「ところで、千冬さん。詩織とどういう関係なんですか?」

 

 そう、鈴が気になっていた私と千冬お姉ちゃんの関係である。

 聞かれた千冬お姉ちゃんはちらりと私を見る。

 私に判断を窺いたいのだと理解した。というわけで、私から説明させてもらおう。

 

「私が説明するわ」

 

 ちょっと緊張している。

 だって、私の性癖とか色々これからしゃべるんだもん。いわば告白である。やっぱり緊張するに決まっている。

 

「詩織が?」

「ええ。これには私が適任だから」

 

 何せ私、ハーレムの主だもん。説明するのは私が相応しいだろうな。

 

「まず、最初にあなたの質問に答える前に私のことを話しておくわ」

「え? 詩織の? 関係があんの?」

「ええ。十分関係あるわ」

 

 むしろ私のことを話さなければ意味がない。

 

「まず最初に私、同性愛者なの」

 

 言った。ついに言った。

 私の心臓はもう激しく鳴っている。激しい緊張で変な汗も。

 

「………………え?」

 

 それを聞いた鈴は時間がかかって内容を読み込めたようだ。ただ、理解しているようには見えない。

 

「え? ええっ? ま、待って。り、理解しきれない。わ、分かりやすく言って」

「分かりやすく、ね。分かったわ」

 

 言葉では脳が混乱して分からないようだから行動で教えようか。

 ならその行動はキスがいいよね! だって、キスは同性でもしないから。え? ハグ? これは友達同士でもやる。ほら、現に鈴と抱き合っていたし。

 というわけでキスである。

 でも、キスは鈴にするというわけでは、もちろんない。私のキスの相手は千冬お姉ちゃんである。

 千冬お姉ちゃんが鈴の詳しく知っている人物ということもあるから、千冬お姉ちゃんとキスすれば鈴もよく理解できるだろうな。

 私は千冬お姉ちゃんに顔を向ける。

 ただ、それだけでは伝わらなかったみたいなので、千冬お姉ちゃんの手を取るとぐいっと引っ張って、こちらに寄せた。

 

「し、詩織」

「キスします」

「ま、待て! 鈴がいるぞ!?」

「分かってますよ。話、聞いてたでしょう? 説明するにはこれが一番なんです」

「だ、だが」

「恥ずかしいのは分かります。私だって恥ずかしいです。一緒ですよ」

 

 千冬お姉ちゃんは渋々受け入れてくれた。

 鈴は私たちを見ている。

 それを確認した私はお姉ちゃんの唇にチュッとキスをした。

 

「!!」

 

 その光景を見た鈴が驚くのが分かる。

 だけど、こんな短いキスではなく、もうちょっと長いキスのほうがいいだろう。

 そう思って、もう一回キスをする。言ったとおり、長いキスである。

 

「!!!!」

 

 さらに恋人らしいキスを見せられた鈴はさっきよりも驚いているようだ。

 私からのキスだけど、千冬お姉ちゃんもキスしているうちに乗り気になったのか、それとも、私たちの関係をはっきりさせるためか、私の腰に腕を回して、体を密着させてくれる。

 ま、まずいなあ。こ、このまま続けちゃうと我慢できなくなるよ。

 ということなので、いつまでも離れてくれない千冬お姉ちゃんを力技で離れさせた。

 

「ぷはっ、どう? これで信じてもらえたかしら?」

 

 私は口元の涎を拭いながら鈴に聞く。

 鈴は顔を真っ赤にして固まっていた。

 むむ、刺激が強すぎたかな?

 鈴が元に戻ったのはしばらくしてからである。

 

「わ、分かったわ。ええ、詩織が同性愛者で、二人の関係が恋人だってことも」

 

 あっ、そういえば私と千冬お姉ちゃんの関係も、私が同性愛者というのを証明するのに一緒に証明してしまった。

 

「ええ。そうよ。私たちの関係は恋人よ」

「な、納得したわ」

 

 鈴の顔はまだ赤い。

 

「引いた?」

 

 私は思わず聞く。

 

「……ちょっとだけ」

 

 鈴は正直に答えた。

 ちょっとショックを受けたが、それが当たり前である。それに鈴は行動にそれを出していないのだから、まだいい方だろう。

 

「その、千冬さん。一夏はこのことを?」

「いや、知らない」

 

 千冬さんが口元を整えながら答える。

 

「言わないんですか?」

「いつかは言うが、今は……恥ずかしいからな」

 

 千冬お姉ちゃんが顔をやや赤くする。

 可愛い。襲いたいな。

 

「な、なんだか、千冬さんのそんな反応、新鮮です」

「そ、そうか?」

「ええ。その、ノーマルな私でも可愛いって思うほどです」

 

 何だか千冬お姉ちゃんの可愛さを理解してもらってうれしいけど、その可愛さを知られることになったことに少々嫉妬する。

 やっぱり恋人の笑顔などは独占したいというのがある。

 

「そういえば、詩織。いつまでそのままなのだ? 鈴しかいないし、私たちの関係はもう話した。いつものお前でいいぞ」

 

 それは生徒会長モードを解除しろということである。

 

「分かりました」

 

 そう言って、私は解除した。

 

「? あれ? 詩織、なんかした?」

 

 解いた瞬間、鈴が私を見て、首を傾げる。

 どうやら、鈴は私の変化に気づいたみたい。

 

「へえ、気づくんだね」

「!? な、何か変わってない!?」

 

 鈴は驚く。

 

「うん、変わったよ。こっちが、う~ん、本来の私?」

 

 ちょっと疑問系になる。

 だって、生徒会長モードは前にも説明したように口調と雰囲気を変えただけであって、別に偽りの姿というわけではないから。

 まあ、これを他の人に言っても、よく理解できないことだから偽りの姿と言われてもしょうがないとは思っている。

 でも、私の中身がどっちのときも一緒であると理解はしてほしいけどね。

 

「な、何だか、めちゃくちゃ――えっと、何て言うの? 可愛くなった?」

「ほう、鈴も分かるのか?」

「え? 分かるのかって?」

「詩織の雰囲気が変わった時点で分かるのは、今のところ篠ノ之 箒と私と他の詩織の恋人たちだけだ」

「へえ、そうなんですか」

 

 とはいえ、それはただ単にそこまで仲がいい人物が少ないだけであって、私がもっと箒のような関係の友人を作れば、私の違いが分かる人は増えると思うが、今の私にそのような気はない。

 別に友人を作りたくはないというわけではないけど、私の違いが分かるほどの人を作りたくはないのだ。

 

「――って、え? ちょっと待ってください。し、千冬さん? な、何て言いました? 『私と他の詩織の恋人たち(・・)』って言いました?」

「ん? ああ、言ったぞ」

「え、ええ!! ど、どういうことよ、詩織!」

 

 鈴が私に近づき、そう言った。

 

「言ってなかったね。私、ハーレムを作ってるんだよ」

「は、ハーレム?」

「そう。私の夢がハーレムを作ることなんだよ。好きな人たちと一緒に幸せに暮らしたいの。で、そのハーレムの子たちを私はこの学園で探しているんだよ」

「……そ、そうなんだ。というか、そういう理由でこの学園に来たの?」

「そうだよ。女子高なんてたくさんあるけど、いるのは日本人の子だけだからね。それに対してこっちはIS学園。世界中の子達が集まるんだよ。本来ならば会えないはずの子と会える。ある意味運命じゃない? だから私はここを選んだ」

「な、何か詩織の本気が見えるわね。って、待って」

 

 鈴が真面目な顔になる。

 

「詩織って同性愛者で、ここにはハーレムを作るために来たのよね?」

「うん!」

「……も、もしかして、あ、あたしもその候補とかだったりする?」

 

 その鈴の言葉に笑顔のまま固まる私。

 ど、どうしよう……。一応、今日全てを話して、鈴に告白、またはそれに近いことを言おうと決めていたけども! で、でも! こ、このパターンは予想してなかった!

 こ、この流れで言っちゃう!? 言っちゃうの!? てっきり私は鈴を部屋に送るときに寄り道でもしてからそのときに言うとか思ってたのに!

 そのまま沈黙が続く。

 その沈黙を破ったのは――

 

「ごほん、詩織」

 

 千冬お姉ちゃんだった。

 ただ、そう言っただけだったが、私の硬直も解ける。

 そして、私は自然と勝手に、

 

「うん、鈴も私のハーレム候補だよ」

 

 と、答えていた。

 って、私、何普通に答えているの!?

 それを聞いた鈴のほうは顔が真っ赤だ。ある意味告白を受けたというわけだもんね。

 ど、どうしよう……。い、いや、言ってしまったのだからもうこの勢いに乗って私の想いを鈴に伝えよう!

 私は鈴に近づき、その頬に手を当てる。

 鈴は頬に私の手が触れた瞬間、びくりと震えた。

 

「鈴、私、ずっとあなたのこと気になっていたんだよ」

「それって……」

「好きってこと。ねえ、鈴が一夏のこと、好きだって知っているけど、私じゃダメ? 私、鈴のこと、一生愛するよ?」

「あ、あたしは……」

 

 鈴の顔は真っ赤のままだ。

 私の言葉に嫌がっている様子はない。

 やっぱり私への好感度はとても高いみたい。さっきみたいに引いたりはせずに、恥ずかしがっているだけだった。

 ただ、すぐに答えがでないのは、もちろんのこと一夏への想いが大きいからだろう。

 ちっ。

 

「別に今、答えださなくていいよ。私はずっと待ってるからね。もし私の恋人になるとき、それが一夏に振られたからって理由でもいいよ。私は受け入れるから」

 

 もちろんのこと、鈴に私に対する恋心がなくていいというわけではない。あったほうがいいに決まっている。

 だけど、それは最終的にである。とりあえず恋人にしておくというのは別に私の中では問題ない。

 うん、問題はないけど、本当のことを言えば恋心があってから恋人になってほしいけど。

 

「分かったわ。で、でも、ほ、本当に、好き、なの?」

「うん。好き」

「ど、どのくらい?」

 

 まだ答えない鈴だけど、私の鈴に対する想いの本気度は気になるらしい。

 

「そうだね。死ぬまでの未来を考えるくらい」

 

 すると鈴はさらに顔を真っ赤にさせ、顔を俯かせた。

 どうやらその言葉の意味が理解したようだ。

 

「そこまで? その、詩織のその思いを貶すってわけじゃないけど、学生の付き合い何だからもっと軽くても――」

「私は無理!」

 

 私は鈴の言葉を途中で遮って言う。

 

「恋人になるんだよ? キスだってするんだよ? え、エッチなことだってやるんだよ? 私には将来を考えないでそんなことできないよ。だから、私は恋人になった子をどんな理由であろうとも決して放さない」

 

 私の考えはきっと現代では重いのかもしれないけど、私はやっぱりこの考えを大切にしたい。箒も同じ考えである。

 

「鈴、詩織はハーレムを作るという欠点はあるが、その、将来の相手として不足はないぞ?」

 

 私を応援してくれるためか、千冬お姉ちゃんがそう言う。

 私の恋人は私の味方である。多分。

 

「ち、千冬さんまでそんなことを言うなんて……」

 

 鈴にとっては自分の知っている千冬お姉ちゃんと違ったのだろうなあ。

 

「鈴、私はさっき言ったように答えは今じゃなくて良いから。ずっと待っているよ」

「……そう」

 

 返事はそれだけだったが、それで十分である。というか、それ以外に何を言えるし。

 ともかく、一先ず鈴への告白(?)は無事(?)に終えた。

 

「じゃあ、鈴。お風呂に一緒にお風呂入ろうか」

 

 夕食も食べたし、言いたいことも言ったので、後は帰るくらいしかない。

 でも、お風呂はまだなので、鈴と一緒に入りたいと思った。

 千冬お姉ちゃんは誘ってない。だって千冬お姉ちゃんはちょっと周りに人気過ぎるから。

 なので、千冬お姉ちゃんはとても拗ねている。

 可愛すぎる。千冬お姉ちゃんはそれを理解しているのだろうか。

 

「え、えぇ!?」

 

 一方の鈴は驚愕している。

 

「ま、待って。詩織はあたしに告白したのよね?」

「そうだね。あまりいい雰囲気じゃなかったけど」

 

 良い雰囲気で告白できなかったので、そこは反省点だけど。まだチャンスあるかな?

 

「その、あたしとしてはあたしのことを好きな人と一緒に入るのは、わ、悪いけど、抵抗があるんだけど。その、性的に見られるって意味で」

「大丈夫! 見ることはあっても襲ったりなんかしないよ!」

 

 無理やりなんてそういうプレイでない限りやらない。

 

「今は友人同士だからね。一緒に入ろう? いいよね?」

「……そうね。分かったわ。でも! 変なことをしたら絶対に許さないから!」

「うん!」

 

 ということで、鈴と一緒に風呂に入ることになった。

 

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