ビスコッティ共和国興亡記・HA Edition   作:中西 矢塚

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お見合い面白かったよね。
あのオッサン、毎度毎度たま化していながらよく防衛大臣首にならんと思うわw
因みに書かなかったけど結婚式が大体あんな感じだったんじゃないかな、きっと



4-5

「俺の精霊結晶」

「僕とガウルの英雄結晶」

「えっと、私の魔王結晶」

「そして私の精霊結晶~♪」

 

 夕刻。空が朱色に染まる時間帯。

 フロニャルド脅威の技術力の一つ、ブレイブコネクトを通じて、結晶の持ち主達で会話をしていた。

 皆それぞれ、竜の森の中の別々の場所に立っている。 

 背後には同様に、武装した各国の騎士たちが控えていた。

「後は地元の巫女様と退魔に……じゃなかった、退魔剣士とかチート学士とかも居る訳だし、まぁ、負けんわな」

「魔物が活性化する前に準備が間に合ったのが良かったでござるな」

「お、ユッキー」

 木々の合間からユキカゼが飛び降りてきた。

「結界の準備は終わった?」

「ちゃんとリコとノワが計算した位置にお札を張ってきたでござるよ」

「こっちもばっちり」

「準備完了であります!」

 通信モニターの向こうに現れた少女達も頷いている。

「うん、さて」

 一つ間をおいて、背後を振り返る。

「竜喰いの殺処分を開始しても宜しいですかね、巫女殿」

「あ、ああ……」

 戸惑いの混じった頷き。

 急展開に急展開である。当然であろうなと思いつつも、そんなことはおくびにも出さずに、もう一度、手順の確認をする。

「結晶で強化した結界で野郎を地脈から切り離して弱らせた野郎を紋章砲の一斉射で痛めつけてとどめに巫女殿がズドン。簡単な話だな」

「身動きできないところをたこ殴り……」

「どっちが悪役か解らないでござるなぁ」

「いや、このぐらい徹底的にやらんとマジでヤバいんだって。春先のアレを越えるレベルの魔獣だぞ」 

「あー、あいつか、強かったなぁ。……そうか、アイツ以上か」

「目ぇギラつかせてんじゃねーぞ愚弟。あーもう、さっさと始めるからな。カウント10で結晶発動な」

「では僭越ながら拙者が音頭を取らせてもらうでござる」

「紋章砲の発射タイミングは私が持とう」

「ん、よろしくエクレール」

「……フン」

「……始めるでござるよ~。じゅ~う、きゅ~う……」

 

 その後、半刻も経ないうちに、竜喰いの魔獣は討伐された。

 

「いや~無事終わってなによりだったわ」

「ちょっと物足りねーけどな」

「私達、紋章砲を撃つだけだったもんねー」

「久しぶりにシガレットの乙女モードが見れたから面白かったけど」

「おう、夜風に記憶を押し流そうとしてるのに思い出させるなよ」

 

 既に夜である。

 全力の力押しにより魔物は排除され、緊急的に参集された三国の騎士団は撤収準備に入っていた。

 祭りの後の騒々しさの中で、首脳陣たちはちょっとしたお茶会を、と言う状況だ。

 

「しかしまぁ、とりあえずどっか行ったらフラグを立ててくのは流石勇者と言うべきか……あの娘が世間慣れしてないだけなのかと心配するべきなのか……」

 視線の先で、勇者シンクと竜の巫女シャルが談笑していた。

 表情、態度を見れば、シャルがシンクをどう思っているのか推し量るのは、簡単すぎた。

「今日、会ったばっかりだよね」

「しかも昼間にな。まー一応、ピンチを颯爽と登場して救ってくれてたりもする訳だけど、チョロいってレベルじゃねーと思うわ」

「シガレットのほうが先にあってるでござるのにな」

「俺の場合、むしろ思いっきりびびられてるから」

「昔、一人で真竜を殴り倒した人の身内で後継者とか聞かされたら、普通に驚くと思う」

「つーか引くわ」

 ノワールとジョーヌの言葉に、半笑いになる。

「某クレイトスのときは勇者一味全員で挑んだらしいのが心残りだったらしくてなぁ。次はタイマンで勝ちたかったんだと」

「まず、なぜ真竜と戦おうってことになったんだろう……?」

「強そうだったからじゃねーの」

「んな、ウチの姉貴じゃねーんだから」

「そうだよレオ様じゃあるまいし……って、あ~~~!!」

 勇者ナナミが悲鳴を上げた。

 

「そういえばレオ様はなんで来てないの?」

 

 魔物退治のために、急遽、勇者召喚を行った三国の騎士たちが集められた。

 ビスコッティとパスティヤージュではその上、領主自らが参戦している。

 しかし、最も多くの戦力を派遣したガレットに限って、領主の姿は無い。

 指揮は全て領主夫君であるシガレットが取っていた。

「グランヴェールまでシガレットがつけてるし。レオ様、本当にどうしたの?」

「いや、まぁなんつーか……自宅待機?」

 素朴な疑問に、言葉を濁す。

 周囲の者達は、ニヤ付いているものもいれば、どうでも良いという態度の者も居た。

「え、え? 何? ひょっとして喧嘩でもしたの? けんたいきってヤツ?」

「何処で覚えたんだそんな言葉……」

 若干発音が怪しい言葉に突っ込みを入れる。

「そういえば昼間も、連絡を取ろうとしたら『イマハソレドコロジャナイー』とか言い出して止めてきたし。シガレット、何かレオ様を怒らせるような事でもした?」

「それ、俺の真似なのか? いや、怒られることはしたというか……」

「していると言うか」

「で、ござるなぁ」

「巨乳コンビ煩いぞ」

「身重の奥さんを家に待たせている人がする発言じゃないと思うな、それ」

「あ、バカ」

 突込み返しを慌てて止めたが、遅かった。

「……みおも? 身重って……えっと」

 目をパチクリとさせるナナミ。

 

「赤ちゃん?」

 

 ようするに、そういうことだった。

 




 なるべくその場のノリで、負担が掛からないように雑な感じに書くって決めてやってるんですが、流石にキャラが増えると読みづらいなぁ。
 でも真面目に段取り芝居を入れると書く時間が無いから、仕方ないね。
 細かい描写は原作を参照ってことで一つ。


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