一
弱肉強食の意味をこの世界の人々は理解している事と思う。
簡単に言えば強者が弱者を従えるという事だ。
大人の世界から見たら上司との上下関係になるだろう…しかし、子供の場合は違う
夏来) 「うわぁっ!」 ドサッ
夏来は放課後、校舎裏に同じクラスの紅原に呼び出され、着いた途端、肩を壁に向かって押され背中を強く打つ。
紅原) 「テメェ…今日の体育の時にぶつかってきたのに謝りもしなかったな…ぁあ?」
今日の体育の授業はクラス全体で体育館内を走る物で、夏来はゆっくり走るのは苦手なタイプの人間である為、前を走っている紅原を追い抜いた時に肩が思いっきり当たったが、走るのに夢中になり過ぎていて謝らなかった。
夏来) 「ご…ごめん…でも…」
紅原) 「でも…? なんだ?なんかあんのかよ、俺の意見を覆す様な発言をヨォ? ったく…なんでも良いから今度、こんなことしたらタダじゃおかねぇからな!分かったかァ!」
夏来がモジモジとしていると、紅原が怒鳴り散らして去っていった。
夏来) 「…何にも言えなかったな…今日も……なんか疲れた…」
夏来は倒された時に着いたチリを払いながらゆっくりと立ち上がり、転がっている鞄を拾い、家に帰る為に生徒玄関へと急ぐ。
炎条寺) 「ん?あ、夏来!遅かったじゃねぇか、何してたんだ?」
生徒玄関には友達の炎条寺友貴が夏来を待っていた。
高校に上がってから初めて出来た友達だった。
炎条寺は中学の時結構荒れていたらしく、夏来はもちろん、学年全員が気軽に話しかけれる様な相手ではなかったが、炎条寺の方から友達になろうと誘われたので夏来は話せる様になった。
夏来) 「ぁぁ…うん…ちょっとね…はは…」
夏来は少し戸惑うが苦笑いで誤魔化す。
炎条寺) 「そ、そうか?なんかあったら教えろよ?」
夏来) 「うん…ありがとう…」
炎条寺) 「さっ 帰ろうぜ。帰りにラーメンでも食いに行くか?」
炎条寺は学校帰りに飲食店へ寄り道してはいけない事を知っていながらやる人間だった。
別にいいんだけどね。
夏来) 「ぁぁ…んと…止めておくよ。」
炎条寺相手なら夏来は誘いや要求を断る事が出来るので、学校規則に従って止めておく事にした。
炎条寺) 「ちぇっ〜…全く…お前って奴は規則に従って動く人間の鑑だな」
炎条寺が笑いながら言う。
夏来もつられて笑う。
ーー話しながら歩いてると知らず知らずのうちに遠くまで来ていた。
夏来) 「じゃあ、こっちだから…バイバイ」
炎条寺) 「おう!また月曜な」
二人はそれぞれの家に向かって別れた。
夏来の家は十字路を何回か繰り返し曲がった先なので結構道に迷う。
しかも視界が悪いので交通事故が起こりやすい。
サッカー少年) 「それやっ!」
少年達がサッカーボールで遊んでいる。
道幅はそんなに広くは無いが、プチサッカーをやるくらいのスペースは確保されている。
サッカー少年) 「あっ!」
ある少年の蹴ったボールが投げ出される。
それを取りに行く別の少年。
そこに偶然にも早いスピードで小型トラックが走って来る。
夏来は反射的に少年に全力で駆け寄る。
夏来) 「危ないっ!」
サッカー少年) 「ぇ…?」
トラック運転手) 「うわぁっ⁉︎」
次の瞬間、夏来はサッカー少年を突き飛ばし…轢かれた。
バキッという音に、夏来はある程度の察しがついた。
サッカー少年) 「お兄さん⁉︎」
トラック運転手) 「おいっ!大丈夫か!」
ゆらゆらと揺さぶられる。
夏来) 「(ぁぁ…僕死ぬんだ…なんだか、よくわかんない人生だったな…)」
夏来は意識が朦朧としている中で考えた。
夏来) 「もっと……楽しく生きたかったな……」
そして夏来はそっと目を閉じ、意識が遠のく感覚をその身で味わった。
???) 「…いっ…だい……かい?」
先ほどの二人の声では無い、別の声がする。
???) 「おいっ…だいじ…かい?」
夏来) 「(な、なんだろう…誰かの声が聞こえる…)」
???) 「おいっ…だいじょ…かい?」
繰り返し声が聞こえるたび、声は大きくなって行く。
夏来) 「(うるさいなぁ…このまま寝かせてくれよ…もう疲れたんだ…)」
???) 「返事くらいせい!」 ベチッ
思いっきり頭を叩かれた。
夏来) ムクッ 「痛いじゃないか!何なんだよ!あ、あれ…?死んでない?」
???) 「おぉ…良かったわい…気がついたか」
起き上がった夏来の目の前には見知らぬ男が立っていた。
夏来) 「僕は…なぜ死んでない…それにさっきの人達は…?」
周りを見ると先ほどまで居たサッカー少年と、トラック運転手が居なかった。
夏来) 「ていうか、貴方誰ですか…」
???) 「おぉ…すまん、自己紹介を忘れておった。我はニッ怪滝、お主は名を何と申す」
歳も同じくらいの男が自己紹介をする。
夏来) 「す…皇夏来です…」
ニッ怪) 「夏来殿か…良い名前じゃな♪」
夏来) 「え、あ…ど、どうも」
夏来は今まで良い名前だ、と褒められたことが無いので、内心とても嬉しく思っている。 だが見ず知らずの人、こんなに気軽に話しかけるのは怪しい…
夏来) 「えっと…なぜ僕は…」
そっと立ち上がった夏来は少々警戒しながらも、いまこの状況を聞こうと話しかける。
ニッ怪) 「死んでないか、じゃろ?」
夏来) 「え?あ、はい! 何か分かります?」
ニッ怪) 「いや…知らぬ…」
夏来) 「ぁぁ…」
ニッ怪) 「んぁ…」
気まずい空気が二人を取り囲む。
それを察したのか、さっきまで天気が良かったのだが突然、ポツリポツリと雨が降って来た。
夏来) 「ぁ…(雨が…傘持ってきてないや…)」
夏来) 「僕は帰って、自分の状況を理解してきます…ニッ怪さんも早く帰った方が…あれ?」
先ほどまでいたニッ怪が消えている。帰るときの足音すら聞こえなかった。
夏来) 「(まぁいいや…帰ろ)」
夏来は家に大急ぎで走って帰る。
着いた頃には服がビショビショになっていた。
夏来) 「ねぇ!タオルもってき…ぁ…いないんだった…」
夏来は玄関先から大きな声で呼びかけだが…途中で口を濁らせた。
なぜなら、夏来には両親がいなかったからだ。
父親は仕事が上手くいかず、スランプ状態に陥ってしまい、半年前に自殺してしまった。
その後に続くように母親は病にかかり、他界してしまった。
それから夏来は家で一人暮らしだ。
生活に必要な金銭などはバイトをして補っている。
だが、学校面は田舎の方に住む叔父、叔母から頂いている。
夏来) 「はぁ…」
濡れた服を手で絞り、髪の毛も手で軽く払う。
???) 「分かった、今 持っていくぞい〜」
家の中には誰もいないはずだが声が聞こえた。
夏来) 「ま、まさかっ!」
ガチャっとドアノブを捻ると難なく右に動いた。
誰かが侵入したに間違いなかった。
夏来) 「(し、しまったァーッ!鍵かけるの忘れてタァア!やっちゃったぁぁ…ていうか、聞き覚えのある声…もしかして…)」
夏来はビショビショのまま家の中に入っていった。
入ると応接室のドアから明かりが漏れていた。
夏来はそのドアを勢い良く開けた。
バンッ!
ニッ怪) 「のわぁっ!?」
尻餅をつくニッ怪。
夏来) 「やっぱり!何でいるんですか!」
ニッ怪) 「あ…えー…何か問題でも…?」
夏来) 「いや…ありありだし…第一、人の家に勝手に転がり込まないで!」
ニッ怪) 「え、な、なぜ」
夏来) 「なぜって言うなぁー!余計に話がごちゃごちゃするぅ!」
夏来は手足をバタバタさせながら怒っている。
ニッ怪) 「そんなにピリピリせんでもよかろう…」
ゆっくりと立ち上がると、焦りの表情を見せる。
夏来) 「ぁぁ…そうですねっ!そんなのどうでも良いから早く出てってください!ここは僕の家ですっ!」
ニッ怪は泣きそうな顔で夏来を見つめる。
まるで飼い主を探している、捨てられた子猫の様な目で。
夏来) 「なっ…なんですか…この家に居座るとかやめて下さい、自分の家があるでしょう…」
次の瞬間、ニッ怪は大声で泣き叫ぶ。
ニッ怪) 「我はぁぁあ!家が無いんじゃぁぁ!行くとこが無いんじゃよぉぉ!うわぁぁあ!」
夏来) 「う、うるさいっ!泣くの止めてよ!」
耳を塞ぎながら、夏来が叫ぶ。
ニッ怪) 「お主が我をここに住ませてくれるまで、我は泣くのを止めんっ! びゃぁぁあ!」
夏来) 「ぁぁ…んもうっ!分かった!分かりましたよ!泊めれば良いんでしょ!」
ニッ怪は泣くのを止めた。数秒間、二人の間には沈黙の時間が流れた。
ニッ怪) 「……ぇ?良いのかい?」
夏来) 「ま、まぁ…ニッ怪さん、行き場所が無いんでしょ?それにあのままうるさくしてもらったら、ご近所様に迷惑ですから…」
ニッ怪) 「いやっはぁー!」
ニッ怪は飛び跳ねて喜んだ。それを見て夏来は
夏来) 「でも条件があります。」
条件引き換えを命じた。
ニッ怪) 「なぬっ!?条件じゃと!?」
夏来) 「はい、タダですませる訳にはいきませんよ。僕からの条件は、掃除、洗濯などの家事を手伝い、金銭も仕入れること、です」
ニッ怪が一瞬嫌な顔をしたのを夏来は見逃さなかった。
夏来) 「別に良いんですけど?その代わり泊めませんから」
☆ザ・ウエカラメセン☆
ニッ怪) 「ウグッ…わ、分かった。やってやるぞいっ!」
グッと拳を握るニッ怪。
夏来) 「んっ、よしっ、ならニッ怪さんを迎え入れましょう!」
夏来は内心ワクワクしていた。今まで帰ってきてもシーン…としていたこの家にも笑いが起こることに。
ニッ怪) 「うむ、これからよろしく頼む。」
ニッ怪は深々とお辞儀をした。
夏来が笑う。
つられてニッ怪も笑う。
夏来) 「んじゃあ、ニッ怪さん、もう食事済ませました?まだなら今からコンビニ行きますから、」
ニッ怪) 「……コンビニとはなんじゃ?」
ニッ怪は首を傾げた。
夏来) 「(この人、本気なのかなぁ…)」
夏来) 「ま、まぁ…なんでも売っているお店です。」
ニッ怪) 「ほうほう…なんでもとな?気になる…よし行くとしよう。」
二人は近くのコンビニに向かう。
着いた早々ニッ怪が声を出す。
ニッ怪) 「こ…これは…品索店の白藍かの!?」
何をいってるんだ と言う顔でニッ怪を見つめる。
ニッ怪) 「え…あ、すまん…つい我の世界の白藍にいていての…」
夏来) 「我の世界?」
ニッ怪) 「ま、まぁ、そんなことは良いじゃ無いか!さぁ、入ろうぞ。」
二人はコンビニに入ると、店員が「いらっしゃいませ」と言ってくる。
夏来) 「………」スタスタ
ニッ怪) 「失礼する! 初めての相手に ためらいなく話しかけれるとは良い事じゃな! お主は今後の人生はバラ色じゃろう!」
夏来) 「ち、ちょっと!ニッ怪さん!言わなくて良いの!まぁ…褒めるのは良いんですが…」
店員は顔を赤く染めている。
夏来) 「す、すいません…」
店員は手をブンブン振りながら「い、良いんですよ///」と言う。
夏来) 「さっ、早く買って帰るからっ!」
夏来はニッ怪の手を取り食品コーナーに行く。
夏来) 「ここが食品コーナー、全部食べれる物ですよ。」
両手を広げ説明する。
ニッ怪) 「全部かい!?凄いの!」
ニッ怪は目を輝かせながら辺りを見ている。
夏来) 「なんか良いの見つけました?」
ニッ怪) 「うむ!」
夏来) 「何が良いです?奢りますから、なんでも良いですよ?」
ニッ怪) 「全部じゃ!」
夏来) 「ダメ」
夏来は即答した。
ニッ怪はショボンとしている。
ニッ怪) 「では…この黄色い物を貰おう…」
ニッ怪はメロンパンを指差した。
夏来) 「ぁぁ…メロンパン?美味しいですよ、じゃあコレにします?」
ニッ怪は頷く。
それを見て夏来は、その隣にある「たまご蒸しパン」を手に取り、レジに行く。
ちょうど良い時間なのか、他に並んでいる人がいなかった為、スムーズに会計を終えた。
コンビニを後にした二人は、家に帰る途中、自動販売機に寄る。
夏来) 「これが自動販売機です。分かります…?」
ニッ怪) 「分からん…じゃが、良い機械じゃな…ふむふむ…」
夏来) 「何か良いの見つかりました?なんでも良いですよ?」
ニッ怪) 「良いのか!?なら、ぜ…」
夏来) 「全部はダメですよ?」
ニッ怪が全部と言う前に言って、いい気味の夏来。
ニッ怪) 「ぐぬぬ…… なら、この黒いものを貰おう」
ニッ怪はコーラを指差した。
夏来) 「だ、大丈夫ですか?シュワシュワですよ?」
ニッ怪) 「シュワシュワがなんなのかわからんが…我は飲む」
夏来は心配な顔つきでコーラを買う。
ニッ怪) 「すまぬな☆」
それから二人は家に帰ると買った物をテーブルの上に置いて、食べ始めた。
ニッ怪) 「ほぅ!このメロンパンとやら、実に美味じゃ!」
夏来) 「そうですか?良かったですw」
もくもくと食べ続けるニッ怪を見て、夏来が笑う。
ニッ怪) 「夏来殿よ…我らは同じ屋根の下で暮らす者同士。敬語はいらんぞい?」
夏来は少し迷ったが、ニッ怪がそう言ってくれているので夏来は
夏来) 「う、うん…そうする!」
戸惑いながらも承諾した。
ニッ怪) 「そういえば、夏来殿は名前が女のようじゃな?」
夏来) 「あ、うん、だね…両親は僕が産まれた時が夏なりかけの春だったから、夏が来るって事で夏来っていう事にしたらしいよ?まぁ…それが女らしい名前だから、お父さんは違う名前にしようとしてたらしいけど、お母さんがこの名前が良いって言ったからオッケー出したらしい…」
ニッ怪は口元を隠して笑っている。
夏来) 「な、なんだよぉ…人の名前を笑うなし…」
ムスッとした顔で、ニッ怪に言う。
ニッ怪) 「いやぁ〜面白い両親じゃのw」
夏来) 「あ、そっちw」
ニッ怪) 「うむw」 ガコッ
ニッ怪がテーブルの上にあったコーラを落とした。
夏来) 「ふぁ!?」
ニッ怪) 「良かった…まだ開けてなかったの…ふぅ…」
ニッ怪はコーラを拾った時に泡がぶくぶくしているのを発見した。
ニッ怪) 「……ま、まさか、これがシュワシュワか!?」
ペットボトルを勢いよく振り回すニッ怪の目が怖い…
ニッ怪) 「やはり…泡が増えていく!実に面白い!」
夏来) 「やめてぇ!」
夏来が立ち上がり、ニッ怪の振り回している手を止める。
ニッ怪) 「な、なんじゃ…いきなり?」
夏来) 「これ以上はダメ…死んでしまう…」
ニッ怪) 「なっ…!?」
夏来は凄い真面目な顔でニッ怪を見つめて、ニッ怪を庭先へ連れて行く。
夏来) 「後は任せたよ…」
ニッ怪) 「な、なんなんじゃ!?何が起こるんじゃ!? し、死ぬのか!?」
恐怖の表情を顔全体で表す。
夏来) 「まぁ…当然の報いだろうね…」
暗く、重たい表情を見せ、ニッ怪を恐怖のどん底に落とさせる。
ニッ怪) 「そ、そんなぁぁ!夏来殿が自動販売機とやらに寄るから悪いんじゃぁ!」
ニッ怪は泣き噦んでいる。
夏来) 「ただし、対処法が一つだけある…」
夏来は人差し指を立てながら言う。
ニッ怪) 「な、なんなんじゃ!その対処法とは!」
夏来) 「キャップを捻るの」
ニッ怪) 「ば、バカ言え!そんなことしたら爆発してしまう!」
夏来) 「大丈夫、キャップを開けることで周囲爆発じゃなくなり、ビーム状に発射される様になるんだよ」
ニッ怪) 「逆に危険じゃないかい!?」
夏来) 「まぁ大丈夫だよ…」
ニッ怪) 「し、信じるぞい!?良いかい!?」
ニッ怪が壁を向け、キャップをゆっくりと回し始める。
夏来はニッ怪の後ろで、ざわ…ざわ…と言っている。
ニッ怪) 「んん…!なんなんじゃさっきから!ざわざわ!こっちは死ぬかも知れんのじゃ!ったく…」
夏来) 「ご、ごめんw(ぁぁ…何も知らないって面白いw)」
そして、ニッ怪がグッと力を込め回し切った。
コーラが勢いよく飛び出してきた。
ニッ怪) 「のわっ!ビームがぁぁ…ん?壁に当たるが…なんともなんないの…はっ! 騙してたのかい!?」
夏来) 「もちろんさぁ☆騙すことがだぁい好きなんだ☆」
ニッ怪) 「(こ、こやつ…悪人だぁぁ…)」
夏来) 「さ、中入ろ?」
夏来が部屋の中を指差す。
夏来) 「あ、お風呂沸いてると思うから入る?」
ニッ怪) 「ふむ…そうしよう、使わせてもらうの」
ニッ怪はそう言うと、トコトコと風呂場に歩いて行った。
夏来) 「大丈夫かなぁ」
何もかもが初めての様なリアクションを取るニッ怪に、ちゃんと風呂から無事で出てこれるか心配な夏来。
ニッ怪) 「ギェェエ!?」
そう思っていると突然、風呂場から悲鳴が聞こえる。
夏来は風呂場に走る。
夏来) 「どうしたの!?」
夏来は浴室にいるニッ怪へドア越しに叫んだ。
ニッ怪) 「わ、わわ…我が居る…!もう一人の我が居るのじゃぁあ!」
夏来) 「ぁぁ…大丈夫だよ?それは鏡って言って、自分の姿が映るだけだから」
ニッ怪) 「な、なんじゃ…良かった…ふぅ…ありがとさん、おかげで自分の良い面構えを見れて嬉しいわいw」
夏来) 「(うぇ…ナルシィー…)」
夏来は吐く真似をしながら心の中で思った。
夏来) 「何かあったらまた呼んでね?」
ニッ怪) 「うむ〜」
夏来はリビングに行く。
2分後…ピッポッ…
ニッ怪) 「んぎゃぁぁあ!?なんじゃこれはぁあ!?」
夏来) 「どうしたぁぁあ!?」
リビングからダッシュで来て、ドア越しに叫び尋ねる。
ニッ怪) 「か、髪の毛が硬くなってしもうたぁぁあ…」
夏来) 「ぁぁ…それはニッ怪君、シャンプーとボディーソープ、逆に付けたな??シャンプーは頭だよ?ボディーソープは身体。逆にするとヤバイから気をつけてね?」
ニッ怪) 「それ、初めに行ってくれれば良かったのじゃがぁぁ…」
3分後…ピッポッ…
ニッ怪) 「なぁぁとぅぅきぃぃ!」
夏来) 「今度はなんだよぉぉー!」
夏来が少し呆れ気味に来る。
ニッ怪) 「何か拭く物を!」
夏来) ズテッ… 「バ…バスタオルかぁw 今度は何が起こったのか心配だったじゃないかぁ」
ニッ怪) 「なははw すまぬ」
夏来) 「はいっ!どうぞ」
夏来は近くのバスケットからバスタオルを取り出しニッ怪に手渡しする。そのバスタオルをニッ怪が受け取り、全身を吹き終わり、今度は夏来が入る番になった。
ニッ怪) 「良い湯だったぞい、ゆっくりしていくと良い」
夏来) 「うん、わかったよ。あ、リビングにお茶用意してあるから飲んでおいて、」
ニッ怪) 「うむ…了解した。」
夏来は風呂に入る。
夏来) 「はぁぁぁ…久しぶりだなぁ…こんな風に笑いながら過ごすのは…」
15分後…ピッポッ…
夏来) 「…あ、風呂場の清掃もしないと…ニッ…(ニッ怪君はまだ来たばっかりだから、今日は自分一人でやるか…明日から手伝ってもらおっと…)」
10分後…ピッポッ…
夏来はリビングへと来ると、ニッ怪に呼びかける。
夏来) 「いやぁ〜確かに良い湯だったね〜そういえばさ、明日から早速なんだけど、家事手伝って貰うからね?……ニッ怪君?聞いてる?」
よく見てみるとニッ怪は、ソファーに寝転び寝ていた。
夏来) 「疲れたんだね、今日はたくさん初めて?を体験したし、ハラハラドキドキしたしね…おやすみ…」
夏来は自室に戻って、日記を書く。
4月25日
今日、僕の人生は大きく変わった。
炎条寺君の他に友達が出来たんだ。
ニッ怪滝って言う人だった。
最初は家に侵入されたり大声で泣き叫ばれたりして、本当にキチガイかなって思ったけど、意外と良い人だったよ。
ニッ怪君とは、これから一緒に住む事になったけど別に楽しいし…大丈夫だ、問題ない。略して大問題。
なぜなら、ニッ怪君はどうやらこの世界の事をよくわかんないらしい。
記憶喪失だと思うけど…本当に大変だよ…コンビニに入ったら定員さんを褒めまくるし、食品全部買うとか言うし…コーラを振りまくるし…本当に爆発して死ぬって思ってたし…w
まぁ…これからも頑張っていこうと思うよ。
後、次回作もお楽しみに! では、お休み!
by 皇夏来(すめらぎ なつき)
皆様、わたっふの作品を読んでくださり誠にありがとうございます!これまではなかなか小説を読んで下さる方が学校に居ませんでしたので、ここで見て貰いました事は、本当に嬉しいです!あ、誤字脱字ありましたら、お伝え下さい! たくさんありそうですが…w