飛鳥SIDE
「あ~すか!」
「ひゃっ! かつ姉!?」
私が席に座っていると、かつ姉が抱きついてきた……ってあれ?
「かつ姉? 今日はセクハラしてこないね」
「ああ、ちょっと真面目な話があるんだ」
そういうかつ姉の顔はいつになく真剣だった。
「飛鳥、アタイはイッセーのことが好きだ」
「っ!」
突然の告白に驚いた。そ、そんな……。
「ということで、これから飛鳥はライバルだな」
「……まて、オレも混ぜてもらおうか」
「や、柳生ちゃんまで!?」
まさかの柳生ちゃんの参戦。い、イッセー君、何をしたの?
……で、でも私のほうが有利だよね? 幼馴染だし……き、キスしたし。
「ねえ、斑鳩さん。これってどんな状況?」
「……これは俗にいう修羅場ですね」
状況の読めない雲雀ちゃんに、それを分析する斑鳩さん。……とりあえず、この二人は大丈夫だよね。
「ほっほっ、みんな元気じゃの」
このままでは戦闘になる。そんな雰囲気の中、私のじっちゃんが現れた。
「じっちゃん!」
「よう、飛鳥今日は太巻きの差し入れを持ってきたぞ」
そういってじっちゃんは手に持っていた風呂敷を開けた。そこには私の大好物のじっちゃん特製の太巻きが入っていた。
「わーい! いただきます!」
私たちは思いっきり太巻きにかぶりついた。うん、やっぱりじっちゃんの太巻きはおいしいね!
「そういえば、飛鳥」
「ふぁい?」
「イッセーとキスをしたというのは本当なのかい?」
「ぶふうっ! な、何でじっちゃんがそれを知ってるの!?」
私は思わず食べていた太巻きを吹き出してしまった。
「まあ、それはどうでもいいじゃろ。飛鳥、おまえはイッセーと結婚したいと思っておるのか?」
「う、うん……」
じっちゃんに言われて私は頬を赤くして頷いた。できれば、イッセー君と結婚して幸せな家庭を築きたいな……。
「そうか。イッセーなら忍の仕事にも理解するじゃろう」
「そ、そうだね。そういえば、じっちゃん、今日はこれだけのために半蔵学院に来たの?」
「いや、ちょっと霧夜にようがあってな。どこにいるかわかるか?」
「霧夜先生なら職員室にいると思うけど……」
「そうかい。じゃあ、ちょっと行ってこようかね」
そう言ってじっちゃんは教室から出て行った……どんな用なのかな?
霧夜SIDE
「半蔵様、お話というのは?」
俺が部屋でお茶を飲んでいたところ半蔵さまが訪ねてきた。今日はどんなようなのだ?
「実は蛇女子学園の忍の情報を持ってきたんじゃ」
「蛇女の忍?」
蛇女子学園とは先日、忍島に現れた悪忍を養成する学校だ。
「そうじゃ」
そういって、半蔵さまは私にある紙を見せた。
「名前は一閃。蛇女子学園の最強の忍と言われてる男の忍じゃ」
「男? 蛇女は女子校では?」
「そこはわからんのじゃ……今わかっているのは名前だけじゃ。顔もわからんのじゃよ」
「そうなんですか……」
蛇女最強の忍……一体、何者なんだ。
「そいつは悪忍なのじゃが……」
「どうかされたのですか?」
「そいつは悪忍じゃが、決して人は殺さない。それどころか悪いやつからお金を奪い取り、貧しい人に分け与える。いわば、義賊のようなやつじゃ」
「義賊ですか……」
……そんな忍がなぜ悪忍になったんだ?
「ふう、では、わしは帰るとしようかの」
「お気を付けてお帰りください」
「……まさか、奴が……」
半蔵さまは、最後に何か言っていたが、聞き取れなかった。
「……さて、そろそろ午後の授業を……」
ピキィィィン!
「っ! これは忍結界!?」
急に忍結界が発動して俺は驚き、部屋を出ようとしたが、ドアを開けようとしたが開かない。仕方ないので、開いていた窓から校舎の外に出ると、俺の部屋をのぞいた校舎すべてに結界が展開されていた。
「これはいったい……誰だ!」
唖然としてると、背中に殺気を感じた。振り返ると、そこには鬼の仮面をつけ、黒いロングコートを羽織っている少年がいた。
「半蔵学院教師、霧夜だな」
「ああ、貴様は何者だ!」
「……俺の名は一閃」
「何!?」
こいつがさっき半蔵さまの言っていた忍なのか? なぜ、こんなところに?
すると、一閃は刀を抜いて構えた。
「……用事が終わるまで相手をしてもらうぞ」
焔SIDE
話は少しさかのぼる。
「……一閃、本当にやるのか?」
「ああ……」
任務が始まる少し前、私は一閃と話していた。……今回戦う半蔵学院のメンバーの中には一閃の幼馴染の飛鳥がいる。任務に私情をはさまなければいいのだが……。
「命令だから仕方ないんだよ。それに、俺は飛鳥たちの前では一般人を装っている。今回戦うのはあくまで悪忍、一閃として戦うんだ。私情はないよ」
「そうか……」
それならいいんだが……。
「じゃあ、俺は行くぞ」
「ああ……」
私は仕事に向かう一閃を見送った。……今回のやつの仕事は教師の足止めと殿だ。私たちはその間、指示があるまで戦い続ける。それだけだ。
「さてと、私たちもいくぞ」
「ええ」
「まかしとき」
「派手に暴れるわよ!」
飛鳥SIDE
「これは忍結界!?」
教室でしばらく待機していると、いきなり忍び結界が展開された。私たちは驚きながらも戦闘態勢に入る。
「大変です! 柳生さんと雲雀さんがいません!」
「なんだって! 分断されたのか!?」
斑鳩さんの言うとおり、雲雀ちゃんと柳生ちゃんがいない。二人が一緒なら問題ないと思うけど……。
「お前ら、人の心配をしてる余裕があるのか?」
「っ! 誰だ!」
どこからか声が聞こえてかつ姉が叫ぶと、三人の女の子が現れた。一人は知らないけど、ほかの二人の顔は知っていた。一人は前、斑鳩さんと戦った詠というひと、もう一人は……焔ちゃんだった。
「っ! 焔ちゃん!?」
「よう飛鳥、また会ったな」
「どうして焔ちゃんが蛇女の人と……」
「どうしてって決まってるだろ? 私が蛇女の生徒だからだ。そして……」
焔ちゃんは目を光らせると、刀で切りかかってきた。私は反射的に自分の刀で受け止めた。
「ほう、少しはやるようだな」
「くっ……」
「飛鳥さん!」
「あら、どこに行くのですか? お嬢様の相手は私です」
斑鳩さんが私を助けようと動いたけど、詠ちゃんに阻まれて行かれなかった。
「焔さん、本当は私がその人と戦いたいのですが、今回は譲ります」
「ああ……飛鳥お前には死んでもらうぞ。あいつのためにもな!」
「私は死なない! 忍の道を極めるまでは!」
そう、私はまだ死にたくない。生きるんだ! そしてイッセー君と……っ!
一瞬だけ、イッセー君の顔が出てきたけど、あわてて消した。今は戦いに集中しないと……。
霧夜SIDE
「はあはあ……」
「どうしたんですか? もうダウンですか? 教師生活が長すぎて体が鈍ってるんじゃないですか?」
「くっ……」
確かに俺は体が鈍っていると思う。だがそれ以前に、彼が強い。彼は多分本気を出していない。長年の勘でわかる。彼は遊んでいる。
「さてと、そろそろ終わりに……」
「そうはさせん!」
「うおっと!」
すると俺と一閃の間を割って入るように黒い学ランを羽織った女……大道寺が現れた。
「大道寺……」
「……情けないぞ、我が師よ」
「すまん……」
俺が大道寺に頭を下げていると、そんな俺たちを興味深そうに一閃が見ている。
「へえ~あなたが鈴姉が言っていた大道寺か。確かに強そうだな」
鈴姉? 誰だそいつは?
俺はそう聞こうとしたが、その時、空にから爆音が聞こえた。
「うん? もう、終わりか? なら焔たちを呼びに行かないとな」
そういうと一閃は、忍結界の中に飛び込んだ。って、おい!
忍び結界に無理やり入ると大けがを負うぞ!
飛鳥SIDE
「はあ、はあ……」
私は焔ちゃんの猛攻に耐えられず、膝をついた。
「飛鳥!」
「飛鳥さん!」
「……あんたらの相手はうちらや」
「人の心配より自分の心配をしたほうがいいですよ」
かつ姉と斑鳩さんが駆け寄ろうとしたけど、また阻まれる。
「……弱いなおまえは。お前程度のやつが半蔵の孫とは拍子抜けだ。これなら半蔵の実力も大した程じゃないな」
「っ! じっちゃんの悪口を言わないで!」
「ほう、よくそんな強気でいられるな。お前はもうすぐ死ぬっていうのにな!」
焔ちゃんは勢いよく刀を振り下ろした。……ああ、私はもうすぐ死ぬんだ。死ぬんだったら……イッセー君にあってから死にたいな……。
私が死を覚悟したその時、
ガキィィィン!
「っ!」
私と焔ちゃんの間に仮面をつけた男の人が割って入った。この人、誰なの?
「一閃……さん?」
「えっ?」
斑鳩さんは仮面の男をみて驚いていた。えっ? もしかしてこの人が斑鳩さんの好きな人!?
「……何のつもりだ一閃」
「……合図が出た。今日はもう退却だ」
「……そうか、分かった」
……あれ? 一閃、どこかで聞いたことのあるような……。
焔ちゃんに了承をとった一閃君は刀を抜いた。……何をするんだろ?
「ハアッ!」
横に刀を振ると、忍び結界が破壊されて消えていった。もう一つの結界も破壊したのか、雲雀ちゃんと柳生ちゃんがいた。
「みんなは半蔵学院から退却してくれ。殿は俺が務める」
「……わかった」
「きぃつけてな」
「……絶対に戻ってきてよ」
そういうと、焔ちゃんたちは姿を消した。あと残ったのは私たちと一閃君だけだった。
「……さてと、そろそろ続きといこうか」
「飛鳥、大丈夫か!」
「霧夜先生! と誰?」
霧夜先生の後ろには学ランを着た女の人がいた。誰だろう?
「ふふ、役者がそろったし、始めるか。忍結界!」
一閃君がそう叫ぶと、赤い結界が展開して周りは荒野が広がった。これが一閃君の忍結界?
「さて、自己紹介をしようか。俺の名は一閃! 蛇女子学園中等部所属の蛇女子学園最強の忍だ! さあ、俺を楽しませてもらおうか半蔵学院!」
今回は半蔵学院と蛇女子学園の戦いの前半を書きました。次回は一閃VS半蔵学院です。はたして、一閃の実力はいかに。
遅れましたが、アンケート結果
①忍びになりしイッセー 半蔵学院編 十一
②忍びになりしイッセー 死塾月閃女学館編 十三
ということで、死塾月閃女学館編になりました。まあ、いつ蛇女編のハイスクールD×Dの内容が終わるかわかりませんが。
みなさんに聞きますが、今のところ一閃眷属はどうなると思いますか? 一応、考えていますが。
あと、みなさんがこのキャラと一閃とのデートが見たいというのがあれば感想にご記入してください。