ネコの手も狩りたい【完結】   作:puc119

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第72話~できればガンナー装備で~

 

 

「えと……それ、私が決めちゃってもいいの?」

 

 ご主人のHRが6となった次の日。今日も今日とて頑張ってクエストへ行きたいところだけど、どのクエストへ行くのかは決めていない。HRも6となれば選択肢は色々だ。

 そんなわけで、ご主人に作りたい防具や武器があるか聞いてみることにした。正直なところ、今の装備でもなんとかなるんじゃないかなぁと思わなくもないけれど、やっぱり強い装備が欲しいよね。それにただ漠然とクエストをクリアしていくよりも何か目標があった方がやりやすい。

 

「うニャ。ご主人の好きな装備で大丈夫ニャ。どうしても決められないようならボクと白ネコで決めちゃうけど……」

 

 とはいえ、いきなりなんでも良いよ。なんて言われても困るよね。元の世界なら防具のスキルや耐性、見た目が分かっていたから自分で決めるのも難しくはないのだけど、この世界じゃそうはいかない。てか、この世界で装備を決めるとき、皆は何を基準にして決めるんだろうね?

 

「あっ、そうなんだ。んと、じゃあさじゃあさ、作りたい防具があるんだけどそれでいい?」

 

 おろ、そうだったんだ。むぅ、それならもっと早く聞いておくべきだった。

 

「うニャ。もちろん大丈夫ニャ」

 

 てっきりなんでも良い。って言われるものと思っていたから少し驚いた。あの相棒だったらまずそう言っただろうし。

 うーん、やっぱりどこかでご主人と相棒を同一視しちゃっているのかな。ふたりの性格が全然違うことくらい分かっているつもりなんだけどなぁ。

 

「ありがと! えとね、ゼクスSって防具を作りたいです! この前、雑誌で見たらすごくかっこよかったんだ!」

 

 あー……ライゼクス防具かぁ。

 

「え? な、なんでふたりとも黙っちゃうんですか? もしかしてあんまりいい防具じゃ……ない? で、でもね、でもね! ホントにカッコイイんだよ!」

 

 いや、うん。カッコイイ防具だとは俺も思います。ゼクス防具はガンキン防具と同じようなカッコ良さがある。

 

 ただ、強いとか使いやすい防具か聞かれると……うーん、といったところ。攻撃スキルは連撃のみで、あとはスタ急と……何がつくんだっけ? とにかくオススメの防具っていわれるような防具ではないかな。空きスロも少なかったはずだし。

 

 まぁ、とはいえ、ご主人が作りたいと言っているのだし、それを否定するつもりもありません。自分の好きな防具を作りたい気持ちは俺もよく分かるから。

 それにライゼクスなら武器の強化もできるわけですし、一石二鳥といったところ。

 

「……了解。それじゃあこれからはライゼクスマラソンだ」

 

 何か言いたそうな顔をしながら、白ネコさんがご主人に言った。

 連撃スキルも悪くないんだけど、ハンマーとの相性がなぁ……剣士なら手数の多い片手や双剣向けのスキルです。

 

「あー……そ、その防具で大丈夫そうですか?」

「うニャ! 問題ないニャ」

 

 欲を出せばもっと違う防具が良かったけれど、とりあえずの目標ができたことはかなり良い感じ。ゴールが見えているのとそうじゃないのとではやっぱり、気持ちの入り方が違うのだから。

 

「ただ、ミツネSっていうすごく良い防具もあるから、もし気持ちが変わったらその防具もオスス……うニャ!?」

 

 そこまで言ったところで白ネコにぶっ叩かれた。

 

「……貴方の趣味をご主人さんに押し付けるな」

 

 いや、だって可愛いじゃん、ミツネ防具。

 

 それにしても最近、俺の扱いが酷くないですか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 とりあえずの目標も決まり、早速ライゼクスを倒すため森丘へ向けて出発。

 上位のライゼクスと戦うのは初めてってことで、ご主人のスタイルはブシドー。防具を作るとなると、マラソンをすることになる。他のスタイルもここで練習しておきたいところです。

 因みに、俺と白ネコはとりあえずのナルガ武器。麻痺武器の方が良かった気もするけれど、相手が相手だから負けることはないと思う。

 

「防具を作るんだし、やっぱりいっぱい倒さないとダメかな?」

「……5頭くらい倒せば作れると思う」

 

 まぁ、どうしたってそれくらいはかかっちゃうよね。ユニクロクエがあれば良かったんだけど、そればっかりはしゃーない。

 

「た、大変そうだ……」

「練習だと思って頑張るニャ!」

 

 ライゼクスとハンマーの相性は良いし、それほど苦にはならないはず。焦ったって仕様がないんだ。のんびりのんびりと進んでいこう。

 

「うん、そだね。カッコイイ防具のため頑張ります!」

 

 ライゼクス防具かぁ……俺としては、やっぱりカッコイイ防具よりも可愛い防具にして欲しかったと思うところです。あんまり言うとまた白ネコさんに叩かれるから思うだけですが。

 もし人間の姿に戻ったら、ミツネ防具を白ネコさんにお願いしてみようかな。複合以外の装備姿の彼女は貴重なんです。とある部位が控えめなこともあって似合わない防具は多いけれど、ミツネ防具ならきっと似合うはず。……たぶん誤魔化せるだろうから。

 

「……何を考えてるの?」

「帰ったら何を食べようか考えていたニャ」

 

 そして、できれば相棒にも色々な装備をお願いしたい。王道だけど、キリン防具とか本当に素敵。あとはアスリスタ防具もいいよね。あと、弓ちゃんには是非ミツネ防具を……うむ、その時のためにも上手い言い訳を考えておかないとだ。

 

「…………」

 

 白ネコさんの視線がマジ怖い。思うくらいは許してください。自分の夢は大切にしたいんです。

 白ネコさんがいることもあって元の世界じゃ女性キャラを使いづらい。そのせいで、女性キャラに色々な防具をつけさせることができないんです。だから、この世界では色々と見たいんだ。

 

 さてさて、兎にも角にも今はライゼクスのクエストに集中しましょうか。

 ……いや、まぁ、集中してないのは俺だけなんだろうけどさ。

 

 

 

 

 

 

「初期エリアは4ニャ」

「了解です! よし、頑張っていこっか!」

 

 どうにか白ネコに怒られることもなく、森丘へ到着。

 ライゼクスが相手なわけだし、できれば0分針を目指したいところです。このメンバーなら0分針だっていけると思うけど、狙うのならちゃんと作戦を考えた方が良いのかな。ん~……まぁ、どうせ何度も戦うことになるのだし、最初は様子見ってことにしましょうか。

 

 そして、ライゼクスのいるエリア4へ。

 サイズは大きくも小さくもない。これを倒せばとりあえずご主人の武器が強化できるはず。んで、次の強化には獰猛化素材が必要となるわけですが……獰猛化モンスターと戦えるようになるのはまだまだ先のこととなりそうです。

 

 俺たちに気づき、ライゼクスは開幕咆哮。

 ご主人がソレをジャスト回避するのを横目に俺もブーメランで攻撃。クエストスタート。今更苦戦するような相手じゃない。

 そんじゃま、サクっと倒させてもらいましょう。

 

 

 

 

 

 

「ん~……よいしょと。あっ、スタン!」

「ぐぅれいと」

 

 脚怯みでダウンしているライゼクスの頭へご主人の強溜めスタンプが直撃。そこで本日2回目のスタンを取った。

 

 それにしても……ホントご主人めちゃくちゃ上手くなったよね。俺よりも上手いんじゃないだろうか。

 あれだけスタイルをころころと変えているのに、完璧に適応できている。それは俺じゃあ絶対にできないこと。いいよなぁ、器用って。

 ご主人なら例えガンナーになったとしても普通に戦える気がする。流石に今からガンナーを目指すのは厳しいけれど、今度提案してみようかな。ガンナー防具は良い防具も多いわけですし。

 

 ご主人がスタンを取り、3人でラッシュ。そろそろ体力もなくなるだろうし、これなら本当に0分針も狙える。しかも今回は罠を使っていない。いやぁ、怖いくらい順調ですね。

 

 俺が初めてこの世界へ来た時――つまり、相棒と彼女の3人でパーティーを組んでいた時は、それなりに苦戦していた。けれども、今は苦戦なんてほとんどしていない。それは俺と彼女がネコってこともあるけれど、何よりもご主人の腕が良いからだろう。

 今じゃ相棒さんは文句無しで一番のハンターだけど、あの頃はまだそこまで上手くなかった。そう考えると、ご主人なら相棒と並ぶくらいのハンターになれるのかな。まぁ、虫棒一点特化の相棒と、オールラウンダーのご主人とじゃ比べるのも難しいわけですが。あの相棒さん、虫棒以外は本当にさっぱりだからなぁ……

 

 そんなことを考えていると、スタンから起き上がったライゼクスが脚を引きずり始めた。MH4Gの頃なら閃光玉を使ってエリチェンの時にハメることもできたけど……まぁ、いっか。

 

 物足りなさを感じないといったら嘘になる。けれども、今ばかりはその気持ちを抑えてみよう。きっといつの日か絶望的な難易度のクエストを受けなきゃいけない時が来るだろうから。今はその時のための準備期間ってことで。

 

 

 その後は、寝ているライゼクスの頭へご主人のホームランを叩き込んだところで討伐完了。

 

「おおー、すごい! なんかあっさり倒せた!」

「……お疲れ様」

「お疲れ様ニャ」

 

 とりあえず、これで装備作りのための一歩目を踏み出すことができた。

 そして、ご主人の装備が完成すれば、あとはもうラスボス目指して一気に進むだけ。アレだけ遠いと思っていたものが其処まで近づいている。

 

 まぁ、やっぱりまだその実感は湧かないんだけどさ。

 

 

 

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