飛鳥SIDE
「待ってよイッセー君!」
私は暗闇の中、イッセー君を追いかけていた。追いかけても追いかけてもイッセー君には追いつかない。
だけど、イッセー君が止まってやっと追いついた。
「もう、何で待ってくれないのよ……っ!」
すると、急にイッセー君が抱きしめてきた。
「い、イッセー君?」
「悪い飛鳥。辛い役割押しつけて。だけど、お前のおかげで心は置いていける」
そういうと、イッセー君は私に寄りかかった。えっ?ええええっ!?
少し、驚いたけど他にも驚くことがあった。
私の手に生ぬるい感触が……。
手を見てみると私の手は血に濡れていた。
イッセー君の胸からは血が流れていた。
「キャアアッ! イッセー君! しっかりして!」
私はイッセー君の体を揺すった。
そこで私は気がついた。イッセー君の胸には私が普段所持している脇差しが刺さっていた。
「え、ええっ? な、何で? わ、私が殺したの?」
『そうだ。お前が殺した』
『お前が殺した』
『お前が殺した』
私の頭の中にそんな声が響く。そ、そんな……私が……。
「い、イヤアアアアッ!」
そこで私は目を覚ました。ゆ、夢だったんだ……。
「な、何でこんな夢を見ちゃったんだろ?」
「……どうしたんだよ飛鳥、元気ねえぞ」
「うん、ちょっと色々あって……」
かつ姉に言われて私は朝の夢を思い出す。……本当にどうしたんだろう私。
「そういえば、霧夜先生は?」
学校に来てみると、先生はいなくて今日の授業は自習になっていた。
「さあ? 何か緊急な用があったのでは?」
「そうですか……うん?」
私はちゃぶ台の上に手紙が置いてあるのに気がついた。中身は……
「っ!」
私は中身を見て驚いた。その中身は……。
「どうしたんですか飛鳥さん?」
「い、いえ、何でもありません!」
斑鳩さんが怪訝そうに聞いてくるが何とかごまかした。
どうしよう。本当にイッセー君が……。
霧夜SiDE
俺はある人物を人気のない所に呼び出した。……やつは来るのか?
「飛鳥~どこだ?」
……来た。俺は物陰から出た。
「飛鳥はここに来ないぞ」
「……ええと、あなたは?」
「半蔵学院教員の霧夜だ」
「そうですか、あなたがあの……話は飛鳥から聞いています。初めまして」
イッセーは白々しく俺と話すが、俺はやつの正体に気が付いている。
「確かに、お前が兵藤一誠としてなら初めましてだな。……一閃」
「っ! どういうことでしょうか?」
一瞬驚き、誤魔化そうとする一閃。
「とぼけるな。すでに証拠の写真を大道寺に取って貰っている」
「……仕方ないですね」
「……認めるのか?」
「ええ、俺が一閃です。霧夜先生、あなたに会わせたい人がいるんです」
「会わせたい人?」
俺に会わせたい人? いったい誰だ?
「そうですよね鈴姉……いや、凛姉」
「ええ」
「っ!」
聞き覚えのある声が聞こえ、振り返ると、そこには数年前死んだ俺の教え子、凛がいた。
「凛!?」
「一閃、ここは私に任せてあなたは行きなさい」
「分かった」
「っ! 待て!」
「忍結界!」
俺が驚いていると、一閃が逃げ出そうとして捕まえようとしたが、凛が忍結界を発動して俺を阻んだ。
「何でだ! 凛! 何でお前が悪忍に……」
「それについてはあとで……霧夜先生、あなたの力を借りたいんです」
「何?」
俺は凛の言葉に困惑した。どういうことだ?
「実は……」
「何!?」
俺は凛の話を聞いて驚いた。そんな計画が計画されているのか……。
飛鳥SIDE
私はみんなにばれないように一人、学校から抜け出し、手紙に指定された場所に向かおうとした。早く行かないとイッセー君が……。
「よう、飛鳥」
「一人でどこに行くのですか?」
「っ! かつ姉、斑鳩さん、柳生ちゃん……」
抜け出した私に気がついたのか、かつ姉たちが私の前に現れた。
「どうしたんだよ飛鳥、何かあったんだったら相談しろよ」
「かつ姉、実は……」
私はあの手紙を見せた。その手紙には『町はずれの廃工場に来い。来なければ兵藤一誠の命はない』と血で書かれていて、縛られたイッセー君の写真が付いていた。
「っ!これは!」
「……私が行かないとイッセー君が……イッセー君が!」
「落ち着け、飛鳥!」
取り乱しそうになった私を、柳生ちゃんが止めてくれた。
「状況は分かった。飛鳥、アタイたちも行くぜ!」
「えっ?」
「この手紙には一人で来いとは書かれていない」
確かにそうだけど……。
「飛鳥、アタイはイッセーを助けたいんだ。アタイはイッセーに助けられた。だから、今度はアタイがイッセーを助けるんだ」
「かつ姉」
「オレもだ。オレもイッセーを助けたい。それにもう、これ以上大事な人を無くしたくない」
「柳生ちゃん」
「私もです。困ったとき、助け合うのが仲間ですから」
「斑鳩さん……ありがとう、みんな」
私たちは心を一つにして廃工場に向かう。
廃工場に付くと入り口によく似た二人の女の子がいた。
「飛鳥さんですか私は一閃閃鬼隊の皐月です」
「水無月です。我らの主、一閃様が奥でお待ちです。ですが、余計な方がいらっしゃりますね」
皐月ちゃんと名乗った子は槍を、水無月ちゃんは弓矢を構える。それを見て私たちも構えるが、柳生ちゃんが制した。
「……ここは俺に任せろ。みんなはイッセーを」
「大丈夫か? あいつらは二人だぞ」
「誰に言ってる。オレが負けるはずがない」
「……そうだね。任せたよ柳生ちゃん!」
私たちは柳生ちゃんにここを任せて先に進んだ。誰も追いかけない。私たちが戻ってくるまでがんばって柳生ちゃん!
私たちが走っていると、広い所についた。そこには白い和服を着た女の子と黒い和服を着た女の子がいた。
「ここから先は通さないにゃ」
「あなたはあの時の……」
「今度はアタイ達が相手だ!」
私を庇うように立つかつ姉と斑鳩さん。そんな私たちに白い和服を着た女の子が寄ってきた。
「飛鳥さん、あなたに頼みたいことがあります」
「私に?」
「はい、一閃兄様は死のうとしています」
「えっ?」
女の子が言ってることの意味が分からなかった。
「それは本当なの?」
「はい、あの人を止めることが出来るのはあなただけです」
「……分かった。止めてみる」
私は睨み合っている四人をおいて奥の方へ走った。
「さて、私たちも始めましょう」
斑鳩は黒歌の相手をするらしい。
「アタイの相手は貧乳ッ子か。まあ、いいや、ちゃっちゃっと倒してあいつのおっぱいをもみもみっと……」
ピシッ!
葛城の一言に白音の何かが凍り付いた。
「……ですか」
「えっ?」
「あなたに何が分かるって言うんですか!? 毎日毎日牛乳を飲んだりして大きくしようとしてるのにおっぱいや背がなかなか大きくなりません! あなたみたいな無駄に大きい物をぶら下げているあなたには分かりませんよ!」
「ああ、白音の逆鱗に触れちゃったにゃ」
最深部まで行くと、イスに座っている一閃君がいた。
「よう、飛鳥。やっとここまできたのか」
「一閃君……ねえ、死のうとしてるって本当?」
私がそう言うと、一閃君はため息を付いた。
「白音か……」
「ねえ、教えて。何で死のうとしてるの?」
「……お前には関係ないだろ。それより、オレを倒さないとお前の幼なじみが死ぬぞ」
「っ!」
一閃君に言われて私は刀を構えた。そう私の目的はイッセー君を助けること。
「そうだ。それでいい」
「イッセー君はどこ!」
「知りたければオレを倒せ!」
一閃君に言われて私は駆け出す。勝つんだ! イッセー君を助けるために!
「セヤアアッ!」
私は素早い動きで刀を振るうが、全て止められる。
「へえ、少しは強くなったなだけど、まだだ。そんなんじゃ俺には敵わないぜ」
っ! それなら!
私は鍔迫り合いをしてるなか、命懸けを発動した。
「はああっ!」
「っ!」
私は刀を弾き飛ばし、私の刀は一閃君の顔に向かう。一閃君は顔を逸らして避けるが仮面がふっとんだ。
これで一閃君の素顔が見れる……えっ?
「嘘……」
私は一閃君の素顔を見て驚いた。何故なら……。
「イッセー……君……?」
そう、私の幼なじみのイッセー君だった。
「悪い、飛鳥」
イッセー君はそう言って私の後ろに回り、手刀をたたき込むイッセー君。ここで私の意識を失った。
「はあっ……」
「くっ」
皐月と柳生は片膝を付いていた。水無月は戦わず、正々堂々した戦いをしていた。
「皐月、撤退です」
「分かりました!」
皐月は煙玉を投げて二人は撤退した。
「……分かったにゃ。白音」
「殺す殺す殺す殺す殺す」
「恐い……」
「落ち着くにゃ。帰るにゃ」
「分かりました。葛城さん、次にあったときには容赦しませんから」
そういい、煙幕を使い、二人は逃げた。
「た、助かった。死ぬかと思った」
「葛城さんの自業自得でしょう。それより、飛鳥さんは勝ったのでしょうか?」
その後、柳生と合流して最深部へと向かったがそこには誰もいなかった。
今回は一閃閃鬼隊対半蔵学院を書きました。さて、一閃の正体を知り、姿を消した飛鳥。彼女はどうなるんでしょうか?