忍になりしイッセー   作:汰灘 勇一

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第七話「再会②」

飛鳥SIDE

 

 私たちは某有名ハンバーガーショップでお昼を食べて、そのまま色々話すことになった。

 

 六人席で座り、席順は、イッセー君、私、斑鳩さん。反対側にかつ姉、柳生ちゃん。ひばりちゃん。の順に座ってる。

 

「ええと、イッセー君。この人たちはさっき言ったように、私とおなじ半蔵学院の学生で……」

 

「斑鳩です。クラス委員をしています」

 

「斑鳩さんですね。よろしくおねがいします!」

 

「こちらこそ、よろしくお願いします」

 

 イッセー君は礼儀よく挨拶している。斑鳩さんも礼儀よく挨拶している。

 

「あたいは葛城、飛鳥にはかつ姉って呼ばれてるよ」

 

「葛城さん……いや、俺もかつ姉って呼んでもいいですか?」

 

「ああ、構わねえ」

 

 かつ姉ともニコニコと握手している……。

 

「……柳生だ。よろしく」

 

「ひばりだよ~」

 

「ええと、柳生ちゃんに雲雀ちゃんか。よろしくね」

 

 ……柳生ちゃんと雲雀ちゃんとも仲良くなってる。昔からイッセー君は誰でもすぐに仲良くなれたからね……。

 

「やっぱ、飛鳥は善忍になってたんだな」

 

「うん」

 

「……ごめんな、約束守れないで」

 

 すると、イッセー君は申し訳なさそうな顔で謝った。

 

「い、いいよイッセー君! わ、私はイッセー君と会えただけでもうれしいから」

 

「飛鳥……ありがとうな。それにしても。飛鳥はずいぶんと可愛くなったな」

 

「ふえっ!?」

 

 私はイッセー君の一言に赤面してしまった。か、可愛い!? わ、私が?

 

「あれ? どうした飛鳥。顔が赤いけど、熱でもあるのか?」

 

「う、ううん! 何でもないよ! い、イッセー君もか、カッコ良くなったね……」

 

「まあな、一応、忍になるため強くなろうって思って剣道をやってたから」

 

「そ、そうなんだ……」

 

 道理で……あれ? かつ姉が目を輝かせなかった?

 

「へ~、お前、強いのか?」

 

「ちょっ!? かつ姉!?」

 

「ははっ、無理ですよ。忍学科の生徒さんに勝てるわけないですよ」

 

 イッセー君は苦笑しながら宥めた。

 

「ね、ねえ。イッセー君、ひとつ聞きたいことあるんだけど、いいかな?」

 

「別にいいけど、何だ?」

 

「そ、その、イッセー君、彼女いる?」

 

 私はどうしても聞きたかったことを聞いた。い、いないといいな……いたら、ショックだな。

 

 みんなも、興味津津といった顔で答えを待っていた。

 

「いないけど……どうかしたのか?」

 

「そう……よかった……」

 

 私はほっと安心した。それなら、まだ私にもチャンスはある!

 

「そういえば、飛鳥、半蔵さまは元気か?」

 

「うん、元気だよ! 相変わらず、毎日お寿司を作ってるよ」

 

「そうか……久しぶりに半蔵さまのお寿司が食べたくなったな」

 

「イッセー君、じっちゃんの作ったお寿司が大好きだったからね」

 

 小さいころ、よくじっちゃんは私たちにお寿司や太巻きをごちそうしてくれた。イッセー君はおいしいと言ってたくさん食べてたな。

 

「あの頃はよかったよな。半蔵さまに忍術を教わって……飛鳥より俺のほうが手裏剣投げうまかったよな?」

 

「じゃあ、今度勝負する?」

 

「いや、今の俺じゃあ勝てないよ。今の俺は一般人だからな。飛鳥のほうがうまいだろ」

 

 ……それはそうだけど……。

 

 ぴぴぴっ! ぴぴぴっ!

 

「あっ、ごめん! 俺だ。はい、もしもし? 白音か?」

 

 そしたら、イッセー君の携帯が鳴りだした。イッセー君、携帯持ってたんだ。

 

「わかった。じゃあな……。悪い、飛鳥。急用ができて帰らないといけなくなった」

 

「う、ううん。気にしないで。それより、イッセー君、携帯の番号とメアドを交換しない?」

 

「ああ、いいぜ」

 

 私は携帯を取り出し、赤外線で番号とメアドを交換した。やった! これで、イッセー君とつながっていられる。

 

「じゃあ、俺はここで失礼します。飛鳥、半蔵学院のみなさん、またいつか、どこかで会いましょう」

 

 そう言ってイッセー君は荷物をまとめて帰って行った。……また、会えるよね、イッセー君。

 

 

イッセー(一閃)SIDE

 

 俺は誰も後をつけていないのを確認して気を緩めた。

 

「ふう、よくばれなかったな。まあ、たまたま飛鳥たちと会って驚いたけど、俺が悪忍だってことがバレなくてよかったな」

 

 浅草に来てみたのはよかったけど、会えるとは思ってもいなかった。浅草も広いからな。

 

「それにしても、飛鳥、可愛くなってたな……」

 

 本当に飛鳥は可愛くなっていた。あれなら、彼氏がすぐできるだろう。

 

「はあ、飛鳥と付き合えたら……って! 何考えてるんだよ、俺! 俺は悪忍、飛鳥は善忍、相反するものだ! 仲良くなんてできるはず、ないんだ……」

 

 その通り、俺たちは戦う運命となっている。殺しあわないといけないのかもしれない。

 

「……つらいな、やっぱ、会わなければよかったのか?」

 

 俺はそう考えてしまった。会わなければこんなつらい思いをしないで済んだ。だけど……。

 

「やっぱり、会いたい。……あいつらの前では兵藤一誠としていたいな」

 

 忍として戦うときは……覚悟しないとな。




はい、今回は悪忍としての定めに苦しむイッセーを書きました。イッセーと飛鳥。この二人には過酷な運命が待っているのか。
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