一閃SIDE
未来がやってきて数日後、俺は道元様から与えられた任務を遂行して、蛇女に戻ろうと帰路についている。
「ふうっ、今回の任務は割と簡単だったな……うん?」
山道を歩いていると、二人の少女が倒れているのを見つけた。脈をとってみる……行き倒れているだけらしい。一人は俺や焔と同じぐらい年の黒の長い髪の女の子。そして未来と同じぐらいの年の白い髪の女の子。
この二人には普通の人にはないものが生えていた。それは、猫の耳に猫のしっぽだった。この子たちは何者だ?
……とりあえず、安全なところに連れて行くか。
「う~ん、ここは?」
「あ、気がついた?」
「っ!」
俺は二人を誰も使用していない民家に連れて行き、介抱した。黒髪の子が目を覚ますが、俺を警戒して白い髪の女の子をかばった。
「お、落ち着いて! 何もしないから! とりあえず、これ飲んで落ち着いて!」
俺は野草で作ったスープを差し出す。だが、まだ警戒している様子。そんな女の子の前で、俺はお椀にすくったスープを飲む。
その様子を見た黒髪の子は恐る恐るスープを飲んだ。
「っ! おかわり頂戴にゃ……」
「はいよ」
俺は言われたとおりお椀にお代りをよそった。にゃ?
いつの間にか、白髮の女の子もスープを飲んでいた。
それで、二人から話を聞くと、二人は猫又と呼ばれる妖怪の一種で、親を亡くした二人は日本を彷徨ってあそこで行き倒れていたらしい。
「ええと、驚かないのかにゃ?」
「まあね、俺の存在も信じられないって存在だから」
「「??」」
俺も簡単に忍の存在。善忍や悪忍ついて説明した。そして、俺が悪忍であることも。
「なるほどにゃ。たまたま、あそこを通って助けてくれたのかにゃ」
「ああっ、それで、君たちはこれからどうするんだ? 帰るところないんだろう?」
「そうなんだにゃ………」
「…………」
二人は悲しそうな顔をしている。なら……。
「なら、俺と一緒に来ないか?」
「「えっ?」」
俺の提案に二人は目を丸くしていた。
「悪忍は善より寛大なんだ。誰でも忍になれる。まあ、耐えられればの話だけどな」
「い、いいのかにゃ? 見ず知らずの私達に……」
「いいんだよ。俺がそうしたいんだから……って、うわっ!」
すると、突然二人が抱きついてきた。な、何なの!?
「ありがとうにゃ!」
「…………ありがとうございます」
「い、いいって。あ、俺の名前は……兵藤一誠。忍びの時は、一閃って名乗ってる」
あえて、俺は本当の名前も名乗った。そうしないと、俺が兵藤一誠だということを忘れてしまいそうになる。
「黒歌にゃ。よろしくにゃ!」
「……白音です。よろしくお願いします」
「じゃあ、よろしくな。黒歌、白音」
新たに仲間が二人できました。
「ということなので、この二人を蛇女に入れたいのですが」
俺は蛇女に帰ると、道元様に二人のことを報告した。二人が猫又だということは黙っていた。
「いいだろう。かわいい息子の頼みを断れるわけ無いだろう」
「ありがとうございます。では、失礼します」
俺は礼を言って下がろうとしたが、
「待つんだ一閃」
道元様に呼ばれた。
「何ですか道元様?」
「君にある子たちを見て貰いたい。君のように忍の家系ではなく、才能を持っている子たちだ。そこの二人と合わせてチームを作りなさい」
「……わかりました」
俺は道元様に言われてその場所に行った。
……控え室……
「たのもー!」
俺が勢い良く入ると、そこに蒼い髪のツインテールの女の子がいた。あれ? 確か二人いるって言っていたけど……ああ、なるほどね。
「ええと、君が道元様が言っていた子かな?」
「はい、水無月といいます。よろしくお願いします」
「よろしくね。もうひとりは……天井から俺を狙っているのかな?」
「っ!」
水無月ちゃん(何歳かわからない)は驚いていた。天井にいた子は、俺に指摘されて降りてきた。そのこは水無月ちゃんと同じ顔だった。違うところといえば、髪が赤いところかな? たぶん、双子なんだろう。
「ええと、私は皐月です。水無月は双子の姉です。中等部の一年生です」
「よろしくな。皐月ちゃん。俺は一閃。一応、君たちの所属する部隊のリーダーだよ」
「あの、一閃様。よろしいでしょうか?」
「うん? なんだい、水無月ちゃん」
すると、水無月ちゃんが顔を曇らせて聞いてきた。なんだろうな。
「あの、なぜ自分の命を狙ったか聞かないのですか?」
「う~ん、俺の力量を見るためとかそんなところじゃない?」
「そ、そのとおりです……あと、私たちは」
「俺を見張るために道元様が用意した。だろ?」
「っ!」
俺の更なる指摘に指摘に驚く二人。そんなに驚くことか?
「な、なら、何故我々を殺さないのですか?」
「何でって……当たり前じゃないか仲間なんだから」
何でそんなことを聞くんだろう。
だけど、俺の発言にさらに皐月ちゃんと水無月ちゃんは驚いていた。
「な、仲間ですか?」
「私たちを仲間と認めてくれるんですか?」
「当たり前だよ。俺たちは蛇女子学園の仲間だ。俺は絶対に仲間を殺さない。例え、俺が殺されてもな」
俺は笑いながら言うが、二人はポロポロと涙を流していた。
「えっ!? ふ、二人ともどうしたの!?」
「そ、その初めてだったんです。仲間と言われたのが……」
「ずっと、二人だけで生きてきましたから……」
そうだったんだ。昔は孤独だった。だけど、これからは違う。
「大丈夫だよ。俺たちは仲間だ。あっ、そうだ。ほかのメンバーを紹介するよ。黒歌、白音!」
「はいにゃ~」
「……失礼します」
俺は外に待機させておいた二人を呼んだ。
「この二人は君たちと同じチームメンバーの黒歌に白音だ。黒歌、白音聞いていたかも知れないが、皐月に水無月だ」
「よろしくにゃ~」
「よろしくお願いします」
「よろしく」
「よろしくね」
四人は、仲良く握手していた。だけど、俺は神妙な顔で四人に聞いた。
「君たちに聞く。本当に悪忍なるのかい? 悪忍になる覚悟はあるか?」
悪忍の仕事は犯罪だ。俺は出来たらこの子達にはそんな道に進んでほしくない。
「もちろんなるにゃ!」
「……一閃兄様からもらった恩を返します」
「私はどんなことが起きようと一閃様にお仕えします」
「私も同じく」
黒歌と白音は当たり前の用にいい、皐月と水無月は跪いた。
「分かった。なら、俺たちのチームの掟を発表する」
「「「「掟?」」」」
「ああ、一つ目、自分の命を軽く見ないこと。二つ目、決して人を殺さないこと。三つ目、仲間を見捨てないこと。四つ目、何があっても生き抜くこと。これが俺たちの掟だ」
「悪忍なのに人を殺さないって……」
「そこが一閃兄様らしいですね」
「「仰せのままに」」
黒歌と白音は少し呆れたように、皐月と水無月は特に反対しなかった。
「それで、一閃様。チーム名はどのような名を?」
「ああ、もう考えてるよ。一閃閃鬼隊っていうのはどうだ?」
自分の名が入ってるのは恥ずかしいが、これがいいかなって思ったんだよな。
「わたしはそれでいいにゃ!」
「……同じく」
「「いいと思います」」
四人とも特に反対しなかった。なら、
「じゃあ、今日より、一閃閃鬼隊、始動!」
「「「「おー!」」」」
今回は、黒歌、白音を出しました。
次回はついに半蔵メンバー登場します!
ええと、シノビバーサスの戦いはいつだそうか迷っています。
NEWウェーブのキャラも半蔵学院と蛇女メンバーは出す予定です。