転生?チート?勘弁してくれ……   作:2Pカラー

26 / 59
26.モンモランシー

 

 さて、水の精霊サマによるとカトレアさんの治療は無事終わったようで。

 ヴァリエール公爵なんか今にも泣きそうな感じで喜んでます。

 こりゃあれですね。俺たちガリア組やモンモランシ親子がいなければ、わんわん泣いていたことだろうね。

 今夜はヴァリエール家では宴でも開かれることでしょう。

 

「殿下。この度は誠にありがとうございました。殿下には感謝の言葉が尽きません」

 

「顔を上げてください、ヴァリエール公爵。カトレア嬢を治療したのは精霊サマですし、私も善意だけで精霊サマに頼んだわけではありません」

 

「それでも、言わせていただきたい。ありがとうございました、クー殿下」

 

 むーん。個人的な感情でトリステイン貴族に力を貸したと思われると俺の立場が悪くなるんだけどなぁ。ビジネスライクな関係では終われませんか。

 もっとも個人的な事情でガリアの王族に借りを作ったとなればヴァリエール公爵の立場が悪くなる故、この情報はトリステイン側から漏れる可能性も低いんだけど。

 

「私からもお礼を言わせて下さい、クー殿下。ありがとうございました。このご恩は決して忘れません」

 

「ふむ。そうですね。カトレア嬢のような美しい方に私の事を覚えていて貰えるというのなら、私個人にとってはこれ以上ない報酬ですね」

 

 これくらいのリップサービスはしてもいいでしょ? カトレアさんは口元を押さえて頬を赤く染めている。うむ。眼福眼福。

 ん? いや、フラグは立ってないでしょ? 『烈風』や『虚無』との接触の可能性がある以上ボーダーは超えないよ?

 あくまでリップサービスさ。貴族社会に暮らしてればこのくらいは身につくのよ。社交界なんかじゃ相手を喜ばせるための『褒める技術』は当然として、褒めてくる相手の気分を良くさせる『褒められる技術』なんかも必須なんだぜ?。

 ヴァリエール公爵もカトレア嬢も分かっているはずさ。ガリアなら俺くらいの年の子供でも教育されるようなことだし、いくらトリステイン貴族がアホばかりとはいっても、さすがに真に受けたりは……しない、よね?

 え? もしかしてヤバイ? やっちゃった系?

 は? 『コミュ力』使って確認? やだよ! 知りたくないよ!

 どどどどうしよ。マジでフラグががががががががが

 

「あの、殿下?」

 

「はっ、いえ、失礼、モンモランシ伯爵。少し考えごとをしてしまいました」

 

 と、とりあえず今は置いとこう。

 なんだか時間が経てば経つほど手遅れになる気がするけど。

 導火線についた火がどんどんBOMBへと近づいて行ってる気がするけど。

 

「では、精霊サマにはトリステインとの盟約を結びなおしていただきましょう」

 

「ははっ。モンモランシー、教えた通りにな」

 

「はい、お父様」

 

 モンモランシー嬢は心配そうな顔をしている伯爵に頷き返すと、ポケットから針を取りだし指先を刺した。

 赤い血が指先からにじみ、

 

「水の精霊よ。私はモンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシ。旧き盟約の一員の家系に名を連ねる者です。どうか私と、我がトリステインと再び盟約を結びなおして下さい」

 

 緊張でぷるぷる震えながらも指先を出し、練習して来たのであろう言葉を紡ぐ。

 ……うん。何故精霊サマはこちらを見てらっしゃる?

 …………何故にモンモランシ親子やヴァリエール親子まで?

 ………………何時の間に俺は精霊サマのボスに認識されてるのでせうか?

 

「受け入れてあげてはもらえませんか、精霊サマ」

 

「うむ。我に感謝せよ、クー」

 

 ……まさかコレを貸しと言って変なこと要求して来ないよな?

 俺の懸念をよそに精霊サマは満足気な顔で頷くと、紅茶で出来た腕を伸ばしてモンモランシーの指先に舐めるように触れた。

 ぬるりと血を拭った感じだが、あれで盟約とやらは結び直されたのか?

 原作でもモンモンの血を使って呼びだしてたしな。

 ……血という液体を通してならば個体認識も出来ると言うことか?

 むーん。よくわからんが、……ま、いいや。別に俺、学者じゃねーし。

 

「さて、これで一件落着ですか」

 

「ははっ。クー殿下には多大なお力添えをいただきまして、モンモランシ家一同、感謝の念を忘れないでしょう」

 

「あ、ありがとうございました! 殿下!」

 

 ヴァリエール親子もそうだったがモンモン親子もすっごくお礼を言ってくる。

 ……俺、口を挟んだだけなんだけどね。

 ま、なにはともあれ一件落着ですな。

 トリステイン行きを命じられた時にはまさかこんなことが起きるとは思ってなかったけど。

 トリスタニアでは侮られ、水の精霊サマに気に入られ、マザリーニ枢機卿に貸しを作り、カトレアさんを治療してヴァリエール公爵に貸しを作り、トリステインと水の精霊サマの盟約を復活させモンモランシ伯爵に貸しを作り……

 俺、働きすぎじゃね? トリステインの人間だったら爵位が一つ二つ増えてもおかしくない功績だろ。

 一応休暇でオルレアンまで来たんだけど。

 ま、なんだな。

 お疲れーって言いたい感じだね。

 うん。

 やっぱそれが一番しっくりくるね。

 よし。

 俺、お疲れー

 

 

 

 

 

 

 

 

 は? 建てたフラグ?

 知るかそんなもん

 園遊会終わったらトリステインはおろかオルレアンにも来ねえよ

 そうすりゃさすがに捕まらないだろ

 フラグなんて回収しなけりゃいいんだよ。ウケケケ

 




題名モンモンなのに、影うす!? そんな26話アッサリ風味

なんだか25話はやけに感想が多かったです
まぁ嬉しいんですけど……
あんまり真剣にならんといて下さいね
本作は素人の二次創作ですよ? プロの作品じゃないんですよ?
てきとーに「まーた作者が変なこと思い付きやがった」とか嘲笑いながら読んでいただければと思ってます

では、また次回
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。