飛鳥SIDE
「イッセー君、どっちがいいかな?」
私はイッセー君と洋服屋にいる。そして、私の手には青いワンピースと赤いワンピースがあって、イッセー君に選んでもらっている。
「う~ん、飛鳥はやっぱり赤が似合うかな。でも、両方似合ってるよ」
「そ、そうかな?」
こんな感じで、私たちは買い物している。
「ねえ、イッセー君は買い物しなくていいの?」
「うん。俺はたいして服は買わないからな」
「そうなんだ……」
イッセー君は携帯を取り出して時間を見ていた。
「飛鳥、そろそろ、お昼食べに行かないか? おすすめの店があるんだが」
「う、うん、そうだね」
時計を見ると、もうすぐ一時になる。確かにそろそろお腹がすいてきたな。
「じゃあ、行こうぜ」
「あっ、待ってイッセー君!」
イッセー君は私の持っていたかごを持ってレジに向かっていった。あわてて私も追いかける。
「ねえ、やっぱり私が払わないと……」
「気にするなよ。俺はバイトとかしてて余裕があるから」
そう、私の服の代金はイッセー君が払った。でも、それじゃあ、悪いし……。
そう考えていると、私たちはおしゃれなカフェについた。
「いらっしゃいませ、何名様ですか?」
「二名です」
「では、こちらにどうぞ」
私とイッセー君は店員さんに案内されて、窓側の席へ座り、メニューを受け取った。
「ここのクリームスパゲッティはおいしくておすすめだ。俺はこれにするけど、飛鳥は?」
「わ、私もそれで……」
「すいません、クリームスパゲッティを二つお願いします」
イッセー君が注文して少し待つと、スパゲッティが運ばれて食べ始めた。
……確かにおいしい。だけど、私はふと、別のことを考えてしまった。
……イッセー君は誰とここに来たのだろう。
ここはおしゃれなカフェだ。男のイッセー君が一人でくるわけない。だとすると、誰か女の子と来たのかな? それだと……嫌だな。
「飛鳥? どうした、全然手が進んでないけど」
すると、手を止めて考える私を心配したのか、イッセー君が聞いてきた。
「な、何でもないよ!」
私はあわてて誤魔化してスパゲッティを食べた。
そして、デザートのアイスを食べ終えると、また、イッセー君が話しかけてきた。
「飛鳥、この後、何か予定あるか?」
「ええと、特にないけど……」
「なら、俺の用事に付き合ってもらってもいいか?」
「? 別にいいけど」
「決まりだな」
そういうと、イッセー君は伝票を持って席を立ってしまった。
「ちょっ! 待ってよイッセー君!」
私は慌ててイッセー君の後を追いかけた。
……結局、料理の代金もイッセー君が払った。そして今は……。
「峠最強伝説イッセー!」
ゲームセンターで遊んでいる。
『YOU Win!』
「すごいよイッセー君! 得意なのこのゲーム?」
「まあな。よく友達や先輩と色んなものをかけてやってるからな……」
なぜか、遠い目になるイッセー君。何があったの?
「さてと、次は何をする?」
「ええと……」
すると、私はあるクレーンゲームを見つけた。そのクレーンゲームにはかわいい猫のぬいぐるみがあった。欲しいな……
「飛鳥、あのぬいぐるみが欲しいのか? なら、取ってやるよ」
「えっ? いいの!?」
「ああ」
イッセー君はコインを入れてクレーンを動かした。クレーンはいとも簡単にぬいぐるみをつかみ、ぬいぐるみを取った。
「ほらよ」
「す、すごいねイッセー君。なんでもできるんだね」
「い、いや……そうでもないがな。さてと、この後はどうするか」
「なら、プリクラとらない?」
「……そうだな」
その後、私たちはプリクラをとって、いろんなゲームで遊んだ。ゲームセンターから出た時にはもう夕方になっていた。
「……飛鳥、これは俺が払……」
「いいの! これくらい私が払わせて!」
私たちはクレープ屋に行き、クレープを買った。ここでもイッセー君が払おうとしたが、私が押し切って、私が払った。
今はクレープを食べながら歩いている。
「……さてと、そろそろ暗くなってきたな」
「そうだね」
ああ、もう今日も終わりか。時間がたつのは早いな……。
「……ってか、飛鳥クレープ食べるの早くないか?」
「う、うるさいよ!」
女の子は甘いものに目がないから仕方ないんだよ! ……なんて言えないよ。
「っと、飛鳥、ほっぺにクリームが付いてるぞ」
「えっ? どこ?」
イッセー君に言われて取ろうとするが、なかなか取れない。
「ああ、そこじゃないよ。右……ああっ、じれったいな」
すると、イッセー君は指でクリームをすくって舐めた。って!
「な、何するのイッセー君!」
「何ってクリームを取っただけだよ」
それがおかしいのかって顔をするイッセー君。ああっ、もういいや!
「飛鳥、そろそろ暗くなってきたからそろそろ帰るか」
「あっ、ちょっと待ってイッセー君。これ、かつ姉にもらったんだけど、ここに行かない?」
そう言って、私は『ラブキングダム割引券』と書かれたチケットを見せた。昨日、かつ姉にもらったんだけど……これはデート終盤に行ってみたほうがいいテーマパークと言われた。でも、ここら辺にそんなところあったっけ?
「うん? どれどれ……って、ちょっと待て飛鳥! ここがどんな所か分かってるのか!?」
「? 分からないけど、どうして?」
「……ここは駄目だ。俺たちが行くには早すぎる」
「そうなんだ……」
そうして、私はイッセー君に引っ張られていった。
そして、私たちは半蔵学院の寮の近くまで来た。
「じゃあ、飛鳥。俺はそろそろ帰るよ」
「う、うん……ねえ、イッセー君。目を閉じてくれる?」
「うん? 別にいいけど、何で?」
「い、いいから早く!」
「あ、ああ……」
イッセー君は私に言われた通り、目を閉じた。
……この前、かつ姉に言われたこと、あれは無理だけど、これなら……私でも出来る。
私は意を決して、顔を近づけて、イッセー君の唇に自分の唇を押しつけ、キスをした。
「えっ?」
「じゃ、じゃあ、また会おうね!」
イッセー君は目を見開き、驚いていた。私は恥ずかしくなって、顔を赤くして全速力で逃げてしまった。
「……葛城さん、あなたは一体、何を吹き込んだんですか」
「いやあ、最初は貞操を奪えって言ったんだけど、さすがにそれは無理そうだから、キスしちゃえって言ったんだよ。念のため、ラブホの割引券も渡したけど、イッセーは奥手だったんだな」
「…………」
「や、柳生ちゃん! 落ち着いて!」
楽しそうに笑う葛城に向けて、仕込み傘を振りおろそうとする柳生を止める雲雀。
「さてと、面白いもんが見れたからそろそろ帰るか」
「そうですね」
「お腹すいたね~」
そう言って、四人はイッセーに見つからないように寮に帰って行った。
イッセー(一閃)SIDE
俺は何が起きたのか分からなかった。目を閉じてと言われて閉じたら、唇に柔らかいものがあたった。目を開けてみると、飛鳥が顔を真っ赤にして逃げだした。もしかして……俺、飛鳥にキスされたのか?
少しの間、俺はボーっと立っていた。そして、斑鳩さんたちの気配が消えたのを確認すると、ある二人を呼んだ。
「黒歌、白音、そろそろ出てきてもいいんじゃないのか?」
「あれ? ばれていたのかにゃ?」
「……いつから、気づいていたんですか?」
俺が呼ぶと、物陰から黒い猫と白い猫が現れて、人間へと姿を変えた。
忍法、猫変化。猫へ姿を変えて気配を隠す黒歌と白音が使う忍法だ。まあ、本人曰く、妖術らしいけどな。
「最初からだよ。俺が蛇女の寮を出た時からな」
そう、俺が寮を出た時から付けられてると分かっていた。でもそれを指摘すると、買い物の邪魔をされそうだから、指摘しなかっただけだ。
「焔か誰かに俺の後をつけるように頼まれたんだろ」
「……正解です」
「だけど、半蔵の忍はダメすぎるにゃ。私たちが後をつけていたのに気付かにゃいんだから。やっぱり、一閃の言った通り相手ににゃらないにゃ」
「……黒歌、今の俺は一閃じゃない。兵藤一誠だ。俺は仕事とプライベートを分ける男なんだよ」
「はいはい、わかったにゃ」
俺の意見をどうでもいいように流す黒歌。……まあ、いいか。
「さてと、黒歌、白音。蛇女に帰るぞ」
「……はい」
「分かったにゃ」
俺はそう言い、浅草を後にした。
……飛鳥、次に会うときは俺として……兵藤一誠として会うのか? それとも、敵として、一人の悪忍、一閃として会うのか?
ふと、俺はそんなことを思ってしまった。
「……一閃兄さま、今日のことはみなさんに報告します」
「えっ?」
「あたり前にゃ! そのために後をつけたにゃ! キスのこと含めて報告するにゃ!」
「ちょっと待てよ! それはやめろ!」
「「嫌です(にゃ)」」
はい、今回はデート回の続きです。題名はちょっと遊んでみました。
次回は蛇女の日常について書きます。でも、その前にISと死神を更新します。
アンケートの途中結果。
①5
②7
死塾月閃女学館が優勢ですね。
一応、設定は両方考えています。
半蔵バージョンはイッセーの祖父が有名な忍で親には才能がなかったという設定です。
死塾月閃女学館バージョンは今書いてる蛇女編の最後の戦いのときに爆発に巻き込まれて気絶して記憶を失い、黒影に助けられる。
こんな感じです。