忍になりしイッセー   作:汰灘 勇一

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第二十一話「半蔵」

イッセーSIDE

 

「俺はどうしたらいいんだ……」

 

 俺は一人、悩んでいた。昨日の話、最後まで聞いてみると、白音と黒歌の両親、皐月と水無月の両親も道元が殺したようだ。……みんなの親を殺して、みんなの命を利用して化け物を生み出す。そんなことはさせない!

 

 だけど、どうしたらいい? 道元を倒す? それが一番いいだろう。道元は頸木の術をみんなにかけている。これは俺がどうにかできる。問題は学園中に設置されている爆弾だ。さすがにあれを一人で破壊することはできない。しかも、これは蛇女子学園に対する裏切りだ。抜け忍になる覚悟をしないと。

 

「ほっほっ、どうしたんじゃ」

 

「っ!」

 

 俺は誰かに声をかけられ、驚いた。ば、馬鹿な、俺は完全に気配を消していたぞ!

 

 振り返ると、そこには伝説の忍び、半蔵様がいた。

 

「は、半蔵様?」

 

「うぬ、久しいの元気じゃったかイッセー」

 

「はい、何とか」

 

 にこやかに話しているように見えるが、俺は内心、気が気ではなかった。もしかして、半蔵様は俺の正体を知っているのか?

 

「イッセー、ちょっと食事に付き合ってくれんか?」

 

「はい?」

 

 

 その後俺は半蔵様にタクシーに(強制的に)乗せられて、故郷の駒王町にやってきた。そして、飛鳥の実家である寿司屋に入った。

 

 そして着替えた半蔵様がすしを握り、俺に出してくる。俺は口に入れ、味わう。

 

「……おいしいです」

 

「そうかそうか」

 

 半蔵さまはニコニコと笑っている。……すごく懐かしいな。

 

 俺はその後もすしを食べ続けた。

 

 

「半蔵様、俺、あることをしようと思うんです」

 

「あること?」

 

 腹が膨れた俺は半蔵様に相談することにした。

 

「ええ、詳しいことは話せないんですが、それを実行すると誰かを裏切ってしまうかもしれません」

 

「……そんなの決まっておるじゃろ。お主のやりたいようにすればよい」

 

「えっ?」

 

「お主がやりたいと思えばやればいい。やらずに後悔するより、やって後悔したほうがいいじゃろ」

 

「……そうですね」

 

 確かにそうだ。やらないで後悔するなら、実行するべきだ。俺はやる! たとえ、この命が尽きようとみんなを助けて見せる!

 

「そうじゃ、イッセーお主、寿司を作ってみないか?」

 

「えっ?」

 

 

 

「……こんな感じですかね」

 

 俺は着替え、巻きずしを作ることになった。半蔵様に教わりながらなんとかできた。

 

「ふぬ、うまいな。これなら店に出しても安心じゃな」

 

「えええと、じゃあ、俺は帰りま……」

 

「じっちゃん、ただいまー!」

 

 帰ろうとしたら、タイミング悪く飛鳥が帰ってきた。……なんで今日に限って帰ってくるんだろう。しかも、かつ姉たちもいるし。

 

「いっ、イッセー君!?」

 

「よ、ようイッセー」

 

「「…………(ぽっ)」」

 

「お久しぶりですね、イッセーさん」

 

「ええ……ってみんな顔が赤いけど、熱でもあるの?」

 

 そう、斑鳩さん以外のみんなの顔が赤い。どうしたんだ?

 

「「「「だ、大丈夫! 熱はないから!」」」」

 

「そ、そうか」

 

 見事にハモる四人。まあ、いいか。

 

「そうじゃ、お前さんらこの太巻きを食べんか?」

 

 そう言って半蔵さまは俺の作った太巻きをみんなに進めた。

 

「うん、いただきまーす!」

 

 みんあ、太巻きにかぶりつく。……なんか直視できないな。

 

「おいしい!」

 

「う、うまい」

 

「さすがじっちゃんだね」

 

「ほっほっ、実はのそれを作ったのはイッセーなのじゃよ」

 

「「「「「ええええっ!?」」」」」

 

 意外そうにみんな、驚く。そんなに意外?

 

「じ、じっちゃんが作ったのかと思った」

 

「……これでも普段から料理してるからな」

 

 俺はエプロンを脱いで帰る用意をした。

 

「のう、イッセー」

 

「なんですか半蔵様」

 

「お主、飛鳥と結婚してこの店を継がんか?」

 

「「「「ぶふうううううっ!」」」」

 

 半蔵さまの提案に噴き出す飛鳥達。

 

「じっ、じっちゃん!」

 

「お主の腕なら店を継ぐのに十分じゃ。どうじゃ?」

 

「すいません、まだ将来のことを考えることはできないので保留にしてください」

 

 俺がそういうと、飛鳥は残念そうに、かつ姉たちは安心したかのように胸をなでおろした。まあ、俺しぬかもしれないからな。

 

「じゃあ、俺はそろそろ帰ります」

 

 俺はお土産に寿司を買い、帰る用意を終え、立った。

 

「飛鳥、ちょっといいか?」

 

「何、イッセー君……っ!」

 

 俺は俺のほうを見た飛鳥の頬にキスをした。飛鳥はおどろいて目を見開いた。

 

「この前の仕返しってことで。じゃあ、さようなら」

 

 そう言って、俺は店を出たすると、その直後、

 

「きゅ~」

 

「きゃー!飛鳥さん!」

 

 何か悲鳴みたいなのが聞こえた。

 

 ……俺はイッセーじゃない。一閃だ!

 

「一閃、忍びの道を究めるため舞い踊る!」

 

 俺は忍転身をして学校に帰った。

 

 このとき、一匹の黒ネコが俺のことを見ていることに俺は気がつかなかった。

 

半蔵SiDE

 

「飛鳥! 目を覚ませ!」

 

「うえ~ん、飛鳥ちゃん!」

 

「AEDを持ってきました!」

 

「ナイス、斑鳩!」

 

 今、飛鳥はイッセーに頬にキスをされ危険な状態になっておる。こんなことでこうなるとは……どんなけ初心なんじゃろうな。

 

「イッセー、何があっても死ぬでないぞ。飛鳥たちを悲しませないでくれ」

 

 




今回は半蔵様との対談でした。半蔵様に相談して吹っ切れたイッセー。彼はこれからどうするのでしょうか。

次回は雲雀が蛇女に転入!? 蛇女編、クライマックスに近づいてきています。
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