忍になりしイッセー   作:汰灘 勇一

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閃乱カグラ編 蛇女の章
プロローグ


 忍、それは戦乱の世に存在した陰の存在。情報収集、暗殺などのさまざまな闇の仕事をこなす。いつしか、忍の存在は消えておとぎ話の存在となった……と思われた。

 

 しかし、忍は存在していた。欲にまみれた政治家や大企業の幹部、そんな彼らから仕事を受ける忍を悪忍と、人々はそう呼ぶ。そして、その悪忍に対抗するために政府はあるプロジェクトを立ち上げた。

 

 善忍。そう呼ばれる国家所属の忍を育成する機密プロジェクトである。そして、「内閣特務諜報部諜報課付特殊機密諜報員養成所」通常、忍学科と呼ばれている。その忍学科のある学校の一つに、国立半蔵学院という学校がある。

 

 これはその忍に憧れ、忍を目指す少年の物語である。

 

 

???SIDE

 

 

「じゃあね。飛鳥ちゃん」

 

「うん、またねイッセー君」

 

 

 僕、兵藤一誠(ひょうどういっせい)。友達にはイッセーと呼ばれる普通の小学三年生。今日は友達の飛鳥ちゃんと遊んで、今から家に帰るところだ。

 

 飛鳥ちゃんの家は僕の家の隣にあってその縁から、幼稚園生の頃から一緒に遊んでいるんだ。飛鳥ちゃんのおじいちゃんの半蔵様にはいろんなお話を聞いているんだ。その話の中にある忍、忍者のことをきいて僕はカッコいいなって僕は思った。

 

『半蔵様、その忍者ってどうしたらなれるの?』

 

『う~ん、そうじゃの。がんばればお主でもなれるかもな』

 

『じゃあ、僕、がんばる! がんばって飛鳥ちゃんと一緒に忍者になる!』

 

『イッセー君……』

 

『ほっほっほ! それは頼もしいの。がんばるんじゃぞ』

 

『うん!』

 

 だけど、善忍になるには家の血筋が必要らしい。僕の家は忍の血筋じゃない。この時の僕はそんなことは知らなかった。

 

 毎日、半蔵様に修行(という名の遊び)をしてもらっていた。今日もその帰りだ。

 

「ただいま~」

 

 僕は鍵を開け、家に入った。僕の家には僕とお母さんしかいない。お父さんは僕が小さい頃に死んでしまったらしい。だから、僕とお母さんの二人暮らしだ。

 

 元気よく帰ってきたのにお母さんは返事をしてくれなかった。……まだ、お仕事から帰っていないのかな?

 

 そう思ってリビングに行ってみると、

 

 ピチャ……

 

 そんな音を立て、何か液体のようなものを踏んだ。何だろう。そう思ってみてみると、それは赤い液体……つまり血だ。リビングの中央にはお母さんが血まみれで倒れていた。

 

「お母さん!」

 

 僕はお母さんに走り寄り、泣きながら体を揺すった。

 

「お母さん、お母さん! しっかりしてよお母さん!」

 

「い、イッセー……?」

 

 すると、お母さんが薄く目を開けて僕の頬を撫でてくれた。

 

「よかった。無事だったのね……」

 

「ま、待ってて! 今、救急車を呼ぶから!」

 

 僕は電話で救急車を呼ぼうとした。だけど、お母さんはそれを止めた。

 

「お、お母さん?」

 

「いいの……もう……助からないって分かってるから。だから……あなたの顔をもっと見させて」

 

「お母さん……」

 

「イッセー、私やお父さんの分まで生きるのよ……」

 

 そう、言い残すとお母さんの手は床に落ちた。

 

「お母さん?」

 

 僕はお母さんを呼ぶけど、返事がなかった。

 

「お母さん、お母さん」

 

 もう一度呼ぶけど、返事はない。

 

「嫌だよ、起きて。起きてよお母さん……」

 

 揺すっても、何してお母さんは起きなかった。だんだんと、お母さんの体は冷たくなってきた。

 

「う、うわああああああああああっ!」

 

 

 その後、僕は僕の叫び声で異変を察知して来てくれた半蔵様に助けられた。放心状態の僕に変わって半蔵様が救急車やパトカーを呼んでくれた。

 

 警察が懸命に捜査したけど、結局、犯人は分からなかった。お母さん以外、身よりのいなかった僕はある家の養子になることになった。

 

 今日は、その人に会うことになった。

 

「君が兵藤一誠君だね」

 

「……はい」

 

「私が君を養子にしたいのは、君に忍になってほしいからだよ」

 

「ど、どうしてですか? というか何で忍のことを?」

 

「私は、悪忍の養成機関を経営している。君には才能がある。その才能を無駄にしたくないからね」

 

「で、でも……」

 

 どうせなるなら、飛鳥ちゃんと一緒に忍になりたいな……。

 

「では、話を変えよう。一誠君。君はお母さんを殺した人に復讐したくないかい?」

 

「……どういうことですか?」

 

「私の元に来たら、お母さんを殺した人を見つけられるかもしれないぞ。それに君を大切な人を守れるように強くしてあげよう」

 

 大切な人……飛鳥ちゃん……。

 

「……分かりました。僕、あなたの養子になります!」

 

「よく言った。では、また後日」

 

 そう言って、その人……道元は姿を消した。

 

 強くなる。お母さんを殺した人を殺すため、飛鳥ちゃんを守るため、絶対に強くなってやる!

 

 

 数日後、僕は道元さんに引き取れ、町を離れることになった。僕の家の前では半蔵様と飛鳥ちゃんが見送りに来てくれた。だけど、飛鳥ちゃんはずっと泣いていた。

 

「うっく、ひっく……」

 

「飛鳥ちゃん、泣かないで」

 

「だ、だって私、ひっく、イッセー君と離れたくないんだもん……」

 

 ずっと泣いているせいで、飛鳥ちゃんの可愛い顔が台無しになっている。

 

「飛鳥ちゃん。僕は絶対に戻ってくるよ。飛鳥ちゃんと一緒に忍になるために」

 

「本当?」

 

「うん、約束だよ。それにどんなに離れていても、僕たちにはこれがあるから」

 

 そういって、僕は首にかけている夏祭りで当てたおそろいのペンダントを飛鳥ちゃんに見せた。このペンダントにはお互いの写真が入っているんだ。

 

「うん。じゃあ、本当に戻ってきてよ。約束だからね!」

 

「うん!」

 

「……イッセー君。そろそろ行きますよ」

 

「……うん、じゃあね。飛鳥ちゃん、半蔵様」

 

 僕は道元さんの部下の人に連れられて、車に入った。そして、車は発進して僕はこの町を後にした。

 

 

 

「では、イッセー君。君にコードネームをつけましょう。何がいいですか?」

 

 車の中には道元さんがいてそんなことを聞いてきた。う~んと、そうだ!

 

「一閃。一閃がいいです」

 

「一閃?」

 

「はい、闇に輝く一閃の剣。そんな意味です」

 

「いいでしょう、あなたのコードネームは一閃です」

 

 このコードネームは忍の話を半蔵様に聞いたときに、付けてもらったものだ。

 

 ……飛鳥ちゃん。絶対にりっぱな忍になって戻ってくるからね。

 

 




 何とかかけました。とりあえず、アニメが終わる前にプロローグだけでも投稿しておこうと思いました。

 無茶な設定になるかもしれませんが、よろしくお願いします。

 次は憑依を書きます!
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