ネコの手も狩りたい【完結】   作:puc119

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第43話~練習ってことで~

 

 

「うーん……やっぱりこっちの地方は寒いね」

「ボクはネコだから大丈夫ニャ」

 

 現在はクシャのいる雪山目指し、飛行船で移動中。そんな中、あの白ネコはいつも通り眠っています。暇さえあればあの白ネコは眠るんだ。

 今回の相手はあの古龍だけど、ご主人もクシャと戦ったことがあるみたいだし問題なく倒せると思う。なんとも曖昧な記憶だけど、ご主人が装備しているザザミ一式で即乙はないはずだし。

 

「いいなぁ。私も今ばっかりはネコになりたいよ」

 

 いや、そんな良いものでもないよ? 小回りは利くし、スタミナも無限だから動きやすいけれど、やっぱり俺はハンマーを振り回したいです。

 

「ネコさんに言われたから、閃光玉を調合分と強走薬を持ってきたけど、何に使うの?」

「閃光玉はクシャが飛んだ時で、強走薬は切らさないようずっと飲んでおくと良いニャ」

 

 流石に調合分まで使うか分からないけど、閃光玉は持っていて悪いことじゃない。俺と白ネコは閃光玉を投げられないわけですし。それに、このパーティーじゃ飛んだクシャには何もできないんです。

 んで、ハンマーでクシャと戦う時、強走薬があるとすごく楽になる。本当はどんなクエストでも強走薬を飲んでおいた方が良いけれど、そんなポンポン手に入る物じゃない。でも、まぁ、こんなクエストくらいは良いと思うんだ。

 

「うーん、別にスタミナが切れて困ったことはないんだけど……」

「今回は特別ニャ。クシャが飛んでいない時は、ずっと溜めていた方が良いから、スタミナが足りなくなるのニャ」

 

 その扱い難さに定評のあるハンマーだけど、良いところだってちゃんとある。

 そのひとつが、溜めながら歩けること。有り難いことに、ハンマーで溜めている時は風圧が無効になるんです。だからクシャみたいに、常時風圧を喰らうようなモンスターと戦う時はずっと溜めているくらいの気持ちでいくと楽に戦える。

 

「あと、以前も言ったように、無理して頭を狙うんじゃなく、振り向きを狙うと戦いやすいニャ」

 

 クシャの場合は特に、そんな感じでいった方が良い。下手に後ろ足なんかを狙うと事故が起きる。

 クシャの頭が小さいせいで狙い難いけれど、頭破壊による龍風圧解除と頭怯みの大ダウンがかなり美味しい。

 

「あっ、うん。その感じはシャガルマガラと戦った時になんとなく掴んだよ」

 

 おろ、そうなんだ。

 ああ、それで以前、俺のアドバイスのおかげ。とか言っていたのか。

 とは言え、それは良いことだ。綺麗に振り向いてくれるモンスターは減ってしまったけれど、ハンマーの基本はやっぱり振り向きを狙うことだと思う。そして何より、振り向きへホームランの気持ち良さは本当にすごい。

 

「とりあえず、基本は溜めてて、クシャルダオラの頭をずっと狙うって感じで良いのかな?」

「うニャ。そうすればサクッと倒せると思うニャ」

 

 これでクエストをクリアできれば、晴れてご主人も上位ハンター。

 勢いそのままに止まらず突き進んで行こうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うう、やっぱり寒い……」

「ホットドリンクを飲むニャ」

 

 日が完全に沈んだところで雪山に到着。

 太陽が出ていないせいで、今日は余計に寒く感じる。まぁ、ネコである俺にはそれほど関係ないけど。暗くてちょっと戦い難いかなってくらいだ。

 

「……クシャの初期エリアは8」

「うん、ありがとう白ネコさん」

 

 寝起きのせいかまだボーッとしているように見える白ネコ。

 この白ネコのことだから大丈夫だと思うけれど、クエスト中はお願いしますよ。クシャ戦で毒武器を担ぐ人は重要ですし。

 

 支給品ボックスの中にはホットドリンクや毒投げナイフ。そして閃光玉。

 さらに村クエと違い、応急薬や携帯食料は4人分。とは言え、俺と白ネコはアイテムを使えないため全部ご主人のアイテムポーチの中に。

 

「よし、準備完了! それじゃ、行こっか!」

「うニャ!」

「おー」

 

 ホットドリンクを飲んでからご主人が大きな声を出した。クエストスタートです。

 

「エリア8ってガムートと戦った場所だよね?」

「うニャ。一番高い場所ニャ」

 

 雪山は本当にそれが面倒なんだよね……

 だから、連戦をするときは雪山より氷海の方が俺は好きです。雪山でキャンプスタートの時の面倒くささはなかなかのものですし。

 

 以前、ご主人さんの次に俺が崖を登ろうとしたら怒られたことがあった。だから今回は、ご主人に続いて白ネコが登ったところで俺が登ることに。

 俺だって、見ようとして見ていたわけじゃないんだけどなぁ……

 

 

 

 

 そして、クシャの待つエリア8へ到着。

 風が、強い。

 

「……行きますっ!」

 

 クシャの影響で、いつもよりずっと風が強いし、舞い踊る雪のせいで視界も良くない。

 一応、俺もこの世界でクシャと戦ったことはあるけれど、油断はできません。気を引き締めていこう。

 

 クシャを見つけて直ぐに、ご主人が持っていた毒投げナイフをクシャへ投げつけた。

 そのことで俺たちに気づいたクシャの咆哮。

 

 風が、さらに強くなった。

 

「真正面はブレスと突進が来るから、少しだけ軸をずらして立ち回るニャ!」

「了解です!」

 

 咆哮をしたクシャは直ぐにご主人へ向かって突進。

 まずは頭破壊を最優先に。中距離で立ち回るブメネコなら風圧の影響は受け難いけれど、龍風圧で事故るのを避けたい。

 

「投げナイフ終わったから、私も攻撃するね!」

「……ありがとう。頭をお願い」

 

 ご主人の毒投げナイフのおかげでとりあえず、クシャは毒状態に。これで毒状態が続く120秒は龍風圧を防ぐことができる。あとは、白ネコがその毒状態を何処まで維持できるかが重要。お願いしますよ。

 さて、俺もさっさと眠らせて爆弾を頭へ入れさせてもらおうか。

 

 本当は、俺も頭を狙いたいけれど、サポゲが貯まるまではとにかく何処でも良いからブーメランを当てる。

 

「あっ、飛んじゃった。え、えと、閃光玉投げます!」

 

 よろしくお願いします。

 突進から、振り向きブレスをして飛び上がったクシャ。飛ばれると本当に何もできないから、ご主人さん頼みです。

 まぁ、正直なところ、前作よりもクシャの滞空時間が減ったから、閃光玉無しでも十分戦えちゃったりします。だから、今回は閃光玉を使う練習っていう思いだったり。

 此処で閃光玉を上手く使えるようになれば、この先で役に立つことは必ずある。

 

 飛び上がったクシャが俺めがけてブレス。

 そして、ソレを躱した瞬間、視界が真っ白に。

 

「……ぐぅれいと」

「おっ、おおー、成功した!」

 

 視界が戻ると、其処には空中から叩き落とされたクシャの姿。

 何度か失敗するだろうと思っていたのに、流石です。

 

「ああもう! 頭、動きすぎだよ……」

 

 バタバタと暴れるクシャの頭へご主人が一生懸命ハンマーを振り下ろしていたけれど、見事に三振するのが見えた。

 まぁ、こればっかりはなぁ……俺もコイツは良く三振するし。

 

 ダウンから起き上がったクシャは未だピヨり状態。其処で一気にサポゲを稼ぎ、ブメ2種発動。

 クシャの睡眠耐性はキリンと同程度。多分、2回くらいなら問題なく眠らせられるんじゃないかな。

 

 ピヨりの解けたクシャは怒り状態となり、風圧を身に纏った。とは言え、まだ毒は続いているし、動きが速くなるくらいであとは特に問題なし。

 

「あっ、ヤバ……」

 

 な~んて、思っていたらクシャのブレスがご主人に直撃して、吹き飛ばされていくのが見えた。

 いくら戦いやすい相手とは言え、ノーダメはやっぱり無理か。突進も出が早いせいでよく引っかかった覚えがある。

 

 ブレスを喰らったご主人は氷ヤラレ状態になります。けれども、強走薬を飲んでいるので、問題なし。やっぱりクシャが相手の時は強走薬があると楽だよね。ホットドリンクもいらなくなるし。

 

「ごめん! 回復するからちょっとお願い!」

 

 了解。任された。

 吹き飛ばされたご主人を巻き込まないよう、ご主人から離れた位置でブーメランをクシャへ投げつける。あまりヘイトを稼ぎたくないけど、今ばかりはこっちを狙ってくださいな。

 

 そして、俺のブーメランがクシャの後ろ脚に当たったところで、ゆっくりとクシャが倒れた。

 

「寝た! 攻撃ストップニャ!」

 

 睡眠時間は……40秒だっけ? よく覚えてないや。まぁ、できるだけ急ぐとしよう。

 

「えと、爆弾を置けばいいんだよね?」

「うニャ。あと、爆弾を置いたら、武器を研ぐと良いニャ」

 

 流石にそのくらいの時間はあると思う。

 

 クエストが始まってから、此処までで5分ほどが経過。白ネコのおかげで毒も維持できているし、これで爆弾のダメージも入る。スタンもそろそろ狙えるだろうし、其処で頭も破壊できるだろう。

 

「準備完了です! 起爆お願い」

「……おまかせー」

 

 爆弾を起き、武器を研いだところで、白ネコがブーメランを投げつけて起爆。本当はご主人に爆風を利用して、ジャスト回避からのカチ上げを決めてもらいたいところだけど……流石にそれは厳しいか。

 それに此処まではかなり順調に来ているんだ。変なことはやらないようにしよう。

 

 それにしても、ネコって思っていた以上にクシャと戦いやすいんだね。あの小さな頭を狙うのは大変だけど、攻撃は喰らう気がしないし、頭を諦めればかなりの手数を出せる。飛びさえしなければ、かなり楽に倒せそうだ。

 

 でも、やっぱりハンマーを使いたいよなぁ……

 

 さてさて、無理なことを願っても仕様が無いんだ。此方のペースのまま、一気に倒させてもらうとしましょうか。

 

 

 

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