幻想夢物語 〜少年の日々〜   作:わたっふ

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四夢 あの日から…

「「夜」それは神聖な物であり、同時に悲しき物でもある。

誰にも見守られずに1日の閉めを飾る姿はどこか寂しい。

しかし「夜」を待ち遠しく思う者だって居る。

………「夜」と言っても、ここでは「深夜」を意味するが…

 

(((夏来…夏来…)))

 

夏来) 「ん……」

夏来は自分を呼ぶ声に目を覚ました。

ずっと前どこかで聞いたことのあるような…そんな懐かしい声だった。

2日前、ニッ怪が来てからというもの、何時もこの声が聞こえている。

実際、夏来は最初はちょっと気になっていたが、今では気にしないようにしている。

布団から起き上がった夏来は時計を確認する。午前4時30分

アラームが鳴る数分前だった。

夏来) 「ぉーぃ…起きてー…」

夏来は2人を揺さぶり起こす。

仙座) 「ぁぁ〜…ん……ふぁぁぁ…」

ニッ怪) 「ぅぅ…ん……」

二人は眠い目を擦りながら起き上がる。

夏来) 「さっ、朝日を見に行こ〜…ふぁぁ…」

二人は嫌な顔はしたが、せっかく夏来が見せてあげたいと念を押しているので渋々ついて行ってあげた。

家から出た時には、もう既に朝日が出掛かっていた。

夏来達は急いで家の近くの景色がよく見える所に設置されたベンチに向かった。

方角は東。その方向から朝日が昇っている。

なんとかギリギリ日の出に間に合った夏来達はベンチに腰掛け、その景色の美しさの前に心を奪われる。

夏来) 「綺麗だね…なんだか久しぶりに見た気がするよ…こんなに綺麗な朝日は…」

ニッ怪・仙座) 「ぉぉ〜……」

夏来) 「最近、何かと忙しかったからね…余裕が無かったんだよ〜… 学校でもそう…友達なんていないし…その…クラスの子にちょっとだけ虐められちゃってるし?w あはは…でも、こうして朝日を見てると、なんだか頑張ろうって気持ちに心が満たされるんだよね ニッ怪君達もそう思わな…」

ニッ怪・仙座) 「 Zzz…むにゃむにゃ…」

夏来) 「って 寝てるんかいっ!」

それから夏来達はベンチに座り居続けた。そのうち夏来も眠気に襲われ、いつの間にか寝てしまった。

 

太陽が天高く昇り、春といえど少々暑く、道行く人の声のダブルアタックで目を覚ました3人は近くの水飲み場で軽く顔を洗う。

ニッ怪) 「んぁぁ〜…寝不足じゃぁぁ…」

夏来) 「なはは…ごめんごめん でもどうしても見せたくて…ね?」

仙座) 「全く…私たちの身にもなってよぅ…ま、いいけどさ♪」

それから3人は来た道を引き返し、家に帰る。

帰ると同時に「お腹すいたぁ…」と言い倒れる仙座を見て、朝食を作り始める夏来。

一方、ニッ怪はと言うと、何かテレビの中から小人を取り出そうと頑張って探っている。それを見て倒れながら「無理に決まってんじゃんw」と呟く仙座。

ニッ怪が「何故?」と聞くが、仙座はどう答えれば良いか分からないのか頭を抱え黙っている。

夏来) 「2人とも、朝食は何がいいー?」

仙座) 「ん?あ、はいはーい! トリュフで」キリッ

夏来) 「あるわけないでしょっ!?」

仙座) 「だろ〜ねぇ〜」

夏来) 「え、なにその こんな家にはトリュフなんて似合わないわw バーカww みたいな顔は!」

仙座は夏来に言われて顔がゲスかかっていたことに気がついた。

そして顔を隠す。

夏来) 「今更遅いわっ! ったく…もーいいよ、自分で適当に作るから」

仙座) 「ぅー…」

ニッ怪) 「なははw 乙じゃ」

今度はテレビを付け、画面を見つめながら仙座の失態を笑うニッ怪。

仙座) 「わーらーうーなぁー! くぅ…」

ニッ怪) 「おーつ おーつ なーはっはw」

目を向けないで煽っていくと言う新しいスタイルで攻めるニッ怪。

それを見て黙っている仙座ではなかった。

ニッ怪をポコポコと叩き出した。叫びながら…

そして2人があれこれしている間に夏来は朝食を作り終わり、テレビ前 カーペットの上にある小さなテーブルに置いた。

夏来) 「ちょっと…朝から止してよ……止めないと朝食抜きだよ」

ついでにその横で騒がしくしている2人に注意をする。

ニッ怪) 「なぬ!?それはいかん! 仙座殿、ここは一旦…」

仙座) 「ふっ…そのようだね! って、目玉焼きだぁ!ヤッタァ☆」

仙座は早く食べたいのかもう箸を持っている。

ニッ怪) 「なぬ…また目玉焼きかの…昨日食べたばっかりじゃろう…」

と残念な顔をされる。

夏来・仙座) 「な、なんだってー!?」

ニッ怪) 「いや…何故夏来殿まで驚いておるのじゃ…」

夏来) 「はは…ノリだよ、ノリ あ、で話戻るけど…目玉焼きじゃダメ…?」

ニッ怪) 「いや…ダメでは無いがの…もっとこぅ…なんて言えば良いのか…」

ニッ怪が腕を組んで深く考えていると、

夏来) 「…ぁぁあ なるほど! 目玉焼きじゃなくて、卵焼きとか、卵がけご飯とか、ゆで卵とかだね!」

ニッ怪) 「いや…って なぜ卵だらけなんじゃよw」

と理由を聞くと、夏来は立ち上がり冷蔵庫の前に行き、扉を開いた。

すると、中には卵…卵…タァマァゴォォ!まさに卵地獄!

夏来) 「ごめんねw この前スーパーで大安売りしてたからぁ… それも お一人様普通は一つなんだけど、三つだったの! だからついw」

ニッ怪) 「そ…そうじゃったか…なら…仕方ないの…」

それから夏来達は朝食を食べ終え、3人で食器を洗い、夏来の誘導で歯磨きをする。

次に夏来はリビングの端に佇んでいる、木で出来た椅子に2人を座らせると話をしだす。

夏来) 「ところで…昨日 仙座さんも聞いたと思うけど…あれ、話したっけ…まぁいいや、今日は、2人のバイト先を探そうと思います!」

夏来は仁王立になりながら堂々と話す。

ニッ怪、仙座) 「うっ…働きたくない…」

一方の2人は俯きながら夏来の話を聞く。

夏来) 「やはりお金は必要だからね…それも君たち2人分も余分に稼がなきゃいけない、これはもう僕だけじゃ無理…だから、お願いー♪」

ニッ怪) 「ぅ…うむ…」

仙座) 「わかったよ……で、どうやって探すの?」

そう言われた夏来はスマホを取り出し、どこかに電話をかける。

2人が疑問に思っていると…

夏来) 「あ、もしもし、ちーちゃん?ちょっと相談に乗って貰いたくて……ニッ怪君と仙座さんのバイト先のことで………うん、あ、わかった お願いします〜」

仙座) 「…で、どうだったの?」

夏来) 「今からちーちゃんが…あ、千代ちゃんね? その話をちゃんとしたいから今から来るってさ〜良かったね♪」

そして 3人は幻花が来るのを…2人は心待ちにはしてないが 待った。

しばらくして…

ガチャッ…という音とともに話し声が玄関からしてきた。

リビングの扉を開けたのは もちろん幻花……と炎条寺?

炎条寺) 「だーかーらー!なんで俺もなんだよ!千代!」

夏来) 「いらっしゃーい おまけまで…ありがとう♪」

炎条寺) 「ちょ…おまけって言うなー!」

炎条寺は、幻花が夏来の家に来る時に取っ捕まえていた様だった。

幻花) 「っと、本題に入ろっか」

炎条寺) 「((おいー!))」

夏来が和室に案内し、話し合いが始まった。 どうやら真剣な話しなどは和室でやるという決まりがあるらしいと聞く。

幻花) 「………なるほどね、だったら良いバイト先あるけど、どう? どうせ二人とも同じとこでやるんでしょ?」

夏来) 「はは…まぁね、個々にしてると危なさそうだし…」

夏来はニッ怪を見つめる。

ニッ怪) 「……?」

仙座) 「ふふw」

首をかしげるニッ怪と、その横で笑う仙座。

幻花) 「そっ なら話は早いね、まずはそうだね…この近くのコンビニなんてどう?」

ニッ怪) 「ぁぁ!あの礼儀正しい女子殿(おなごどの)のとこじゃな!良いぞ良いぞ!」

夏来) 「ニッ怪君は大丈夫みたいだね、仙座さんは?」

仙座) 「勿論!大丈夫だよ!」

話し合いがうまく丸まった所で今まで黙っていた炎条寺が話し出す。

炎条寺) 「そうと決まれば、やることたくさんあるぞ、願書とかな」

夏来) 「そうだね、よーし!みんなで力合わせて頑張るぞー!」

ニッ怪・仙座・幻花) 「おー!」

炎条寺) 「お…おー」

 

 

 

そう…ここから始めるんだ…一から全て!

 

 

 

あれからというもの 夏来、幻花、炎条寺らはいつもと変わらない学園生活を送っている。

そう…夏来が紅原に虐められるという現実も変わっていない。

炎条寺は夏来が紅原に虐められていることは知らないようだった。 …夏来が相談するのをためらっているからだ。

一方のニッ怪、仙座らは初めはコンビニで働き始めた頃、失敗の連続だったようだ…だが、二人とも協力しあって頑張ってるみたい。今じゃあ店長に褒められる方が多いって夏来たちに自慢しているんだって。

みんなそれぞれの道を着々と歩んでいってる…それは事実。

 

そして…今は7月後半。あれから…ニッ怪たちとの出会いから約3ヶ月が経っていた。

 

ニッ怪) 「はぁぁぁ…暑いのぅ…干からびそうじゃぁ…」

夏来) 「そうだね…」

今、二人は和室で横になりうちわで扇いでいた。

今日から夏休みという事で、夏来たちに1ヶ月の休日が与えられていた。

さらに嬉しい事にニッ怪、仙座たちのバイト先のコンビニの店長が幻花の知り合いだったことで、二人に夏休みをくれないかと幻花が頼んでくれたおかげ、休みを貰えた。それも夏来たちと同じ1ヶ月間。その間は夏休みバイトを募集するとのことだったから何も心配はいらないみたい。

仙座) 「ぁぁあ〜」

仙座は読者の皆さん、人生で一回はやるであろう扇風機に声をぶつけて涼んでいた。

ニッ怪) 「夏来殿…暇じゃぁ…たすけておくれぃ…」

夏来) 「暇だねぇ…そうだねぇ…ぁ…田舎に行こう!」

ニッ怪) 「ど、どうしたんじゃ いきなり」

夏来がいきなり立ち上がったのでビックリするニッ怪。

夏来) 「僕の叔父さん、叔母さんに会いに行くんだよ!さらに昨年行った時には祭りもやってたし 楽しめるよ!」

ニッ怪) 「なんと!それを早よ言わんかい! 行こう!今すぐ行こう!」

夏来) 「ま…まぁまぁ…落ち着いて、叔父さん、叔母さんにも電話しないといけないし、炎条寺君たちにも話しておかなきゃいけないし、というか…仙座さんがどうかは…」

仙座) 「はっ…はっ…行く!行きたい!暇はヤダ!」

夏来) 「そ…そう…w なら、電話しよっか!長野県の田舎なんだ〜」

そう言うと夏来はスマホをポケットから取り出し電話をかけた。

繋ぎ先は長野県の田舎に住む夏来の叔父と叔母の家。

夏来) 「……あ、もしもし? 叔母さん?夏来だけど、 はははw うん、元気元気! 今年も行こうと思うんですが… ありがとうございます あ、えっと、今年はあと二人連れて行きたいんですが………」

電話を終えた夏来がグッドサインを出す。

ニッ怪) 「ふぅぅ…良かったぞい…」

仙座) 「暇から脱出だぁー!」

夏来) 「あとは…炎条寺君とちーちゃん だね、」

するとニッ怪がその言葉に反応する。

ニッ怪) 「夏来殿、先ほども炎条寺殿々に話をすると言っておったが、まさか我らと一緒に行くのでは?」

夏来) 「うん、叔父さん、叔母さんも連れてきてもいいよ!って言ってくれてw それに、炎条寺君たちも部活 休みだって言うし」

ニッ怪) 「ぉお!」

仙座) 「やったね!千代ちゃん来る〜!」

二人はとても嬉しかったのかハイタッチをする。

次になんか踊りだした。 よいやーよいやー

夏来はそれをみて、ただただ笑うしかなかった。

それから夏来は電話で二人に連絡を取る。 一応空いてるからと、おkを貰った。

ただ、今日行くのは流石に迷惑だと考えた夏来は折り返しで叔父、叔母、ニッ怪、仙座、炎条寺、幻花に 明日行く と伝えた。

ニッ怪) 「明日が楽しみじゃのう…田舎は良いぞ、空気も美味しかろう」

仙座) 「景色も、ね♪」

 

それからというもの、3人は明日に向け、荷物をまとめたり、お金を調整したり、もちろん ご飯やらお風呂やらも ちゃんとした。

で、朝の長野行きの電車に遅れないためにも、タイマーを7時にセットし、和室に布団を敷く。

ニッ怪と仙座は布団の上で明日のことを話し合っているみたい。

とくにニッ怪は祭りの事ばかり話している。 それほど楽しみなのか… そう思いながら夏来は リビングの机の上に日記を出す。

夏来) 「((これも何回めになるんだろう…あの日…ニッ怪君が来てからとっさに取り始めたこの日記…))」

パラパラと日記をめくる。

夏来) 「まぁ…いい思い出だね♪」

そういい、夏来は日記を書き始める。

 

7月28日

 

今日から夏休み! ニッ怪君たちも休みを貰えて嬉しそうw

明日から少しの間、長野の叔父さん、叔母さんの家に行くことになってニッ怪君たちもハイテンション!

そしてあっちに行ってからすぐに夏祭りがあるんだ!

結構大規模な祭りなんだ〜

とても楽しみだよ!

 

それじゃあ、第5話でまた

おやすみ




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