時には人間が手に入れてはならない物も あるのかもしれない。
自分の欲しい物全てや、ましてや不老不死や……
人間離れした特殊能力もそうだろう。
裏山から帰ってきたニッ怪、仙座は家の中へと入り 和室(応接間)へ。
そこでは叔母と夏来たちが楽しそうに話している。
夏来) 「あっ、ニッ怪君 叔母さん、さっき話したニッ怪 滝君だよ」
叔母) 「あら、この子? 随分と男前な子だね〜」
炎条寺) 「んまっ、俺の方が男前だがな」
ニッ怪) 「なはは…」
皆んなが叔母と祭りやら、周辺の山々の景色やら会話に花を咲かせていると、突然 夏来がキョロキョロと辺りを見回す。
どうしたのか と聞くが、答えは曖昧な返事だった。
「「 神社に誘われるような感じ…」」
炎条寺) 「はぁ? なんだそりゃw」
夏来) 「うーん…」
少しして、叔母が祭りの準備に戻らなくてはならなくなり、夏来たちに 家を任せると言って出て言った。
叔母を見送った夏来たちは これから何をしようか、相談する。
相談の結果、川に行くことになったが 1つ問題が。
仙座) 「水着とかどうするの〜?」
そう、水着。
うっかり夏来が2人の水着を買うのを忘れていたのだ。
その証拠に夏来、炎条寺、幻花は水着を持って来ていた。
仙座) 「うー…」
ニッ怪) 「卑怯じゃ!信じられぬ!人間性を疑うぞい!」
夏来) 「ご…ごめん…だ、だからさ、今から買いに行こうよ」
村の少し外れた所に水遊専門店がある。
そこでこの村の人たちは釣り道具やらゴーグルやら、勿論 水着などを買っている。
それを把握していた夏来は2人に提案する。
2人はブツブツ言いながらも納得してくれたようだった。
善は急げと言うように、夏来たちは2人の水着を買う為、その店に足を運ぶ。
店内は至って普通な感じ。
男性店長) 「いらっしゃい〜」
この店は小店舗なので、店長が切り盛りしている。
水泳コーナーへ向かった夏来たちは、それぞれ2人のサイズにあう水着を手に取り、釣りもする事になっていたので ついでに餌などを買った。
男性店長) 「あぁ、そう言えば お客さん、最近 妙な噂がありましてね」
と、商品の受け渡しの際 店長が夏来たちに話を持ちかける。
夏来たちも耳を傾ける。
男性店長) 「特殊能力撲滅機動隊たる集団が日本各地を転々と回っているらしいですよ? 特殊能力とか俗に言う2次元の世界の話ですよねw ばかばかしいですわいw」
……!!
その言葉に5人は顔を青ざめた。
男性店長) 「どうしました?」
夏来) 「い、いえ……あ、さ、さようなら〜」
男性店長) 「あぃ! ありがとうございましたぁ〜」
その場の空気に耐えられそうになく、商品を手にし、店を飛び出した夏来たちは店の前で慌てふためく。
夏来) 「ど…どう言うこと!? なんでニッ怪君たちの事を!?」
炎条寺) 「し、知るかよ!」
ニッ怪) 「ぐぬ…我らの事が知られてしまったのかいの…」
幻花) 「だ…大丈夫よ! そんな奴らなんて ニッ怪たちの力でなんとかなるわ!」
仙座) 「ねぇねぇ〜…行かないのぉ〜? 川行きたぁいよぉ〜! うがー」
炎条寺) 「テメェは今この状況を考えやがれ! なに呑気に川なんて行こうとしてんだよ!」
この惨事にも関わらず呑気にしている仙座の肩を揺らしながら怒鳴り散らす。
仙座) 「ふっ…大丈夫だよ 千代ちゃんも言ってるじゃん」
仙座が自分の肩を揺らしている炎条寺の手を掴み下ろすと殺意に満ち溢れた笑顔で
仙座) 「全員ぶっ殺せばいいんでしょ?」
と言った。
その顔は犯罪者が罪を犯す前の前兆を表すような表情だった。
夏来たちは恐怖のあまり黙り込んでしまった。
そして同時に仙座に過去、どんな事があったのだろうか、と心の中で思った。
仙座) 「さっ! そん時はそん時! 今は盛大に楽しみましょー! って事だから、川へレッツゴー☆」
夏来たちは仙座の気迫に押されるがままに川へと歩み始めた。
仙座) 「うっひょー! いいねぇ いいねぇ〜 さいっこうだねぇ!」
川へ到着した夏来たちは水着に着替える為、男女に別れ距離を取る。
〜男性陣〜
炎条寺) 「まぁ…アレだな…確かにこのまま変な感情持ってても仕方ねぇしな」
夏来) 「だね、仙座さんの言う通りだよ それにいざとなったら…」
ニッ怪) 「な、なんじゃ夏来殿、こちらをチラチラと見おってぇ」
仙座の言葉が届いた様に 笑顔が戻っていた。
炎条寺) 「つーか、この作品書いてるやつ、少なくとも3人は川に行くって言ってんのに なんで事前に下に水着をつけてくれなかったんだ…」
〜女性陣〜
幻花) 「さっきはありがとね、私たち混乱しちゃっててさ… 」
仙座) 「だいじょーぶ♪ あんなこと言わないと黙らないかなって思ってw」
幻花) 「ふふw そうだね」
こちらもすっかり落ち着きを取り戻していた。
言葉は強力な力だね。
仙座) 「そんなことより、作者のわたっふりんは、なんでこんな所で私たちを着替えさせてるのか不思議…」
幻花) 「それね」
二組とも もうやめて! とっくにわたっふのライフはゼロよ!
夏来たちは着替えを済ませ 男子は泳ぎ始めた。
仙座) 「いやっはーい☆」バシャバシャ
幻花) 「わっ! やったね! それっ」 バシャ
仙座と幻花は水の掛け合いをしている。
ニッ怪) 「それにしても綺麗な川じゃ、川底までくっきりじゃ」
炎条寺) 「だな、すげーよな」
ニッ怪と炎条寺は水に浮かびながら川底を見ている。
仙座) 「あ、火タイプのポケモンが水に浸かって大丈夫なの!?」
炎条寺) 「うっせぇ!! バシャーモじゃねぇよ!」
ニッ怪・幻花) 「いけっ モンスターボール!」
炎条寺) 「やっ、ちょ バカ!石投げんな!!」
4人が川で騒いでいる頃、夏来は先に上がって少し上流の方で釣りをしていた。
この時期はアマゴ、アユ、ヤマメ、ワカサギなどが釣れる。
そして、7月から8月は気温が高くなりやすいので釣れにくいらしい。
だが、前前々日に雨が降ったので少し釣れやすくなっている模様。
夏来) 「アマゴは…濁ってないから無理かな…」
「「釣れるよ」」
突然 辺りに反響する声。
夏来) 「!? だ、誰」
夏来は持っていた竿を石場に落とし、辺りを見回す。
が、姿が見えない。
夏来は今のは聞き間違えだったのだと解釈し、また釣りを再開するために川の方に体を向ける。
???) 「バァ!」
夏来) 「うぅぉわぁ!?」
前を向いた瞬間、目と鼻のすぐ先に人が居てビックリし尻餅をつく。
???) 「にしししw 大丈夫?」
歳は夏来たちより若そうで、髪はロングのストレートで白髪、背が小柄な少女が手を差し出す。
夏来) 「は…はぁ…は…へ?」
夏来は突然の事で脳処理が追いつかない様子だった。
痺れを切らしたのか、その少女は夏来の手を取り起き上がらせる。
???) 「あなた、もしかして皇 夏来君だったりして?」
夏来) 「な、なんで僕の名前を……怪しい…」
???) 「ぁぁうー! 別に怪しいものじゃありません!いたって普通の人間ですぅ」
首を横に、手を振り、違いますよって事を体全体で表している。
炎条寺) 「おいっ! 夏来!大丈夫かっ!? 叫び声が聞こえたがっ!」
そこに川で騒いでいた4人が駆けつける。
夏来) 「い、いや…この人が…」
夏来は4人の方を見て少女を指差す。
仙座) 「なに言ってるの?? 誰もいないよー?」
その言葉に夏来は少女の方を見る。
が、そこには誰もいなかった。
炎条寺) 「まったく…夢でも見てたのかよぉ 心配させやがって… 行こうぜ」
4人は夏来がうたた寝して変な夢を見たと言う解釈でその場を去って行った。
夏来) 「なんだったんだ…さっきのは…」
あれから時間が過ぎ、夏来たちは帰る準備をする。
幻花) 「んで、釣り具合はどうだった?」
夏来) 「はは…なーんにも」
今の夏来には あの少女の事で頭が一杯だった。
突如現れ、突如姿を消す。
本当に夢でも見てたのかもしれない……
もしかしたら…なんらかの能力者…
炎条寺) 「おいっ! 聞いてんのか!夏来」
その言葉に我に帰る夏来。
ニッ怪) 「先程からボーッとしてどうしたんじゃ…?」
夏来) 「はは…なんでもないよ…で、どうしたの?」
炎条寺) 「準備済ませたから帰るぞって言ったんだ」
そう言った4人の手には水着やら何やら入ったバッグが下げられていた。
夏来も急いで後始末をして準備を終え、みんなで叔父、叔母の家へ。
話しながら帰る途中、前方から来た黒服に白い文字で「正義」と書かれている男女3人組に声をかけられた。
外国人らしき顔立ちだった。
ニッ怪) 「フラグ回収乙じゃ」
黒服1) 「済まないがぁ…ここらで能力者を見たってゆー情報は入ってねーかね?」
帽子を深々とかぶりながらゆっくりと話す。
夏来たち) 「!?(こ、こいつら…! な、なんでドンピシャにここをっ!)」
黒服2) 「ぎゃがははは 入ってたら村中大騒ぎですぞ!!まぁ、能力者もバカじゃねぇっすわ!素性を隠してるっすよ!」
一方、こちらは浅く被り、狂ったように高笑いをしている。
黒服3) 「(……コイツ(ニッ怪)…怪しい…」
こちらの女性は下を向きながら黙り込んだままだった。
いずれも成人ぐらいだろうか、まだ若そうだ。
夏来) 「いやぁ…話は聞いてますが…ねぇ?」
炎条寺) 「お、おう…そんな奴は知らないっすね 第一、能力者とか2次元とかなw はは」
今はこの状況を突破するのが一番。
まぁ、今ここで捕まったら尺がアレなんで、捕まりませんが。
夏来たちの発言を聞いて黒服1はお礼の言葉と3人分の名刺を渡してきた。
夏来) 「機動隊 隊長 ゾルバース・ヴェルデさん、機動隊 副隊長 ウィルフッド・ガイアさん…、機動隊 副隊長 マリエラ・バレストリさん…」
ゾルバース) 「はは そうですねぇ 2次元ですよねぇ ですがねぇ 一応と言うことでぇ そのような報告が入ったらぁ こちらに電話なりしてくだせぇや」
機動隊の隊長 ゾルバースと言う者が去り際に大きな声で夏来たちに呼び掛ける。
夏来、炎条寺、幻花の横を通り過ぎ、ニッ怪と仙座の横を通り掛かった直後、小さな声で
「「 ま、もう見つけましたが 」」
と言って去って行った。
しばらくの間、夏来たちは あまりにも突然の事で身動きが出来なかった。
ニッ怪たちが此処にいることがバレてしまった。
だが、なぜ此処にいると分かったのか?
スカウターでも付けているのか…はたまた場所を特定できる何らかの能力者…
それは夏来たちには分からない。
だが、一つだけ分かったことがある。
夏来) 「戦おう…逃げてちゃダメだ…いずれ襲いに来るなら コッチから仕掛けなきゃ!」
炎条寺) 「不意打ち作戦ってわけか…確かに、俺らが逆に襲いにかかるなんて思ってもいないだろうな」
幻花) 「でも…ニッ怪たちは ともかく…私らは力になれないわ…だって普通の一般人よ?」
仙座) 「それなら心配ご無用!私たちであいつら全員殺れるから♪」
夏来たちはゾッとする。
たまに仙座は殺すだの何だの怖い表現をするから恐ろしい。
この自信はやはり能力からか…
まぁ…何にしろ、決戦の日はすぐそこまで来ているようだ。
「「 厄介なのに関わっちゃったね〜」」
突如、川で聞いたあの声が夏来たちに聞こえて来る。
夏来以外は初めて聞く声で 最初の夏来同様、辺りを見回す。
夏来) 「厄介なのに…って 君も僕らが能力者を匿っているのを知っていたの?」
???) 「とーっくに〜」
幻花) 「な、夏来、なに? この声知ってるの?」
幻花が夏来の方に振り向いた その時、夏来と幻花の間に1人の少女が座っていた。
幻花) 「ひっ! で、出た!!」
幻花は勢い良く後ろに転んで、ニッ怪にぶつかり地面に倒れた。
下敷きになったニッ怪は一瞬白目を向かせた。
???) 「ひ、酷いなぁ…人をお化けみたいな言い表し方してぇ…」
夏来) 「う、うわ…び、ビックリした…」
炎条寺) 「だ、誰だ! お、おま…お…お前は!」
炎条寺が冷や汗を流しながら人差し指を少女に向け、震えていた。
???) 「私はただの人間で、ぁ…名前言ったほうがいいよね…? 名前は大橋 享奈って言うの〜」
仙座) 「なんかその喋り方、私とキャラ被ってる〜」
ムスッとした顔で睨みつける仙座。
享奈と言った少女は 仙座になぜか知らないけど一応 謝った。
名前を言ってもらったのでと、夏来たちも自己紹介をする。
そして夏来は話を続ける。
夏来) 「それで…どうして僕らのことを…」
享奈) 「私の主様から貴方たちの事を教えてもらったの〜 色々とね」
その主様とは誰なのか、夏来たちには分からなかった。
でも、夏来たちをよく知ってる人物らしい。
その人物について聞き出そうとしたが、それ以上は聞き出せなかった。
その主様とやらも能力者だ、という事以外…
ニッ怪) 「ふむふむ…能力者は能力者を引きつけるとなぁ〜」
幻花) 「なに言ってんの…」
享奈) 「まぁ貴方たちは この先、主様と出会う運命だから、その時までね」
この先、なんらかの出会いをすると助言した享奈。
特殊能力撲滅機動隊に、不思議な少女 享奈とその主、そして我らが夏来たち。
一体、この三組に何が起ころうとしているのだろうか。
次回! 遂に明かされる 闇籠神社の声の主! そして夏来たちとの争い! 機動隊はどう動いて来るのか!?
享奈) 「次回もお楽しみに〜」