忍になりしイッセー   作:汰灘 勇一

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第十五話「半蔵学院VS蛇女子学園 前編」

飛鳥SIDE

 

「あ~すか!」

 

「ひゃっ! かつ姉!?」

 

 私が席に座っていると、かつ姉が抱きついてきた……ってあれ?

 

「かつ姉? 今日はセクハラしてこないね」

 

「ああ、ちょっと真面目な話があるんだ」

 

 そういうかつ姉の顔はいつになく真剣だった。

 

「飛鳥、アタイはイッセーのことが好きだ」

 

「っ!」

 

 突然の告白に驚いた。そ、そんな……。

 

「ということで、これから飛鳥はライバルだな」

 

「……まて、オレも混ぜてもらおうか」

 

「や、柳生ちゃんまで!?」

 

 まさかの柳生ちゃんの参戦。い、イッセー君、何をしたの?

 

 ……で、でも私のほうが有利だよね? 幼馴染だし……き、キスしたし。

 

「ねえ、斑鳩さん。これってどんな状況?」

 

「……これは俗にいう修羅場ですね」

 

 状況の読めない雲雀ちゃんに、それを分析する斑鳩さん。……とりあえず、この二人は大丈夫だよね。

 

「ほっほっ、みんな元気じゃの」

 

 このままでは戦闘になる。そんな雰囲気の中、私のじっちゃんが現れた。 

 

「じっちゃん!」

 

「よう、飛鳥今日は太巻きの差し入れを持ってきたぞ」

 

 そういってじっちゃんは手に持っていた風呂敷を開けた。そこには私の大好物のじっちゃん特製の太巻きが入っていた。

 

「わーい! いただきます!」

 

 私たちは思いっきり太巻きにかぶりついた。うん、やっぱりじっちゃんの太巻きはおいしいね!

 

「そういえば、飛鳥」

 

「ふぁい?」

 

「イッセーとキスをしたというのは本当なのかい?」

 

「ぶふうっ! な、何でじっちゃんがそれを知ってるの!?」

 

 私は思わず食べていた太巻きを吹き出してしまった。

 

「まあ、それはどうでもいいじゃろ。飛鳥、おまえはイッセーと結婚したいと思っておるのか?」

 

「う、うん……」

 

 じっちゃんに言われて私は頬を赤くして頷いた。できれば、イッセー君と結婚して幸せな家庭を築きたいな……。

 

「そうか。イッセーなら忍の仕事にも理解するじゃろう」

 

「そ、そうだね。そういえば、じっちゃん、今日はこれだけのために半蔵学院に来たの?」

 

「いや、ちょっと霧夜にようがあってな。どこにいるかわかるか?」

 

「霧夜先生なら職員室にいると思うけど……」

 

「そうかい。じゃあ、ちょっと行ってこようかね」

 

 そう言ってじっちゃんは教室から出て行った……どんな用なのかな?

 

 

 

霧夜SIDE

 

「半蔵様、お話というのは?」

 

 俺が部屋でお茶を飲んでいたところ半蔵さまが訪ねてきた。今日はどんなようなのだ?

 

「実は蛇女子学園の忍の情報を持ってきたんじゃ」

 

「蛇女の忍?」

 

 蛇女子学園とは先日、忍島に現れた悪忍を養成する学校だ。

 

「そうじゃ」

 

 そういって、半蔵さまは私にある紙を見せた。

 

「名前は一閃。蛇女子学園の最強の忍と言われてる男の忍じゃ」

 

「男? 蛇女は女子校では?」

 

「そこはわからんのじゃ……今わかっているのは名前だけじゃ。顔もわからんのじゃよ」

 

「そうなんですか……」

 

 蛇女最強の忍……一体、何者なんだ。

 

「そいつは悪忍なのじゃが……」

 

「どうかされたのですか?」

 

「そいつは悪忍じゃが、決して人は殺さない。それどころか悪いやつからお金を奪い取り、貧しい人に分け与える。いわば、義賊のようなやつじゃ」

 

「義賊ですか……」

 

 ……そんな忍がなぜ悪忍になったんだ?

 

「ふう、では、わしは帰るとしようかの」

 

「お気を付けてお帰りください」

 

「……まさか、奴が……」

 

 半蔵さまは、最後に何か言っていたが、聞き取れなかった。

 

「……さて、そろそろ午後の授業を……」

 

 ピキィィィン!

 

「っ! これは忍結界!?」

 

 急に忍結界が発動して俺は驚き、部屋を出ようとしたが、ドアを開けようとしたが開かない。仕方ないので、開いていた窓から校舎の外に出ると、俺の部屋をのぞいた校舎すべてに結界が展開されていた。

 

「これはいったい……誰だ!」

 

 唖然としてると、背中に殺気を感じた。振り返ると、そこには鬼の仮面をつけ、黒いロングコートを羽織っている少年がいた。

 

「半蔵学院教師、霧夜だな」

 

「ああ、貴様は何者だ!」

 

「……俺の名は一閃」

 

「何!?」

 

 こいつがさっき半蔵さまの言っていた忍なのか? なぜ、こんなところに?

 

 すると、一閃は刀を抜いて構えた。

 

「……用事が終わるまで相手をしてもらうぞ」

 

 

 

焔SIDE

 

 話は少しさかのぼる。

 

「……一閃、本当にやるのか?」

 

「ああ……」

 

 任務が始まる少し前、私は一閃と話していた。……今回戦う半蔵学院のメンバーの中には一閃の幼馴染の飛鳥がいる。任務に私情をはさまなければいいのだが……。

 

「命令だから仕方ないんだよ。それに、俺は飛鳥たちの前では一般人を装っている。今回戦うのはあくまで悪忍、一閃として戦うんだ。私情はないよ」

 

「そうか……」

 

 それならいいんだが……。

 

「じゃあ、俺は行くぞ」

 

「ああ……」

 

 私は仕事に向かう一閃を見送った。……今回のやつの仕事は教師の足止めと殿だ。私たちはその間、指示があるまで戦い続ける。それだけだ。

 

「さてと、私たちもいくぞ」

 

「ええ」

 

「まかしとき」

 

「派手に暴れるわよ!」

 

 

飛鳥SIDE

 

「これは忍結界!?」

 

 教室でしばらく待機していると、いきなり忍び結界が展開された。私たちは驚きながらも戦闘態勢に入る。

 

「大変です! 柳生さんと雲雀さんがいません!」

 

「なんだって! 分断されたのか!?」

 

 斑鳩さんの言うとおり、雲雀ちゃんと柳生ちゃんがいない。二人が一緒なら問題ないと思うけど……。

 

「お前ら、人の心配をしてる余裕があるのか?」

 

「っ! 誰だ!」

 

 どこからか声が聞こえてかつ姉が叫ぶと、三人の女の子が現れた。一人は知らないけど、ほかの二人の顔は知っていた。一人は前、斑鳩さんと戦った詠というひと、もう一人は……焔ちゃんだった。

 

「っ! 焔ちゃん!?」

 

「よう飛鳥、また会ったな」

 

「どうして焔ちゃんが蛇女の人と……」

 

「どうしてって決まってるだろ? 私が蛇女の生徒だからだ。そして……」

 

 焔ちゃんは目を光らせると、刀で切りかかってきた。私は反射的に自分の刀で受け止めた。

 

「ほう、少しはやるようだな」

 

「くっ……」

 

「飛鳥さん!」

 

「あら、どこに行くのですか? お嬢様の相手は私です」

 

 斑鳩さんが私を助けようと動いたけど、詠ちゃんに阻まれて行かれなかった。

 

「焔さん、本当は私がその人と戦いたいのですが、今回は譲ります」

 

「ああ……飛鳥お前には死んでもらうぞ。あいつのためにもな!」

 

「私は死なない! 忍の道を極めるまでは!」

 

 そう、私はまだ死にたくない。生きるんだ! そしてイッセー君と……っ!

 

 一瞬だけ、イッセー君の顔が出てきたけど、あわてて消した。今は戦いに集中しないと……。

 

 

霧夜SIDE

 

「はあはあ……」

 

「どうしたんですか? もうダウンですか? 教師生活が長すぎて体が鈍ってるんじゃないですか?」

 

「くっ……」

 

 確かに俺は体が鈍っていると思う。だがそれ以前に、彼が強い。彼は多分本気を出していない。長年の勘でわかる。彼は遊んでいる。

 

「さてと、そろそろ終わりに……」

 

「そうはさせん!」

 

「うおっと!」

 

 すると俺と一閃の間を割って入るように黒い学ランを羽織った女……大道寺が現れた。

 

「大道寺……」

 

「……情けないぞ、我が師よ」

 

「すまん……」

 

 俺が大道寺に頭を下げていると、そんな俺たちを興味深そうに一閃が見ている。

 

「へえ~あなたが鈴姉が言っていた大道寺か。確かに強そうだな」

 

 鈴姉? 誰だそいつは?

 

 俺はそう聞こうとしたが、その時、空にから爆音が聞こえた。

 

「うん? もう、終わりか? なら焔たちを呼びに行かないとな」

 

 そういうと一閃は、忍結界の中に飛び込んだ。って、おい!

 

 忍び結界に無理やり入ると大けがを負うぞ!

 

 

飛鳥SIDE

 

「はあ、はあ……」

 

 私は焔ちゃんの猛攻に耐えられず、膝をついた。

 

「飛鳥!」

 

「飛鳥さん!」

 

「……あんたらの相手はうちらや」

 

「人の心配より自分の心配をしたほうがいいですよ」

 

 かつ姉と斑鳩さんが駆け寄ろうとしたけど、また阻まれる。

 

「……弱いなおまえは。お前程度のやつが半蔵の孫とは拍子抜けだ。これなら半蔵の実力も大した程じゃないな」

 

「っ! じっちゃんの悪口を言わないで!」

 

「ほう、よくそんな強気でいられるな。お前はもうすぐ死ぬっていうのにな!」

 

 焔ちゃんは勢いよく刀を振り下ろした。……ああ、私はもうすぐ死ぬんだ。死ぬんだったら……イッセー君にあってから死にたいな……。

 

 私が死を覚悟したその時、

 

 ガキィィィン!

 

「っ!」

 

 私と焔ちゃんの間に仮面をつけた男の人が割って入った。この人、誰なの?

 

「一閃……さん?」

 

「えっ?」

 

 斑鳩さんは仮面の男をみて驚いていた。えっ? もしかしてこの人が斑鳩さんの好きな人!?

 

「……何のつもりだ一閃」

 

「……合図が出た。今日はもう退却だ」

 

「……そうか、分かった」

 

 ……あれ? 一閃、どこかで聞いたことのあるような……。

 

 焔ちゃんに了承をとった一閃君は刀を抜いた。……何をするんだろ?

 

「ハアッ!」

 

 横に刀を振ると、忍び結界が破壊されて消えていった。もう一つの結界も破壊したのか、雲雀ちゃんと柳生ちゃんがいた。

 

「みんなは半蔵学院から退却してくれ。殿は俺が務める」

 

「……わかった」

 

「きぃつけてな」

 

「……絶対に戻ってきてよ」

 

 そういうと、焔ちゃんたちは姿を消した。あと残ったのは私たちと一閃君だけだった。

 

「……さてと、そろそろ続きといこうか」

 

「飛鳥、大丈夫か!」

 

「霧夜先生! と誰?」

 

 霧夜先生の後ろには学ランを着た女の人がいた。誰だろう?

 

「ふふ、役者がそろったし、始めるか。忍結界!」

 

 一閃君がそう叫ぶと、赤い結界が展開して周りは荒野が広がった。これが一閃君の忍結界?

 

「さて、自己紹介をしようか。俺の名は一閃! 蛇女子学園中等部所属の蛇女子学園最強の忍だ! さあ、俺を楽しませてもらおうか半蔵学院!」




今回は半蔵学院と蛇女子学園の戦いの前半を書きました。次回は一閃VS半蔵学院です。はたして、一閃の実力はいかに。

遅れましたが、アンケート結果

①忍びになりしイッセー 半蔵学院編 十一

②忍びになりしイッセー 死塾月閃女学館編 十三

ということで、死塾月閃女学館編になりました。まあ、いつ蛇女編のハイスクールD×Dの内容が終わるかわかりませんが。

みなさんに聞きますが、今のところ一閃眷属はどうなると思いますか? 一応、考えていますが。

あと、みなさんがこのキャラと一閃とのデートが見たいというのがあれば感想にご記入してください。
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