いつも通り執務に取り組む提督を見つめる長門であったがなにやら提督自信が悩んでいて気力が無いように感じた。
長門「なぁ、いつき。私になにか隠していないか?いや、正確には私達というべきか」
提督「……。なぜそんなことを?」
長門「最近お前が元気をなくしているし私達から離れていこうとしているのに気がつかないとでも思ったのか?」
ふっと提督は薄く笑った。
提督「負けたよ。ながと。全員を第二会議室に呼べ。全てをはなそう」
第二会議室。
一同「ザワザワ…ザワザワ」
キーンっとマイクの音と共に一同がだまる。
提督「忙しいところ集まってくれてありがとうございます。皆さんにすこし大事な話があって今回お呼びしました。そう…薄々は感づいておられるかもしれませんが僕の過去の話です。これは、今から約10年前に遡ります。僕は当時28歳の提督であり現在の地位である中将でした」
会議室にざわめきと驚きの声が漏れる。しかし提督は話を止めなかった。
提督「10年前、僕は今のように艦娘をつれて深海棲艦撃破のために自らの命、敵の命といった仲間以外の命などどうでもいい。そんな覚悟で出撃する日々でした。しかしある日の出撃の日1人の艦娘が大破をし、さらに追撃を食らいそうになったとき…愚かにも僕は自分の水上艇で全弾の砲弾を受けました。生きてるかすらわからないほどの重傷を負ったにも関わらず幸運にも命に別状はなくふっきできました。ある事を除いては。」
会議室にまさかという言葉が一斉に飛び出した。
クスッと笑いながら話を続けた。
提督「16、つまり9年間の時間が逆戻りし体が若くなった事を除いてはの話でしたが。そして若返った僕を海軍はそのまま使い続けることにしました。そして、今に至るというわけです。長きにわたって黙っていたこと深く謝罪します。すみませんでした」
一同「……」誰かがせーのっ!と言った
一同「それでも私達は提督についていきます!」
提督「皆…ありがとう…っ!」涙をこらえながら声を振り絞る
提督「話は以上だ!解散!」
長門「良かったな。皆わかってくれて」
提督「長門…おれは司令官として失格だ」
長門「なぜ?」
提督「…なぜ?当たり前だろう!こんなに部下に心配をかけおまけに急にこんな話をして!」思わず声が上がってしまった。
長門「っ!?」
ぐっと目線をそらす提督
提督「すまん…こんな提督で…。仲間以外の命すらも軽く思ってしまうからこそ…俺は…あの提督を…っ!」
長門「っ!…きっ…貴様ぁ!」パチーンッ!
頬が痛い…ぶたれたのか。
ふと長門の顔を見る。
涙ぐんだ目で見つめてきている。
わかっていても目線をそらしてこう言った
提督「俺には…提督の資格などないのかもしれない…」
長門「なっ!?もういいっ!そんなのっ!私が惚れた提督じゃない!いつきじゃない!普段のいつきは!危なっかしくて!甘えん坊で!でも頼り甲斐があって!凄くカッコ良かった!なのに!なのに…っ!そんな弱い姿のいつきなんて!いつきじゃない!」
提督「長門…」涙ぐんで大粒の涙を流す長門を抱きしめようとしたときだった。
パチンッ!
手が弾かれる。
長門がすさまじぃ怒りと悲しみのこもった目で睨んでいた。
長門「さわるな…。いまのいつきなんて!大っ嫌いだ!」
その瞬間僕の中の何かが崩れた。
何も言い返せない。黙るしかなかった。
長門は舌打ちをして部屋を出て行った。
第44話に続く
おや?おや?
なにやらおきぬのかな