春花SIDE
「……これが雲雀がイッセーさんを好きになった時の話です」
今日は一閃を好きになった選抜、選抜候補、閃鬼隊のメンバーたちで一閃を好きになった動機を話している。
「ううっ恥ずかしかったよう」
「さて……次は春花か」
「や、やっぱり?」
「当たり前だろ、私や日影も話したんだから」
はあ、仕方ないわね。
ふと、息吹のほうを見ると、こそこそと抜け出そうとしている。
「待ちなさい」
「きゃふっ!」
私は息吹の尻を踏んで動きを止めた。
「は、春花さま……」
息吹は恍惚とした表情を浮かべている。
「逃げちゃだめよ。あなたもあの時一閃に落とされたんだから」
「はううう……」
「春花、どういうことだ?」
焔ちゃんは首をかしげていた。
「そうね……私と息吹はある仕事を一閃といって好きになっちゃったのよ」
話は数か月前にさかのぼる。
「ええと、俺が春花さんの付き添いですか?」
「ええ、道元さまに頼まれてね。できれば何かあった時にいてほしいのよ。仕事のほうは私と息吹でこなせるから」
風紀委員の部屋で話をしている私と一閃。
「……大抵のことなら春花さんだけで十分だと思いますが」
「念のためよ。どうせ暇でしょ?」
「……分かりました」
最初は渋っていた一閃は何とか了承してくれた。
そして、翌日、私と息吹と一閃はクグツを何体か連れてある場所に行った。
仕事の内容はここにある巻物を回収すること。内容はものすごく簡単だけど……その巻物は曰くつきなものらしい。
それはどうでもいいかしら。
私と一閃は何もせず、息吹とくぐつに巻物を探させる。
「……俺は何もやらなくていいんですか?」
「ええ、今日は息吹に経験を積ませようと思っただけだから」
「そうですか……以外に後輩のこと考えてるんですね」
「あら、それは心外ね。私はいっつもみんなのことを考えてるわ」
私がそういうと、一閃は苦笑いして「そうですね」といった。蛇女のみんなは家族みたいな存在だから……。
「春花さま! 見つけました!」
すると、息吹が赤い巻物を掲げて叫んだ。
「でかしたわよ息吹。帰ったらいじめてあ・げ・る」
「ほ、本当ですか!?」
私がそういうと、嬉しそうな顔をする息吹。
「息吹ってドМなのか……うん?」
息吹の持っている巻物が光りだし、赤い光が息吹とクグツを包みだした。
「キャアアアアアアッ!」
光に包まれて息吹は眼の光を失い、暴れだした。
「ウガアアアアアッ!」
「息吹!? どうしたの!?」
息吹は鉄輪を私に振りかざしてきた。
「春花さん!」
一閃が私の腕を引いたおかげでよけることができた。
「ど、どうなってるの?」
「……鈴姉に聞いてたけど、この巻物は未熟なものが手にすると、暴走すると言ってました。止めるには所有者を殺す。もしくは巻物を破壊するしかありません」
「そんな……」
私が絶望したそのとき。
「は、春花さま……」
「い、息吹!? よかった意識があるのね」
「……いえ、もう、無理です。もう少しで完全に理性が……私が自我を失う前に私を殺してください……もう、これ以上春花さまを傷つけたくありません……」
「そ、そんなの……「ふざけるな!」っ一閃?」
すると、一閃が切れて、叫んだ。
「傷つけたくないから殺せだと? 自分の命を軽く見るなよ。まだ、可能性があるかもしれないのに諦めるな! 殺してくれなんて軽軽しく言うな!」
「ですが、どうしようも……」
「俺が助ける! 絶対に助ける! お前を死なせはしない!」
「一閃さん……」
一閃の言葉に涙を流す息吹……かっこいいわ。
「一閃、忍びの道を究めるために舞い踊る!」
一閃は忍び転身を行い、青龍を召喚した。
「秘伝忍法、青龍浄化!」
青龍は青いエネルギー体となり、息吹の体を包み込むと赤いエネルギーが消えて、息吹は気絶した。
地面に倒れそうになったのを一閃が支え、巻物を奪う。
「青龍には相手の悪いものを浄化させ、傷を治す力を持つ」
一閃は刀で巻物を破壊した。すると、くぐつも地面へ倒れた。
「ふう、これで大丈夫です」
一閃は私を安心させようと、笑顔を見せてくれた。……みんな、この笑顔で惚れちゃったのね。
「とまあ、こんなことがあったのよ」
「はうはうはう」
私は軽く頬を赤くして、息吹は真っ赤になっていた。
「何というか……一閃らしいな」
「さてと、次は総司たちね♪」
今回は春花さんと息吹の恋話。
次回は残りの一年生たちです。