転生?チート?勘弁してくれ……   作:2Pカラー

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20.トリスタニアについたけど

 

 ハァイ。クーです。そろそろ挨拶のバリエーションが切れてきましたなぁ。

 ま、別に毎回違う挨拶じゃなきゃダメってわけでもないんで気にしてないんですが。

 さてさて、ようやく辿り着きました。原作で散々出てくるトリスタニア。

 魔法学院やらタルブやらにも興味はありますが、そこらへんは我慢しましょう。

 適当にうろつくとか、危険なフラグを踏みそうな予感しかしないしね。

 え? ジャッカルさん?

 ヤメテ! 思い出させないでヨ! 折角忘れようとしてたのに。

 うぅぅ。ママン、俺、汚され……イヤ、ちゃうねん! アレは夢やねんから! アレは夢アレは夢。

 せやからもう触れんなや! ええな!

 

 

 話を戻しましてトリスタニアまで来たわけですが。

 うーん。ごちゃっとしてますなぁ。

 リュティスが王都ならトリスタニアは下町って感じですか。そりゃ白い街並みは綺麗かもしれないが、なによりもまず狭すぎる。道幅とか五メイルくらいしかないんじゃなかろうか。

 正直馬車で通っていい道じゃないよね。と言っても他国の王族が徒歩で城まで、なんてありえないんだけどさ。

 まぁ注目はすごかったですわ。トリステインじゃお目にかかれない最新の馬車、それも二本の杖を交差させたガリア王家の紋章付き。

 周囲を固めるのは平民にすら実力の高さをうかがわせるほどの、統制の取れた騎士たち。

 こんな物々しい集団が街中ねり歩いていたら俺だって引くもの。大名行列かっ、て。

 ま、トリステイン如きに舐められるわけにもいきませんし、王族らしくない振舞いなどしませんがね。

 ……こう、他国に出てきて実感して来たんだが、俺、ガリアの人間って意識が強まってるなぁ。悪い事じゃないんだろうけど、さ。

 

「殿下。到着いたしました」

 

「ああ。御苦労」

 

 促す騎士にしたがって馬車を降りる。

 

 ふむ。

 城の前にはそれなりの数の人間が出迎えの体制をとってはいるが。

 どちらかというと歓迎よりも警戒より、か。

 王族の護衛とはいえ他国の騎士がぞろぞろやってきたことが気に食わないってか? アスタリスクのちいせぇ奴らだ。

 そのくせ大国相手だからか抗議すらして来ない。

 プライドは人一倍でかい癖に最優先は自己保身。味方にはしたくない連中だな。

 

「ったく。敵意も隠しきれてないとは。程度が知れる」

 

 っと、イラつくなよ俺。別に宣戦布告に来たわけじゃないからね。スマーイル、スマイール。

 腹の探り合いは得意だけど、笑顔を振りまくのは苦手なんだよねぇ。こういう場こそシャルル兄の独壇場なんだけどな。

 

 そのまま格式ばった挨拶が行われた。

 出迎えの中心にはマザリーニ枢機卿。さすがに大后は出てこないか。

 ま、こっちは王族とはいえ大使という形で来たので不満があるわけではないが。

 まぁいいや。と、思考を切って笑顔を作ることだけに集中する。 

 そのまま数名の護衛だけを伴って城中へと案内され、向かった先は謁見の間。

 

 礼? しないよ? 別に臣下であるわけじゃないし。

 いや、その場にいた宮廷貴族なんかは睨んできたけどね、王位に就くことを拒んでいる大后と王位継承権保持者じゃ地位の差なんてほとんどないし。つか絶望的な国力の差があるというのに俺を睨める貴族がいることの方が驚きだよ。

 やっぱトリステインは駄目だ。早く仕事済ませてオルレアンに帰ろう。

 

「お初にお目にかかります。私はガリア王国第三王子クー・セタンタ・ド・ガリア。本日は我がガリアよりの使者として参りました」

 

「はじめまして。小さな使者殿」

 

 あ、頭イテェエエエエエエエエエエ。

 マザリーニ枢機卿も胃を押さえてるし。

 確かに俺は九歳児だよ? でも使者である以上ガリアの代表なわけだよ。

 その相手に向かって小さな使者殿ってアンタ。一歩間違えれば、というかこちらから一歩間違えてあげなければ確実に外交問題だぜ?

 とっとと父上からの書状だけ渡して帰ろう。

 

「こちらがガリア王国国王陛下よりの親書となります」

 

「あらあら、お役目御苦労さまね」

 

 うおおおおおおおおおおお!! 胃が痛ぇえええええええええええ!!!

 おつかい扱いかよ! 後ろに控えてる俺の護衛なんか殺気放っちゃってるよ!!

 ダメだ! これ以上ここにいても事態は悪くなるばかりだ!

 

「で、では、私はこれで」

 

「え? もう少しゆっくりしてらしたら? アンリエッタともお話していただきたいし。別室にお菓子を用意させますから。ね?」

 

 ね? じゃねえだろ!

 

「大変ありがたいお申し出ですが、私にも仕事がありますゆえ、どうかご容赦を」

 

「あら。そうなの? 小さいのに大変なのねぇ」

 

 おう大変だよ。主にテメェのせいでな! 胃の調子がな!!

 つか貴族共よ。マリアンヌ様のお誘いを断るとは何事かってな目を向けんじゃねえよ。

 気付けよ! お前らが棺桶にダイブしようとしてるのを俺が止めてやってるってよ。

 護衛に付いて来た東薔薇騎士団がキレれば、こんな城一時間と持たねえぞ?

 あー、もう!

 勘弁してくれ!!

 




非常に疲れました。まるで話が思い浮かばなくて
王都へ行ったヨ大后に会ったヨ帰ってきたヨ、でキンクリしてもよかったのに、何故こんな話書いたかなぁ

にしても、アンリエッタ出すはずだったんだけどなぁ

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