またもや急展開になった気もします。
今回は優真&エミリアの話が後半にあります。
前半は《ALL JOKER》の話です。
しかし、短いと思いますのであまり期待はしない方がいいと思います……。
それでも楽しめて貰えたら幸いです。
では、ご覧下さい。どうぞ。
チームが決まり、これからの行動について話し合うためにそれぞれリーダーの部屋に移動する。優真達も自己紹介を終え、皆で集まっているのだが……。
「お!6と8のツーペアだ!」
「な、7のスリーカードです。」
「9のフォーカードよ。」
「ん、ロイヤルストレートフラッシュ。」
「何で!?もうこれで3回目だよ!?優真、お前イカサマしてるだろ!」
「何かを賭けてるわけでもないのにする必要あるか?」
何故か優真のポケットに入っていたトランプでポーカーをしている《ALL JOKER》。話し合う時に、気軽な事をしながらの方がコミュニケーションも取れるのでは?と、当麻が提案して偶然あったトランプでポーカーをする事になった。
現在、優真は5回中3回ロイヤルストレートフラッシュを出している。その事に当麻は耐え切れなくなりツッコミをいれる。
「それより、これからどうするのかしら?」
「これと言って制限することも無いんだけどなぁ〜……。ていうか面倒くさい……。」
「そんなんでいいのかよ……。もう少し考えようぜ?」
「んじゃ松下が決めてくれよ。俺は寝るから。」
「いや、リーダーのお前が決めてくれよ。」
奏が今後の事を聞くが、優真は適当に流してしまう。当麻がそれにツッコミを入れるが、それも流す。
「あ、寝てる場合……じゃなくもないが、エミリアに呼ばれてたわ。」
「それ……寝てる場合じゃないですよね?」
「だって面倒な予感しかしないし……。」
「ホントに性根が腐ってるわね。」
「お前には言われたくねぇよ。とにかく行ってくるわ。あと、俺らのチームのルールは大きく分けて3つだ。」
「え?ちゃんと考えてんじゃん!とっとと言ってくれよ。」
「今さっき思い付いたんだよ、仕方無いだろ。」
《ALL JOKER》のルールは簡単に説明すると、
・自分や仲間の個人情報やステータスを無闇に話さないこと。
・自分の敵だと思ったら容赦はしないこと。ただし、周りに迷惑をかけない程度に。
・仲間を増やす際には、皆に相談すること。
「……結構まともね。」
「はい……緩いようなものを想像してました……。」
「普段の面倒そうな優真からは考えられないくらいだな。」
「お前ら俺を何だと思ってんだよ……。松下はぶん殴らせろ。」
「はぁ!?何でだ――グハッ!!」
当麻は最後までセリフを言えずに伸びてしまう。文香が慌てて当麻に駆け寄り呼びかけている。その光景を呆れた表情で見る奏。何も無かったかのよう部屋を出ようとする優真。
「ま、一応ルールは伝えたから後は自由にどうぞ。俺はとても面倒な残業があるからな。」
ガチャ バタン
優真が部屋を出ていって残った3人(1人は気絶中)。
優真の足音も遠くなって聞こえなくなる頃に奏がため息混じりに話し出す。
「はぁ〜……全く。ホントに自分勝手よね、黒神くん。」
「……そういえば、奏さんは優真さんと前から知り合いだったんですよね?」
「ええ。とても不本意ながら知り合ってしまったのよ。」
「あはは……。でも、奏さん……楽しそうですよ?その、優真さんと話してる時とか。」
「え?黒神くんと話してる時?私が?」
「は、はい。あの、客観的にというか、私から見たら……奏さん、まんざらでもなさそうな表情してますよ?」
「……遠山さんもなかなか言うわね。」
「ご、ごめんなさい!えっと、その、ですから―――」
「でも、強くは否定しないわ。」
「え?」
「彼には前から何かと巻き込まれることが多くてね。でも、その事が今となっては、私の人生を変えた出来事の1つって思えるのよ。だから私は黒神くんを嫌っている事もないし……、寧ろ好意に近いかもしれないわね。」
「……意外ですね。奏さんもそういう風に思うんですね。」
「それは偏見よ。私だって人間だもの。感謝する時、怒る時、悲しい時、たくさんあるわよ。さて、この話は終わりよ。この事は他言無用でお願いするわ。」
余計な事まで話してしまったと思い、顔を少し赤く染めて無理やり話を終わらせる。そんな奏を見て文香は微笑みながら嬉しそうに言う。
「そうですね。2人の秘密って事ですね!」
「そうね。」
こうして2人は共通の秘密を持って互いに距離を縮めることに成功した。当麻はその部屋(優真の部屋)で気絶したまま起こされる事はなかった。
「やべぇ……迷っちゃったよ。」
場面は変わり、優真はエミリアの部屋に向かうつもりが、現在、城の中庭に優真はいる。
「無駄に広いんだよ。1LDKくらいにしてくれよ。」
王城に対して意味も無い文句を言う優真。しばらくエミリアの部屋がどこにあるか考えていると、
「あ、《千里眼》使えばいいじゃん。異世界超便利で助かるわ。」
スキルの存在を忘れてたと言える発言をしながらも優真は《千里眼》を発動させる。
《千里眼》は自分から約10kmの範囲を見通すことが出来る。物や動物を特定することも出来る。人を特定することも出来るが、それには相当な訓練が必要である。それにも関わらず優真は、
「お、エミリア発見。少し遠いな……。」
既に人物を特定出来るようになっていてる。
エミリアの部屋に向かい、漸く辿り着いた優真がドアをノックすると、ドアの向こうから『どうぞ。』と声が返ってくる。
「遅かったですね。何かありました?」
「迷子になったんだよ。」
「貴方も迷子になるんですね……。」
「俺だって人間だからな。迷子くらい珍しくもないだろう?スキルの存在を忘れてたってのもあるけど。」
「やはりさっきのステータスは嘘でしたか……。」
「あの場でギャーギャー騒がれても困るだろ?」
「そうですね。他の3人も誤魔化していましたし。」
「そこまで気付いていて何故黙っていたんだ?」
「優真さんが何も言わなかったから、優真さんに考えがあると思っただけです。」
「随分と評価してくれてるみたいだが、何故そこまで俺に執着してるんだ?」
「……夢で見たんです。この世界を救ってくれる人の夢を……。その人の声が貴方と似ている……いえ、同じなんです。」
「!?」
優真は驚きを隠せなかった。それは優真も同じような夢を見たからだ。
(もし、エミリアの夢が本当なら、俺の夢であの女の声が言っていたことは……。まさか!?)
「……優真さん?」
「……!悪い、考え事をしていた。ちなみにその夢のやつは何を言っていたんだ?」
「その方は『俺は自分の為に動く。それで世界が救われると言うならそれはただの偶然だ。勝手に救われただけだ。』と言ってました。貴方らしい発言だと思うんですが?」
「……確かに、否定は出来ないな。」
優真は自分の為にしか動かないをモットーとしている。それは優真も自覚している。だから否定出来ずに、確信に近づく。
「……俺もな、ここに来る前に夢を見たんだよ。懇願するような女の子の声を。」
「!?それは……。」
「全くと言っていいほど、お前にそっくりな声だったんだよ。」
つまり、優真とエミリアはお互いに夢の中で声を聞いたことがある者同士。そして互いの声の主が今、目の前にいる。
「……こんな偶然があるんですね。」
「偶然かどうかは分からないが、滅多に経験できることじゃないな。」
「そうですね。……そろそろ本題に入らせてもらいますが、良いですか?」
「あぁ……そういや色々と説明してくれって言ってたな。何が知りたいんだ?」
「貴方達の本当のステータスが知りたいです。」
「俺のは構わないが、他のやつの情報を教えるつもりはない。しかし、お前達にとって害では無いことは約束する。」
「……それで構いません。」
優真はエミリアに自身のステータスを包み隠さず全てを話した。優真の話を聞いたエミリアはなんとも言えない表情になって固まってしまっている。
「おーい、エミリア〜?」
「……ハッ!何を言われても驚かないつもりでしたが流石に無理がありましたね。何ですか。職業が魔神っておかしすぎます。意味分かりません。」
「そんな罵倒されても俺にだってどうしようもないんだよ。だから落ち着いてくれ。」
しばらくしてエミリアが落ち着いて、優真に気になることを聞く。
「優真さんはこれからどうするんですか?」
「どうするって?」
「その……魔王を倒すのは協力してくれるんですか?」
「当たり前だろ。個人的に魔王とかボコしてみたいし。」
「何でそんな呑気なんですか……。」
あまりにも淡々と告げる優真に気が抜けてしまうエミリア。しかし、その表情はとても嬉しそうな、安心したような表情をしている。
話が一通り終わり、優真は部屋を出ようとする。
「もう行かれるんですか?」
「そろそろ眠いんだよ。寝させてくれ。」
「はぁ〜……。まぁ聞きたい事は聞けたので良いでしょう。では―――」
「あ、そうだ。」
何かを思いついたようにエミリアのセリフを遮る優真。
「?どうかなさいました?」
「景気付けに夢の再現でもしとくか。」
「……え?」
いきなり変な事を言い出した優真にエミリアは呆気にとられてしまう。
「いや、優真さん?私達の見た夢ってそんな軽く出来るもんじゃありませんよね?」
「そりゃそうだが、せっかく確認出来たんだから正夢にしよう。報酬と思ってくれよ。」
「……分かりましたよ。では。」
エミリアは咳払いをし、懇願するような表情で優真に向かって夢でのセリフを言う。実を言うならエミリア自身も優真のセリフを聞きたいと思っていたので結構やる気だ。
「お願いです!世界を救って下さい!」
「ごめん。無理。」
スパン!
少し期待していた分、自分だけが真面目に言ってしまった事に恥ずかしくなるエミリアは行き場のない羞恥を優真にビンタし、部屋を追い出すという形で収めることになった。そして部屋を追い出された優真は『理不尽だ。』と呟きながら自分の部屋に戻るのであった。
いかがだったでしょうか?
最後の方は少しネタに走ってしまいました。
それでも後悔はしてません。
次回は皆で訓練の始まりです。
ようやく、軽くですが戦闘描写が書けると思います。
ですが、上手く書ける自信はありません^^;
せめて読者様に伝わるように書けるように努力します!
では、次回も見ていただければ嬉しいです。