イッセーSIDE
「俺はどうしたらいいんだ……」
俺は一人、悩んでいた。昨日の話、最後まで聞いてみると、白音と黒歌の両親、皐月と水無月の両親も道元が殺したようだ。……みんなの親を殺して、みんなの命を利用して化け物を生み出す。そんなことはさせない!
だけど、どうしたらいい? 道元を倒す? それが一番いいだろう。道元は頸木の術をみんなにかけている。これは俺がどうにかできる。問題は学園中に設置されている爆弾だ。さすがにあれを一人で破壊することはできない。しかも、これは蛇女子学園に対する裏切りだ。抜け忍になる覚悟をしないと。
「ほっほっ、どうしたんじゃ」
「っ!」
俺は誰かに声をかけられ、驚いた。ば、馬鹿な、俺は完全に気配を消していたぞ!
振り返ると、そこには伝説の忍び、半蔵様がいた。
「は、半蔵様?」
「うぬ、久しいの元気じゃったかイッセー」
「はい、何とか」
にこやかに話しているように見えるが、俺は内心、気が気ではなかった。もしかして、半蔵様は俺の正体を知っているのか?
「イッセー、ちょっと食事に付き合ってくれんか?」
「はい?」
その後俺は半蔵様にタクシーに(強制的に)乗せられて、故郷の駒王町にやってきた。そして、飛鳥の実家である寿司屋に入った。
そして着替えた半蔵様がすしを握り、俺に出してくる。俺は口に入れ、味わう。
「……おいしいです」
「そうかそうか」
半蔵さまはニコニコと笑っている。……すごく懐かしいな。
俺はその後もすしを食べ続けた。
「半蔵様、俺、あることをしようと思うんです」
「あること?」
腹が膨れた俺は半蔵様に相談することにした。
「ええ、詳しいことは話せないんですが、それを実行すると誰かを裏切ってしまうかもしれません」
「……そんなの決まっておるじゃろ。お主のやりたいようにすればよい」
「えっ?」
「お主がやりたいと思えばやればいい。やらずに後悔するより、やって後悔したほうがいいじゃろ」
「……そうですね」
確かにそうだ。やらないで後悔するなら、実行するべきだ。俺はやる! たとえ、この命が尽きようとみんなを助けて見せる!
「そうじゃ、イッセーお主、寿司を作ってみないか?」
「えっ?」
「……こんな感じですかね」
俺は着替え、巻きずしを作ることになった。半蔵様に教わりながらなんとかできた。
「ふぬ、うまいな。これなら店に出しても安心じゃな」
「えええと、じゃあ、俺は帰りま……」
「じっちゃん、ただいまー!」
帰ろうとしたら、タイミング悪く飛鳥が帰ってきた。……なんで今日に限って帰ってくるんだろう。しかも、かつ姉たちもいるし。
「いっ、イッセー君!?」
「よ、ようイッセー」
「「…………(ぽっ)」」
「お久しぶりですね、イッセーさん」
「ええ……ってみんな顔が赤いけど、熱でもあるの?」
そう、斑鳩さん以外のみんなの顔が赤い。どうしたんだ?
「「「「だ、大丈夫! 熱はないから!」」」」
「そ、そうか」
見事にハモる四人。まあ、いいか。
「そうじゃ、お前さんらこの太巻きを食べんか?」
そう言って半蔵さまは俺の作った太巻きをみんなに進めた。
「うん、いただきまーす!」
みんあ、太巻きにかぶりつく。……なんか直視できないな。
「おいしい!」
「う、うまい」
「さすがじっちゃんだね」
「ほっほっ、実はのそれを作ったのはイッセーなのじゃよ」
「「「「「ええええっ!?」」」」」
意外そうにみんな、驚く。そんなに意外?
「じ、じっちゃんが作ったのかと思った」
「……これでも普段から料理してるからな」
俺はエプロンを脱いで帰る用意をした。
「のう、イッセー」
「なんですか半蔵様」
「お主、飛鳥と結婚してこの店を継がんか?」
「「「「ぶふうううううっ!」」」」
半蔵さまの提案に噴き出す飛鳥達。
「じっ、じっちゃん!」
「お主の腕なら店を継ぐのに十分じゃ。どうじゃ?」
「すいません、まだ将来のことを考えることはできないので保留にしてください」
俺がそういうと、飛鳥は残念そうに、かつ姉たちは安心したかのように胸をなでおろした。まあ、俺しぬかもしれないからな。
「じゃあ、俺はそろそろ帰ります」
俺はお土産に寿司を買い、帰る用意を終え、立った。
「飛鳥、ちょっといいか?」
「何、イッセー君……っ!」
俺は俺のほうを見た飛鳥の頬にキスをした。飛鳥はおどろいて目を見開いた。
「この前の仕返しってことで。じゃあ、さようなら」
そう言って、俺は店を出たすると、その直後、
「きゅ~」
「きゃー!飛鳥さん!」
何か悲鳴みたいなのが聞こえた。
……俺はイッセーじゃない。一閃だ!
「一閃、忍びの道を究めるため舞い踊る!」
俺は忍転身をして学校に帰った。
このとき、一匹の黒ネコが俺のことを見ていることに俺は気がつかなかった。
半蔵SiDE
「飛鳥! 目を覚ませ!」
「うえ~ん、飛鳥ちゃん!」
「AEDを持ってきました!」
「ナイス、斑鳩!」
今、飛鳥はイッセーに頬にキスをされ危険な状態になっておる。こんなことでこうなるとは……どんなけ初心なんじゃろうな。
「イッセー、何があっても死ぬでないぞ。飛鳥たちを悲しませないでくれ」
今回は半蔵様との対談でした。半蔵様に相談して吹っ切れたイッセー。彼はこれからどうするのでしょうか。
次回は雲雀が蛇女に転入!? 蛇女編、クライマックスに近づいてきています。