忍になりしイッセー   作:汰灘 勇一

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第十八話「雲雀の恋」

雲雀SIDE

 

 蛇女に襲撃されてから数日たった。私は一人、商店街を歩いていた。

 

 私は、数日前のことを思い出していた。

 

 

 蛇女の襲撃があった翌日、私たちは霧夜先生に呼び出された。

 

「……みんな、集まったな。では、昨日、襲撃した蛇女の生徒の情報を伝える」

 

 そういって数枚の紙を渡す霧夜先生。そこには焔さんたち、蛇女の生徒の情報が書かれていた。だけど、一閃さんの情報は不明としか書かれていない。

 

「……霧夜先生、一閃さんの情報が書かれていませんが」

 

「ああ、彼の情報はほぼないんだ……しってる情報といえば……」

 

 霧夜先生の話を聞いてみると、一閃さんは決して人を殺さず、悪い人からお金を奪いそれを貧しい人に分け与える義賊のようなことをしているらしい。

 

「義賊ですか……」

 

「ああ……だけど、貧しい人を救うためとはいえ、犯罪を犯していいわけではない」

 

「なあ、霧夜先生、あいつは何者なんだ? 何であんなに強いんだ」

 

 かつ姉は霧夜先生に聞いてきた。情報は少ないけど……気になるね。

 

「……わからない。だけど、分かることは一つあいつは善忍の家系ではないということだ。善忍の家系ならば私たちが知らないわけがない」

 

 そうなんだ。なら、どうして悪忍になったんだろ?

 

「強かったね一閃君……」

 

「ええ……」

 

 そう一閃さんは強かった私たちと大道寺さんを相手にしても余裕で、しかも手加減をしていた。

 

「……一撃も与えることもできなかった」

 

 みんな、悔しそうに唇を噛んでいた。一閃さんは強すぎる。私たちじゃあ、適わない。

 

「おいおい、みんな何でそんなに落ち込んでるんだよ」

 

 すると、かつ姉が不思議そうな顔をしている。

 

「……葛城さん、あなたは悔しくないんですか?」

 

「くやしいさ、だけど、負けて悔しいなら強くなればいい。死なない限り、戦えるんだから」

 

「っ!」

 

 みんな、かつ姉に言われて顔を上げた。確かに、死なない限り、希望はあるよね。

 

「まあ、これはあたいが言ったじゃないんだ。イッセーに言われたことを言っただけだよ」

 

「イッセー君が?」

 

 飛鳥ちゃんは驚いていた。イッセーさん、かつ姉にそう言って元気づけていたんだ……。

 

「そうだよね……霧夜先生! 私を強くしてください!」

 

「あたいもだ! 日影を倒して、一閃を倒さないとイッセーに顔向けできない!」

 

「……私もお願いします」

 

「オレも……」

 

「雲雀も!」

 

 ヒバリも強くなりたい! 柳生ちゃんに守ってもらうだけじゃ、駄目なんだ。

 

「……訓練は厳しいが、ついてこられるか?」

 

「「「「「はいっ!」」」」」

 

「よし、明日から修行開始だ!」

 

 

 

 それから、厳しい特訓が始まった。みんなは難なくこなしていたけど、ヒバリだけは、縄に引っ掛かったり、失敗してばかりだ。

 

「……ヒバリ、このままでいいのかな?」

 

 ヒバリはいつも思う。ヒバリはみんなの足を引っ張っているんじゃないかと思ってる。蛇女が襲いかかってきたときだってヒバリがいなかったら勝てたかも……。

 

 そのままトボトボと歩いていると……。

 

「あれ? 雲雀ちゃん? どうしたんだいなんか元気がないようだけど……」

 

「イッセーさん……」

 

 買い物途中らしきイッセーさんと出会った。そうだかつ姉を元気づけたイッセーさんなら。

 

「何か悩みがあるなら、相談に乗るよ」

 

「は、はい……実は……」

 

 ヒバリは歩きながら、みんなに迷惑をかけてるんじゃないかとイッセーさんに相談した。

 

「ヒバリ……忍びに向いていないのかな? ヒバリ、いないほうがいいのかな?」

 

「そんなことないよ。ヒバリちゃんは忍びらしいと思うし、半蔵学院に必要な存在だよ」

 

「だけど、このままじゃみんなに迷惑……」

 

 迷惑をかけるそう言おうとしたその時、イッセーさんはヒバリの頭に手をポンとおいた。

 

「い、イッセーさん?」

 

「そんなことない。雲雀ちゃんは頑張ってるよ。そんな雲雀ちゃんをいつも見てる柳生ちゃんや飛鳥たちは迷惑なんて思っていないよ」

 

 イッセーさんはそう、笑顔で言ってくれた。

 

「うん!」

 

 ヒバリもイッセーさんのおかげで笑顔になれた。……本当にすごいなイッセーさん。

 

「じゃあ、雲雀ちゃん。俺は用事があるから帰るね」

 

「は、はい……」

 

 イッセーさんは私に手を振り、帰って行った。ヒバリは半蔵学院に戻ろうと歩き始めた。そこであることに気付いた。

 

「ひ、ヒバリ、なんでこんなにときどきしてるんだろう……」

 

 頬を赤く染めながら、歩きだす。

 

 

斑鳩SIDE

 

「それで、相談ごととはなんですか雲雀さん」

 

 一人、校舎で一閃さんのことを考えていると、雲雀さんが相談があると、話しかけてきました。

 

「え、ええとさっき、イッセーさんに会ったんです」

 

「……それで?」

 

「イッセーさんを見ていると、胸がドキドキするの。ヒバリ、どうしたのかな?」

 

「ぶふっ!」

 

 私は思わず、噴き出しました。そ、それってイッセーさんを好きになったってことですよね? あの人はどれだけの人を惚れさせるのですか?

 

「……雲雀さん、それは恋です」

 

「恋?」

 

「ええ、あなたはイッセーさんのことが好きなんですよ」

 

「ええっ!?」

 

 雲雀さんは驚いていた。まあ、当たり前というか……。

 

「そ、そうなんだ……でも、ライバル多いよどうしよう……」

 

 確かに……飛鳥さん、葛城さん、柳生さんも彼のことが好きですもんね。

 

「雲雀さん、大事なことは人を好きでいる気持ちですよ。あきらめなければ、いつか叶いますよ」

 

「は、はい!」

 

 そう、私と一閃さんとは違い、叶う恋だと思います。 




今回は雲雀ちゃんのフラグ回でした。なお、これはカサブタさんの意見を使わせてもらいました。

今回で半蔵、蛇女メンバー全員にフラグを立てた一閃。なお、NEW WAVEのキャラ、春花、日影のフラグ話は今後、書いていきます。

さて、次回は一閃が一閃閃鬼隊のメンバーと買い物に行きます。平和に過ごせるかと思いきや……。
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