忍になりしイッセー   作:汰灘 勇一

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第二十四話「科学者とМが恋した笑顔」

春花SIDE

 

「……これが雲雀がイッセーさんを好きになった時の話です」

 

 今日は一閃を好きになった選抜、選抜候補、閃鬼隊のメンバーたちで一閃を好きになった動機を話している。

 

「ううっ恥ずかしかったよう」

 

「さて……次は春花か」

 

「や、やっぱり?」

 

「当たり前だろ、私や日影も話したんだから」

 

 はあ、仕方ないわね。

 

 ふと、息吹のほうを見ると、こそこそと抜け出そうとしている。

 

「待ちなさい」

 

「きゃふっ!」

 

 私は息吹の尻を踏んで動きを止めた。

 

「は、春花さま……」

 

 息吹は恍惚とした表情を浮かべている。

 

「逃げちゃだめよ。あなたもあの時一閃に落とされたんだから」

 

「はううう……」

 

「春花、どういうことだ?」

 

 焔ちゃんは首をかしげていた。

 

「そうね……私と息吹はある仕事を一閃といって好きになっちゃったのよ」

 

 話は数か月前にさかのぼる。

 

 

「ええと、俺が春花さんの付き添いですか?」

 

「ええ、道元さまに頼まれてね。できれば何かあった時にいてほしいのよ。仕事のほうは私と息吹でこなせるから」

 

 風紀委員の部屋で話をしている私と一閃。

 

「……大抵のことなら春花さんだけで十分だと思いますが」

 

「念のためよ。どうせ暇でしょ?」

 

「……分かりました」

 

 最初は渋っていた一閃は何とか了承してくれた。

 

 そして、翌日、私と息吹と一閃はクグツを何体か連れてある場所に行った。

 

 仕事の内容はここにある巻物を回収すること。内容はものすごく簡単だけど……その巻物は曰くつきなものらしい。

 

 それはどうでもいいかしら。

 

 私と一閃は何もせず、息吹とくぐつに巻物を探させる。

 

「……俺は何もやらなくていいんですか?」

 

「ええ、今日は息吹に経験を積ませようと思っただけだから」

 

「そうですか……以外に後輩のこと考えてるんですね」

 

「あら、それは心外ね。私はいっつもみんなのことを考えてるわ」

 

 私がそういうと、一閃は苦笑いして「そうですね」といった。蛇女のみんなは家族みたいな存在だから……。

 

「春花さま! 見つけました!」

 

 すると、息吹が赤い巻物を掲げて叫んだ。

 

「でかしたわよ息吹。帰ったらいじめてあ・げ・る」

 

「ほ、本当ですか!?」

 

 私がそういうと、嬉しそうな顔をする息吹。

 

「息吹ってドМなのか……うん?」

 

 息吹の持っている巻物が光りだし、赤い光が息吹とクグツを包みだした。

 

「キャアアアアアアッ!」

 

 光に包まれて息吹は眼の光を失い、暴れだした。

 

「ウガアアアアアッ!」

 

「息吹!? どうしたの!?」

 

 息吹は鉄輪を私に振りかざしてきた。

 

「春花さん!」

 

 一閃が私の腕を引いたおかげでよけることができた。

 

「ど、どうなってるの?」

 

「……鈴姉に聞いてたけど、この巻物は未熟なものが手にすると、暴走すると言ってました。止めるには所有者を殺す。もしくは巻物を破壊するしかありません」

 

「そんな……」

 

 私が絶望したそのとき。

 

「は、春花さま……」

 

「い、息吹!? よかった意識があるのね」

 

「……いえ、もう、無理です。もう少しで完全に理性が……私が自我を失う前に私を殺してください……もう、これ以上春花さまを傷つけたくありません……」

 

「そ、そんなの……「ふざけるな!」っ一閃?」

 

 すると、一閃が切れて、叫んだ。

 

「傷つけたくないから殺せだと? 自分の命を軽く見るなよ。まだ、可能性があるかもしれないのに諦めるな! 殺してくれなんて軽軽しく言うな!」

 

「ですが、どうしようも……」

 

「俺が助ける! 絶対に助ける! お前を死なせはしない!」

 

「一閃さん……」

 

 一閃の言葉に涙を流す息吹……かっこいいわ。

 

「一閃、忍びの道を究めるために舞い踊る!」

 

 一閃は忍び転身を行い、青龍を召喚した。

 

「秘伝忍法、青龍浄化!」

 

 青龍は青いエネルギー体となり、息吹の体を包み込むと赤いエネルギーが消えて、息吹は気絶した。

 

地面に倒れそうになったのを一閃が支え、巻物を奪う。

 

「青龍には相手の悪いものを浄化させ、傷を治す力を持つ」

 

 一閃は刀で巻物を破壊した。すると、くぐつも地面へ倒れた。

 

「ふう、これで大丈夫です」

 

 一閃は私を安心させようと、笑顔を見せてくれた。……みんな、この笑顔で惚れちゃったのね。

 

 

 

 

「とまあ、こんなことがあったのよ」

 

「はうはうはう」

 

 私は軽く頬を赤くして、息吹は真っ赤になっていた。

 

「何というか……一閃らしいな」

 

「さてと、次は総司たちね♪」

 

 




今回は春花さんと息吹の恋話。

次回は残りの一年生たちです。
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