忍になりしイッセー   作:汰灘 勇一

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蛇女の章エピローグ 俺達の明日

イッセーSIDE

 

「あれ? ここは……」

 

 気が付くと俺はベッドに寝かされていた。俺は確か道元を倒して……。

 

「ほほっ、目を覚ましたかイッセー」

 

「半蔵様」

 

 ベッドの脇には半蔵様が座っていた。

 

「半蔵様、俺が気絶してから何がありましたか?」

 

「そうじゃの。飛鳥達はおぬしを担いで蛇女子学園から脱出し、急いでこの病院に運んだ」

 

「そうなんですか……あの、飛鳥達はどこに?」

 

 俺は当たりを見渡し、飛鳥達がいないことを半蔵様に聞いた。

 

「飛鳥達も診察してもらい傷の手当てをした。イッセーの薬のお陰で大した傷にはなっていない。今はこの部屋の外でねてるよ」

 

「そうですか……良かった」

 

 俺はホッと胸を撫で下ろす。良かった無事で……。

 

「イッセー、お主はこれからどうする?」

 

 これからどうするかね……。

 

「そうですね。抜け忍になるしかないですね」

 

「そうか……イッセー、お主、半蔵学院の生徒にならんか?」

 

「えっ?」

 

 俺は半蔵様の提案に驚いた。俺が、半蔵学院の生徒に?

 

「半蔵様、それ、どういうことですか?」

 

「言葉通りの意味じゃ。お主ほどの実力で抜け忍にすることはもったいない。それにお主の超秘伝忍法書を狙う者もおるじゃろ。それに子供のお主らを放っておくわけにはいかん」

 

「半蔵様……だけど、俺だけ半蔵学院に、善忍になるわけには……」

 

 俺だけ善忍になるのはダメだ。俺は焔達を巻き込んだ。だから、俺だけが善忍になるのはダメだ。みんなが危険な道を歩もうとしているんだから。

 

「……お主らしい答えじゃの。お主がそう言うと思ったから、すでに蛇女子学園の子達に半蔵学園に入らないか聞いておる。彼女達は……」

 

『一閃が編入するなら私たちも入る』

 

「そう言っていた」

 

「みんな……」

 

「あとは、イッセーお主しだいじゃ」

 

 半蔵様に言われ、俺は目を閉じる。俺は……。

 

「入ります。俺は、半蔵学園の生徒になります」

 

 俺がそう言うと、半蔵様は嬉しそうにそうかそうかと言う。

 

「イッセー君!!」

 

 俺が半蔵様と話していると、飛鳥が大慌てで俺の病室にやってきた。

 

「飛鳥、どうしたんだ?」

 

 俺は飛鳥に首を傾げながら聞く。

 

「イッセー君!!」

 

 すると、飛鳥は俺に抱きついてきた。

 

「グオオオオオッ!」

 

 飛鳥に抱きつかれ、体中から痛みが生じる。俺はたまらず叫んでしまう。

 

「あっ、ごめん!」

 

 俺が痛みで顔をゆがめていると、それに気が付いた飛鳥が慌てて離れる。

 

「い、いや。大丈夫だから」

 

「そ、そう……」

 

「そういえば、斑鳩さんたちは?」

 

「うん、部屋の外の仮眠室で寝てるよ」

 

 そうなんだ……後で、斑鳩さんたちに謝っておかないとな。

 

 俺がそんなことを考えていると、飛鳥が俺を優しく抱きしめてきた。

 

「飛鳥?」

 

「良かった。また、イッセー君と話せる。イッセー君が死んだとき、すごい悲しかったんだよ? もう、イッセー君と居られなくなるって思ったんだからね?」

 

 ……そうだったな。俺はそれで飛鳥を、焔をみんなを悲しませてしまった。みんなの笑顔を守ろうと思っていたのに、みんなを悲しませてしまったんだ。

 

「ごめんな飛鳥……悲しませてしまって」

 

「……そう言うなら、もうあんな無茶なことしないで……」

 

「ああ、もう無茶なことはしないよ」

 

 俺は飛鳥を抱きしめた。もう、悲しませちゃダメだ。俺の大切な人達の涙を見るのはこれで最後にしないと。

 

「ね、ねえイッセー君……」

 

 飛鳥は顔を紅くして何か聞こうとしている。

 

「何だ、飛鳥?」

 

「道元との戦いの時にイッセー君が言ってたことなんだけど……」

 

「?」

 

 あれ? 道元との戦いの時、何か俺は変なこと言ってたっけ?

 

『……ごめんな、でも、俺は今、幸せだよ。大好きな人たちを守れて死ぬことが』

 

『飛鳥……焔……そんな顔するなよ。俺まで悲しくなるだろ? お願いだから、笑ってくれ。俺はみんなの笑顔を見るのが大好きだ』

 

『飛鳥、焔、最後に言わせてくれ、……俺は飛鳥達のことが大好きだったよ……』

 

 しまったああああっ! 死ぬかと思って告白まがいのことを喋ってしまった!!

 

 あの時はもう最後だから言っちゃったけど、今になっては恥ずかしい!

 

「イッセー君……」

 

 飛鳥は身を乗り出し、俺に顔を近づけた。キスをしてしまうのではないかと思うほど、顔が近い。

 

「飛鳥……」

 

 俺は緊張して身動きが出来なかった。どうしようこの状況……。

 

「一閃!! 目を覚ましたの……か……」

 

 すると、タイミング悪く、焔がドアを突き破って部屋に入ってきた。

 

「どうしたのですか、焔ちゃん……」

 

「……これは」

 

「何してるの一閃」

 

「ふふふっ、お話し聞かせてくれるかしら?」

 

 焔に続き、詠たち蛇女メンバーが部屋に入ってくる。

 

「飛鳥、ずるいぞ!」

 

「そうですよ! 一人だけ、イッセーさんといちゃつくなんて」

 

「……イッセーは渡さない」

 

「ひばりも~」

 

 すると、かつ姉たちも部屋に入ってきた。やばい、どんどんカオスになりそう……。

 

「もう! みんな私とイッセー君の仲を邪魔しないで!!」

 

「ふざけるな! 一閃は私のだ!」

 

「おいおい、アタイ達を忘れるなよ?」

 

「私もイッセーさんのことが好きです!!」

 

 みんな、武器を抜いて険悪な雰囲気に……。

 

「ちょっと待てみんな! 落ち着け、ここは病し……」

 

「超秘伝忍法! 紅!」

 

「秘伝忍法!ヴァルキューレ!!」

 

「秘伝忍法!ニブルヘルム!」

 

「秘伝忍法!ぶっさし!」

 

「秘伝忍法! デスキス!」

 

「超秘伝忍法! 半蔵流乱れ咲き!」

 

「秘伝忍法!トルネードシュピンデル!」

 

「秘伝忍法!凰火炎閃!」

 

「秘伝忍法!薙払う足!」

 

「秘伝忍法、忍兎でgo!」

 

「ギャアアアアアアアアッ!?」

 

 忍び学生十人分の秘伝忍法(内二人は超秘伝忍法)が炸裂して病室は大爆発した。この爆発で俺は夏休み中入院する怪我を負った。

 

 いつの間にか、半蔵様は逃げていた。これから、俺らはどうなるんだろうな?




今回は蛇女編のエピローグを書きました。無理矢理ですが、イッセー達蛇女子メンバーが半蔵学院に入ることになりました。

次回からは日常話を書きます。雪泉たち月閃メンバーと出会ったり、デートに行ったり、海で合宿をしたり等々予定しています。

次回は半蔵のニューウェーブキャラが登場します。
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