ネコの手も狩りたい【完結】   作:puc119

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第4話~急には止まれません~

 

 

「うわっ、ちょ、ちょっと待って!」

 

 そんな叫び声みたいものを落としつつ、ご主人がまたファンゴの突進を喰らって吹き飛ばされた。

 むぅ、これはちょいとマズイことになっちゃったね。いくら初期防具とは言え、相手がドスファンゴだから流石に乙ることはないと思うけれど、ご主人がどうにも上手く戦えていない。

 ドスファンゴの突進を一生懸命避けていたせいか、俺たちのことに気づいていなかったファンゴも含め、このエリアにいる全員が集合してしまっている。

 

 俺が超音波笛の技を持っているから、やろうと思えばドスファンゴ以外全員を何処かへやることはできる。でも、できれば貫通ブーメランの技を発動させておきたいんです。アレを使わないと本当に火力が出ないし。

 だから、ご主人。もう少しだけ頑張ってくれ。

 

「ああ、もう! 数が多すぎるよぉ」

 

 ファンゴ自体は強くないし、ハンマーなら相性だって良い。でも、コイツらって集団で襲うと強いんだよなぁ……

 あと、せめてご主人のスタイルがエリアル以外だったらもう少し楽だったと思う。スタンプを連打しているだけで良いのだし。

 

 此方に向かって突進してきたブルファンゴを躱し、ソイツへブーメランを一発。其処で漸くサポートゲージを2まで貯めることができた。本当なら巨大ブーメランの技だって発動させておきたい。でも、今はそれよりも超音波笛が優先。

 まぁ、とりあえずは貫通ブーメランの技だけど。そして、貯めたサポートゲージ2つを使い、貫通ブーメランの技を発動。これでようやっと戦力になるくらいの火力が出る。

 お待たせしました。

 

 最低限の準備が整ったところで、ご主人にご熱心なドスファンゴへ貫通するようになったブーメランを2発。ドスファンゴからのヘイトを溜めてご主人のサポートです。

 ブーメランがドスファンゴへ当たると、多段ヒットのエフェクトが弾けた。貫通系の攻撃はこれが気持ち良い。

 

 そんな攻撃を続けていると、ドスファンゴも流石に鬱陶しいと感じたのか此方を向いてくれた。順調順調。

 

「ネ、ネコさん! ちょっと回復するから頑張ってて!」

 

 おう、任せろ。ちょっと頼りないかもしれないけれど、できるだけ頑張るから。その間、ご主人はしっかりと回復してくれ。

 此方を狙っている相手はドスファンゴも含めて計3頭。ん~……最初にブルファンゴを倒しちゃった方が楽かな? サポゲの節約もできるし。

 

 そう考え、ドスファンゴを視界の外へやらないよう立ち回り、ブルファンゴから倒すことに。剥ぎ取りの量は減ってしまうけれど、これは仕方無いと考えよう。

 サイドステップで距離を取りつつ、貫通ブーメランをブルファンゴへ。弾ける多段ヒットエフェクト。これで打撃武器だったらスタンだって取れたんだけどなぁ……ホロロネコパラソルとか早く作りたいね。

 

 愚痴だのなんだの溢しつつ、ブルファンゴへひたすらブーメラン攻撃。2頭目のブルファンゴも倒し、このエリアに残っているのはドスファンゴのみ。超音波は使わなくても済んだし、サポゲのたまり具合も順調。

 うむうむ、ネコだって頑張ればできるやつなんだ。

 

「よっし、準備完了。ありがとうネコさん!」

 

 さらに、ご主人も戻ってきてくれたらしい。どういたしまして。

 ブーメラン2種を発動できているし、サポゲも十分。残る相手はドスファンゴのみ。さてさて、反撃開始といきましょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……なんか、思ったよりあっさりと倒せちゃったね」

「お疲れ様ニャ」

 

 目の前には横に倒れ、動かなくなったドスファンゴの姿。

 ご主人のスタンと乗り攻撃が良いタイミングで決まったこともあり、ドスファンゴのエリアチェンジはなし。それは、運が良かったと言うところ。

 どうでも良いけど、ニャンターの状態でドスファンゴに乗ると面白いよね。今回はできなかったけれど、機会があれば挑戦してみたいところ。

 それじゃ、剥ぎ取り剥ぎ取り。

 

 ザザミ防具に必要で今回狙っているのは、獣骨が4つと大猪の皮が2つ。大変な量ではないし、多分このクエストだけで揃うはず。

 

「あっ、皮出た」

 

 そりゃあ良かったよ。おめでとう。

 

「これであとはブルファンゴを倒すだけだね。それじゃ、あともう少し頑張ろっか!」

 

 了解です。

 今はベルナ村へ戻って冷たいビールを飲みたいところ。美味しくビールを飲むためにも、もう少し頑張ってみるとしよう。

 

 

 ドスファンゴさえ倒してしまえば、後はもう危ないような敵もいない。鉱石系の採掘や、虫なんかの採取も行いつつ問題なくクエストは終了した。

 少しだけ心配していた獣骨もちゃんと手に入れることができたし、今回の収穫は文句なしだ。

 

 ただ、アレだね。最初に防具を作ってしまった方が良いと思っていたけれど、やっぱりご主人の武器を強化した方が良いかもしれない。なんとかクエストをクリアすることはできているものの、やっぱり火力が足りていない。ブルヘッドハンマーを作ると言うのも……ああ、でもアレの強化には蛙や雪獅子素材が必要か。

 

 ん~……此処は一度、孤島の採取ツアーにでも行ってベアライト鉱石をサクッと取ってきてしまった方が良さそうだ。やること多いなぁ……

 

「ああ、疲れたぁ……」

 

 ため息と共に、そんな言葉をご主人が落とした。お疲れ様。確かに面倒なクエストではあったけれど、収穫は十分だと思うよ。ファンゴ素材って色々な武器や防具に要求されるし。

 

「それにしても……ネコさんって上手いよね。倒れたところとか見たことないし」

 

 いや、まぁ、だってネコだもん。スタミナは無限でハンターと比べて判定も小さい。そして使っている武器はブーメランと安全な場所から一方的に攻撃ができる。無茶さえしなければ、乙ることはほぼないと思う。

 それに、自分で言っていて悲しくなるけど、今の俺ってチートみたいな存在ですし……

 

 本当なら、貫通ブーメランの技を使うには、ナルガを倒す必要が。巨大ブーメランを使うにはドスゲネポスを倒す必要がある。そして、今の俺はそのモンスター達を倒していないのにも関わらず、それらの技を使いまくっている。この段階じゃ、貫通ブーメランだけでもかなりヤバい。

 だから、今の状態の俺はかなり異常な方だろう。まぁ、レベルが低いから其処までぶっ壊れているわけでもないんだけどさ。

 それでも、この段階にしては異常な強さなはず。

 

 ただ、どんなに言ったところで俺はネコなんですなぁ……

 

「ご主人も直ぐに上手くなるから大丈夫ニャ」

「ふふ、そうなればいいね」

 

 今はまだご主人の足を引っ張るほどではないと思う。でもそれは、このご主人がまだまだ新米のハンターだからと言うだけ。

 一方俺はと言うと、サポート行動はもう揃ってしまっているからこれ以上の伸び代がほとんどない。そして技術的な成長ってのもほぼないだろう。だって俺、上手くないし……

 

 だからこれから先の未来、ご主人がどんどんと上手くなっていく中、俺だけがその場へ取り残されてしまうことになる。ご主人がすごいハンターになってくれるのはもちろん嬉しいけれど、ちょっと複雑な気分。ネコじゃなく、ハンターだったらもう少しなんとかなったとは思うんだけどなぁ。ホント、辛いものです。

 そんな俺がいつまでこのご主人と一緒にいられるのやら……

 

「迎えも来たみたいだし、帰ろうか」

「うニャ」

 

 相変わらず悩みの多い人生ですよ。

 我武者羅にハンマーを振り回しているくらいが俺には丁度良いんだけどねぇ。もう少し器用に生きることができれば、この人生も変わっていたのかな。

 

 

 

 

「ああ、そだ。これからの予定ってどうしたらいい?」

 

 帰りの飛行船へ乗り込みながら、ご主人が俺に尋ねた。

 

「お酒が飲みたいニャ」

「ああ、うん。それは私も飲みたいけどそうじゃなくて、次はどんなクエストへ行けばいいのかな? ってこと」

 

 それを悩んでいるんだよね。

 多分、防具はザザミを一度倒せば必要な素材は集まるはず。そして、武器の強化素材も孤島へ一度行けば十分だろう。

 

「ご主人は、武器と防具どっちを作りたいかニャ?」

「えと……じゃあ、武器で」

 

 了解。それじゃ、次は孤島へ行くとしようか。

 こんなことになるのなら、ザザミやドスファンゴと戦う前に行っておけば良かったって思わなくもないけれど、まぁ、ふらふらと回り道をしながら進む人生だって悪くはないはず。

 初めてこの世界へ来た時は、HRの飛び級なんかもして、かなりの駆け足となってしまったんだ。今回くらいはのんびりのんびりと行こうか。そっちの方がこのご主人にも合っていそうだし。

 

 なんて言い訳してみたり。

 

 






この作品も長くなりそうです

と、言うことで第4話でした
前作と比べてかなりのんびりとした作品に……なるのかな?
またご主人さん視点を書いてみたいと思うところ

では、次話でお会いしましょう


~余談~

読まなくても問題ありません
今回は“属性ダメージ”について書かせていただきます
長いです

~属性ダメージ~

前作でダメージ計算について少し書きましたが、あの時は“物理ダメージ”のみを書いていたので、今回は“属性ダメージ”について書かせていただきます
モンハンでモンスターへ与えるダメージは……

(物理ダメージ+属性ダメージ)*全体防御率

で計算されます
物理ダメージは以前、書かせていただいたので、簡単にしか書きませんが

物理ダメージ=武器倍率*モーション値*斬れ味補正*会心補正*武器補正*物理肉質

と言った感じの計算です
一方、属性ダメージですが……

属性ダメージ=武器属性値*武器補正*耐属性*斬れ味補正*会心補正

と言った感じです
物理ダメージよりちょっと計算が楽ですね

各単語の説明ですが……
・武器属性値:各武器の属性値
・武器補正:大剣や弓などの溜め攻撃や双剣にかかります
・耐属性:攻撃を当てるモンスターの属性の通り具合。肉質の属性版
・斬れ味補正:物理ダメージとは違い、斬れ味緑が基準で白なら緑の1.125倍、赤なら0.25倍の補正がかかります。物理ダメージの補正と比べ上がり幅は大きくありません
・会心補正:スキル“属性改心”発動時のみかかります。また、武器によってかかる補正値は異なります

と、上記の値をかけ合せたものが属性ダメージとなり、計算するのは面倒なわけですが、物理ダメージと大きく異なるのが、属性ダメージには“モーション値”が関係しないと言うことです
つまり、ハンマーのホームランをモンスターへ当てたときと、ハンマーの横振りを当てたときの属性ダメージは変わりません
そう考えると、属性ダメージを増やすには、モーション値が低いだろうがなんだろうが、とにかく攻撃を当てまくるのが一番となります
スキルで属性強化をしまくってる片手や双剣は多いのに、属性強化盛り盛りの大剣やハンマーが少ないのはそんな理由だったりします
双剣の手数なら属性に極振りした方がダメージが出る気も……

属性値や耐属性の関係で属性ダメージは物理ダメージよりも出ないことも多いですが、ウラガンキンの破壊される前の顎や、銀レウスの破壊前の頭のように、物理ダメージは全然入らないけれど、属性ダメージならかなり入るモンスターもいます

はい、そんなところでしょうか
今回、伝えたかったのは、属性ダメージを出したいならとにかく手数を増やすのが一番と言ったところです
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