忍になりしイッセー   作:汰灘 勇一

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最初にお詫びを。当初は閃鬼隊メンバーとのデート回を予定していましたが急きょ予定を変更しました。


第十九話「ハイ・キン・グ」

飛鳥SIDE

 

 気がつくと、私は荒野にいた。

 

「あれ?何で私はここにいるの?」

 

 私はあたりを見渡すと、イッセー君がいた。

 

「イッセー君?」

 

 何でそこにイッセー君がいるのかわからなかった。とりあえず、イッセー君のそばに行こうとした。

 

「飛鳥、来るな!」

 

「えっ?」

 

 イッセー君はそう叫んだ。私は意味がわからなくて困惑した。その次の瞬間。

 

 ザシュッ。

 

 そんな音とともにイッセー君の胸を刀が貫いた。

 

「イッセー君!」

 

 私はイッセー君のそばまで走って倒れたイッセー君を抱き起した。

 

「しっかりしてイッセー君死なないで!」

 

 イッセー君を揺さぶったけど、何も反応してくれない。体温も冷たくなっていく……。

 

 

 

「イヤアアアアッ! ……えっ?」

 

 気がつくと、私は寮の自分の部屋にいた。あれは……夢だったのかな?

 

 不安になって、イッセー君の携帯に電話をかけた。

 

『飛鳥? どうしたんだこんな朝早くから』

 

「イッセー君、よかった。実はね……」

 

 私はさっき見た夢のことを話した。

 

『俺が胸を貫かれて死ぬ夢か……。大丈夫だよ所詮、ただの夢だし、俺みたいな一般人が刺されることなんてないって』

 

「で、でも……」

 

『それより、俺になにか相談することでもあるんじゃないか?』

 

「う、うん……」

 

 今日電話したのは他に理由があった。あることを聞いてほしかった。

 

「イッセー君、私、忍びに向いてないのかな?」

 

 私は、ある戦いである人に『お前に半蔵の孫を名乗る資格はない』と言われたことを話した。

 

「私、じっちゃんの孫って名乗る資格あるのかな?」

 

『……別にあってもなくても関係なくね?』

 

「えっ?」

 

『飛鳥、お前は誰だ? 半蔵さまの孫? そうじゃないだろ? 飛鳥は飛鳥。半蔵学院の飛鳥。一人の立派な善忍だ。半蔵さまの孫とか。そういうのは気にしなくていい』

 

「イッセー君……」

 

 イッセー君の一言は私の胸で引っかかっていたものを取り除いてくれていた。

 

「ありがとう、イッセー君今度、お礼するね」

 

『どういたしまして。じゃあ、切るぜ』

 

 そう言って、電話は切れたうん、今日も一日がんばろう!

 

 

イッセーSIDE

 

「俺が死ぬ夢か……」

 

 飛鳥の見た夢はたぶん、いつか現実になるだろう。

 

「どうせ死ぬなら、俺は飛鳥に殺されたい」

 

 

雲雀SIDE

 

 今日は半蔵学院から離れてある場所で這緊虞(ハイ・キン・グ)という、とても恐ろしいって言われてる訓練をしています。

 

 雲雀は柳生ちゃんと合流して川を下っています。

 

「よかった~柳生ちゃんに会えて」

 

「そうだな……」

 

 柳生ちゃんは雲雀を見て安心したというような表情をしている。

 

「雲雀、元気になったな」

 

「ほえ?」

 

「この前まで暗かったのに、昨日、帰ってきてからは前みたいに明るくなったよな。何かあったのか?」

 

「ふえっ!?」

 

 柳生ちゃんに言われて、昨日の出来事を思い出した。雲雀……イッセーさんに。

 

「ええと……あっ! 柳生ちゃん! 前々!!」

 

「?」

 

 雲雀は目の前を指差した。そこには川がない。そこは……滝になっていた。

 

「っ!」

 

 柳生ちゃんはあわててブレーキをかけようとしたが、間に合わない。

 

「キャアアアッ!」

 

「雲雀!」

 

 雲雀と柳生ちゃんは落ちて行った。

 

 

「う~ん」

 

 目が覚めると、雲雀と柳生ちゃんは洞窟の床で寝かされていた。ヒバリ確か……

 

「よう、起きたか」

 

「っ! あ、あなたは一閃さん!」

 

 声のしたほうに振り返ると、この前戦った仮面をつけた悪忍、一閃さんがいた。何でこの人がここにいるの!?

 

 ヒバリは思わず身構えた。

 

「……安心しろ。今日はお前らと戦う気はない」

 

「えっ?」

 

「今回、ここに来たのはたまたまこの近辺で仕事があって、寄ってみたら滝壺に落ちそうになったお前たちを見つけただけだ」

 

「そ、そうなんですか? ありがとうございます」

 

 お礼というと、一閃さんは気にするなと言って何かを焼いていた。……お腹すいたな。

 

「……これ食うか?」

 

 ヒバリの心を読んだのか、一閃さんはあるものを投げてきた。それは……焼けたピラニア……。

 

「きゃあああっ! 何を投げるんですか!」

 

「ピラニアだけど」

 

「食べれないでしょ!」

 

「いや、結構いけるぞ」

 

 その後、ヒバリは色々と一閃さんと口論した。

 

 ヒバリはあることを聞くことにした。

 

「あの、一閃さん、一閃さんは何で悪忍になったんですか?」

 

「……雲雀、お前は善忍になりたくてもなれないやつがいるって知ってるか?」

 

「えっ?」

 

「俺には忍びの才能があった。だけど、忍びの家系じゃないという理由でなれなかった。だから、悪忍になった。悪忍になったからって言って俺は人を殺したり、傷つけたりしたくない。正直言うと前回の戦いだって俺は参戦したくなかった。いいか、雲雀、悪忍の誇りは人それぞれ違う。俺の誇りは、誰も傷つけず、みんなが笑顔になれる世界にする。それだけだ」

 

 一閃さんはそんなことを考えて戦っているんだ……。

 

「さてと、俺はそろそろ帰るとするか。ヒバリ、俺に会ったことはみんなには内緒で頼むな」

 

「あっ……」

 

 一閃さんは雲雀の頭にぽんと手を置いて帰って行った。この手の感触、どこかで……。




本当にすいませんでした。次回こそはデート回です。今回は雲雀が蛇女に入るフラグを立てました。あと二話で雲雀が蛇女に転入します。
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