ネコの手も狩りたい【完結】   作:puc119

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第14話~現状維持ってことで~

 

 

「ネコさんネコさん。次はどんなクエストへ行こっか?」

 

 前回、ダイミョウザザミを倒したところでご主人の防具の素材も揃い、ようやっと新しい防具を装備できるように。悪いことなんて何もないけれど、此処までは順調過ぎて少し怖い。このペースでいったい何処まで行けるのやら……

 あと、例のごとく、ご主人の防具が完成するのはもう少し先になります。

 

「うニャー。村長に聞けば良いと思うニャ」

 

 そろそろ何かのイベントがありそうだし。てか、せっかくベルナ村へ派遣されたのだから、村のためにも頑張らないと。まぁ、もうディノを倒してしまったわけだし、メインイベントは終わっちゃった気もするけど……

 あとは、集会所のクエストを進めてHRを上げるってのも良いかも。ただ、ご主人は嫌がりそうなんだよね。

 このご主人の実力なら集会所だってなんとかなると思うんだけどなぁ。

 

「うん、わかった。それじゃあちょっと聞いてくるね」

 

 お願いします。

 村長の元へ走っていったご主人を見送ってから、傍にいたムーファを撫でて毛玉をいただく。使うことはないと思うけれど、集めておいて損はないだろう。こうやってちょこちょこ集めておかないと、いつか苦労しそうだし。てか、毛玉くらいいくらでも取れそうなんだけどなぁ……

 

 

 そうやってムーファを撫でつつ、毛玉を集めつつ、乗ってみたりして遊んでいると、ご主人が戻ってきた。

 

「ふふ、楽しそうだね」

 

 うん、なかなかのモフモフ具合で面白いよ。

 まぁ、そんなことは良いとして、クエストの方はどうだったのだろうか。

 

「えとね、村長さんに聞いたら、古代林にテツカブラが出て、それのせいで龍歴院の調査員の人たちが困ってるんだって。だから、テツカブラの狩猟をお願いされたよ」

 

 了解。

 なるほど、テツカブラか。随分と昔のことになってしまったけれど、俺と相棒でテツカブラと戦った時は苦労したなぁ。ああ、いや、あの時はロケット生肉が鬱陶しかっただけで、テツカブラ自体はそうでもなかったか。

 

「わかったニャ」

「よし、それじゃあ頑張って倒そっか」

 

 うむうむ、シナリオ通りとは言え、正直此処でテツカブラは有り難い。これで蛙油が手に入ればご主人の武器も更に強化。てか、それで武器は最終強化だ。それより強化するには上位の素材がいるわけですし。まぁ、いつまでもベルダーハンマーを使うことはなく、四天王やゴアの武器を使うことになりそうだけど。

 とは言え、それも先のお話。今は目の前の課題に集中しようか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よっし、到着! ん~……夜の古代林って初めてだから、なんだかわくわくしちゃうね!」

 

 古代林に着くと、まずご主人が元気の良い言葉を落とした。

 どうやら今回は夜の古代林だそうです。まぁ、夜になったところでマップが変わるわけでもないんだけどさ。ただちょっと暗くて見え難くなるくらい。

 

 それでも、夜の古代林は結構気に入っている。

 

「……月が大きいニャ」

 

 元の世界のソレと比べ随分と大きいが、真ん丸に輝く月はなかなかに綺麗なんです。

 いや、月じゃないのか? ああ、でもモンハンの中でも“月”と言う言葉は出てきたはずだし、月で良いのかもしれない。まぁ、深くは考えないでおこう。ご主人に聞いてみても良いけど、またボロが出そうだし此処は我慢。

 ただ、遠い宙の向こうで輝いている奴が綺麗なことには違いない。それだけで今は十分だ。

 

「それじゃ、サクッと倒してこよっか!」

「うニャ!」

 

 ああ、そうだ。ご主人にテツカブラのことを何も言っていなかった。このご主人なら大丈夫だとは思うけれど、どんなモンスターかくらいは教えておいた方が良いよね。本当は此処へ来るまでに教えておきたかったけど、いつも通りご主人寝てたしなぁ。

 

「ご主人、テツカブラだけど大きな蛙みたいなモンスターニャ。大きな牙を使って岩を掘ったり、掘った岩を砕いて攻撃してくるニャ」

「あー、えっと、うん、ありがとう。でも、テツカブラは私も知ってるし大丈夫だと思うよ。多分。確か……顔が怖くて咆哮も大きなモンスターだよね?」

 

 あら? テツカブラのことは知ってるのか。そりゃあ良かった。何処で知ったのかはわからないけれど、知らないよりは良いだろう。

 

「そうだニャ。あと、あの咆哮も一応、ローリングで躱せるニャ」

 

 流石に咆哮のフレーム回避まで求めないけれど、チャレンジしてみるのも悪くない。それにエリアルで咆哮に合わせてローリングすれば、怯み時間も短い。これからバインドボイス持ちのモンスターと戦うことも増えるだろうし、覚えておけばきっと役に立つはず。

 ただ、エリアルのローリングの無敵時間ってちょっと独特なんだよね……普通のローリングに慣れてしまった俺には上手くできません。エリアルのローリングって無敵時間が普通のローリングよりも長かったりするのかね?

 

「あっ、そうなんだ。わかった、やってみる」

 

 うん、やってみてくれ。テツカブラは咆哮のタイミングもわかりやすいし、良い練習になると思うから。

 

「テツカブラは今、エリア3ニャ」

「了解! それじゃ、改めて出発だー!」

 

 そんな掛け声をしてから、ご主人と一緒にテツカブラのいるエリア3へ。雑魚モンスターもマッカォだし、これなら苦労することもないはず。

 

 

 

 

「う、うーん、やっぱり顔、怖いね……」

 

 まぁ、“鬼蛙”なんて呼ばれるくらいだし、可愛い顔はしてない。口の中にカブトムシがいるところはお茶目だと思うけど。MHXでもカブトムシはいただろうか。よく覚えてないや。

 

「よしっ、いきます!」

 

 さてさて、集中集中。

 ブメネコならテツカブラとの相性はかなり良い。サクッと倒させてもらおうか。

 

 そして、俺のブーメランとご主人のカチ上げが決まったところで、テツカブラが俺たちに気づき、夜の古代林にその咆哮が響いた。

 その咆哮をフレーム回避し、ブーメランを2発。急いでサポゲを貯めないと。

 

「あっ、ホントだ。躱せた」

 

 俺のアドバイスのおかげか、ご主人も咆哮のフレーム回避に成功……うん? 成功? マジでッ!?

 い、いや、ちょっと待て。確かにフレーム回避をしやすい相手ではあるけれど、そんなちょっと言ったくらいでできるものなのか? このご主人は上手い。それは分かっている。分かっているけど……

 

「よっし! 乗ったよー!」

 

 あっ、うん。ナイスです。

 

 しっかしねぇ……今更だけど、このご主人、な~んか怪しくないですか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その立派だった両牙は砕かれ、仰向けに倒れて動くことのなくなったテツカブラ。2乗り2スタンで多分、0分針。それは上出来すぎる結果。

 

「討伐完了! ネコさんもお疲れ様!」

「うニャ。お疲れ様ニャ」

 

 初心者にしてはやたらと上手いと思っていた。きっとあの相棒みたいにセンスがあるんだろうとかそんなことを。

 しかしだ。よくよく考えるとあの相棒と同じくらいセンスがあるってことがもうおかしい。それにアイツだって最初の頃は色々と失敗を繰り返していた。それと比べてこのご主人は失敗がなさすぎる。モンスターに吹き飛ばされているところも見るけれど、その後のリカバリーが抜群に上手い。その結果が、未だ0乙と言うものに繋がっているんだろう。

 ただ、ご主人は自分のことを新米ハンターって言ってたんだよなぁ。テツカブラのことは知っていたみたいだけど、ドスマッカォやダイミョウザザミ、ドスファンゴのことは本当によく知らないみたいだったし。

 

「ネコさーん、剥ぎ取りしようよー」

「あっ、うん。直ぐ行くニャ」

 

 う~ん……やっぱり何か隠してるよなぁ。初々しさを感じることが多々あったから、見逃してしまっていたけれど、このご主人を新米ハンターと言うのには無理がある気がする。

 てか、これで本当に新米だったとしたら悔しい。新米ハンターが初見モンスターの咆哮をフレーム回避とかどうやったらできるんだよ。もしかしたら、偶々なのかと思っていたけれど、怒り咆哮も当たり前のように回避していたし。因みに、俺は失敗しました。

 

 んで、このご主人が新米ハンターじゃないとすると……何が考えられるだろうか。ご主人はバルバレで俺が出場した闘技大会を見たと言っていた。でも、このご主人を集会所で見たことはないんだよなぁ。龍歴院ほどではないけれど、バルバレだってハンターの数は少ない。だから、バルバレのギルドに所属していれば顔くらいは見ていそうなものだけど……

 そうなると……他のギルドに所属していたか

 

 ――俺やあの彼女と同じ世界から来た人間か。

 

 そんなところになりそうだ。ただ、ソレを聞いて良いのかが分からない。ご主人が此処にいるのには、きっと何かしらの理由があるのだろうから。俺と同じ世界から来たのなら、色々と話したいこともあるんだけどさ。

 

 ただねぇ……俺だってこう、色々と隠しているわけですよ。そうだと言うのに、ご主人だけの秘密を聞くってのはちょっと……なんて思うわけですよ。後ろめたさとか罪悪感とか。

 それならもう良いのかな? 誰だって秘密の一つや二つあるだろう。それにご主人が自分から言わないってことは、まぁ、そう言うことなんだろう。

 

 これからも一緒にクエストを続けていく仲だとは思うけれど、今の状態に不満はない。それはただの逃げかもしれないけれど、あの相棒のことを見習って俺も待つことにしてみよう。いつかご主人が自分のことを話してくれるその日まで。

 

 

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