異世界で魔神になった自称ぼっち   作:GUNGUN(ペスト)

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どうもペストです。
お気入りが130件来てました。ありがとうございますm(_ _)m
今回は少し進んだ新Aチームとタイトル通りの事。最後に少しおまけがあります。
楽しめて頂けたら幸いです。
では、ご覧下さい。どうぞ。


~出発前の出来事です~

 新チームになった翌日、それぞれが旅に出始めた。最終目的は魔王を倒すこと。しかし、その為には魔界に行くための鍵が必要だ。その鍵は何処にあるのかも分からない迷宮を探し、その最奥にいる幹部の紋章を持っていかなければならない。デリアル王国王城の周りは探しに行ったが、迷宮どころか魔物すら完全にいなくなっていた。エミリアの言った通り、優真による《結界》がその効果を生み出していたようだ。

そして現在、その優真達はというと。

 

 

「そろそろ王国出れそうか?」

 

 

「恐らくですが、もう端の方に来たと思いますよ。」

 

 

「了解。白井さん、大丈夫?」

 

 

「大丈夫だけど、普通こんな移動の仕方って序盤にやる事じゃないよね?」

 

 

「早めに拠点を確保しておきたいんだ。仕方がない。」

 

 

 優真達は空を飛んで移動していた。優真が『歩くの面倒なんだけど。』と言って《風魔法》の《空中歩行(エアロウォーク)》を発動させ、その範囲は真央と健にも及んだ。怪しまれない為にも《隠密》や《気配遮断》、《空間魔法》による《空間制御》で周りから見えないようにしていた。健はすぐにバランスをとり制御出来たが、真央は怖かったのか優真にしがみつくようになり、お姫様抱っこをしたまま優真が《空中歩行》することになった。

 

 

「っと。そろそろ降りといた方が良いかな。」

 

 

 優真がそう呟くと同時に地面に降りる。お姫様抱っこを解除された真央は少し残念そうな表情になるが、優真の腕に抱き着くという形で満足する。しばらく歩いていると関所が見えてきた。

 

 

「これ絶対面倒な気がするんだけど……。」

 

 

「でもこういう手続きしとかないと後が大変だよ?」

 

 

「いや、別に騒動になったら逃げれるし。」

 

 

「指名手配犯にはなりたくありませんよ?」

 

 

「はぁ〜……。面倒だな〜。」

 

 

 そう言いながら関所にいる厳つい人に話しかける。

 

 

「すみません。デリアル王国から来た黒神優真ですけど、そっちのアースナル王国に行きたいんですが、良いですか?」

 

 

「ちょっと優真くん!そんなので―――」

 

 

「あぁ。良いぞ。」

 

 

「あれ!?良いの!?」

 

 

「エミリア様から報告は来てたんでな。黒髪の片目。黒いコート。名前は黒神優真。全部一致している。そちらの2人も特徴は聞いているから名前だけ教えてくれ。」

 

 

 用意周到だと感じる優真達だった。

 

 

「あ、白井真央です。」

 

 

「森下健です。以後お見知りおきを。」

 

 

「……。ん。OKだ。森下健に関しては普通としか書かれてないが、『優真さんと居る人なら誰でも大丈夫』と言ってたんで問題ねぇだろうよ。随分信頼されてるんだな。」

 

 

「あはは……。」

 

 

「俺自身そこまで信頼される心当たりは無いんだけどな……。」

 

 

「……むぅ。」

 

 

「痛い痛い。白井さん。痛いし、柔らかいし、いい匂いするから止めて。」

 

 

 抱き着いてた腕を締め付けるようにギューっとする真央。関節が決まっていて、女の子特有の肌の柔らかさといい匂いで理性が飛びそうな事を含めてストップをかける。

 

 

「ふふ。意外と“嫉妬”深いですよね。白井さんって。」

 

 

「だ、だってぇ〜……。」

 

 

「確かに黒神さんの周りには良い女性ばかりですからね。」

 

 

「そういう話は俺がいない時にしてくれる?」

 

 

 健と真央が優真の話をしていてそれを聞かされる当人は恥ずかしいことこの上ないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば良かったんですか?」

 

 

 関所を通って次の国に向かってる最中、ふと思い出したように健が優真に聞く。真央も何を聞きたいのかを分かったらしく質問を加える。

 

 

「そうだね。あそこまでしなくて良かったと思うよ?」

 

 

「とは言ってもなぁ〜……。それはあの時も言った通りだよ。」

 

 

 時はチーム編成が決まった直後に遡る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ***

 

 

 新チームが結成された時、一番大きく反応したのは勇輝だった。

 

 

「おい、どうして真央が黒神の所にいるんだ?」

 

 

「ん?」

 

 

 勇輝のいきなりの発言に優真は何を言ってるんだ、と言いたげな顔で勇輝を見る。

 

 

「おかしいだろ?真央は俺と幼馴染みだし、一緒に行動した方が良いに決まってるじゃないか。」

 

 

「何を根拠に言ってるんだよ。」

 

 

「俺は“勇者”だ。いくらお前が“魔神”という強い存在で俺達の味方だと言っても危険だと思ってる。」

 

 

「ちょっと!勇輝くん!優真くんは―――」

 

 

「なるほどな……。つまりは自分側に置いておきたいと言うことか?」

 

 

「少なくともお前に預けるよりはな。」

 

 

 勇輝の無茶苦茶な言葉に真央も反論しようとするが、優真に制されてしまう。しかし、我慢出来なくなったのか真央はそれでも反論する。

 

 

「優真くんは危険なんかじゃない!勇輝くんだって本当は分かってるんでしょ!?」

 

 

「そうね。流石に無理があるわよ勇輝。」

 

 

「優真の実力と俺らに対する態度だって文句なかっただろ?」

 

 

 幼馴染みの皆にも説得され、それで納得するかと思っていたが、勇輝はそれでも止まらなかった。それどころか、もっと悪い方向に向かっていった。

 

 

「そうか。分かった。お前ら洗脳されてるんだな。」

 

 

「「「!?」」」

 

 

 その言葉には誰もが驚いた。いや、数人を除いてだ。

 

 

「だからさっきから黒神の事を庇うように言うんだな。理解したよ。」

 

 

「ち、違うよ、勇輝くん!私は本当に優真くんが―――」

 

 

「安心しろよ、真央。今すぐ解放してやるから。」

 

 

 そう言って剣を抜き優真に向ける勇輝。流石にこの状況は不味いと思い、皆で止めに入ろうとするが、それは優真の《覇気》によって妨げられる。

 

 

「随分と都合の良いお花畑な頭をしてるんだな。」

 

 

「……っ!お前の方こそこんな事をしてよく恥ずかしくないな。」

 

 

(いや、何もしてないから何とも無いんだけど……。)

 

 

 内心では正直呆れ果てているものの、優真は続ける。

 

 

「それはお前が都合良く変えてるだけだろ?現実を見ろよ、三流勇者。」

 

 

「……ッ!!《聖光波動(ホーリーブラスター)》!!」

 

 

「優真くん!!」

 

 

 遂に怒りが爆発したのか、優真に魔法を放つ勇輝。魔法の大きさは本当に殺す勢いだ。その光景に真央が叫ぶ。

 

 

「おいおい。そんなんじゃ俺は倒せないぜ?」

 

 

 しかし、その魔法に突っ込む優真。《自動防御(オートガード)》の力だけで身を守っている。気付いた時には優真は勇輝の目の前にいる。

 

 

「くっ……!《天罰(ジャッジメント)》!!」

 

 

 上から雷光が降り注ぎ、優真を狙う。しかし、優真はそれを気にせず勇輝を掴み、降ってくる雷光に向かって投げつける。

 

 

「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 雷に打たれて地面に落ちていく。自分でかなりの威力を持った魔法を放っただけにダメージは大きかった。

 

 

(くそっ!何で!何で俺が黒神なんかに!!)

 

 

「その程度か?お前にとって、その程度の物だったのか?」

 

 

 ――好きな人を守るという覚悟は、その程度なのか。と優真が言う。その言葉に勇輝は顔を上げて優真の顔を見て目を見開いた。寂しげな表情で、怒りを秘めた表情で、勇輝に訴えるようにその眼差しを向けていた。

フラフラになりながらも立ち上がる勇輝。その意気込みだけには満足したのか優真は薄ら笑いを浮かべる。

 

 

「俺は、絶対に、お前に、……勝つ……。」

 

 

「なら俺を目標にするんだな。俺を越えろ。俺を倒せ。憎んで、恨んで、殺そうとしろ。そうでもしなければお前は強くなれない。」

 

 

 そう言いながら勇輝に向かって一歩一歩距離を縮めて行く優真。そして勇輝の目の前に着くと同時に腕を広げ両の掌を勇輝に向け、構える。

 

 

「黒神流格闘術――壱の技《内壊し(うちこわし)》。」

 

 

 ズドォォォォォン!

 

 

 言うのが終わるのと同時に両の掌を勇輝の鳩尾に素早く叩き込む。しかし、勇輝の体は吹き飛ぶことが無く、その場で全ての衝撃を受け止める事になり、内蔵が破壊され、より激痛を伴う。この技は優真の父親が生きていた頃に教えて貰った技だ。

 

 

「………………ッ〜!?」

 

 

 悲鳴や絶叫を上げることすら許されず、激痛で意識が飛びそうになる。その意識が薄れていく中で聞こえたのは。

 

 

「……お前、“傲慢”だよ。」

 

 

 そう告げる優真の冷たく、どこか悲しそうな声だった。

そして意識が無くなった勇輝以外には聞こえる声で優真は言った。

 

 

「俺という目標を持てば、お前はきっと化けれるだろうな……。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ***

 

 

「あの時は本当に色々ヒヤヒヤしたんだよ?」

 

 

「そうですね。やり過ぎなのは否めませんね。白井さんが治癒師だったから良かったものの。」

 

 

「それは俺も思ったけど、柏崎は勇者だ。だからこそ強くなってもらう必要がある。」

 

 

「もう。本当に不器用だよね。そういうやり方しか出来ないって。……まぁそんなところが好きなんだけど。」

 

 

「理解してくれる人がいて良かったですね。」

 

 

「……あぁ。俺には勿体ないくらいだよ。」

 

 

 そんな話をしながら歩いていると。

 

 

「さて、ここが新しい国か。」

 

 

「随分と遠くに来たね。」

 

 

「ここがアースナル王国王城ですね。」

 

 

 このチームはどこよりも早くデリアル王国を出て次の目標へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ***

 

 

 一方その頃。

 

「今頃、黒神くん達はもうデリアル王国を抜けたのでしょうね。面倒くさいとか言いながらやるのが彼だもの。」

 

 

「ははは……。奏さんは黒神君の事よく分かってるんですね。」

 

 

「この世界に来る前にも何かと巻き込まれてしまったからね。不本意ながらよく一緒に居たわね。」

 

 

 勇輝達は奏と契約した魔物――海馬(マリンホース)に乗って移動していた。水陸両用という便利な魔物である。奏と彩華は大分打ち解けた様でよく話している。

 

 

「あの〜。月宮さん。」

 

 

「何かしら?」

 

 

「黒神ってどんな奴なんですか?」

 

 

 その言葉を聞いて奏は呆れたように溜め息を吐きながら言う。

 

 

「貴方、黒神くんと戦ってまだ分からないって言うの?それだと永遠に彼に追いつく事は無いわよ。」

 

 

「っ!!」

 

 

 優真を越せない。それどころか追い付く事も不可能と言われ顔を顰める勇輝。それを気にせずに奏は続ける。

 

 

「彼を理解しようとしない人は彼に近づく事も許されないのよ。」

 

 

 その言葉に胸を痛めたのは勇輝だけでなく彩華もだった。そして発言した奏自身も自分に言い聞かせるように言ったようにも聞こえた。

奏はそれを言った後、少し先を進み始めた。

勇輝は未だに何を言ってるのか分からないと言った表情で、彩華は複雑な気持ちになっていた。真央を見る限りあの2人は結ばれた。彩華は前から真央の気持ちは知っていたので応援を続けるつもりだった。

 

 

(でも、何だろう。この気持ち……。)

 

 

 そんな風に不安になっていると。

 

 

「彩華は俺の事を見てくれるか?」

 

 

 勇輝が突然聞いてきた。不安そうな、置いてけぼりをくらった子供の様な顔で聞いてきた。

 

 

「そうね。私は真央と違ってまだ(・・)届くかもしれないわね。」

 

 

 この気持ちはきっと知ってはいけない。これを知ってしまったら抑えられない。彩華はそう思いながら勇輝の質問に微笑んで答えた。




いかがだったでしょうか?
いやぁ〜。今回は優真くんと勇輝くんの喧嘩?を書けて作者は満足です(^^)読者の皆様にも満足して頂けたら尚、嬉しいです!
今回は色々なフラグが立った気がします^^;
回収できるか不安です(切実)
でもまだ第二章入ったばかりなので、頑張っていきたいと思います!!
これからも『異世界で魔神になった自称ぼっち』をよろしくお願いしますm(_ _)m
では、また次回も読んでいただけたら嬉しいです。
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