雲雀SIDE
雲雀は今、蛇女子学園にいる。雲雀のせいで超秘伝忍法書を奪われてしまった。雲雀は超秘伝忍法書を取り返しに来た。でも、もう一つ、理由があるの。
「……で、何で貴様がここにいる」
……目の前には仮面を付けた不機嫌そうにしている一閃さんがいる。
侵入しようとしたら春花さんに見つかって、春花さんから連絡を受けた一閃さんがやってきた。
雲雀のもう一つの目的は一閃さんのことを知ること。一閃さんは雲雀たちに似ていると思ったからだ。
「そんなこと言わないでよ一閃。雲雀にはそれなりの考えがあったんだから」
「ふん、雲雀、お前は早く立ち去れ。貴様には無理だ」
「はあー。とりあえず、一閃あなたが雲雀の訓練を付けてあげて。あなたが指導したら雲雀はもっと強くなるわ」
「……知るか」
そういって一閃さんは部屋を出て行った。雲雀は慌てて追いかける。
……訓練が終わっての放課後。雲雀は選抜メンバーと閃鬼隊メンバーと総司ちゃん達補欠メンバーとお風呂に入っています。
「つ、疲れた~」
「……まあ、一閃相手だからな。軽く同情する」
あの後、一閃さんの厳しい訓練を受けた。最後に「こんな事で音を上げるなら今すぐ忍をやめろ」と言われてしまった。
「……師匠のしごきはきつすぎるからな。あそこまでついて行けたのは上出来だ」
そういって励ます総司ちゃん。
「あの……みなさんはもしかして一閃さんのことが好きなんですか」
「「「「ぶふっ!」」」」
雲雀の一言に吹き出すみんな。……一日見てて分かったけど、みんな一閃さんのことが好きだ。
「ま、まあな……」
みんなを代表して肯定する焔さん。
「みなさんは、一閃さんの素顔を見たことがあるんですか?」
「ああ、普段は仮面を外してるからな」
「……じゃあ、何で今も仮面を付けているんだろう?」
「……それはお前が半蔵の生徒だからだろ」
「えっ? でも、雲雀は今は蛇女の……」
「今はな。だけど、もしかしたら半蔵学院に戻るかも……いや、あいつのことだからお前を半蔵学院に帰そうとするさ。それであいつは正体がばれるのが嫌なんじゃないか?」
そ、そんなことを考えてるんだ。
「でも雲雀は一閃さんのことを知りたいな……」
「……どうしてもあいつの素顔がみたいなら作戦がある」
……雲雀は今、脱衣所のロッカーに隠れている。焔さんに教わった作戦は、一閃さんが風呂に入っている間にロッカーに隠れて出てきたときに素顔を見るという作戦だ。
「ふう、いい湯だったな」
風呂場のドアが開くと、どこかで聞いたことのある声が聞こえた。
「……流石に厳しすぎたかな? でも雲雀がいるとあいつが悲しむからな……うん?」
雲雀の気配に気がついたのか、一閃さんが近づいてきた。
「……春花さん、いい加減覗くのはやめ……雲雀?」
ドアが開いてそこにいたのは浴衣を着たイッセーさんだった。
「えっ? い、イッセーさんが何でここに? も、もしかしてイッセーさんが?」
「ああ、そうだよ……俺は兵藤一閃。蛇女子学園最強の悪忍だ」
「っ!」
雲雀は驚いた。まさかイッセーさんが……。
「な、何でイッセーさんが悪忍に?」
「何で? そんなの決まってるだろ忍びになるためだ。お前達と違って俺は忍びの家系じゃないからな」
くくくっと笑うイッセーさん。
「それにしても驚いたよ。任務で浅草に行ったらばったりとお前達に会ったんだから。演技するのは疲れたぜ」
「え、演技?」
「ああ、そうだよ。今までお前達と接していた兵藤一誠は俺が演じたキャラだ。つまり、俺はお前達をだましていたんだ」
「嘘です! あの時のイッセーさんは演じてるキャラじゃないよ。あれが本当のイッセーさんだよ! 誰にでも優しく接して笑顔がとてもすてきな……っ!」
雲雀がそう言うと、イッセーさんは拳を壁にたたきつけた。そこは穴が開いていた。
「……次は本気で当てる。もう一度言う。俺は一閃だ。お前の知る兵藤一誠なんて最初からいねえんだよ。兵藤一誠は五年前に死んだんだ」
「そんなことない! イッセーさんの笑顔は……」
「いい加減にしろ! お前の勝手なイメージを押しつけるな! 今の俺が本物の俺なんだ!」
「……だってイッセーさんの目は変わらないもの」
「何?」
今なら分かる。この人の事が気になったのはイッセーさんじゃないかとうすうす気づいてたからだ。
仮面を付けていてもイッセーさんの目は……仲間を見守り、大事に見てる目は変わらなかった。
「イッセーさんは優しい人なんだよ。今日の訓練だってみんながけがしないように見守っていたし……」
「そ、それは……」
「イッセーさんは悪忍でもイッセーさんなんだよ」
「はあ……お前には叶わないな」
苦笑いしてイッセーさんは座り込んだ。
「あの、何で素顔を隠していたんですか?」
「……飛鳥に知られたくなかったんだよ。あいつの前では一誠としていたかったから」
「そうなんですか……」
「あと、こんな形で夢を叶えた俺を見て欲しくなかった。まあ、これでも分かりやすいようにしたんだけど」
「えっ?」
雲雀は何だか分からなかった。
「一閃ってコードネームは半蔵様に付けてもらったんだ。飛鳥もその時いたはずなんだけどな」
「そ、そうなんですか……」
「ああ……あと、このことは飛鳥には内緒で頼む」
「は、はい……」
……やっと、一閃さんのことを知ることが出来た。
だけど、このとき雲雀はあんな事が起きるなんて知らなかった。
ついにばれた一閃の正体これからどうなるんでしょうか?
次回は一閃が一日をどのように過ごしているのかを書きます。