昨日は夜のクエストだったと言うこともあり、テツカブラを倒してベルナ村へ戻ってくる頃には、既に空が明るくなり始めていた。
今はこんな小さな身体をしているとは言え、それなりに丈夫なはず。けれども、流石に徹夜は堪えたらしく、ベルナ村へ戻ってから直ぐに寝てしまった。そして、起きたらもう夕方。完全に昼夜逆転してしまった気がする。
う~ん、夜のマップも嫌いじゃないけれど、これはちょっと問題かも。寝不足のままクエストへ行くのは勘弁してもらいたいところ。
未だに寝ているご主人を残してとりあえず家を後に。それにしても、このご主人って本当に良く眠るよね。まぁ、寝起きは良いみたいだから問題はないけど。
さてさて、ひとりで出てきたのは良いけれど、どうしようか。ご主人をおいて先にご飯を食べるのも申し訳ないし……
「おや? 今日はハンター殿と一緒ではないのか?」
そんなことを考えていると、ベルナ村の村長が話しかけてきた。
「ご主人はまだ寝ているニャ」
「そうか。先日のクエストは助かったよ。ハンター殿にもそのことを伝えておいてくれ」
了解。
この村へ来てからまだそれほど時間は経っていないけれど、あのご主人はかなり活躍していると思う。受けたクエストは全て問題なくクリアしているわけだし。
「ふむ……しかし、困ったな。ハンター殿に頼みたいことがあったのだが……」
あら、そうなの? 雰囲気的に新しいクエストだと思うけど、なんだろうか。ホロロホルルの狩猟とかだとすごく嬉しい。そろそろ俺も新しい武器が欲しかったところですし。
「それならボクが起こしてくるニャ」
「いや、流石にそれは……ああ、でも、できればお願いするよ」
ふむ、どうやら急ぎの用事みたいですね。それならご主人を早く連れてこないと。
村長の話を聞いて直ぐにまた家へ戻り、スピスピと寝ているご主人をペシペシと叩いて起こすことに。
「あぅ……な、なにごとですか……?」
「村長がご主人に用事があるみたいニャ」
身体を起こし、大きなアクビをしているご主人へ伝える。集会所はさっぱりなのだから、その分村クエを頑張らないと。
「ん~……了解! よし、それじゃ行こっか」
「うニャ」
相変わらず、ご主人の寝起きは良いらしく、直ぐに元気な声を出してくれた。
ゲーム的に言ったら、次はあのディノバルドが乱入してくる、深層シメジの採取クエストのはず。でも、前回俺と相棒でディノバルドも倒してしまったし、そうなると……なんだろうね?
「おお、ハンター殿、休んでいたところ申し訳ない」
「ああ、いえ、そんなお気にせず」
ご主人と共に村長の元へ。
はてさて、どんな用事なのやら。ホロロだと良いなぁ。ホロロが良いなぁ。
「先ごろ、龍歴院から火急の知らせが届いた。どうやら、先日古代林で夜間調査を行っていた調査隊がモンスターに襲撃されたらしい」
また襲われちゃったのか……何と言うか、調査隊も大変なんですね。いっそのことハンターと一緒に行動した方が良いんじゃないんだろうか。
そして、どうやら今回のターゲットは――
「そのモンスターの名はホロロホルル。別名、夜鳥とも呼ばれておるモンスターだ」
うむうむ、これは有り難い。残念ながらご主人の武器や防具の強化にホロロ素材を使うことはないだろうけれど、俺的にはかなり嬉しいです。ホロロのネコ武器……ホロロネコパラソルは斬れ味も緑まである睡眠武器。そして、ブーメラン特化でもあり、これが嬉しい。あと、打撃武器だからスタンだって取れます。ホロロ装備の防具はあまり好きじゃないけれど、武器は見た目も可愛い。
「調査隊の中には、その大きな瞳を見た瞬間寝てしまった者もいると聞いている。危険なモンスターではあるが、ハンター殿にこのホロロホルルの狩猟を頼みたい」
う~ん、ホロロの鬱陶しいのは睡眠より、あの混乱攻撃な気がするけど……あの攻撃を食らうとやらなくても良いのにオトモが吹き飛ばしてくれるし。あと、混乱状態が治った瞬間もちょっと鬱陶しい。
てか、この世界であの技を喰らったらどうなるんだ? ゲームの中ではスティック操作が逆になるだけだったが……うん、ちょっとどうなるか試してみたい気もする。
「は、はい。分かりました! 私にできる限り頑張ってみます!」
う~ん、ホロロの狩猟かぁ。戦いたい相手ではあるけれど、得意な相手でもないんだよね。身体が小さいから動きは速いし、隙もあまりない。それでいて、滑空攻撃の判定はおかしいし……まぁ、強い相手でもないから大丈夫だと思うけど。
そして、今回も夜の古代林でのクエストとなりそうだ。昼夜逆転が加速しますね。
ホロロの睡眠攻撃でも喰らえば治るだろうか? なんてバカみたいなことをチラッと思った。
「ネコさんネコさん。ホロロホルルってどんなモンスターなの?」
村長の話を聞いた後、飯を食べてから直ぐに出発。直前までしっかりと寝ていたせいか、珍しくご主人も起きている。
んで、ホロロだけど、フクロウ……って言っても伝わらないよね。
「鳥竜種のモンスターで、すばしっこく濃い青色のモンスターニャ」
空中咆哮や、滑空、飛びかかり攻撃とかを見る限り、多分、骨格はレウス系統だと思うけれど、アイツは色々と特別だからなぁ……
「ん~……やっぱり強いモンスター?」
「強いと言うより、鬱陶しい感じニャ。あと、テツカブラと同じように咆哮も大きいから気をつけるニャ」
あの咆哮ってフレーム回避できるのかね? 性能があればできた気がするけど、ネコで成功したことないんだよなぁ。ただ、エリアルなら大丈夫だとは思う。
あと、気をつけるとしたら、睡眠攻撃と混乱攻撃か。睡眠攻撃は俺が叩くか、元気ドリンコでも飲めば良い。ただ、混乱攻撃はどうしよう。一応、にが虫や小タル爆弾で復帰できるけど、ちょっと面倒なんだよね。まぁ、其処は実際に戦ってみて考えるとしよう。時間に余裕はあるだろうから、慎重に戦えば良いのだ。
「う、うーん、私でもなんとかなるかな?」
「ご主人ならまず大丈夫だと思うニャ」
残念ながらまだ新しい防具は完成していない。けれども、無茶さえしなければきっと大丈夫なはず。それくらいこのご主人は上手い。
「わかった。よし、頑張ります!」
うん、そうだね。いつも頼りにしています。
「そう言えば、村長がテツカブラを倒してくれて助かったって言っていたニャ」
「うん? そうなんだ。ふふ、それは嬉しいね」
……ちょっとずつだけど、このご主人もベルナ村の皆から頼りにされるハンターになってきていると思う。HRはまだ1。けれども、ちゃんと進めているんじゃないかと思うんだ。
その後、暫くご主人と雑談していると、夜の古代林へ到着。
頭の遥か上の方で輝く月が今日も綺麗だ。
「ホロロホルルはエリア4にいるニャ!」
「了解!」
支給品も受け取り準備は完了。
はてさて、ホロロはどんなものなのやら。
ご主人と一緒にホロロのいるエリア4へ。色のせいでどうにも見え難いけれど、確かにその姿を確認することはできる。
「アレが、ホロロホルル……なんだよね?」
「そうだニャ」
怒るとちょっと怖いけれど、見た目は可愛い方のモンスターだと思う。身体を膨らませて鱗粉を撒く時とか特に。少なくとも、フルフルよりはよっぽど可愛い。あの相棒がこのホロロホルルを見たらどんな反応をするだろうか。
「行きます!」
ご主人がそんな大きな声を出したところで、ホロロが此方へ気づき、咆哮。一応、フレーム回避を試してみたけれど、残念ながら失敗。多分だけど、ネコのローリングは剣士のソレと比べて無敵時間が短いと思う。素直に範囲外へ出るか、ガードをした方が良いかも。
一方、ご主人はフレーム回避に失敗したものの、エリアルのおかげで怯み時間も短く、直ぐに起き上がってからホロロを蹴ってジャンプ。そして、ハンマーを振り下ろしていた。うむ、俺も頑張らないと。
飛ばれると、俺の攻撃は当たらない。ただ、遠距離武器とホロロの相性はかなり良いはず。
空中からの飛びかかり攻撃を躱して、お返しにブーメランを1発。色々と試してみたいことはあるけど、最初は慎重に行こう。
ペシペシと一生懸命ブーメランを当て、頑張ってサポゲを貯める。
「あれ? なに、これ……身体が……」
そんなご主人の声が聞こえ、其方を見るとなんかフラフラしていた。そのご主人の周りには金色に輝く鱗粉。なるほど、混乱か。
う、うーん、どうにか助けてあげたいところだけど、助けようがないんだよね。頑張れご主人。
とは言え、此方はサポゲも貯まり、貫通ブーメランを使えるように。んで、ホロロは……ああ、ご主人を狙ってるわ、大ピンチだわ。混乱状態のハンターを優先的に狙うとは聞いていたけど、ホント容赦ないな。
「ご主人、避けるニャ!」
「い、いや、何がなんだか……」
結果、滑空攻撃を喰らってご主人が吹き飛ばされた。
むぅ、思っていた以上に混乱攻撃が辛いのかな。だって、ご主人ったら同じ場所をひたすらグルグル回っていたし。
「あっ、治った。ネコさん。回復するからちょっとの間、頑張って!」
了解です。どうかしっかりと体制を整えてくださいな。
さて、これは思っていたよりも苦労しそうだ。
なんかポンポン進むなぁって思っていましたが、よくよく考えると今やっているのは村クエでしたね
集会所へ行く日は来るのやら……
では、次話でお会いしましょう