病院から退院して数日後、俺は半蔵学院の寮で寝ていたのだが……。
「えへへへ、イッセー君……」
「一閃……」
俺の左右に飛鳥、焔が抱きついて身動きがとれない。さらに二人が抱きついてるせいで、二人の柔らかい胸が俺の腕に当たっている!!
(ああ、俺はどうしたらいいんだ!)
悩む俺に三つの選択肢が現れる。
1,二人の胸を揉む
2、二人に襲いかかる
3,揉んで良いか悩むも揉む
うおおい、なんだこの選択肢俺が二人に変なことする前提の選択肢は!
どうしたらいいか迷っていると、鼻から鼻血が……。
俺は軽く意識を失いかけた。
「ごめんね、イッセー君」
「……すまない、一閃」
「……気にするな」
あれから、目が覚めた飛鳥と焔に助けて貰い、何とか意識を取り戻した。
まあ、鼻にはティッシュを詰めてるけどな。
「……今度から、自分の部屋に鍵をかけようかな」
俺は小声でそう言ったが、飛鳥達は忍だ。鍵を開けるのはたやすいだろ。
取りあえず、俺達は半蔵学院へ向かう。
「イッセーさん、遅いですわ!」
半蔵学院に着くと、すでに詠達が教室の前にいた。
「みんな、遅れてごめん」
「じゃあ、イッセー君先に教室に入ってるね」
そう言って、飛鳥は教室に入る。飛鳥達は俺達のことを知ってるから自己紹介は必要ないかなと思ったんだけど、どうやら、他にも忍生徒がいたらしい。
「では、入ってきてくれ」
『はい!』
俺達は霧夜先生に呼ばれ、教室に入る。
教室にはいると、斑鳩さん、かつ姉、飛鳥、柳生ちゃん、雲雀の他に、髪の短い真面目そうな女の子に髪の長いのほほんとした女の子。それに授業中なのに寝ている女の子。
「蛇女子学園からの転校生だ。まずは一閃、自己紹介をしなさい」
「はい。俺の名は一閃。生徒の中で俺だけが男だけど一人前の忍になりたいって思いは誰にも負けないと思ってる。これからよろし……」
「セーフっ!」
「ぎゃふっ!?」
俺が自己紹介をしているその時、空いていた窓から入ってきた謎の女子に蹴飛ばされた。蹴飛ばされた俺は女の子の下敷きになり、俺の視界は白に遮られた。
「ふう、間に合った……いたっ!」
「アウトだ。もう授業が始まっている」
「えっ? そうなんですか?」
「ふがふががふがふが!(いいから早く下りてくれ!)」
俺を無視して、話をする二人。
「あっ、すいません。下に人がいると思わなくて」
俺が言って気が付いたのか、やっとどいてくれた。ふ~やれやれ……っ!
殺気を感じ、振り返ると黒いオーラを纏った飛鳥達が。
「イッセー君、これはどういう事かな?」
「少し、頭を冷やそうか」
「お仕置きが必要ね」
「ちょっと待て! 俺、どちらかというと被害ギャアアアアぁぁぁぁっ!」
理不尽なお仕置きを受けた俺の悲鳴が響いた。
「……うちの風魔がすいません。私は土方と言います」
お仕置きを受けて俺が復活し、俺達の自己紹介が終わり、半蔵学院側の俺達の知らない生徒の自己紹介に。まずは、真面目そうな女の子からだった。
「私は風魔と言います! 飛鳥さんから、一閃さんのことはとても強くてかっこいい人だって聞いてました」
「ふ、風魔ちゃん!」
続いて、さっき俺を蹴り飛ばした女の子。うん? 風魔?
「風魔ってもしかして、風魔小太郎の子孫?」
「はい! 将来は風魔の名を汚さない立派な忍になるのが目標です!」
成る程な。飛鳥と言い、この子と言い有名な血筋の忍学生が多いな。
「菖蒲と言います。一閃さま、あの時はありがとうございました~」
今度はのほほんとした女の子が自己紹介してきた。あの時? 俺、この子と会ったことあったっけ?
「ええと、俺、君に会ったことあるのか?」
「はい! 春先ぐらいに不良に絡まれている私を一閃さまが助けてくれました~」
春先……不良……半蔵学院の生徒……あっ! あの子か。
飛鳥と再会する数週間前、町で不良に絡まれている女の子を助けたっけ。菖蒲はのほほんとしていて、どこをどう見ても忍びに見えなかったから助けたんだよな。まさか、忍学生だったとは。
「……忍学生とは思わなかったよ」
「これからよろしくお願いします~」
「……最後は私……清明です……」
最後に自己紹介をした清明は立ち上がり、ふらふらと俺に近づくと、俺の膝を枕にして眠った。
「「「っ!!」」」
「すごい……落ち着く……気持ちいい……ク~……」
「あ、あの~霧夜先生、これどうしたらいいですか?」
「……すまない、無視してくれ」
「は、はあ……」
霧夜先生に言われるがまま、清明を膝枕したまま授業を受けることにした。……飛鳥達の視線が痛いです。
色々あって午後の授業になる。午後は実戦訓練をすることになった。
「一閃、お前に風魔達、それに総司達の模擬戦相手をしてくれ。俺は総司達の実力をみたい」
「分かりました。相手をしましょう」
俺は愛刀を構える。
「あれ? 一閃さん、忍転身しないんですか?」
「ああ、取りあえず本気出さなくても良いかなって」
「「「「むっ……」」」」
「「「「「ほっ……」」」」」
俺が手加減することが不満そうな顔をしている風魔達半蔵メンバー。逆に安心そうにする総司達。
「良かった……」
「本気の教官と戦うのは無謀ですから」
「まずは、作戦をき……」
「先手必勝!!」
安心している総司達は相談して作戦と決めようとしたが、風魔は忍転身して突っ込んできた。風魔は鎖付き手裏剣を投げてきたが、俺は鎖を切り落とし、手裏剣を弾いた。そして、風魔に手刀をたたき込む。
「ぎゃふっ!?」
「まずは一人目」
「風魔さん!?」
「ええい! 考え無しに突っ込むからだ!!」
風魔が倒れ、驚く土方。
「さて、次は誰が相手だ?」
「こうなったら、一気に! 行きますよ、菖蒲さん、清明さん!」
「はいです!」
「早く終わらせて……また寝る……」
土方が叫ぶと同時に、三人は忍転身して武器を構える。
「はあっ!」
「ぐっ!」
土方は自分の武器である巨大ハンマーを地面に叩きつけて、振動を起こす。
さらに清明のロケットランチャーからの爆撃を受ける。
「秘伝忍法! ピンクトルネード!」
最後に、菖蒲の秘伝忍法を発動した。ピンク色の竜巻を纏い、蹴りを放つ。
「成る程。いい蹴りだ。だけど、そんな蹴りじゃ俺は倒せないぜ」
俺は菖蒲の足を掴んで投げ飛ばす。
「きゃあっ!」
「じゃあ、ちょっとだけ眠ってな」
「「きゃああっ!」」
「ぐ~」
俺は素早く、土方と菖蒲を気絶させる。清明は、戦うことを放棄して本当に眠っている。
「さて、後は……」
殺気を感じ、迫り来る鎌を弾く。それと同時に、刀を持つ腕を鎖で動きを封じられる。さらに、芭蕉が刀を忍ばせた大筆で斬りかかる。俺は鞘でその攻撃を受け止める。
「総司、芭蕉、いいコンビネーションだな」
「こんなやり方は好きではないんだが、師匠を倒すにはこの方法しかないからな」
「それに、まだ終わりではありません」
二人がそう言ったのを聞いて上の方から、大型の火縄銃を構えた千歳、大型M字鋏を振りかざし落下してくる息吹。巨大鉄輪を投げる芦屋。
……こいつらも強くなったな。
俺は鞘を跳ね上げ、大筆を払い、鞘で突きを放つ。芭蕉はあっさりと避けるが、その隙に俺は鞘と刀を入れ替える。刀で鎖を切り落とし、刀を振るい、上の千歳達に向け突風を起こす。
千歳達は回避して、地面に着地する。
「総司、芭蕉、千歳、息吹、芦屋、強くなったな」
「「「「「は、はい!(教官(師匠)に褒められた!!)」」」」」
俺は素直に総司達を褒めた。総司達は嬉しそうな顔をする。さてと、本気をそろそろ出すか。
「そろそろ本気で行くぜ。忍……」
「そこまで。時間切れだ」
俺が忍転身しようとしたその時、霧夜先生が遮る。もう終わりか……。
「やっぱ、イッセー君は強いな~」
「あたい達も負けていられないな」
「ひばり、頑張らないと」
「流石、一閃だな」
飛鳥や焔達は俺のことを賞賛している。俺は風魔や土方、菖蒲が立てる手助けをする。
「大丈夫か?」
「はい、ありがとうございます!」
「今日は良い勉強になりました。ありがとうございます」
「これからも指導をよろしくお願いします」
「グ~」
立ち上がった風魔達に礼を言われる。まあ、清明だけ眠ってるけど。
「あの、一閃さん」
すると、風魔が俺に話しかけてきた。
「どうした風魔?」
「私を一閃さんの弟子にしてください!」
「えっ?」
俺は突然の申し出に驚いた。
「私は落ちこぼれの忍びです。だけど、強くなりたいんです。一閃さんに鍛えて貰ったらもっと強くなると思うんです。だから、私を弟子にしてください!」
「俺で良いなら良いぜ」
「やったー! 先輩の一番弟子だ!」
喜ぶ風魔。あれ? 俺の呼び名が変わった?
「ちょっと待て! 師匠の一番弟子は私だ!!」
総司が俺と風魔の間に入る。
「貴様のような後先考えずに突っ込むお前を師匠の弟子とは認めん!」
「ふふ、なら戦って認めさせます」
「いいだろう! 貴様など、すぐに片づけてやる!」
二人は武器を取りだし、戦いを始めようとしている。
「やめんかこのバカども!!」
「「ぎゃふっ!」」
俺は二人にげんこつをお見舞いして沈める。まったく、どうして俺の周りの女子は戦いで物事を解決しようとする奴が多いんだ。
そんなかんなで俺の半蔵学院転入一日目は終わった。
今回は一閃達が半蔵学院に転入する話を書きました。ただ、白音たちの出番がものすごく少なかったです。
次回は一閃と焔のデートを予定しています。あと2,3話で雪泉が出るかもしれません。
お知らせで。二月二十八日に更新する兵藤一誠に憑依して死神になりましたの一周年記念小説に忍になりしイッセーの一閃がゲスト出演します。
なにげに来月でこの小説を書いて一年経ちます。