ネコの手も狩りたい【完結】   作:puc119

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MH4Gの頃の相棒さんと主人公のお話になります




第閑話~いつかの会話~

 

 

「ディアブロスって確かあの砂にもぐっちゃうモンスターだったよね?」

 

 砂漠へ向けてガタゴトと進む馬車の上で相棒がそんな言葉を落とした。

 

「そだね。大きな2本の角が特徴の奴」

 

 今回の相手は角竜――ディアブロス。

 ディア自体は別に嫌いなモンスターじゃないし、苦戦することもないとは思うんだけど……正直、ハンマーでアイツと戦いたくはない。嫌がらせなんじゃないかってくらいアイツの頭の打撃肉質が硬いんです。斬れ味が紫でも弾かれるとか本当に勘弁してもらいたい。せっかく音爆弾を使ってもハンマーじゃダメージを全然稼げない。

 

「うわぁ、やっぱりかぁ……ふ、ふたりでも何とかなりそう?」

 

 いや、お前ならひとりでも大丈夫だと思うぞ? MH4G壊れ武器であるペダンを担いでいるわけだし、閃光玉を使えばハメ殺せるくらいじゃないだろうか。

 

「まぁ、大丈夫だろ。時間はかかるかもしれないけど、倒せない相手ではないんだし」

 

 怒り状態で砂へ潜られると何もできんしなぁ。

 とはいえ、苦戦するような相手ではない。極限化個体だと流石に面倒だけどさ。

 

 さてさて、そんなわけで今回は相棒さんとふたりでディアのクエストです。今頃、あの彼女と弓ちゃんは、ジンオウガの討伐へ向かっているはず。最初は俺がジンオウガと戦うはずだったけど、あの彼女に無理やり交換させられた。最近はプーギーで遊べていないみたいだし、きっとストレスとか溜まっていたんだろう。

 

「あぅ……ちゃんと指示とかサポートしてよ?」

「え? いや、ホント大丈夫だと思うぞ? ま、まぁ、サポートはちゃんとするけどさ」

 

 大老殿で一番のハンターが何を怖がっているんだか。ディアより強いモンスターなんて今まで何度も倒してきただろうに。

 

「あっ、てか、相棒とふたりでクエスト行くのって久しぶりだな」

「ん~……そういえば、そうだね。私はずっと笛ちゃんと一緒だったし」

 

 俺は弓ちゃんと一緒だったからなぁ。弓ちゃんのことは嫌いじゃないけれど、あの子とのクエストの帰り道はずっといじられ続けるから疲れるんだよね……

 まぁ、あの子はそれを楽しんでいる様子だし、もうこれでも良いのかなって思っていたりします。

 

「それで、今回はどうやって戦うの?」

 

 どうしよっかね? アーティラートを作りたいから、できれば穿角がほしいけど、ローグレギオンがあるからどうしてもほしいってわけじゃないんだよなぁ。

 それならサクっと倒しちゃった方が良さそうだ。

 

「相棒は腹の下で暴れまわっていてくれれば良いよ」

 

 ディアは腹が弱点だし、それが一番良さそうだ。あと、足怯みの転倒も美味しい。虫棒を使えばディアさんったらコロコロ転んでくれる。

 

「またそんな適当な……」

 

 そんなこと言われても、他にいうことなんてないですし。

 1スタンくらいは取るけれど、俺も今回頭はそんなに狙いません。頭の硬い相手ってのはどうにもやりにくいんだ。

 

 因みに、相棒さんは安定と信頼のレギオス一式防具です。

 少し前だけど、金冠マラソンでもしてるんじゃないかってくらいの頻度でセルレと戦う機会があった。どうやら極限化個体の影響で、通常セルレたちが大量に現れてくれたらしい。そのおかげで、セルレ素材には困りません。

 それで、極限化セルレも俺たちが戦うことになるんかねぇ。なんて思っていたけれど、それは誰かが倒してくれたらしい。そのセルレを倒してくれたのは多分、我らの団のハンターなんだろう。俺はまだ会ったことがないけれど、どんなハンターなのやら。ハンマー使いのハンターだったら嬉しいんだけどなぁ。あと、サインとかもらいたい。その我らの団のハンターのおかげで俺たちも抗竜石を使えるわけですし。

 

 さてさて、そんなことは良いとして、今日も今日とて元気良く行きましょうか。

 

「ま、どうとでもなるでしょ。頑張っていこう」

「そだね、頑張ります!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「潜った! 音爆投げるから頭を頼む!」

「了解!」

 

 予想通り、というか、こうなるよなぁ。といった感想。

 相棒はかなり心配していたみたいだけど、問題は特になし。いや、だって、相棒さん上手いもん。それもおかしいレベルで。

 

 現在は1スタンで、片方の角の破壊に成功。ただ、そろそろディアも力尽きるだろうし、もう1本の角の破壊は無理そうだ。片方だけでも破壊できたことを喜ぼう。

 

 非怒り状態で砂に潜ってくれたディアへ音爆弾を投げ、拘束。

 

「ナイス!」

 

 頭は相棒にお願いしてあるから俺はその反対方向の背中を攻撃。

 横振りからのホームランを2セット叩き込んでから納刀。そして、ディアが砂から飛出てきたところで閃光玉を使って叩き落とす。ディアと戦う上ではお決まりのコンボ。

 

「乗りますっ!」

 

 あ、いや、多分もう倒せると……まぁ、良いか。うん、お願いします。

 

 そんな予想は当たり、相棒さんのジャンプ攻撃が当たったところで、ディアは動かなくなった。閃光玉を使いまくったってのもあるけど、ほぼほぼ拘束もできていた。エリチェンもなし。もしかしたら0分針かもしれないくらいのタイム。上出来上出来。

 

「あら? あー……うん。よ、よっし! お疲れ様!」

「うん、お疲れ様」

 

 ディアだって弱いモンスターではないんだ。そして、俺が担いでいるのはディアと相性の悪いハンマー。きっと俺だけなら15分針とかになってしまうだろう。それでもこの早さで討伐できたのは……まぁ、この相棒のおかげといったところ。ただ、本人にはその自覚がないんだろうなぁ。

 

「……あっさり終わっちゃったね」

「苦戦するよりは良いんじゃないか?」

 

 倒したディアからサクサクと剥ぎ取りながら雑談。その素材を使うことはないと思うけれど、有り難くいただきます。

 

 例えG級になろうと装備が整ってしまえばこんなものです。そこに相棒ほどの実力があればそりゃあ、クエストだってサクっと終わってしまう。

 

「ああ、うん。そうなんだけど……なんかさ、もう終わりなのかぁって思って……」

 

 ……うん? どういう意味だろうか。相棒さんはそんなモンスターと戦いたがるようなキャラじゃなかったと思うけど。

 そりゃあ、アレだけの移動時間をかけたのにクエストが早く終わってしまい、そこに物足りなさを感じないこともない。でも、早く終わることに文句はないぞ。

 

「ま、しょうがないか。よし。それじゃ、帰ったら打ち上げやろ、打ち上げ!」

「ああうん? まぁ、それは良いけど」

 

 なんだというのやら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、クエストの帰り道。さっさと寝てしまっても良いけれど、ふたりでのんびり雑談。

 

「笛ちゃんたちの方もそろそろ帰り始めてるかな?」

「どうだろ。あっちは原生林だし、もう少しかかるんじゃないか?」

 

 クエストにかかる時間は変わらないだろうけど、原生林はちょっと遠かった気がする。

 

 それにしても、なんだか懐かしい気分だ。

 上手く言葉に表すことはできないけれど、こうやって相棒と何でもないような会話をするのは久しぶりって感じがする。もう懐かしいと思えてしまうほど、この相棒とふたりでハンターをしていたことが昔になってしまったってことなのかな。

 

「ん~……じゃあ、先にふたりで飲んでる?」

「んなことしたら、あのふたりが帰ってくる前にお前が寝ちゃうでしょうに」

 

 俺は別にそれでも良いけど、どんなに言ってもコイツは飲みすぎるからなぁ。

 今は頼まれているクエストも特にないんだ。あのふたりが帰ってくるのをのんびり待つとしよう。

 

「あー……うん、そだね。よ、よし、待つとしますぞ」

 

 それが良いと思う。

 

 しっかし、G3クラスになってからはなかなか進みませんね。毎日のようにクエストをクリアしているけれど、ラスボスであるゴグマの情報は全く入ってこない。アイツとの戦いは楽しみにしているんだけどなぁ。

 装備はこれ以上強化できないし、他にやれることなんて金冠マラソンくらいだ。ただなぁ、流石に金冠マラソンはなぁ……

 

 なんてことを考えながら、ゆっくりと流れていく景色を眺めていたら、ふと相棒さんが本のようなものを取り出すのが見えた。そろそろ寝ようかと思っていたけれど、ちょっと気になる。

 

「なにそれ?」

「んとね、なんか落ちてたから拾っておいたの。ほら、移動中って暇でしょ?」

 

 なんか落ちてたって……買った本じゃないんだ。

 ただ、本は読まないし、俺には関係なさそうだ。全武器の攻撃力とか、全モンスターの肉質が書かれた本とかがあれば読むんだけど。

 

「本とか読むんだ」

「む、失礼な。私だって本くらい読みます」

 

 それは失礼。

 あの彼女なんかは元の世界でもよく本を読んでいたし、これは教えてあげた方が良いかもしれない。ああでもあの彼女は直ぐ寝ちゃうし、移動中に読んだりしないかも。

 

「そっか。んで、なんて本なの? それ」

「『貴方に好きと言いたくて』って本だよ」

 

 ああうん。なんとも女の子が読みそうな本ですね。きっと俺には似合わないだろう……だって、どう考えたって恋愛ものの本じゃん。恋愛ものは嫌いってわけじゃないけど、あのむずむずする感じが苦手なんです。

 俺はもっとこう、熱くなるようなお話が好きです。いや、まぁ、そんな本があっても読まないと思うけど。

 

「それ、やっぱり恋愛ものなのか?」

「うーん、そうなのかなぁ。私もまだわかんない」

 

 なんだそれは。

 

「まだ半分も読んでないけど、コメディ……だと思う」

「題名とのギャップが酷いな」

「そんなのこの作者に言ってよ」

 

 それもそうだね。

 

 ……物語、か。

 事実は小説よりも奇なり。なんて言葉があるけれど、本当にその通りだと思う。だって、この俺の人生ほどおかしなものはないだろうから。

 意味わかんないよな。ゲームの世界へ来るとか。それも一度じゃなく二度も。そんなこの俺の人生を物語にしてみたら、意外と面白いのかもしれない。そんな物語を少しは読んでくれる人もいるだろうか。

 

 な~んて思ってみたり。

 

 小説は小説、事実は事実。そういうものだと思います。

 さてさて、それじゃそろそろ寝るとしましょうか。打ち上げになったらどうせこの相棒が騒ぎ始める。その時のために少しは体力を戻しておかないとだ。

 

「あっ、寝るの? それじゃ肩貸してよ」

 

 目を閉じ、身体から力を抜き、眠る体勢へ移ると隣からそんな声。

 

 お好きにどうぞ。

 

 相棒の声を聞いてから直ぐ、感じた肩へかかる僅かな重み。そんなものと、ガタゴトと心地良い揺れを楽しみながら俺は夢の世界へ旅立った。

 

 

 






本編が落ち着いてくれたのでちょいと閑話を
前作のことを思い出しながら書いてみました
なんでもない会話をしているだけでしたが、このふたりの会話は書きやすくてありがたいものです

では、次話でお会いしましょう
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