「そういうことならこうしてまた痛くするかもしれんが、我慢して欲しい。愛情表現とでも思ってくれ」
「まあ、愛情表現なら」
さっきのはちょっと痛すぎただけだ。ちょっとくらいの痛みで、それが愛情表現と知っていれば受け入れられる。……痛いとはもちろん思うけどね。
「じゃあ、続けるぞ」
「はいっ」
お姉ちゃんはついに私の服を脱がし、上半身を裸にした。
この場所はあまり人が来ないし、今の時間帯は夜なので人が来るのはさらに低い。ここで上半身を裸にしても問題はない。
私はこっちからもやりたいと思って、向き合う形になる。
「お姉ちゃん、キス……」
「んっ」
私はお姉ちゃんの首に腕を回し、キスをする。
キスはただ単に触れ合うだけから舌と舌を絡ませ合う、濃厚なものへと変わっていく。
波の音が響き渡るこの場所に、私たちの色のある声もまた響く。
体勢が変わったおかげか、お姉ちゃんは両手で揉んできた。
「んあっ」
「ん、顔が赤いぞ」
「それ、は、お姉ちゃんも、ですっ」
互いの体は興奮により熱を持っている。それはキスなどの行為からの興奮もあるが、こんな誰かが通るかもしれないという場所で行為を行っているということからの興奮もある。
露出狂ではないが、それでもこういうのって興奮する。うん、これはおかしくはないはず。誰だってこうなるはずだ。私だけじゃない。お姉ちゃんも同じみたいだし。
「詩織、場所を移そう。だんだん温かくなってきたが、夜はまだ寒い。お前に風邪なんてひかせたくない」
「でも、こうしてくっついているし、キスとかしているので逆に熱いくらいですよ?」
「そ、そうだが、万が一というものがある。これのせいで風邪を引いたら」
「大丈夫ですよ。私、普通のときは病気になりませんから」
「いや、そうではなくてだな……。その、分からないようだからもう言ってしまうが、お前との関係を深めたいんだ。こういう触れ合いもいいが、もうちょっと先を行きたい。愛し合っているからこそできることをしたい」
「!!」
お姉ちゃんが言いたいことが何か分かった。
いつもエッチなことしたい! とか思っている私だが、いざやろうなんて言われて、私の顔は真っ赤に、その鼓動は激しく鳴った。
私って本当にへたれだ。いざとなると躊躇うなんて……。
前世のころは違った。このようにへたれることなく、うまくできた。
こうなったのも私が女の身であるからだろう。
私は女同士で体を重ねることに、心の底では引っかかっているのかもしれない。または、恋人の初めてを、本来男性が奪うものを、女の私が奪っていいものかと思っているのかもしれない。
まあ、大層なことを思っているが、ただ単にそういう特別な理由はなく、本当にへたれになったという可能性が高いが。多分、特別な理由はそのへたれを隠したいがためのものに違いない。うん、そうだ。
だって、私は別に遊びで恋人になっているわけじゃないもん。ちゃんとこの命が続く限りずっと一緒にいるという意味で恋人なんだもん。もちろん同性ということでの現実の厳しさは知っている。これでも前世を最後まで生きた人間だ。
だから、そういう理由は隠すためのものだ。
でも、躊躇ったのは、本当はへたれということ以外にも理由がある。
「ごめんなさい。その誘いを受けたいですけど、今は無理です」
「なぜだ? 確かにまだ恋人になったばかりだが、私のお前への想いは本物だ。恥ずかしくてあまり言いたくはなかったが、私とお前の子が欲しいな、なんて考えたこともある。それほどお前を想っている」
お姉ちゃんの顔は本気であった。それが私には分かる。お姉ちゃんが本気なんだと知ることができた。
簪もセシリアもお姉ちゃんも私を愛してくれている。本当に私は幸せ者だ。
「お姉ちゃんの想いを疑ったりしているんじゃないんです。ただ、その、私の初めては簪に、と思っているんです。だから、ここで頷けません」
そう言うとお姉ちゃんはびっくりしたようだった。
私の躊躇った理由はこれだ。まだ私は簪を抱いていない。それなのにお姉ちゃんと事に及ぼうとするのは間違っている。
「どうしたんですか?」
「いや、まさかまだ処女だとは思っていなかったからな。てっきりもう済ましていると思っていた」
「いくら私でもこういうことをすぐになんてしません」
まあ、へたれだったので、というのもあるが。
「だが、私が誘ったとき、してもいいかもと思ったのではないか?」
「ぐっ、た、確かに思いましたけど、ちゃんと断りました! だからセーフです!」
慌てる私をお姉ちゃんが抱きしめてくる。
「お前は本当に可愛いやつだ。やはりここで襲ったほうがいいか」
「抵抗しますよ?」
「だが、本気じゃないだろう? お前はそういう人間だ。そして、ここで私がお前の純潔を奪ってもお前は私を受け入れてくれる」
その自信はどこから来るのだろうかと思うのだが、本当にされてもお姉ちゃんが言った通りになるように思えて否定はできなかった。
きっと私は受け入れるだろう。怒ったりはするだろうが、嫌いにはならないと思う。
私が無言でいると、
「冗談だ。例え私が言った通りになるとしても、そんなことはしない」
と言った。
「やっぱりお姉ちゃんは私のを奪いたいんですか?」
「恋人である以上、恋人との初めてを奪うのは自分のものにしたと思えるからな」
私も同じように思っている。
その純潔を汚し、自分の色に染めたい。そうすることで恋人たちが自分のものになったと思えるから。
「お姉ちゃんに私のをあげられなくてごめんなさい」
「別にいい。私としては男に奪われるよりもはるかにいいからな」
そう言ってお姉ちゃんは行為の続きを始めた。
でも、私はお姉ちゃんの手を止めさせる。
お姉ちゃんの顔がなぜとなるが、それは無視して私の手がお姉ちゃんの服へと伸びる。
お姉ちゃんの服はスーツ姿なので、ボタンをすべて外せば簡単にその素肌を目にすることができる。
すべてのボタンが外し終わるとブラジャーに包まれたおっぱいが。
黒のブラジャーであることとお姉ちゃんの大人の色香が『大人!』って感じを醸し出す。
セシリアの下着もそうであったが、セシリアはまだ子どもっぽさの残る大人の感じを醸し出していた。簪は……まだ子どもって感じでした。
かく言う私もまだ子どもっぽさがある。
こ、これが大人なのか。
自分の母親は親ということもあるが、私と似ているので大人という雰囲気を感じることはなかった。
「お姉ちゃん、色っぽいです」
「そうか?」
「はい。思わず襲ってしまいそうになるくらい色っぽいです」
「こっちとしては大歓迎なんだがな」
せっかくなのでブラをはずさずにその上からおっぱいを揉みはじめる。
その間お姉ちゃんは何もせずに興奮により、頬を赤くしながら私にされるがままになる。
そうしてしばらく揉んで、ついにブラを外した。
初めて見るお姉ちゃんのおっぱい。それにしばらく見惚れた。
「ここもきれいです」
「……あ、あまり言うな」
「? さっきも褒めましたよ?」
「さすがにこうして自分のを何も隠さずに言われると恥ずかしい」
またお姉ちゃんの恥ずかしそうにしている顔が見れた。
もう! 本当にお姉ちゃんは可愛いんだから!
私はそのおっぱいに手を置く。
柔らかな弾力で、ちょっと力を込めて揉む。
「んっ」
刺激を与えられたお姉ちゃんの口から声が出る。
「お姉ちゃんの声、とてもエッチですよ」
「なっ! そんなことっ――んあっ」
「否定はめっ、ですよ。お仕置きです」
私は両手で揉むようにする。
最初は声も小さかったお姉ちゃんだったが、私がお姉ちゃんの体(上半身のみ)に手を使って刺激を与えるうちに声はさらに甘い声となり、さらに私を興奮させた。
「しおり……」
お姉ちゃんが私の名前を熱のこもった声で呼ぶ。
今のお姉ちゃんは世界が知っているブリュンヒルデで、現在はIS学園の教師をしている織斑千冬ではない。恋人との淫らな行為を楽しむ織斑千冬だ。
そのことは私の興奮をさらに高めた。
「お姉ちゃん、ちゅ、ん」
互いの手は互いのおっぱいを揉んでおり、互いに刺激を与えていた。
でも、私たちはただ揉んでいるだけだった。
お姉ちゃんをもっと気持ちよくさせたいと思った私は、お姉ちゃんの手を引き、ベンチを離れ近くの芝生へと向かった。
「どうしたんだ?」
ちょっと不満げのお姉ちゃんが問う。
「お姉ちゃんを気持ちよくするためです」
そう答えるとうれしそうにしながら俯いた。
目的の芝生に着くと私はお姉ちゃんを仰向けに寝かせる。
お姉ちゃんは期待するような目で私を見てくる。
その期待に答えるために顔をお姉ちゃんのおっぱいに近づけ――
互いに欲求を発散した後、すぐさま服の乱れを直したりする。
うう、下着はもうダメだ……。
そういうことなので脱いでしまう。ノーパンになるが、履けなくなったものをいつまでも履こうとは思わなかった。
「なぜ脱いだんだ?」
「……お姉ちゃんの今のパンツの状態なので」
「!? な、なるほどな」
お姉ちゃんは急に脚をもじもじとさせる。意識させてしまって違和感が出てきたらしい。
あっ、でも、どうしよう。私、袋とか持ってきてない。
恋人と会うんだからもちろん話だけで終わるとは思ってはいなかった。キスで終わるかななんて思っていたのだ。まさかここまでするとは思わなかった。
うう、手に持って、帰るなんてして途中で誰かに会ったら言い訳なんて難しいよ……。
「どうした?」
私が困っていることに気づいたようだ。
「私、入れ物がなくて……。だからどうやって部屋まで戻ろうかと思って」
「ふむ、途中で誰かに会って見られるのもまずいからな」
お姉ちゃんも考え始める。
う~ん、どうやって持って帰れば……。もちろんのこと履くなんてことは論外。手に持つこともダメ。絶対に途中で誰かに会う。この時間帯は特にそうだ。風呂とかで部屋を出る人が多い。
うう、どうしよう。
そう思っていると顔を赤くしたお姉ちゃんが何か思いついたようだ。
あれ? もう終わったからさっきまで普通だったのに。
顔が赤くなっていることに不思議に思ったが、きっと下着を意識したせいだろうと思った。
「し、詩織。実は一つ思いついたことがあるんだ」
「えっ!? 本当ですか!?」
「ああ、実は仕事の帰りに寄ったから鞄があるんだ。それでよければ」
「お願いします!」
「ただお前の部屋までついて行くことができないから、下着は後日洗って返すことになるがいいか?」
「大丈夫です!」
お姉ちゃんは一瞬喜んだように見えた。
鞄を整理したお姉ちゃんは鞄の口を開き、入れるように言う。
入れ終わると私は一息ついた。
ふう、これで安心安心!
「お姉ちゃん、今日はいい時間でした」
「それは私もだ。触れ合うことができてよかった。今日はしばらく眠れないな」
「ダメですよ。ちゃんと寝てください。明日も授業があるんですから」
「分かっているさ。お前が見ているのにみっともないところを見せるわけにはいかないからな」
そんな軽い話をして私はお姉ちゃんと分かれた。
うう、もうちょっと触れ合いたかった……。
でも、もう時間だ。それに全ての時間をお姉ちゃんだけに使うというのは、ハーレムの主失格である。そりゃもちろん全ての時間をハーレムの一人に使うときはあっていいけど、それは決して今日じゃない。
じゃあ、いつなのかと聞かれるとそれは決まってない、だ。そういう日というものはデートとかの日だからね。今日のは恋人同士の
セシリアとデートしたから今度は簪かな。絶対に近いうちにしよう。
お姉ちゃんは……ごめん、無理だ。ちょっと有名人過ぎる。できるのは室内デートかな。あっ、そうだ! デートだからって街に拘る必要はないんだ! お姉ちゃんが嫌じゃなければ、自然を楽しむというのもいいかもしれない!
……なんか若者の発想ではないと思われるかもしれないが、これは前世の影響です。ええ、老人になった前世の私の影響です。
老いると騒がしいのが嫌になって町に近い田舎に住むようになったんだ。
田舎ののんびりとした空気がいいんだよ。車の音はなく、多くある自然の緑。まあ、不便は全くないってわけじゃなかったけど。
ともかく、お姉ちゃんとそういう自然のあるところに行くのはどうだろうか?
ただこれは私だけが決めたことだ。今度お姉ちゃんと決めよう。
遠くない未来のことを考えて歩いていると、モノレールの駅から少女が一人歩いているのが見えた。荷物が多く、どれも宿泊用だ。ということは転校生? どう考えても旅行先からの帰りにしては荷物が多い。
まあ、普段の私なら話しかけないんだけど、その子が結構可愛かったので話しかけることにした。まあ、その子がハーレムになる子ってことだね!
私はすぐに生徒会長モードになってその子に近づいていった。