転生?チート?勘弁してくれ……   作:2Pカラー

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30.徒然なるままに

 

 うっす。クーっす。シャルル兄の王政開始から半年くらい経過しましたね。

 この半年、俺は色々と大変な目に会ってました。

 まず第一に、クー・セタンタ・ド・オルレアンになりましたね。

 ええ。オルレアン公クーです。オルレアンはこの度王家直轄領から公爵領となり、俺の領地となりました。

 トリステインとの国境を任されたことになるわけですな。

 

 ……

 …………

 ………………ドチクショウ!!!

 どうせあのクソ兄……失礼、非常にオツムのお回りになりやがる長兄殿の企みでございましょうよ。

 ってかバレてたからね。精霊との一件。

 なんでも騎士団とは別口でリュティスから数人のスクウェアがオルレアンに派遣されていたそうで。

 それもメイドに化けさせたうえで。彼女ら全員ジョゼフ兄の手駒で俺の護衛任務に就いていたんだとよ。

 結構タイプのお姉さんもいたのに orz

 まぁそんなわけで精霊との個人的な繋がりを持っていることや、トリステイン貴族との関係性を考慮されて、めでたくトリステインとの国境を任されることになっちゃいました。

 もうね。二度とトリステイン側には近づきたくないと思っていたのにね。

 あー、逃げてぇなぁオイ。

 

 そうそう。トリステインと言えばカトレアさんが魔法学院に入学することにしたそうです。

 オルレアン公領に封じられたので、一応トリステインのお隣さんであるモンモランシ家にも挨拶に行ったんですがね。その時に話題に出てました。

 モンモランシーが言うには、カトレアさんは「私、魔法学院に入学するのが夢だったの~」なんて、どこぞのキーボードのお嬢様のような事を言っていたとか。

 カトレアさんの周りもいろいろあったそうで。

 なんでも水のメイジとしてメキメキ頭角を現しているとか。すでに水の精霊サマはカトレアさんのウチからは出て行っているはずなんですが。彼女自身が自分の体で精霊サマの御技を体験しているのが成長に繋がっているんですかね。

 それと、カトレアさんが健康になったことで、カトレアさんのフォンティーヌ子爵位を返上し、再びヴァリエール家に戻すため色々やってるそうです。

 まぁ姉は婚約者が逃げ出すほどのキツイ性格だそうですし、妹は魔法の失敗ばかり。婿を取って家を存続させる可能性の一番高いのはカトレアさんなんでしょう。

 とっととそれなりのトリステイン貴族とくっ付いて貰いたいものです。

 いっそ学院で婚約者でも作っちまえよと思ったのは、口に出すわけにはいかないでしょうがね。

 

 

 さて、俺の話に戻しますが、準備に追われてもいましたよ。

 ええ、アルビオンで一騒動起こすための準備ですわ。

 あの園遊会では結局サウスゴータの太守と接触することは出来ませんでしたからね。

 サウスゴータ家の者。特にマチルダ・オブ・サウスゴータと面識さえ持てていれば使えただろう安全策もあったんですが。

 仕方がないですわな。俺も全ての貴族が領地を開けてガリアまでやって来るとは思ってなかったし。

 というわけでプランBを発動させるために準備してきたわけです。

 

 あ? プランB? ねぇよ、そんなもん!

 

 ゴホン、失礼。

 まぁぶっちゃけた話、何も思い浮かばなかったわけです。

 ここら辺の陰謀じみた領分は、ジョゼフ兄の専門ですからね。

 策謀巡らしたり出来ない俺としては、出たとこ勝負で通用するよう幾つもの選択肢を用意しておくしか出来ないわけです。

 

 で、最初に手を付けたのは諜報ですね。

 モード大公がエルフを妾に取っていることはほぼ確定事項でしょうが、万が一がありますし。

 俺が生まれたことで、俺の母が父と出会ったことで、なにかしらのバタフライ効果があったかもしれません。

 勢いよくアルビオンに乗り込んで、空振りでしたじゃ話になりませんし、そうじゃなくても情報ってのは大事ですからね。

 とりあえずモード大公とサウスゴータ太守の周囲を探らせてます。

 妾のエルフさんは果たして大公邸にいるのか、それとも現時点で太守に預けられているのか。

 それくらいは知っておきたいですしね。

 というか諜報員を鍛えることも考えませんと。

 今回は雇った人間を『コミュ力』を使って裏切りの可能性が無いことを念入りに確認して……と段階を踏みましたが、正直どこまで使えるか。

 将来的にはNINJA軍団を作りたいものですな。

 

 あぁ、軍団で思い出しました。

 現在のオルレアン領に関してですが、それなりの数の腕利きが集まってます。

 というのも俺がオルレアン公になったところ、花壇騎士の中から一緒に行かせてくれと言い出した奴が結構いまして。

 もともと自身の才覚だけで立身出世を目指して来た次男三男の多い騎士団でしたがね、俺としては予想外でしたよ。国家騎士団を辞めて一公爵の家臣になろうと考える奴がこんなにいたなんて。

 バッソも何故か来てました。そしてレティシアさんも。

 俺の領地を火の海に変えて貰いたくは無いんですけどね。

 まぁ『烈風』対策が出来たとでも思って喜んでおきましょうか。トリステインが攻め込んでくるなんてことはまずないでしょうがね。

 現在彼らMy家臣団には治安維持を担当して貰ってます。

 ガリア内は結構安定していますが、トリステイン側から盗賊が乗り込んで来ないとも限りませんし。

 モンモランシ伯爵はそれなりに有能な人だとは思いますが、信頼しすぎて自領の民を失うなんて失態、起こしたくはありませんしね。

 

 さて、これくらいですかね。わざわざ言っておくべきことなんて。

 では、本日はこの辺で。

 そろそろアルビオン行きの計画を詰めて行きましょうか。

 継承式典で作ったコネクションを最大限利用して、アルビオンへの『旅行』を各方面に認めさることから始めましょうかね。

 




現状報告 30話 会話ゼロは久しぶりですな

とりあえず目まぐるしく変わったクーの現状を説明して見たんですが
何か疑問に思ったこと、作者が説明し忘れていることがあればご指摘ください
モノによっては加筆いたしますゆえ

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