転生?チート?勘弁してくれ……   作:2Pカラー

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18.両用艦 発進!

 

 (`・ω・́)ゝ クーです。

 現在お空の上です。

 ええ。フネに乗ってトリステインに向け移動中です。

 いやぁ、トリステイン行きを父上から命令されてからはトントン拍子で、気付いたら空の上って感じですわ。

 まあ外国まで馬車で行くはずは無いとは思ってたけど、それならなおのこと出立までは時間がかかると思ったんだけどね。

 三日で全ての用意が済んじゃってました。

 

 ではトリステインへの大使クー・セタンタの護衛の連中を紹介して行きましょうか。

 まずは俺の乗る最新鋭の両用艦。艦の名前は……スマン、忘れた。勝手にハイウインドって呼んでるけど。戦艦よりカジノがあるブラックジャック号のがよかったなぁ。

 さらに我が艦に従う二隻の護衛艦。両用艦隊(バイラテラル・フロッテ)に所属している所を今回駆り出されたため、当然武装済み。

 機動戦力として風竜を操る竜騎士が二十騎。当然全員がトライアングル以上。

 護衛戦力として東薔薇騎士団。こちらもトライアングル以上のメイジで構成されてるね。

 おまけとばかりに両用艦隊所属の空軍士官たち。

 ……うん。言いたいことはよく分かる。

 戦争する気か、おい?

 いや、マジでこれだけの戦力で奇襲をかければトリステインなんか落ちるぜ?

 つか警戒されるだけだろう?

 一応俺の出立よりも前にトリステインへは大使の向かう旨を連絡したらしいし、先触れとして風竜も飛ばしてはいる、が。それでも、なぁ?

 

「我が艦にて行けるのはオルレアンまでです。そこからトリスタニアまでは馬車にての移動となります」

 

「それは分かるがね。俺ならこんな戦力が国境に見えただけで挑発されてると思うけどな。勘違いしたバカが出てこないことを祈るよ」

 

「はっはっは。殿下に向けて杖など向けようものならば、我が艦の誇りに欠けて立ちふさがる全てを蹂躙して見せましょう」

 

「ホント、祈るよ。兄上の門出の前に血の雨を降らすなんてゴメンだしな」

 

 テンションの高い艦長と軽口をたたき合う。

 護衛として俺から離れない騎士たちも、フネを操る士官たちもシャルル兄の王位継承が決定したことは知っている。まぁ、俺がなんのためにトリステインくんだりまで行かなきゃならんのかを秘密にしておくわけにもいかんし、そもそもその必要もないしね。

 そのことに対しての不満の声は上がって無い。思う所はあるのかもしれないが、ここ二年ほど俺とジョゼフ兄がシャルル兄の補佐的な立場で動いていたことは周知の事実だし、花壇騎士のようなリュティスに勤務している者らはそれを実際に目にしているしね。

 まぁ、それはそれとして、

 

「なぁ艦長? やはり護衛艦までオルレアンに連れて行くのは止めた方がいいと思うんだが。花壇騎士を連れて来ただけでもやりすぎだし。だいたい必要でもないだろう?」

 

「そう仰いますな、殿下。殿下の安全こそ最重要とせよとはジョゼフ殿下、シャルル殿下お二方よりの御命令です。トリステイン側の心象を良くするよりも、クー殿下の安全を兄君はお望みなのですよ」

 

「それは、まぁ、ありがたいけどさ」

 

「でしたらどうかご自愛くださいませ。くれぐれも、く・れ・ぐ・れ・も、護衛を撒いて街へ繰り出したりしませんように。トリスタニアはリュティスとは違うのですから」

 

 お前はオカンか。艦長の説教にげんなりするもため息だけにとどめる。

 まぁトリスタニアがリュティスと同じだとは思っていない。

 ここ二年ほどで王都リュティスはすっかり変わった。

 新たに編成された警邏隊によって犯罪者の取り締まりは強まり、治安は向上した。

 貴族といえども無法を働くことは許されなくなり、平民たちの笑顔は増えた。

 税率は下げられ、同時に公共事業が行われることなり、街道は整備され衛生管理までされるようになった。

 全て国策ということでジョゼフ兄が手がけたことなのだが、一体アンタはどこの内政チート系転生者だと言いたいくらいリュティスの状況を一変させてしまった。しかもジョゼフ派掌握の片手間で、だ。

 おかげで俺も安心して街中をうろつくことが出来るようになったのだが。

 

「わかっているよ。別にトリスタニアに興味があるわけでもない。王宮で大使としての仕事を終わらせたら、とっととガリア領まで戻ってくるさ」

 

「それがよろしいかと。万が一クー殿下がトリステイン領内でお怪我でもなされれば、確実にガリア王家は宣戦布告するでしょうからな」

 

 はっはっは。わらえねぇよバカヤロウ。

 ガチで余裕そうだからなぁ。トリステインとの戦争なんか。

 戦力差はありすぎるし、戦争準備する暇も与えないだろうし。

 最終兵器彼女ことツンデレピンクはまだ使い魔(サイト)を呼んですらないし。

 え? 『烈風』? こっちにゃ『紅玉』がいるんだよ。大怪獣戦争なら受けて立てちゃうんだよ。

 ……ありえる未来って怖いよね、ホント。

 

 

 ホント、勘弁してくれ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 嗚呼、隠居してぇ

 




うーむ。短い
展開を決めあぐねているせいで出さなくてもいい話を出した訳なんですが、もうちょい中身のある話にしたかった

前回の後書きの書き方が紛らわしかったようで、申し訳ないです
アンケートにしたつもりは無かったんですが
面白い意見もいただけて、色々と参考にさせて貰います
にしてもアンリエッタ、人気無いですなぁ
彼女にもいい所あるんですよ?
声とか、……声とか? あと声とか!(ぉぃ

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