ネコの手も狩りたい【完結】   作:puc119

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第32話~崖下から……~

 

 

「ネコさん、ネコさん。村長さんから次はガムートって言うモンスターの討伐をお願いされたよ!」

 

 白ネコから本心……のようなものを聞くことができた次の日。

 今日も今日とて元気の良いご主人さんが、とてとてと走りながらそんな言葉を落とした。

 

 ふむ、次のモンスターはガムートか。確か、ディノバルドやライゼクスと比べてそれほど危ないモンスターではないと思った。そもそもアイツ、草食性だし。

 ただ、食糧難なんかが起こると凶暴性が増し、一度暴れだすと大きな被害が出るとかそんな感じだったはず。

 

 そしてそのガムートだけど、う~ん……まぁ、まずこのパーティーが負けることはないと思う。ただ、ご主人の今のスタイルはブシドー。そんなブシドースタイルでも戦えなくはないと思うけれど、やっぱり相性は良くない。

 ふむ、申し訳ないが、ご主人にはエリアルスタイルに戻してもらおうかな。ガムートが相手なら絶対にエリアルスタイルの方が良いわけですし。

 

「白ネコさんはガムートがどんなモンスターか知っているの?」

「うん、知ってる。大きなぞうさん」

 

 大きな象さんって……いや、まぁそうだけどさ。

 

 そして、ご主人の武器ですが素材も足り、無事エムロードビートの作成が可能だそうです。素材運に恵まれていて羨ましい限りだ。ただ、例のごとく完成するのには数日かかるから、ご主人の武器はベルダーハンマーのまま。

 

「ああ、うん。そうなんだ……すごく強そうだね」

「問題なく勝てるはずだから大丈夫。あと、エリアルスタイルにしておいた方が良いと思う」

 

 そんなご主人と白ネコの会話。どうやら白ネコもエリアルの方が良いと思っていたらしい。

 うむ、やはりこの白ネコとはなんだかんだ気が合うな。これで俺からご主人に言う手間が省けた。

 

 昨晩、この白ネコと会話をして、どうやらそれほど嫌われていないことが分かった。本心ではどう思っているのか分からないけど……ま、まぁ、それでも一応、相手も表向きは仲良くしてくれるはずだし、良しとしようか。

 それに心なしか、白ネコから俺に話しかけてくれるようになった気もする。それがちょっと嬉しいです。相変わらず何を考えているのか分からん奴だけど、悪い奴ではないはず。それが分かっただけでも十分だろう。

 

「あっ、そうなの? うん、了解。それじゃあエリアルスタイルに戻してくるね」

 

 うん、それが良いと思う。エリアルスタイルだと、どうしてもモンスターの動きが見えないことが多くて、動きを覚え難いけれど、ガムートが相手なら動きを覚えてもなぁってところだし。

 

「よし、それじゃ準備ができたら早速出発しよっか!」

「うニャ!」

「おー」

 

 まぁ、とりあえずは全力でガムートを倒すとしようか。まだまだ躓くような段階ではないのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よしっ、到着! 寒いねっ!」

 

 ベルナ村を出て飛行船で揺られること暫く。時刻は昼間。ようやっとガムートのいる雪山へ到着です。そう言えば、寒いマップへ来るのはこれが初めて……だっけ? 砂漠や火山のように暑いマップへ行ったことはあるけど。

 まぁ、上位クエストでもないのだから、支給品はあるし、問題は特にないはず。消散剤も持って行くように言ったし大丈夫だろう。

 そう言えば、ネコが雪だるま状態になった時ってどうなったかな? ゲーム中でなった覚えがないからちょっと不安だ。オトモがなった時は全く動けなくなっていたような気もするけど、ニャンターならまた別だったりするのだろうか……いや、雪だるま状態にならなきゃ良いんだけどさ。

 

「ガムートはエリア8にいるニャ」

「了解!」

 

 つまり、一番上のエリア。ベースキャンプからはかなり登る必要があります。

 雪山ってベースキャンプからモンスターのいる場所まで遠いのが面倒だよね。パーティープレイで自分が乙り、その後直ぐにモンスターが討伐されたりすると剥ぎ取りが間に合わないことも多い。上位クエストでもベースキャンプスタートだったりするとちょっとガッカリするし。

 MH4から登場したマップと比べて戦い難くもないし、それほど嫌いってわけじゃないけれど、とにかくベースキャンプの位置がなぁ……

 

 まぁ、そんなことを言っていても仕様が無いか。

 

「ガムートってすごく大きなモンスターなんだよね? ハンマー、頭に届くかな……」

 

 エリア1にある小さな崖を登りながらご主人が言った。

 確かにガムートは大きいけれど、頭には届くと思う。顔も大きいし。ただ……

 

「今回は無理して頭を狙わなくて良いと思うニャ。頭は弱点だけど前は危ないから、後ろ脚を攻撃したり、ジャンプ攻撃をオススメするニャ」

 

 突進だったり、長い鼻を使っての叩きつけなど、慣れていないとガムートの正面はかなり厳しい。逆に、後ろ脚を攻撃していれば相手からの攻撃はほとんど喰らわないと思う。とは言え、後ろ脚の場所にいても攻撃を喰らうことはあるし、ガムートもガムートで車庫入れを多用するから、ずっと張り付くのは難しそうだ。

 

「あっ、ネコさんもガムートのこと知ってるんだ。えっ、じゃあ初めてなのは私だけ?」

 

 うん、そう言うことになっちゃうね。ガムートと戦ったことはないけれど、知っていることは確か。それに、どうせあの白ネコだってガムートのことは知っているだろう。

 ただ、今のご主人はエリアルスタイルだし相性は良い。そして何よりこのご主人ならまず大丈夫なはず。適当に飛んでA2連をやっているだけで勝てるんじゃないだろうか。乗ってくれれば、俺と白ネコでラッシュもかけられるし。

 

「ご主人なら大丈夫だから自信を持つニャ!」

「うぅ……が、がんばります」

 

 

 そんなような話をしながら、ご主人、俺、白ネコの順番でガムートのいるエリア8を目指す。

 そしてその途中、エリア4にある崖を登っている時だった。

 

 現在のご主人の防具はザザミ一式。作りやすいし見た目は可愛いし、とかなり人気のある防具なんじゃないかな。その見た目はチアガールのような格好で、その腰はスカートだったりします。

 んで、崖を登る時、ご主人の次に俺が登るわけですから、そのですね……まぁ、見えちゃうじゃないですか。スカートの中が。ほぼ不可抗力的に。

 ローリングをした時とか、倒れた時とかだって見えるけど、アレはクエスト中でそんなこと意識している余裕なんてない。でも今はただの移動中でして。ふむ、白か。えとえと、そもそもこのご主人はそう言うことに対して無防備過ぎるんだ。あの相棒や、彼女はそう言うことをちゃんと気にしてくれたし、弓ちゃんなんかはガードがすごく硬かった。ああいや、だからと言って狙っていたわけじゃないからね?

 

 う~ん、それにしてもご主人のコレは俺がネコだから……

 

「うニャッ!?」

 

 そんなことを考えていると、白ネコに吹き飛ばされた。

 

 えっ? え? なに? なにごと?

 

「あれ? 何かあったの?」

 

 崖を登り終わったご主人が聞いてきた。えと、俺にも何が何だかさっぱりです。

 え……ホント、どうして俺は白ネコに叩かれたんですか?

 

「ブナハブラがいた」

 

 いや、絶対嘘じゃん……

 

「ご主人さんの次は私が登る」

 

 ああ、うん。はい、わ、わかりました……

 

 なんだろうか、そりゃあ確かに見てしまった。でも、アレは不可抗力的なもので、自分から見ようと思っていたわけじゃないんだけど、罪悪感がヤバい。

 てか、俺と白ネコの順番が変わったところで、今度は白ネコにパンツタイムが移るだけだと思うんだが……

 

 ただ、白ネコさんからの不機嫌オーラがすごいからそんなこと聞けたものじゃない。う~ん、多少は仲良くなれたのかと思っていたけど、むしろ悪化してしまったのかも。本当にチラリと見えてしまっただけだから気分はなんとも複雑だ。

 

 

 

 

 そんなこともありつつガムートのいるエリア8に到着。

 てか、このパーティーにおける俺の立場がどんどん落ちている気がする。白ネコ怖いよ、白ネコ。

 

「……ああ、うん、ホントに大きいね」

「大きいニャ」

 

 そして、エリア8には巨獣が一頭。雪山のエリア8だってそれほど狭いエリアではないはずなのに、ガムートのせいでやたらと狭く感じてしまう。

 

「えと……どうやって戦えばいいのかな?」

「ひたすらジャンプ攻撃で大丈夫」

 

 まぁ、それが一番だよね。正面で上手く立ち回り、鼻による叩きつけを誘導するのも良いけど、なかなかに難しい。それなら何も考えず、ひたすらジャンプ攻撃をしていた方がサクッと倒せるかもしれない。

 

「うん、わかった。ふぅ……よしっ、いきます!」

 

 さてさて、もう後戻りなんてできるわけがないんだ。それならサクッと倒させてもらおうか。

 

 ご主人がガムートへ突っ込んでいくのを確認してから、俺と白ネコはほぼ同時にブーメランをガムートに向かって投げつけた。

 

 

 

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