飛鳥SIDE
私たちは某有名ハンバーガーショップでお昼を食べて、そのまま色々話すことになった。
六人席で座り、席順は、イッセー君、私、斑鳩さん。反対側にかつ姉、柳生ちゃん。ひばりちゃん。の順に座ってる。
「ええと、イッセー君。この人たちはさっき言ったように、私とおなじ半蔵学院の学生で……」
「斑鳩です。クラス委員をしています」
「斑鳩さんですね。よろしくおねがいします!」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
イッセー君は礼儀よく挨拶している。斑鳩さんも礼儀よく挨拶している。
「あたいは葛城、飛鳥にはかつ姉って呼ばれてるよ」
「葛城さん……いや、俺もかつ姉って呼んでもいいですか?」
「ああ、構わねえ」
かつ姉ともニコニコと握手している……。
「……柳生だ。よろしく」
「ひばりだよ~」
「ええと、柳生ちゃんに雲雀ちゃんか。よろしくね」
……柳生ちゃんと雲雀ちゃんとも仲良くなってる。昔からイッセー君は誰でもすぐに仲良くなれたからね……。
「やっぱ、飛鳥は善忍になってたんだな」
「うん」
「……ごめんな、約束守れないで」
すると、イッセー君は申し訳なさそうな顔で謝った。
「い、いいよイッセー君! わ、私はイッセー君と会えただけでもうれしいから」
「飛鳥……ありがとうな。それにしても。飛鳥はずいぶんと可愛くなったな」
「ふえっ!?」
私はイッセー君の一言に赤面してしまった。か、可愛い!? わ、私が?
「あれ? どうした飛鳥。顔が赤いけど、熱でもあるのか?」
「う、ううん! 何でもないよ! い、イッセー君もか、カッコ良くなったね……」
「まあな、一応、忍になるため強くなろうって思って剣道をやってたから」
「そ、そうなんだ……」
道理で……あれ? かつ姉が目を輝かせなかった?
「へ~、お前、強いのか?」
「ちょっ!? かつ姉!?」
「ははっ、無理ですよ。忍学科の生徒さんに勝てるわけないですよ」
イッセー君は苦笑しながら宥めた。
「ね、ねえ。イッセー君、ひとつ聞きたいことあるんだけど、いいかな?」
「別にいいけど、何だ?」
「そ、その、イッセー君、彼女いる?」
私はどうしても聞きたかったことを聞いた。い、いないといいな……いたら、ショックだな。
みんなも、興味津津といった顔で答えを待っていた。
「いないけど……どうかしたのか?」
「そう……よかった……」
私はほっと安心した。それなら、まだ私にもチャンスはある!
「そういえば、飛鳥、半蔵さまは元気か?」
「うん、元気だよ! 相変わらず、毎日お寿司を作ってるよ」
「そうか……久しぶりに半蔵さまのお寿司が食べたくなったな」
「イッセー君、じっちゃんの作ったお寿司が大好きだったからね」
小さいころ、よくじっちゃんは私たちにお寿司や太巻きをごちそうしてくれた。イッセー君はおいしいと言ってたくさん食べてたな。
「あの頃はよかったよな。半蔵さまに忍術を教わって……飛鳥より俺のほうが手裏剣投げうまかったよな?」
「じゃあ、今度勝負する?」
「いや、今の俺じゃあ勝てないよ。今の俺は一般人だからな。飛鳥のほうがうまいだろ」
……それはそうだけど……。
ぴぴぴっ! ぴぴぴっ!
「あっ、ごめん! 俺だ。はい、もしもし? 白音か?」
そしたら、イッセー君の携帯が鳴りだした。イッセー君、携帯持ってたんだ。
「わかった。じゃあな……。悪い、飛鳥。急用ができて帰らないといけなくなった」
「う、ううん。気にしないで。それより、イッセー君、携帯の番号とメアドを交換しない?」
「ああ、いいぜ」
私は携帯を取り出し、赤外線で番号とメアドを交換した。やった! これで、イッセー君とつながっていられる。
「じゃあ、俺はここで失礼します。飛鳥、半蔵学院のみなさん、またいつか、どこかで会いましょう」
そう言ってイッセー君は荷物をまとめて帰って行った。……また、会えるよね、イッセー君。
イッセー(一閃)SIDE
俺は誰も後をつけていないのを確認して気を緩めた。
「ふう、よくばれなかったな。まあ、たまたま飛鳥たちと会って驚いたけど、俺が悪忍だってことがバレなくてよかったな」
浅草に来てみたのはよかったけど、会えるとは思ってもいなかった。浅草も広いからな。
「それにしても、飛鳥、可愛くなってたな……」
本当に飛鳥は可愛くなっていた。あれなら、彼氏がすぐできるだろう。
「はあ、飛鳥と付き合えたら……って! 何考えてるんだよ、俺! 俺は悪忍、飛鳥は善忍、相反するものだ! 仲良くなんてできるはず、ないんだ……」
その通り、俺たちは戦う運命となっている。殺しあわないといけないのかもしれない。
「……つらいな、やっぱ、会わなければよかったのか?」
俺はそう考えてしまった。会わなければこんなつらい思いをしないで済んだ。だけど……。
「やっぱり、会いたい。……あいつらの前では兵藤一誠としていたいな」
忍として戦うときは……覚悟しないとな。
はい、今回は悪忍としての定めに苦しむイッセーを書きました。イッセーと飛鳥。この二人には過酷な運命が待っているのか。