忍になりしイッセー   作:汰灘 勇一

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第三十六話「死塾月閃女学館での出来事」

 どうも、兵藤一誠です。雪泉さんからのお誘いで死塾月閃女学館にやってきたのだが、妖魔が現れたりと色々なことが起きて、夜になってしまったので雪泉さん達のご厚意で泊まらせて貰う事になった。

 

 そのことを白音に伝えたら『・・・・・・後で詳しいことを聞かせてください』と殺気を込めた声で言われてしまった。・・・・・・帰ったらどんな目に遭うんだろう俺。

 

 

 取りあえず、俺は風呂に入ることにした。着替えは雪泉さんのお父さんが使っていたという浴衣を借りることになりました。

 

「良い湯だったな~」

 

 風呂から出た俺は何もすることなくぶらぶらしている。

 

 今日は普段よりゆっくり入れた。普段は総司に襲撃されたり、春花さんや黒歌がのぞきに来るからゆっくり入れないんだよな。

 

「さてと、何をしようかな・・・・・・うん?」

 

 台所の前を通りかかると、大量のピーマンを用意している夜桜さんを見かけた。

 

「どうしたんですか、夜桜さん」

 

「うん? イッセーか。いや、ピーマンが苦手な美野里にピーマンを使った料理を食べさせようとしてるのじゃ」

 

「美野里ちゃん、ピーマン苦手なんだ。子供らしいと言うか・・・・・・」

 

 俺は見た目通り、子供っぽい美野里ちゃんの苦手な物に苦笑いする。

 

「俺の所にもピーマン苦手な子がいるんですよね」

 

「そうなのか。お主はどうやって食べさせる?」

 

「そうですね・・・・・・好きな物に混ぜたり、食べた後にデザートやご褒美をあげますね」

 

「そうじゃろ。それが一番じゃ今日はハンバーグにいれるのじゃ」

 

「成る程」

 

 言われてみると、ピーマンの他にタマネギとにんじん、卵にパン粉、挽肉が見える。

 

「夜桜さん、何か手伝えることありますか?」

 

「じゃあ、にんじんを切ってくれんかの?」

 

「分かりました」

 

 俺は手をよく洗い、にんじんの皮をむいていき、みじん切りにしていく。

 

「イッセーはよく料理をするのか?」

 

「ええ、気分転換で始めたら料理をするのが好きになってそれで上達しました」

 

「成る程・・・・・・」

 

 夜桜さんと俺は手を止めずに話しをする。

 

「夜桜さんは何で料理がうまいんですか」

 

「・・・・・・両親が忍びで家にいることが少なくてワシを除いだ十一人の弟妹がいて面倒を見てたから、ある程度の家事は出来る」

 

「十一人も弟妹がいたんですか!?」

 

 俺は夜桜さんの兄弟の多さに驚いた。お○松くん以上の多さだな・・・・・・。

 

「今はみんな離ればなれになってしまったが」

 

「えっ?」

 

「両親は任務で死に、当時九歳のわしは弟妹全員を育てようとしたのですが、親戚は冗談と思って取り合ってくれませんでした。みんな親戚に引き取られてばらばらになりました。わしも親戚に引き取られかるはずじゃったのだが、脱走して黒影様に拾われたのじゃ」

 

「そうだったんですか・・・・・・すみません。イヤなことを思い出させてしまって」

 

 俺は夜桜さんに頭を下げて謝る。

 

 両親が死に、残った家族とも離ればなれになることはとてもつらいことだ。そんなつらいことを思い出させてしまったのか・・・・・・

 

「いや、気にすることではない。今は離ればなれだけど、いつかは会える。ワシはそう思ってる。立派な忍びになったら、又みんなで暮らしたい。それがワシの夢じゃ!」

 

 夜桜さんは笑顔で自分の夢を語ってくれる。

 

 家族みんなで暮らしたい、良い夢だな。

 

 俺にもう家族はいない。だから、俺にはもう叶えられない願い・・・・・・

 

「そ、その・・・・・・変じゃろうか? 一度、ばらばらになった家族が元の一つの家族になるのは所詮無理な夢なのか?」

 

「いえ、そんなこと無いですよ。素敵な夢だと思います」

 

「そ、そうじゃろうか?」

 

「そうですよ。どんなに離れていても、家族の絆は途切れることはありませんよ。それに一人で無理なら俺も夜桜さんの家族を捜すの、手伝いをしますよ」

 

 恥ずかしそうに俺に聞いてくる夜桜さんに俺は笑顔で答えて、自分から手伝うことを提案する。

 

「い、いいのか? 全員どこいるか分からんのだぞ」

 

「大丈夫ですよ。俺、仕事で全国を飛び回るので。それに、俺には忍びの知り合いが全国にたくさんいるので情報も集めやすいですし、大した事もしてないのに借りが出来たから今度返すって言われてるのでちょうど良い機会ですし」

 

 申し訳なさそうに夜桜さんはしているが、特に俺は気にしていないのだが、

 

「それに、夜桜さんみたいな可愛い人の力になれるのは嬉しいですから」

 

「ふ、ふえっ!?」

 

 夜桜さんは突然可愛いと言われて、顔を真っ赤にして慌てる。そして、持っていた野菜を落として、それを踏んづけてしまい、背中から転んでしまいそうになる。

 

「よ、夜桜さん!?」

 

 俺は夜桜さんの腕を掴んで引き寄せようとしたが、逆に俺が引っ張られて俺も倒れてしまった。

 

「痛たた・・・・・・大丈夫ですか夜桜さん?」

 

 俺は床に手をつき、何とか大丈夫だったので、夜桜さんの心配をする。

 

「ふ、ふぇっ・・・・・・」

 

「あれ?」

 

 よくよく見てみると、床に倒れた夜桜さんを俺が迫っているような感じになってしまっている。

 

「ご、ごめん! 今退くから!」

 

 俺は慌てて、夜桜さんの上から退く。

 

 夜桜さんは顔を真っ赤にして無言で立ち上がり、料理の続きをする。

 

 その後は俺が話しかけても何も答えてくれなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 料理を作り終えて、雪泉さん達と食事をすることになったのだが、食事中、夜桜さんは俺に視線を合わせようとしなかった。視線があっても顔を赤くして直ぐにそらしてしまう。

 

 どうしちゃったんだろう夜桜さん。

 

 食事を終えた俺はやることがないため、寝るまでまたぶらぶらと屋敷の中を探索することにした。

 

『叢っち、マジこれだけは勘弁して!』

 

 叢さんの部屋の前を通り過ぎようとしたとき、部屋から四季ちゃんが慌てて出てきた。

 

「どうしたんだ四季ちゃん」

 

「あ、イッセーちん、叢っちの相手よろしく!」

 

 四季ちゃんはそう言い残すと、どこかへ走り去った。

 

 本当にどうしたんだろう。

 

「叢さん、どうかしましたか?」

 

「むっ、一閃か」

 

 取りあえず、叢さんの部屋に入ると、叢さんは紙に何かを書こうとしていた。

 

「実は我は趣味で漫画を書いているのだ」

 

「へえ、すごいですね。どんな漫画ですか?」

 

「終末戦争が終わった世界で主人公がヒャッハーな男達から人々を守りながらヒロインと恋愛する漫画だ」

 

「面白そうですね」

 

 ジャンプで連載されたら面白そうかな。

 

 俺がのんきに言ってるが、叢さんは深刻そうな顔・・・・・・いや、お面してるから分からないけど。

 

「だが、問題が一つある」

 

「どんな、問題ですか?」

 

「経験がないせいか、恋愛シーンが苦手で、どうキスシーンを書けばいいのか分からないのだ」

 

「成る程、それでどうしたいんですか?」

 

 叢さんの悩みを聞く俺は、どうしたいのか聞く。すると、俺は叢さんに肩を掴まれる。

 

「だから、キスさせてくれ」

 

「えっ?」

 

 予想外の事に俺は一瞬思考が停止する。

 

「大丈夫・・・・・・優しくするから・・・・・・」

 

「ちょつ・・・・・・ま」

 

 叢さんは俺の肩を強く掴んでいたため、俺は逃げることが出来なかった、そしてそのまま無理矢理キスされてしまった。

 

 キスされた瞬間、叢さんの仮面が外れて素顔があらわになる。

 

「あ、あわわわわわっ! す、すみません! こんな我がキス何かしてすみません!」

 

「ええと、俺は別に問題はないです。というか、俺みたいなのが叢さんのファーストキスを貰ってしまって申し訳ないです」

 

 仮面が外れておどおどした叢さんになり、キスしたことを謝ってくる。

 

 どちらかというと、叢さんのファーストキスを奪った俺の方が申し訳ない。

 

「い、いえ! そんなことないです! イッセーさんのような漫画の主人公みたいにかっこいい人とキスできるなんて・・・・・・」

 

「いえいえ、俺はそんなに格好良くないですよ」

 

 俺に気を遣って褒めてくれる叢さんに苦笑いして答える。

 

「イッセーさんは自分を過小評価しすぎです・・・・・・」

 

「いや、叢さんにだけは言われたくないです」

 

 叢さんも仮面を外した時は自分のことを卑下している。叢さんも他のみんなと同じくらい強い。いや、スピードに関しては月閃女学館の中では一番速い。

 

 そんな自分のことを卑下しているのはダメだと思う。

 

「い、いえ我はそんな・・・・・・」

 

「そんなことなくないです。とにかく、これからは自分をお互い過小評価するのはやめましょう。こうすれば解決しますよ」

 

「そ、そうですか・・・・・・?」

 

「そうですよ。・・・・・・あれ? 叢さん、仮面外していて大丈夫なんですか?」

 

「ふあっ!? 忘れてました!?」

 

 俺に指摘されて叢さんは仮面がないことにやっと気がついた。

 

 仮面がないこと忘れてたんだ・・・・・・ 

 

「あわわわわわわわわわ・・・・・・」

 

 叢さんはあわあわしだす。

 

「落ち着いてください叢さん。大丈夫です。自信を持ってください」

 

 俺は叢さんの肩に手を乗せて落ち着かせる。

 

「は、はい・・・・・・スーハー、スーハー・・・・・・」

 

 叢さんは深呼吸をする。そして何とか落ち着いた。

 

「何とか落ち着きましたね」

 

「は、はい・・・・・・す」

 

「すいませんは無しです。ほら、笑ってください。俺は叢さんの笑顔が見たいです」

 

 謝ろうとする叢さんの頬に優しく触れて微笑む。

 

 それに釣られて叢さんも微笑む。 

 

「そうそう。キープスマイリングですよ叢さん」

 

 お互いに笑い合う俺と叢さん。やっぱり誰かの笑顔を見るのは幸せになれるな。

 

「・・・・・・イッセーさん」

 

 ・・・・・・急に寒気と殺気が・・・・・・

 

 後ろを振り返ると、目から光を失い、どす黒いオーラを纏った雪泉さんと夜桜さん、頬を染めて視線を合わせそうとしない両備ちゃん。とにかくいじめて貰いたいとドMオーラ全開の両奈ちゃん、この状況を楽しんでいる四季ちゃん。何だか分からないけど、楽しんでいる美野里ちゃんがいた。

 

「ど、どうしたんですか雪泉さん?」

 

「叢さんとキスしたんですよね?」

 

 黒いオーラを纏ったままの雪泉さんに聞いてみると、叢さんとキスをしたことがばれていた。

 

「な、なんのことでしょうか・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

 とぼけようとする俺に対して雪泉さんは無言でスマホを見せてくる。

 

 そこには俺と叢さんがキス写真が・・・・・・って!

 

「い、いつの間に!?」

 

「あうあうあう・・・・・・」

 

 俺は驚き、叢さんは顔を真っ赤にして頭から煙を出して気絶しかけている。

 

「ごめーん、イッセーちん、むらっち。面白そうだからつい撮っちゃった!」

 

 すると、四季ちゃんがウィンクして可愛く舌を出す。

 

 犯人はお前か!

 

 部屋から逃げて俺に叢さんを押しつけたと思ったら残って覗いてたんかい!

 

「え、ええと雪泉さん、叢さんとキスしたのは叢さんが漫画を描く参考にしたいと言うことで、決してやましいことは・・・・・・」

 

「・・・・・・いです」

 

「えっ?」

 

 雪泉さんは小声で何かつぶやくが、聞こえない。

 

「ずるいです! 私だってイッセーさんとキスしたかったです!」

 

「ええっ!?」

 

 予想外の答えに俺は驚く。何で俺なんかとキスしたいんだ?

 

「じゃあ、しちゃえば良いんじゃない雪泉ちん」

 

 四季ちゃんがとんでもない発言をする。

 

「な、何を言って・・・・・・」

 

「そうですね。そうしましょう」

 

「えっ?」

 

 俺が四季ちゃんの発言にあきれているな、雪泉さんは俺に近づき、俺のあごに手を添えて俺の唇にキスをする。

 

「うえっ!?」

 

「んんっ・・・・・・」

 

 キスをされた俺は驚いたが、さらに雪泉さんは舌を入れてきてディープキスをしてくる。

 

「はふう・・・・・・」

 

 数十秒ぐらい、ディープキスを続けると満足したのか雪泉さんは離してくれた。こ、これで終わりか?

 

「雪泉さんだけずるいです! わ、ワシも!」

 

「夜桜さんまで!?」

 

 今度は夜桜さんが俺にキスをしてくる。な、何で夜桜さんも!?

 

 夜桜さんのキスは雪泉さんのようなディープなキスじゃなくて、ただ唇を押しつけるだけだった。夜桜さんも素十秒ぐらいキスをすると顔を赤くして離れていく。

 

「美野里もお兄ちゃんとチューする~」

 

 次は美野里ちゃん。美野里ちゃんのキスは軽く唇同士がふれあうだけだった。何というか、子供のキスって感じかな?

 

「ご主人様、両奈ちゃんにもご褒美ちょうだい!」

 

「か、勘違いしないでよね! み、みんながしてるからついでにしてるだけで、両備がしたい訳じゃないし、あんたのことなんか好きじゃないんだから!」

 

 両奈ちゃんは・・・・・・雪泉さんみたいなディープキス。両備ちゃんのキスは、ほんの少しだけ、唇に触れてすぐやめてしまった。

 

 ・・・・・・俺は四季ちゃん以外のメンバー全員とキスをしてしまった。

 

 俺とキスをしたみんなは顔を赤くして部屋から逃げていく。四季ちゃんもいつの間にかいなくなっている。

 

「・・・・・・取りあえず、もう寝ようかな」

 

 俺は混乱しているなか。取りあえず自分に用意されていた部屋に戻って寝ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「うん?」

 

 部屋に戻って、布団を引いて寝ようとしたとき、部屋に誰かが入ってきた。

 

 ・・・・・・この気配は・・・・・・。

 

「何の用だい四季ちゃん」

 

 俺は部屋に入って来た四季ちゃんに話しかける。

 

「あれ? まだ起きてたの? せっかくイッセーちんの寝顔を撮ってブログに載せようと思ったのに」

 

「うん、今寝ようかなと思ってた所だから・・・・・・ブログに載せる?」

 

「そうそう。あたし、ブログやってるんだけど、なかなかランキングが上がらないからみんなの写真を・・・・・・」

 

「成る程ね。だから俺と雪泉さん達のキスした写真も撮ったと言うことか」

 

 俺は四季さんが持ってたスマホの画像を見ながら答える。

 

「ちょっ!? いつの間に!?」

 

「俺の写真を使うのは別にかまわないけど・・・・・・雪泉さん達の写真を勝手に使うのはね・・・・・・」

 

 雪泉さん達のキス写真を俺は総て消去した。・・・・・・勝手に消去したのはちょっと悪いことしたかな。

 

「ああ~!」

 

「ブログに載せるって言っても雪泉さん達に内緒で写真を撮って勝手に使うのはよくないと思うよ」

 

「だけど・・・・・・」

 

「それに四季ちゃんなら自分の力でブログの女王になれるさ」

 

 スマホを返しながら四季ちゃんを励ます。

 

 ・・・・・・何でブログの女王になりたいんだろう。

 

「雪泉さん達だって勢いでキスしたんだし、そんな写真を載せられたくないだろうし」

 

「・・・・・・イッセーちん、雪泉ちんたちが勢いでキスしたと思ってるの?」

 

「えっ?」

 

「言っておくけど、雪泉ちんたちは勢いでキスするような人じゃないよ? 本当に好きな人とでしかしないよ」

 

「そ、そうなの?」

 

 俺はてっきり、勢いでキスしたんだと思っていたんだけど・・・・・・。

 

「そうだよ。いや~イッセーちんってもてるけど鈍感だね」

 

「そうかな? もててるつもりはないんだけど・・・・・・仮に雪泉さん達が俺のことを好きでも、俺じゃあ、雪泉さん達を幸せにすることは出来ないよ」

 

「ど、どうして!?」

 

「・・・・・・俺の手は酷く汚れている。忍びになるために悪忍になり、人を殺していないからと言って俺はたくさんの罪を犯してきた。今は善忍の扱いを受けているけど、そんな俺が誰かを幸せにするなんて・・・・・・それどころか、俺が幸せになることも許されない」

 

 例え、罪を償ってもその罪は十字架となって背負い続けなければ行けない。俺の犯した罪はとても重い。そんな俺が幸せになるなんて・・・・・・。

 

「・・・・・・そんなことないよ」

 

「えっ?」

 

「イッセーちんの手は汚れてなんか無いよ。イッセーちんの手はアタシ達を守ってくれた強くて優しくて綺麗な手だよ。イッセーちんはアタシ達のヒーローだよ! だから、幸せになったらいけないなんて言わないで!」

 

 四季ちゃんは俺の手を優しく握りながら優しく語りかけてくれる。

 

「・・・・・・ありがとう四季ちゃん。俺は少しネガティブになってたよ。これからはこういう考えをしないように気をつけるよ」

 

「うん、そうしようね」

 

「さてと、そろそろ寝ようか。夜更かししすぎるのは体に毒だし」

 

「そ、そうだね・・・・・・ねえ、イッセーちん」

 

 そろそろ寝ようとしている俺に四季ちゃんは顔を赤くしてモジモジして聞いてくる。

 

「どうしたんだい四季ちゃん?」

 

「ええと、一緒に寝て良い?」

 

「いいよ」

 

 何だ。そんなことか。

 

 俺は布団に入り、掛け布団をどけて手招きする。

 

「いいの!?」

 

「うん。添い寝とか慣れてるから」

 

「な、慣れてるんだ」

 

「まあね。みんな何故か俺と一緒に寝たがるんだよね」

 

「そ、そうなんだ・・・・・・」

 

「そんなことよりもう寝ようか・・・・・・おいで」

 

「う、うん・・・・・・」

 

 おそるおそる四季ちゃんは布団の中に入ってくる。

 

「・・・・・・イッセーちん・・・・・・あったかいね」

 

「そうだね。人肌って何か暖かいよな」

 

「うん」

 

「じゃあ、明かりを消そうか。お休み四季ちゃん」

 

 俺は明かりを消して眠りにつく。・・・・・・四季ちゃんの暖かさが心地よい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・イッセーちん、アタシが絶対に落としてみせるからね」

 

 最初はからかったり、雪泉ちんたちの誰が好きか聞き出そうとしただけなのに、いつの間にかアタシが好きになっちゃった。

 

 好きになっちゃったから絶対、イッセーちんの大切な人になってみせるんだ。だから、覚悟してよイッセーちん。

 

 アタシはアタシのこの気持ちを知らないであろう、イッセーちんへと宣言する。

 

 

 

 

 後日、四季のブログが好きな男と両思いにするために色々な努力をする内容になったらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ピピピピピ・・・・・・・

 

 寝る前にセットした目覚ましのアラームが鳴っている。俺は手を伸ばし、アラームを止めようとした。

 

 ムニュ・・・・・・。

 

 伸ばした右手が何か柔らかい物を掴む。・・・・・・なんだろうコレ。

 

 ムニュムニュと何度も触ってみる。

 

 うーん、どこにあるんだ?

 

 俺は空いてている左手を伸ばす。

 

 すると、左手もムニュリと何か柔らかい物を掴む。

 

 ・・・・・・この部屋にこんな柔らかいものあったっけ?

 

 取りあえず何か分かるまで触ってみることにした。

 

 ・・・・・・なんだろう餅みたいにもっちりとしていてすごい弾力がある。

 

「・・・・・・ぅん」

 

「はあ・・・・・・ん」

 

 何か艶めかしい女の子の声が聞こえる・・・・・・分かった。俺が触っているのは・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 おっぱいだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと待て!」

 

 何で俺はおっぱいを揉んでいる!? 誰のおっぱいを揉んでいる!? 四季ちゃんのか!? 俺は寝ぼけて何をやってるんだよ! 殺されるぞ!?

 

 俺は目を開けて、四季ちゃんの反応を見てみることにした・・・・・・・って!

 

「なんじゃこりゃ!」

 

 俺は目の前の光景を疑った。俺の右手は全裸の両奈ちゃんの胸を揉んでいて、左手は少しパジャマがはだけている美野里ちゃんの胸を揉んでいた。あと、寝るときはパジャマだった四季ちゃんが下着姿になっていた。

 

 何でこんな事に!? というか両奈ちゃんと美野里ちゃんはいつの間に侵入したんだ!?

 

 というか、この状況は非常にまずい! これを真面目な夜桜さんと雪泉さんが見たら絶対に誤解する!

 

 取りあえず、布団から抜けだそう。

 

 俺は三人を起こさないように気をつけながら何とか布団から抜け出す。

 

「だけど、何で俺は気がつかなかったんだ?」

 

 俺はふたりが布団に入ってきたことに気がつかなかった。昔は誰かが部屋に入ってきた時点で目が覚めたのに・・・・・・。

 

「ぅんお兄ちゃん・・・・・・」

 

「ご主人様・・・・・・」

 

「イッセーちん・・・・・・」

 

 三人は寝言を言っている。ふふ、可愛いな。

 

 俺は思わず三人の頭を撫でる。ってこんな事をしてる場合じゃないな

 

「いけないいけない。速くこの状況を・・・・・・」

 

「イッセー、朝ご飯が出来たぞ・・・・・・」

 

 すると、タイミングが悪く、部屋に夜桜さんが入ってきてしまった。

 

 夜桜さんは全裸の両奈ちゃん、下着姿の四季ちゃん、服がはだけている美野里ちゃんを見て固まっている。俺もどう言い訳したら信じてくれるか考えていて身動きできない

 

 少しして夜桜さんは答えを導いたのか、顔を真っ赤にしてぷるぷると怒りに震えていた。や、やばいかも!

 

「よ、夜桜さ・・・・・・・」

 

「こ、この不埒者!!!!!!!!!!!」

 

 急いで言い訳しようとしたが、その前に夜桜さんの拳が俺の腹に刺さる。

 

 さて、俺はもう一度寝るか・・・・・・寝ると言うより、気絶だけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「す、すまん! イッセー!!」

 

 目が覚めると、いきなり夜桜さんに謝られた。どうやら俺が気絶してる間に両奈ちゃん達に事情を聞いたらしい。

 

 誤解が解けてよかったな。

 

 ちなみに両奈ちゃん達は縄で縛られて膝に石畳を乗せて正座している。雪泉さん達が与えた罰らしい。・・・・・・両奈ちゃんだけ恍惚とした表情になっているけど。

 

「いえ、こういうの慣れてるんで別に気にしてないですよ」

 

「な、慣れてる?」

 

「まあ、ああいう疑われる状況によく巻き込まれてるから」

 

「そ、そうなのか・・・・・・」

 

 俺は頭をかきながら説明するが、夜桜さんは軽く引いていた。

 

「しかし、俺はどうしたんだろうな」

 

「? どうしたんじゃ?」

 

「ええと、俺、昔は部屋に誰かが入ってきた時点で起きてたんだけど、最近は誰かが布団に入って来ても気がつかないことが多くて・・・・・・」

 

 俺は悩みを夜桜さんに告げる。夜桜さんは何て言うかな?

 

「それはたぶん、イッセーが安心しているということじゃろ」

 

「あ、安心している?」

 

「うぬ。お主は最初は周りに対して警戒心が強かった。だが、今は警戒する相手がいないから起きないんじゃろ」

 

「ああ、成る程」

 

 夜桜さんに言われて気がついた。確かに悪忍になったときは復讐の事しか考えてなくて、周りも敵ばかりだと思ってた。だけど、焔達と出会ってから段々と復讐のことを考えなくなり、飛鳥と再会して悪忍としての生き方に揺らいで、斑鳩さん達と出会い彼女たちの悲しみを知った。復讐の相手が分かり自暴自棄になりそうだったのを総司達が止めてくれた。

 

 俺は良い仲間と出会った。その仲間が俺に安心して暮らせる場所を与えてくれたんだな。

 

「さて、イッセー、朝ご飯を温め直して貰ったから食べるんじゃ」

 

「そういえば、朝ご飯食べてなかったですね。いただきます」

 

 あんな騒ぎがあって忘れてたけど、ご飯食べてなかったな。

 

 温め直して貰った朝ご飯に箸を延ばす。

 

「夜桜ち~ん、もう許して~」

 

「痛いよ~お腹すいたよ~」

 

「はあはあ、もっともっと~」

 

 四季ちゃんと美野里ちゃんは涙目でお願いしてくる、両奈ちゃんは・・・・・・うん、放っておこう

 

「夜桜さんそろそろ許してあげましょうよ」

 

「・・・・・・それもそうじゃな」

 

 俺と夜桜さんは三人の膝の上に乗っている石畳をどかして、みんなでご飯を食べた。

 

 

 

 

 

 食事を終えて、使わせて貰った部屋の簡単な掃除をした。そして、帰る準備をして半蔵学院に帰ろうとした。

 

 帰る前、雪泉さん達が見送ってくれた。

 

「みなさん、二日間お世話になりました」

 

「はい、またお越しください」

 

「はい! また来ます」

 

 俺はお礼を言い、死塾月閃女学館を後にしようとしたら、服の裾を誰かに掴まれる。

 

「美野里・・・・・・ちゃん?」

 

「本当に・・・・・・又きてくれるのお兄ちゃん?」

 

「うん、夏休みは無理かもしれないけど、冬休みにはこれるかな」

 

 どうやら、美野里ちゃんは本当に又来てくれるのか不安になったらしい。

 

「分かった・・・・・・」

 

「絶対に会いに来るから。約束するよ」

 

 俺は美野里ちゃんの頭を優しく撫でる。

 

「夜桜さん、俺も探せる範囲内で探すので諦めないでください」

 

「うぬ」

 

「叢さん、あなたには漫画の才能があります。だから頑張って夢を叶えてください」

 

「・・・・・・ああ」

 

 そして、俺は夜桜さん、叢さんに一言言っておく。

 

「四季ちゃん、君なら、自分の力でブログの女王になれるからね」

 

「うん、頑張ってみるよ」

 

「両備ちゃんは・・・・・・」

 

 四季ちゃんにも一言言って、両備ちゃんの方に体を向けた俺は両備ちゃんの頭を撫でた。

 

 

「ちょっ! 何するのよ!」

 

「お前は一人で何もかも抱え込むなよ」

 

「うっさい! そんなのは分かってるわよ!」

 

 頭を撫でられた両備ちゃんは恥ずかしかったのか、顔を赤くしてそっぽを向く。

 

「ねえねえ、ご主人様、また、すっごい気持ちいいことしてくれますか?」

 

 両奈ちゃんは何かを期待している。そんな両奈ちゃんに俺は顔を近づけてささやく。

 

「そうだな。今度会うまで、いじめられるのを我慢したらすっごい気持ちいい事をしてあげよう」

 

「きゃうん! 分かった! 両奈ちゃん! 絶対に我慢するから次会ったときたくさんいじめてくださいご主人様!」

 

「ああ、言いつけを守れたらの話しだけどな」

 

 両奈ちゃんはとても嬉しそうにしている。・・・・・・何でだろう。少し、興奮する。

 

「雪泉さん」

 

「はい」

 

「今度会ったとき、雪泉さんの舞が見たいです。戦うための舞じゃなくて、雪泉さんが楽しんで踊るまいが見たいです」

 

「分かりました。最高の舞をお見せします」

 

「はい、楽しみにしています」

 

 雪泉さんには一言と言うより、お願い事だったけど。

 

「では、失礼します。また、今度会いましょう!」

 

「はい、イッセーさんもお気を付けて」

 

「ええ」

 

 足に力を込めて一気に跳躍して、死塾月閃女学館を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・・・・この時、俺は知らなかった。雪泉さん達と次にあったとき、戦うことになるなんて。




ひさしぶりの更新になってしまいすいません。


夜桜達のフラグを立てるのが少し難しかったです。

そして、コレを描いている内にゴーストが始まったり、ニンニンジャーでジライヤやマジイエローが出たり、シュリケンジャーが出たりと色々とありました。

さてと、次回予告です。

夏休みになり、無人島で合宿を行うことになった一閃達。

船での暇つぶし、そして島に着いてからのお楽しみ、そしてお楽しみの海水浴。

だが、飛鳥達の水着姿で砂浜が血に染まる・・・・・・

そして、夜は合宿恒例の・・・・・・

次回、夏だ! 海だ! 水着だ! そして、覗きだ!・・・・・・えっ?
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